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保育士資格を通信で取る|大学・短大の通信課程と試験の違い

@SOHO編集部
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保育士資格を通信で取る|大学・短大の通信課程と試験の違い

この記事のポイント

  • ✓保育士免許を通信で取る方法は
  • ✓指定保育士養成施設の通信課程を卒業する道と
  • ✓保育士試験に合格する道の2つです

「保育士免許を通信で取りたい」と調べると、大学の通信教育部の案内と、資格の通信講座の広告が混ざって出てきます。どちらも「通信」ですが、中身はまったく違います。結論から言うと、通信で保育士になる道は、指定保育士養成施設の通信課程を卒業する道と、通信講座などで独学して保育士試験に合格する道の2つです。

この記事では、2つの道の違い、それぞれにかかる期間と手間、試験の受験資格や科目、すでに持っている資格で近道ができる人の条件を、こども家庭庁と試験を実施する全国保育士養成協議会の公表資料で確かめながら整理します。自分に合う道を選んで、次に何を申し込めばよいかが分かるところまでを目指します。

「保育士免許」ではなく「保育士資格」。通信で取る道は2つ

最初に言葉を整理します。日常では「保育士免許」と呼ばれることが多いのですが、制度上の名前は「保育士資格」です。保育士は児童福祉法で定められた国家資格で、都道府県に登録を受けた人だけが「保育士」と名乗れます。名前を名乗れることを法律で守っている資格なので、名称独占資格とも呼ばれます。教員免許のように「免許状」が交付されるわけではなく、登録が済むと保育士登録証が交付されます。

保育士資格を取る方法は、児童福祉法で2つに決められています。

  • 都道府県知事が指定した保育士を養成する学校その他の施設(指定保育士養成施設)を卒業する
  • 保育士試験に合格する

指定保育士養成施設とは、保育士を育てるために国の基準を満たし、都道府県知事の指定を受けた大学・短期大学・専門学校などのことです。ここを卒業すれば、試験を受けずに保育士資格を得られます。この養成施設の中に、通学しなくても学べる「通信教育課程」を持つ学校があります。これが1つ目の通信の道です。

2つ目は保育士試験です。試験は誰でも受けられるわけではなく、学歴や実務経験による受験資格があります。試験の勉強のしかたは自由で、市販の参考書で独学しても、民間の通信講座を使っても構いません。広告でよく見かける「保育士の通信講座」は、この試験に合格するための教材とサポートを売るものです。講座を修了しても資格はもらえず、最後は試験に合格する必要があります。

比べる点 指定保育士養成施設の通信課程 通信講座で学んで保育士試験
資格が得られる条件 卒業 試験の全科目に合格
学ぶ場所 大学・短大・専門学校 民間の講座、独学
実習 あり(保育所や児童福祉施設) なし
試験 なし 筆記9科目と実技2分野
期間の目安 2年以上 学習の進み方しだい

この表のとおり、通信課程は「卒業すれば資格」、通信講座は「合格のための道具」です。同じ通信でも、かかるお金と時間、必要な手間の種類が違います。以下で順番に見ていきます。

数字で見る保育士資格の取り方と人手の状況

こども家庭庁の保育のページで公表されている「保育士資格取得方法」の資料には、資格の取り方ごとの人数がまとめられています。令和8年4月1日現在の保育士の登録者数は1,989,966人です。指定保育士養成施設は令和7年4月1日現在で大学284か所、短期大学219か所、専修学校153か所、その他11か所の合計667か所あります。令和6年度に養成施設で資格を取った人は29,432人でした。

保育士試験のほうは、令和7年度の受験申請者が54,807人、全科目に合格した人が12,617人です。このうち1,996人は、幼稚園教諭免許状などを持っていて筆記も実技も全部免除になった人です。免除を除いた受験者の合格の割合は2割程度で、1回で全科目に受かる人ばかりではないことが分かります。

養成施設の一覧(令和7年4月1日時点)を見ると、開講形態が「通信教育制」になっている課程は23あります。そのうち5課程は募集停止と書かれているので、新しく入学できるのは18課程です。令和6年4月1日時点の一覧には課程ごとの資格取得者数が載っていて、通信教育制の課程で保育士資格を取った人を合計すると1,080人になります。養成施設全体のうちの4%弱で、通信課程は数としては少数派ですが、社会人や子育て中の人の受け皿になっています。

働き口の面では、こども家庭庁の資料によると、令和8年7月の保育士の有効求人倍率は2.80倍で、全職種平均の1.15倍を大きく上回っています。有効求人倍率とは、仕事を探している人1人に対して求人がいくつあるかを示す数字です。保育士は、資格を取ったあと働き先が見つからないという心配が比較的小さい職種だと言えます。ただし、地域によって差があり、同じ資料では前年より倍率が下がっている道県もあります。住んでいる地域の状況は、ハローワークや保育士・保育所支援センターで確かめると確実です。

道1:大学・短大・専門学校の通信課程で卒業する

通信課程の学び方

通信課程では、自宅でテキストを読んでレポートを出し、科目ごとの試験を受けて単位を積み上げます。学校によっては、動画の授業やオンラインの試験を取り入れています。ただし、すべてが自宅で完結するわけではありません。多くの学校で、決められた日に校舎や会場に通って授業を受けるスクーリングがあり、保育士の課程では実技の授業もあります。

最大の山場は保育実習です。保育実習とは、保育所や乳児院、児童養護施設などの児童福祉施設で、実際に子どもと関わりながら学ぶ期間のことです。指定保育士養成施設を卒業して資格を取る道では、実習が欠かせません。実習は平日の日中に続けて行われるのが普通で、働いている人は有給休暇をまとめて取るなどの調整が必要になります。入学前に、その学校の実習の時期と日数、実習先を自分で探す必要があるかどうかを必ず確認してください。

入学できる人と期間

短期大学や専門学校の通信課程は、高校を卒業していれば入学できるのが一般的です。修業年限は2年以上で、短大や大学をすでに卒業している人は、入学時に単位を認めてもらって年数が短くなることもあります。4年制大学の通信課程は、卒業すると学士の学位も得られます。

忙しい社会人の場合、最短の年数で卒業できるとは限りません。レポートの提出や単位の試験が予定どおり進まず、在籍を延ばす人もいます。学費は学校ごとに大きく違い、入学金や授業料のほかに、スクーリングの交通費、実習の費用、教材費がかかります。学費の総額は、各校の募集要項で年数ごとに計算しておくと、途中で困りません。

幼稚園教諭免許状も同時に取れる課程がある

養成施設の一覧には「幼免取得」という欄があり、通信教育制の課程の多くで「可」と書かれています。保育士資格と一緒に幼稚園教諭免許状も取れるという意味です。認定こども園で働く保育教諭は原則として両方が必要なので、将来の働き方を広げたい人には大きな利点です。一方で、両方を取るぶん履修する科目と実習が増えます。どちらか一方でよいのか、両方を狙うのかを決めてから学校を選ぶと、無理のない計画になります。

通信課程が向いている人

通信課程は、試験の一発勝負が苦手で、時間がかかっても確実に資格を取りたい人に向いています。実習を通して現場を経験できるので、保育の仕事が自分に合うかを確かめながら進められるのも利点です。反対に、実習の期間に仕事を休めない人や、1年以内に資格を取りたい人には負担が大きくなります。

道2:通信講座で学んで保育士試験に合格する

受験資格を最初に確かめる

保育士試験は、受験資格を満たしていないと申し込めません。全国保育士養成協議会の受験資格のページでは、主に次のような人に受験資格があるとしています。

  • 大学に2年以上在学して62単位以上修得した人
  • 短期大学を卒業した人、または最終学年で卒業見込みの人
  • 修業年限2年以上の専修学校の専門課程を卒業した人
  • 高校を卒業し、児童福祉施設で2年以上かつ2,880時間以上、子どもの保護に従事した人
  • 児童福祉施設で5年以上かつ7,200時間以上、子どもの保護に従事した人

大学や短大は、学部や学科が保育と関係なくても構いません。平成3年3月31日以前に高校を卒業した人は、経過措置として受験資格があります。それ以降に高校を卒業した人は、学歴だけでは受験できず、施設での実務経験が必要です。認定こども園の一部の型や認可外保育施設、放課後児童クラブで働いた経験は、都道府県知事による受験資格の認定が必要になる場合があります。自分が当てはまるかどうかは、申し込みの前に受験資格のページで確かめてください。

通信制の大学で学んでいる人も受験資格を得られます。協議会のよくある質問のページには、次のように書かれています。

学校教育法に基づいた大学の「大学通信教育設置基準」を満たす通信教育の課程であれば、大学の通学課程の受験資格と同様です。 出典: 全国保育士養成協議会 よくある質問

高校卒業で実務経験がない人は、通信制の大学に入って62単位を修得し、受験資格を得てから試験を受けるという進み方もあります。

試験科目と合格の基準

試験は筆記試験と実技試験の2段階です。筆記はマークシート方式で、次の9科目を2日間で受けます。

  • 保育の心理学、保育原理、子ども家庭福祉、社会福祉(各100点)
  • 教育原理、社会的養護(各50点)
  • 子どもの保健、子どもの食と栄養、保育実習理論(各100点)

各科目で満点の6割以上を取れば合格です。注意したいのは教育原理と社会的養護で、この2科目は同じ回の試験で両方とも6割以上を取らないと合格になりません。片方だけ6割を超えても、次の回は両方を受け直すことになります。

筆記の全科目に合格すると実技試験に進めます。実技は音楽、造形、言語の3分野から2分野を選び、どちらも50点満点の6割以上で合格です。令和8年後期の言語の課題は「ももたろう」「おむすびころりん」「3びきのこぶた」の中から当日指定された話を、3歳児クラスに向けて3分で語るというものでした。課題は回ごとに発表されるので、受ける回の案内を必ず確認します。

日程と受験料

試験は年に2回あります。令和8年は前期の筆記が4月18日と19日、後期の筆記が10月24日と25日でした。令和9年の前期は筆記が4月17日と18日、実技が6月27日と発表されていて、申し込みの方法と期間は令和8年12月下旬ごろに掲載される予定です。申し込みの期間は試験のおよそ3か月前に3週間ほどしかないので、受けると決めたら協議会のお知らせを定期的に見ておくと安心です。

受験手数料は、筆記か実技のどちらかに受ける科目がある人は12,700円で、ここに支払い方法ごとの事務手数料がかかります。クレジットカードなら合計13,054円、コンビニなら12,975円です。申し込んだあとの返金は、自己都合でも災害による中止でも受けられません。

合格した科目は3年間有効

保育士試験は、1回で9科目すべてに受からなくても構いません。合格した科目は、合格した年を含めて3年間有効で、その間は受け直す必要がありません。たとえば令和8年前期に受かった科目は、令和10年後期まで免除されます。保育所などで働いている人は、一定の条件で有効期間を最長5年まで延ばせる制度もあります。

この仕組みを使えば、1年目は苦手でない科目から4〜5科目に絞り、2年目に残りを受けるといった分割の計画も立てられます。通信講座を選ぶときは、この分割受験に合わせた学習の計画を示してくれるかどうかも判断材料になります。

通信課程と保育士試験を比べてどちらを選ぶか

2つの道は、向いている人がはっきり分かれます。判断の分かれ目は、次の4つです。

  1. 受験資格があるかどうか。高校卒業で実務経験がない人は、そのままでは試験を受けられません。通信課程に入るか、通信制の大学で単位を取るかを選ぶことになります。
  2. 実習の時間を取れるかどうか。通信課程は実習が必須です。仕事や家庭の都合でまとまった平日を空けられない人には、試験の道が現実的です。
  3. 試験に向いているかどうか。9科目を各6割というのは、範囲が広く、法律や制度の暗記も多い試験です。独学が続かない人は、学校の課程のほうが進めやすいことがあります。
  4. 費用と期間。通信講座の受講料は、一般に通信課程の学費より安く収まります。試験に早く受かれば期間も短くなります。一方、何度も不合格が続くと、受験料と時間がかさみます。

大まかに言えば、受験資格があり、実習に時間を割くのが難しく、短い期間で資格を取りたい人は保育士試験に向いています。受験資格がない人、現場での実習を経験してから働きたい人、幼稚園教諭免許状も一緒に取りたい人は通信課程に向いています。迷ったら、まず自分に受験資格があるかを確かめるところから始めると、選べる道が自然に絞られます。

通信講座の選び方とおすすめを見極める点

試験の道を選んだ場合、使う教材は自由です。市販のテキストと過去問題集だけで合格する人もいますが、9科目と実技を1人で計画するのは大変なので、通信講座を使う人も多くいます。講座の広告には「合格者の声」や「おすすめ」の言葉が並びますが、比べるときは次の点を見ると選びやすくなります。

  • 実技試験の対策が含まれているか。筆記だけの講座と、実技まで含む講座があります。音楽や言語の実技に不安がある人は、動画の見本や添削があるかを確かめます。
  • 法改正への対応。筆記試験は、試験のある年の4月1日以前に施行された法令や保育所保育指針などをもとに出題されます。古い教材では制度の数字が合わないことがあるので、年度ごとに教材が改訂されるかを確認します。
  • 学習期間と1日の学習時間の目安。講座によっては、6か月前後で1日2時間程度を目安として示しています。自分の生活に当てはめて、続けられるかを考えます。
  • 質問の受け方と回数。分からないところを質問できるか、回答までに何日かかるかは、独学との一番の違いです。
  • 受講期間の延長や再受講の条件。1回で受からなかったときの扱いは講座ごとに違います。
  • 教育訓練給付の対象か。教育訓練給付とは、雇用保険に入っている人などが指定された講座を受けたとき、受講料の一部が戻る制度です。対象になる講座かどうかは、厚生労働省の教育訓練給付制度のページから講座を検索して確かめます。

口コミは参考になりますが、合格した人の声だけが集まりやすく、途中でやめた人の声は出にくいものです。受講者の満足度より、教材の見本や無料の資料で、自分が続けられそうかを確かめるほうが確実です。

学ぶ内容は違いますが、資格の勉強を続けるコツは分野をまたいで共通しています。たとえば、仕事の文書の書き方を問うビジネス文書検定の資格ガイドでも、出題の範囲と級ごとの目安を最初に把握することから勧めています。保育士試験でも、出題範囲を先に眺めて全体の量をつかんでおくと、計画が立てやすくなります。

試験の道で学習計画を立てる手順

通信講座でも独学でも、保育士試験は計画の立て方で結果が大きく変わります。9科目を同じ重さで勉強しようとすると時間が足りなくなるので、科目の性格に合わせて配分を決めます。

科目を3つの群に分ける

筆記の9科目は、おおまかに3つの群に分けると計画が立てやすくなります。

  1. 制度と法律の群。社会福祉、子ども家庭福祉、社会的養護がここに入ります。法律の名前、施設の種類、統計の数字など、覚える量が多い科目です。福祉の国家資格を持っている人は、この3科目が免除になります。
  2. 保育の考え方の群。保育原理、教育原理、保育の心理学がここに入ります。保育所保育指針の文章や、教育の歴史に出てくる人物と考え方が問われます。指針の原文を何度も読むことが、そのまま得点につながります。
  3. 子どもの体と実践の群。子どもの保健、子どもの食と栄養、保育実習理論がここに入ります。病気や感染症の知識、栄養の数字、楽譜の読み方や保育の実践の場面が問われます。

最初の1か月で3つの群の教材をひと通り読み、どの群が自分にとって重いかをつかみます。そのうえで、重い群に学習時間の半分を充て、残りを他の群に分けると、苦手な科目を後回しにして時間切れになる失敗を避けられます。

過去の試験問題で出題の形に慣れる

全国保育士養成協議会のサイトでは、過去の試験問題が公開されています。マークシートの問題は、選択肢の組み合わせを選ばせる形が多く、知識があっても形に慣れていないと時間が足りなくなります。教材を1周したら、早めに過去の問題を時間を計って解き、どの科目で6割に届かないかを確かめます。6割に届かない科目を優先して教材に戻る、という往復を繰り返すのが、短い時間で合格に近づく進め方です。

実技は筆記の合格前から準備しておく

実技試験は、筆記の全科目に合格した人だけが受けられます。筆記試験の日から実技試験の日までは2か月ほどしかないので、選ぶ2分野は早めに決めておきます。音楽はピアノやギターなどの弾き歌い、造形は指定された場面の絵、言語は子どもに向けたお話です。楽器に慣れていない人は言語と造形を選ぶことが多く、お話は家族や友人に聞いてもらって3分に収める練習ができます。

地域限定保育士という選択肢

保育士試験とは別に、一部の自治体が独自に行う地域限定保育士試験もあります。合格すると、その自治体の中だけで働ける保育士として登録されます。協議会のよくある質問によると、地域限定保育士として登録してから3年が経ち、その業務に1年以上かつ1,440時間以上従事すると、申請により全国で働ける通常の保育士として登録を受けられます。

地域限定の試験は、通常の試験とは別の日程で行われるため、受ける機会を増やしたい人には選択肢になります。一方で、最初の3年間は働ける地域が限られます。引っ越しの予定がある人や、住んでいる地域で実施されていない人には向きません。実施しているかどうかと日程は、各自治体の案内で確かめてください。

持っている資格で近道ができる人

すでに別の資格を持っている人は、保育士試験の一部が免除されます。免除の種類は全国保育士養成協議会の免除制度のページに一覧でまとめられています。通信で学ぶ前に、自分が当てはまるかを確かめておくと、勉強の量が大きく変わります。

幼稚園教諭免許状を持っている人

幼稚園教諭免許状を持っている人は、「保育の心理学」「教育原理」「実技試験」が免除になります。免許の種類(1種、2種、専修)による違いはありません。さらに、幼稚園や認定こども園などで一定の実務経験がある人は、特例制度で「保育実習理論」も免除になります。

この特例を使う人は、指定保育士養成施設で決められた科目の単位を取ることで、筆記の残りの科目も免除にできます。単位の取り方には、養成施設の通信の課程で学べる場合もあります。令和8年の試験では、筆記も実技も全部免除になる人向けの申し込みが4月と10月に設けられていて、受験手数料は2,400円です。認定こども園で働く保育教諭に必要な両方の資格をそろえる人が、この制度を多く使っています。

社会福祉士・介護福祉士・精神保健福祉士を持っている人

これらの福祉の国家資格を持っている人は、登録証のコピーを出すことで「社会的養護」「子ども家庭福祉」「社会福祉」の3科目が免除になります。福祉の現場で働いている人が、子どもの分野にも仕事を広げたいときに使える仕組みです。介護や福祉の現場で働く人の学び直しには、勤め先が使える助成金があることもあります。勤め先の事業所の立場から見た制度の使い方は、福祉用具貸与事業所のスキルアップ助成金2026|人材開発支援助成金の活用法で整理しています。

試験の科目を養成施設の単位で埋める方法

保育士試験ですでに何科目か合格していて、残りの科目を指定保育士養成施設で修得した場合、合格科目の有効期間内に免除を申請すれば、全科目免除で合格になります。試験で受かった科目と、学校で取った単位を組み合わせられるということです。苦手な科目だけを養成施設で学ぶという使い方もできるので、何度も同じ科目で不合格になっている人は検討する価値があります。

通信で学ぶメリットとデメリット

メリット

一番の利点は、仕事や家事、子育てと並行して学べることです。通学のための時間と交通費がかからず、自分のペースで教材を進められます。保育士試験には年齢の上限がなく、協議会のよくある質問でも、受験資格を満たしていれば誰でも受けられると書かれています。年齢を理由にあきらめる必要がない点は、社会人にとって大きな安心材料です。

また、保育士資格には有効期限がなく、更新の試験もありません。一度登録すれば、子育てや介護で離れても、何年か後に現場に戻ることができます。資格を持ちながら保育の仕事をしていない人は潜在保育士と呼ばれ、国も復職の支援を進めています。

デメリット

通信の学習は、続けるための仕組みを自分で作らなければなりません。誰にも急かされないので、仕事が忙しい時期に学習が止まり、そのまま再開できなくなる人もいます。試験の道では、合格した科目の有効期間が3年なので、学習が長く止まると、せっかく受かった科目が無効になることがあります。

通信課程では、スクーリングと実習の日程を自分の生活に合わせにくい点が負担になります。特に実習は、子どもの安全に関わるので、日程を細かく分けたり休んだりすることが難しい場面があります。もう1つは、実際の保育を見る機会が少ないまま資格を取る可能性があることです。試験の道を選んだ人は、資格を取ったあと、最初は経験のある職員の多い園や、短い時間の勤務から始めると、現場の感覚をつかみやすくなります。

続けるための工夫

学習を続けるには、1週間の中で勉強する時間を先に決めてしまうのが効果的です。たとえば平日は通勤の30分で用語を覚え、週末に2時間ずつ問題を解く、というように、使える時間に合わせた中身を割り当てます。保育の心理学や子どもの保健のように覚える量が多い科目は短い時間の繰り返しに向いていて、保育実習理論の楽譜や計算のように手を動かす科目は、まとまった時間に向いています。

合格後の登録と働き方の選び方

登録しないと保育士として働けない

試験に合格しても、卒業しても、それだけでは保育士として働けません。都道府県知事への登録が必要で、登録の手続きは都道府県から委託を受けた登録事務処理センターが受け付けています。協議会の案内によると、書類の受付からおおむね2か月程度かかります。就職の時期が決まっている人は、合格通知が届いたらすぐに手続きを始めてください。

働き方は保育所だけではない

保育士の資格が生きる場所は、認可保育所のほかに、認定こども園、小規模保育、企業の事業所内保育、乳児院や児童養護施設、障害のある子どもの通所支援、放課後児童クラブなどがあります。勤務の形も、正規の職員、短時間のパート、派遣など様々です。

自宅で過ごす時間を大事にしたい人には、ベビーシッターや家庭的保育のように、少人数の子どもを見る働き方もあります。個人で仕事を受ける場合は、雇われて働くときと違い、契約の内容や事故への備えを自分で確かめる必要があります。仕事を受ける側としての契約の考え方は、保育以外の分野でも共通する部分が多くあります。たとえば在宅で文章を書く仕事を受ける人向けのWebライターのポートフォリオの作り方|案件獲得率が上がるテンプレート付き【2026年版】では、自分の実績を相手に伝える資料の作り方をまとめています。保育の仕事を個人で受けるときも、経験と資格を一目で分かる形で示しておくと、依頼する側が判断しやすくなります。

転職で資格を生かすときの準備

別の業界から保育の仕事に移る人は、これまでの経験をどう生かすかを考えておくと面接で話しやすくなります。接客の経験は保護者とのやりとりに、事務の経験は連絡帳や書類の作成に、子育ての経験は日々の生活の世話に結びつきます。履歴書の資格欄には「保育士資格 取得」または「保育士登録」と、登録を受けた年月とともに書くのが一般的です。登録の手続き中であれば「登録申請中」と書き添えます。

資格を取ったあとの働き方から見た考察

フリーランスや在宅ワークの仲介を20年以上続けてきた運営者として見てきた限りでは、保育の資格を取った人が長く働き続けるかどうかは、取り方より「取ったあとにどこで経験を積むか」で決まる場面が多くあります。通信課程の人は実習で現場を知っていますが、試験で取った人は、最初の職場の選び方が後の働き方を大きく左右します。経験の浅いうちは、研修の仕組みがある園や、先輩の保育士が多い職場を選ぶ人ほど、数年後に働き方の選択肢を広げています。

もう1つ見えている傾向は、保育士の資格を持ちながら、保育以外の在宅の仕事と組み合わせる人が増えていることです。子育てや保育の知識を生かした記事の執筆や、教材の作成、子育て支援の情報発信などがその例です。こうした仕事は、仲介の手数料がかからない直接のやりとりであれば、同じ予算でも依頼する側はより多くを頼め、受ける側は手元に残る報酬が厚くなります。資格を持っていること自体が、専門の内容を任せてよいという安心につながり、依頼する側の判断を後押しします。

在宅で文章の仕事を受ける場合の報酬の上げ方は、Webライターが文字単価を上げる方法|1円→5円にステップアップする戦略【2026年版】で詳しく取り上げています。専門の知識を持つ書き手は、内容の正しさで評価されやすく、単価の交渉でも根拠を示しやすい立場にあります。また、研究や調査の仕事で子どもの発達や教育を扱う人の報酬の目安は、研究者の年収・単価相場で職種ごとの数字を確かめられます。

保育士資格は、通信課程でも試験でも、取り方によって資格の効力に違いはありません。自分の受験資格と、実習に割ける時間、学習を続けられる環境を書き出し、どちらの道が合うかを決めることが最初の一歩です。試験を選ぶなら次の申し込み期間を協議会のお知らせで確かめ、通信課程を選ぶなら気になる学校の募集要項と実習の日程を取り寄せるところから始めてください。

よくある質問

Q. 保育士資格は通信講座を修了するだけで取れますか?

取れません。民間の通信講座は保育士試験の対策のための教材とサポートで、修了しても資格は得られません。資格を得るには、保育士試験の筆記9科目と実技2分野に合格するか、指定保育士養成施設の通信課程を卒業する必要があります。どちらの場合も、最後に都道府県への登録をして初めて保育士として働けます。

Q. 高校卒業で保育の仕事の経験がなくても保育士試験を受けられますか?

平成3年4月1日以降に高校を卒業した人は、学歴だけでは受験資格がありません。児童福祉施設で2年以上かつ2,880時間以上働くか、大学に2年以上在学して62単位以上修得するなどの条件が必要です。通信制の大学で単位を取って受験資格を得る方法もあります。詳しくは全国保育士養成協議会の受験資格のページで確かめてください。

Q. 保育士試験で一部の科目しか受からなかったらどうなりますか?

合格した科目は、合格した年を含めて3年間有効です。その間は受け直す必要がなく、残りの科目だけを受ければ全科目合格になります。ただし教育原理と社会的養護は、同じ回で両方とも6割以上を取らないと合格になりません。保育所などで働いている人は、条件を満たせば有効期間を最長5年まで延ばせる制度もあります。

Q. 通信課程と保育士試験で、取れる資格に違いはありますか?

違いはありません。指定保育士養成施設を卒業して取った資格も、試験に合格して取った資格も、同じ保育士資格です。違うのは取るまでの道のりで、通信課程は実習とスクーリングがあり2年以上かかるのが一般的です。試験は実習がない代わりに、9科目と実技を各6割以上で合格する必要があります。

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監修:@SOHO編集部

2004年よりフリーランス・在宅ワーク向けサービスを運営。生成AIで作成した下書きを、一次情報と照らし合わせて確認したうえで公開しています。

公開:2026年1月29日最終更新:2026年10月28日
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