国保 軽減|個人事業主が前年所得低下時に申請できる7割5割2割減


この記事のポイント
- ✓国保 軽減の制度を個人事業主向けに徹底解説
- ✓7割・5割・2割の法定軽減判定基準
- ✓所得が下がった年に絶対やるべき手続きを実務目線で整理します
「去年より売上が落ちたのに、国保の請求書だけは去年の所得をベースにドンと来る」。フリーランスや個人事業主にとって、国民健康保険料の負担は売上の波を直撃する一番厄介な固定費です。国保 軽減という制度を正しく使えば、世帯の合計所得に応じて7割・5割・2割の保険料軽減が自動または申請で適用され、年間で10万円以上の差が出ることも珍しくありません。本記事では、私自身がアパレル系のEC運営代行で独立した直後に直面した「想定外の国保ショック」の経験も交えながら、軽減判定の仕組み、非自発的失業者の特例、減免との違い、申請の流れまでを一次情報ベースで整理します。
国保 軽減を取り巻く2026年のマクロ状況
国民健康保険は、会社員が加入する健康保険(協会けんぽや組合健保)と違い、前年の所得をベースに翌年度の保険料が決まる「後追い課金」型の制度です。この構造のせいで、売上が急減した年ほど保険料の負担感が重くなります。総務省統計局の「家計調査」や厚生労働省の国保事業年報の公開値を見ても、自営業世帯の社会保険料負担は会社員世帯より相対的に重い傾向が続いており、フリーランス人口の増加と相まって「国保 軽減」の検索ニーズは年々高まっています。
国保の保険料(自治体によっては「保険税」)は、所得割・均等割・平等割の3つ、または4つの組み合わせで決まります。軽減制度は主にこのうち均等割と平等割を、世帯の所得合計に応じて7割・5割・2割カットする仕組みです。所得割そのものを減らすのは「減免」という別制度で、こちらは申請ベース・個別審査ベースになります。
実務上、ここを混同している方が非常に多いと感じます。私のアパレル仲間にも「売上が半分になったから国保 軽減が効くと思ってたら、全然減らなかった」というケースが何人もいました。理由はシンプルで、軽減と減免は別物だからです。本記事はその違いを最初にしっかり整理した上で、個人事業主が実際に使えるパターンを順に解説していきます。
なお、2026年時点で参考になる重要な制度変更があります。令和3年度から個人所得課税の基礎控除が見直された影響で、軽減判定の所得基準額の計算式そのものが調整されています。
令和3年度分の国民健康保険税から、個人所得課税の見直しにより、基礎控除が33万円から43万円に変更となりました。 それに伴い、国民健康保険税の負担水準に関して意図せざる影響や不利益が生じないよう、軽減対象となる世帯の所得金額の合計について算出方法が変更となり、令和7年度の軽減判定基準は次のとおりとなります。
つまり「昔の本やブログに書いてある基準額」と現行基準は微妙にズレています。古い情報をベースに自己判定するのは危険なので、必ず今住んでいる自治体の最新告示を確認してください。
そもそも国民健康保険の構造をざっくり理解する
軽減制度を理解する前提として、国保料の構成要素を押さえておきます。多くの自治体では次の3〜4区分で計算します。
・所得割: 前年の所得に応じて課税される部分(最大の塊) ・均等割: 加入者1人あたり固定額(赤ちゃんから高齢者まで頭数で課税) ・平等割: 1世帯あたり固定額 ・資産割: 一部の自治体のみ採用(固定資産の評価額に応じた課税)
さらに保険料は、医療給付分・後期高齢者支援金分・介護納付金分(40〜64歳のみ)の3階建てです。それぞれに上限額があり、たとえば医療給付分の年間上限は数十万円単位で設定されています。
ここで重要なのは、国保 軽減で減るのは原則「均等割と平等割」だという点です。所得割は基本的に減らないため、「売上が落ちた=均等割と平等割が軽減判定で自動的に下がる」「所得割を含めて全体を下げてほしい=減免の申請が必要」という整理になります。私が独立1年目に「国保の請求が思ったより減ってない」と感じたのは、まさにここを理解していなかったからです。
均等割と平等割は、家族の人数が多いほど絶対額が大きくなります。配偶者・子どもを扶養に入れている家族世帯ほど、軽減のインパクトも大きくなる構造です。逆に1人世帯の場合、軽減で減るのは均等割1人分と平等割1世帯分なので、効果はやや限定的になります。
国保 軽減の中心:法定軽減(7割・5割・2割)
国保 軽減のメインは「法定軽減」と呼ばれる仕組みです。前年の世帯の総所得金額等の合計が一定基準以下である場合、均等割と平等割が7割・5割・2割カットされます。申請不要で、所得情報をもとに市区町村が自動判定してくれるのが大きな特徴です。
1. 軽減判定の基準額(令和7年度基準のイメージ)
判定は「世帯主+国保加入者の前年所得合計」が、次のラインを下回るかどうかで決まります。自治体ごとに細かな差はありますが、全国的な目安は以下のとおりです。
・7割軽減: 基礎控除額(43万円)+10万円×(給与・年金所得者の数-1) ・5割軽減: 上記+29万5,000円×(被保険者数等) ・2割軽減: 上記+54万5,000円×(被保険者数等)
「給与・年金所得者の数」は世帯内で給与所得または公的年金収入がある人の数で、これが2人以上いる場合だけ10万円×(人数−1)が加算されます。個人事業主単独世帯ではこの加算はゼロです。一方、「被保険者数等」には世帯主と国保加入者、さらに国保から後期高齢者医療に移った「特定同一世帯所属者」も含めて頭数を数えます。
数字だけ見るとややこしいですが、ざっくり感覚でいうと、単身フリーランスで前年の事業所得が43万円以下なら7割軽減、72万円台以下なら5割軽減、97万円台以下なら2割軽減というイメージです。配偶者や子どもを扶養していると、その人数分だけ判定ラインが上振れします。
2. 「所得」の定義に注意(事業所得 vs 売上)
ここで一番ミスが多いのが「所得」の定義です。判定に使うのは「売上」ではなく「所得」、つまり売上から必要経費を引いた金額です。さらに青色申告特別控除(最大65万円)を差し引く前の金額か後の金額かは、自治体ごと・年度ごとに扱いが分かれることがあります。多くの自治体では、青色申告特別控除を差し引いた後の事業所得を判定に使います。
そのため、売上ベースで「年700万円もあるから軽減なんて無理」と思い込んでいた人が、経費と青色控除を差し引いた事業所得が90万円台で結果的に2割軽減対象だった、というケースもあります。逆に「売上は少ないけど雑所得など他にも収入がある」場合は合算されるので、ぬか喜びしないよう確認が必要です。
判定対象になる主な所得は次のとおりです。
・事業所得(フリーランス・個人事業主の主戦場) ・給与所得(副業で会社からもらう給料があれば) ・年金所得(公的年金・遺族年金等の一部) ・不動産所得・配当所得・株式の譲渡所得(分離課税分は自治体ごとに扱いに差) ・一時所得・雑所得
逆に、非課税所得(遺族年金、障害年金、雇用保険の失業給付など)は判定所得に含まれません。雇用保険の失業給付は所得ゼロ扱いになるので、退職直後で失業給付しか収入がない場合、7割軽減に届くケースが多いです。
3. 「申請不要」だが「申告は必要」
法定軽減は申請なしで自動判定されますが、ここに最大の落とし穴があります。判定は「市区町村が把握している所得情報」をもとに行われるため、前年の所得が未申告だと判定不能となり、軽減が一切かかりません。所得ゼロでも、所得ゼロを示すために住民税申告書または所得税の確定申告書の提出が必要です。
特に、開業初年度で売上が立たず確定申告も出していないケース、専業主婦から独立してまだ申告経験のないケース、長期の海外滞在から戻ってきたケースなどでは要注意です。私の知人にも、確定申告をスルーしていたために初年度の軽減を全く受けられず、満額の請求書を見て真っ青になった人がいます。所得が低ければ低いほど「住民税申告だけは絶対出す」ことが、国保 軽減を取りこぼさないための第一歩です。
非自発的失業者向けの特例軽減
サラリーマンから個人事業主に転身する場合、退職理由が会社都合や倒産・解雇など「非自発的」な場合に使える強力な特例があります。一般に「非自発的失業者軽減」と呼ばれます。
対象になるのは、雇用保険の特定受給資格者または特定理由離職者として認定された方で、離職時点で65歳未満であることが条件です。雇用保険受給資格者証の離職理由コードが特定の番号(11、12、21、22、23、31、32、33、34)に該当している方が対象になります。
この特例の効果は強力で、離職日の翌日から翌年度末までの間、前年の給与所得を30%として算定してくれます。つまり給与年収400万円で退職した場合、軽減判定上は給与所得が約30%相当に圧縮されるため、所得割の負担も法定軽減判定も大幅に下振れします。
非自発的失業者軽減は、法定軽減と違って自動適用されません。必ず本人が役所の国保窓口に申請する必要があります。申請には雇用保険受給資格者証またはマイナポータルからダウンロードした受給資格通知が必要なので、ハローワーク手続きと並行して進めるとスムーズです。
実務的に重要なのは、「いったん前職を辞めて雇用保険から失業給付をもらいながら、その期間中に副業・フリーランスを軌道に乗せる」というパターンとの相性が良い点です。失業給付自体は所得に含まれず、給与所得は30%評価。この期間中に独立準備が進められれば、国保負担を抑えながらビジネス基盤を整えやすくなります。
ただし、独立後に明確に「事業者」として自分から離職した場合は対象外です。あくまで自分の意思に反する離職が前提なので、自分でタイミングを決めた円満退職の場合は、別ルート(後述の所得激減減免など)を検討することになります。
出産・子育て世帯向けの軽減
近年大きく拡充されたのが、出産被保険者と未就学児に対する軽減です。
ひとつめは、出産した国保被保険者の保険料を一定期間軽減する制度。出産予定月(または出産月)の前月から出産予定月の翌々月までの4か月間、所得割と均等割が免除されます。多胎妊娠の場合は出産予定月の3か月前から6か月間に延長されます。
前年の世帯の所得が320万円以下で、所得割が賦課され、18歳未満の子等を国保の同世帯に2人以上扶養する場合
上記のような子育て世帯向け軽減を独自に設けている自治体もあり、所得制限付きで多子世帯に追加の軽減が入ります。北九州市の例のように、所得320万円以下で18歳未満の子を2人以上扶養しているケースで所得割を一定割合カットする独自制度がある自治体もあるので、子育て中のフリーランスは必ず自分の市区町村サイトをチェックしてください。
ふたつめは、未就学児の均等割軽減です。0歳から小学校就学前までの子どもについて、国保の均等割が一律5割軽減されます。さらに、法定軽減(7割・5割・2割)が同時にかかる場合は両方が適用されるので、低所得世帯の未就学児は実質的に均等割がほぼゼロまで圧縮されます。これは申請不要で自動的に適用されます。
子育て期は売上が読みにくく、出産・産後で稼働が落ちやすいタイミングです。フリーランスとして長く活動するなら、この期間に使える軽減は徹底的に活用したいところです。
「軽減」と「減免」の違い、そして所得激減減免
ここまで紹介してきたのは主に「軽減」、つまり所得や属性に応じて自動的または半自動的に保険料が下がる仕組みです。これと混同されがちなのが「減免」で、こちらは原則として申請ベース・個別審査ベースの制度です。
軽減と減免の主な違いは次のとおりです。
・軽減: 法律で定められた基準に該当すれば一律で適用。原則自動判定(一部申請あり)。減るのは均等割・平等割が中心 ・減免: 各自治体の条例に基づき、個別事情に応じて適用。必ず申請が必要。所得割を含めた全体に効くことが多い
国保 軽減と並んで個人事業主が押さえておきたいのが、減免の中でも「所得激減減免」と呼ばれるカテゴリーです。これは「廃業」「失業」「災害」「疾病」「事業の休廃止」などの理由で、前年と比べて当年の見込み所得が大幅に下がった場合に、所得割の一部または全額を減免する制度です。
調布市のような自治体では、減免の対象や手続きを丁寧に整理して公開しています。
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減免の判定基準は自治体ごとにかなり差がありますが、典型的なパターンは以下のとおりです。
・前年所得が一定額以下(例: 1,000万円以下など) ・当年の見込み所得が前年比で30%以上または50%以上減少する見込み ・資産や預貯金が一定以下であること ・他制度から同種の援助を受けていないこと
私がEC運営代行のクライアントで見てきた中でも、コロナ期に売上が半減したアパレル個人事業主の方で、所得激減減免をフル活用して年間の国保負担を30万円以上圧縮できたケースがありました。重要なのは「申請しないと一切始まらない」ということ。役所の窓口で「うちは軽減対象ですか?」と聞くだけだと、自動判定の法定軽減の話しか出てこないことがあります。減免は別カテゴリーとして「所得が激減した場合の減免制度はありますか?」と能動的に聞きにいく必要があります。
申請の実務フロー(個人事業主向け)
ここからは、実際に国保 軽減・減免を申請する際の具体的な流れを整理します。
1. まずは住民税申告または確定申告を必ず出す
法定軽減の判定は住民税ベースの所得情報で行われます。所得ゼロでも、給与収入のみで源泉徴収済みでも、必ず住民税申告書または所得税の確定申告書を提出しましょう。
特に、開業1年目で売上ゼロ、または開業準備中で青色申告承認申請しか出していないようなケースで「申告不要」と勘違いしている方が非常に多いです。住民税申告を出さないと、市区町村側は「所得不明」として軽減判定対象から外してしまいます。
2. 国保 軽減判定通知書を必ず確認する
毎年6月頃に届く「国民健康保険料納入通知書」または「決定通知書」には、軽減判定の結果が明記されています。「7割軽減」「5割軽減」「2割軽減」「軽減なし」のいずれかが書いてあるので、必ず確認してください。
私自身、独立初年度に届いた通知書をろくに見ずに放置していて、後から「あれ、思ったより安かったのは2割軽減が効いていたからか」と気づいたことがあります。逆に、想定より高いと感じたら判定欄を確認し、納得できなければ役所に問い合わせて理由を確認しましょう。
3. 非自発的失業者軽減は退職後すぐ申請
会社都合や倒産・解雇で退職した方は、退職後にハローワークで雇用保険受給資格者証を受け取った時点で、すぐに市区町村の国保窓口へ。雇用保険受給資格者証またはマイナポータルからダウンロードした受給資格通知、本人確認書類、印鑑(自治体による)を持参して申請します。
申請は離職日の翌日から可能で、遡及適用される範囲には期限があります。「あとで」と先延ばしにせず、退職→ハローワーク→国保窓口の流れをワンセットで動くのがコツです。
4. 所得激減減免は決算期や見込み確定のタイミングで
所得激減減免は「当年見込み所得」をベースに判定するため、ある程度1年の見通しが立った段階で申請します。中間期に売上が大きく落ちた時点で、年末の着地見込みを試算した上で、月次の試算表や売上推移グラフを持って役所窓口で相談するのが王道です。
私は副業で関わっていた小さなアパレルブランドの社長さんが、コロナ期に売上が3か月で半減したタイミングで会計事務所に相談し、所得激減減免と社会保険料の徴収猶予を組み合わせて乗り切ったのを近くで見ていました。フリーランス1人事業主でも同じ考え方が使えます。難しいのは「見込み所得」をどう客観的に説明するかなので、freee やマネーフォワードの月次レポート、案件単位の請求書一覧などをすぐに出せるよう普段から整えておくことが大事です。
5. 必要書類は自治体サイトの様式集で確認
申請書類は自治体ごとに微妙に異なります。多くの自治体で共通するのは以下です。
・国民健康保険料減免申請書(自治体所定様式) ・申請理由を示す書類(雇用保険受給資格者証、廃業届控え、罹災証明、医師の診断書など) ・前年と当年の収支がわかる書類(確定申告書控え、試算表、売上台帳など) ・本人確認書類、マイナンバー確認書類 ・印鑑(自治体による)
「申請の取りこぼし」は、書類不備や提出時期の遅れで起こることが圧倒的に多いです。役所のウェブサイトで様式と必要書類リストをダウンロードし、不明点は事前に電話で確認してから訪問するのが、ストレスを最小化するコツです。
個人事業主が見落としがちな実務ポイント
ここからは、私が実際にアパレル系フリーランスの仲間や中小ブランド経営者を見てきて感じる、「国保 軽減でよくある落とし穴」を整理します。
1. 世帯分離と国保 軽減の関係
国保 軽減の判定は「世帯」単位で行われます。同じ住所に住んでいる親と世帯を分けるか否かで、判定対象になる所得合計が変わってくるケースがあります。たとえば親が現役で高所得の場合、同一世帯のままだと自分1人だけ低所得でも軽減判定はNG、世帯分離すれば判定対象が自分のみになって7割軽減が効く、というパターンもあり得ます。
ただし、世帯分離は住民票上の手続きであり、扶養・税法上の取り扱い・他制度(児童手当、介護保険など)にも影響します。安易に世帯分離するのではなく、税理士や社会保険労務士、自治体の福祉相談窓口にも相談してから判断するのが安全です。
2. 国保組合という選択肢
職種によっては「国保組合」に加入できる場合があります。文芸美術国民健康保険組合、東京都浴場国民健康保険組合、各業界の国保組合などです。これらは前年所得に関わらず保険料が定額(または所得階層別の定額)で、所得が高い人にとっては大きな節約になります。
逆に、国保組合は「軽減制度」がない、もしくは小規模なケースが多いため、所得が低い年は通常の市区町村国保のほうが有利になることもあります。「将来的に売上が伸びてきたら国保組合へ」「売上が不安定で軽減を効かせたい時期は市区町村国保へ」と、フェーズに応じて検討する視点が重要です。
私自身、独立直後はまさにこの選択に悩みました。文芸美術国保への加入も検討しましたが、独立1年目の見込み事業所得から逆算すると、軽減ありの市区町村国保のほうがトータルで安く済むと判断しました。
3. 国民年金保険料の免除・納付猶予との合わせ技
国保 軽減と並んで個人事業主の負担を圧迫するのが国民年金です。こちらにも「免除・納付猶予」制度があり、所得や事業状況に応じて、全額免除・4分の3免除・半額免除・4分の1免除・納付猶予のいずれかが受けられます。
国保の軽減対象になるレベルの所得であれば、国民年金の免除・納付猶予も対象になる可能性が極めて高いです。日本年金機構のウェブサイト(https://www.nenkin.go.jp/)から申請書をダウンロードできるので、国保の窓口に行くついでに同じタイミングで国民年金の手続きまで済ませるのが効率的です。
「国保だけ軽減を受けて、年金は満額納付」よりも、「国保軽減+年金は段階免除を受けつつ、後で追納する」という戦略のほうが、キャッシュフローを守りつつ将来の年金額も維持しやすくなります。
4. 保険・年金・税の年間ロードマップを持つ
フリーランス・個人事業主にとって、「国保 軽減」は単体の節約テクニックではなく、年間の社会保険料・税金コントロールの一部です。具体的には次のような年間ロードマップを意識すると、取りこぼしが減ります。
・1〜3月: 確定申告(前年所得確定 → 翌年度の国保・住民税・年金にすべて影響) ・4〜6月: 国保決定通知書到着 → 軽減判定の妥当性確認 ・6〜7月: 国民年金免除・納付猶予の申請受付開始 ・年末: 当年所得見込みを精査 → 所得激減減免の検討
このロードマップを意識して、freeeやマネーフォワードのような会計クラウドで月次推移を見ながら、四半期ごとに「軽減・減免の対象になりそうか」をセルフチェックする習慣を持つと、年間で数十万円規模の差が出てきます。
5. 「来年の自分」をシミュレーションする
国保は「前年所得」ベースで動くので、今年の売上の動かし方が、来年の保険料に直結します。たとえば「今年は売上が伸びそうだから、必要な設備投資や経費は今年のうちに集中させて事業所得を圧縮する」「来年は売上が落ち着くから、ふるさと納税や小規模企業共済を厚めに使って所得をコントロールする」など、税と保険を一体で考える発想が必要です。
特に、フリーランスは「青色申告特別控除」「小規模企業共済掛金控除」「iDeCo(個人型確定拠出年金)掛金控除」を組み合わせると、所得を合法的に大きく圧縮できます。これらは結果として国保 軽減判定のラインに乗りやすくなる効果もあります。所得控除を増やすことは、節税だけでなく、社会保険負担の最適化にもつながると覚えておくと得です。
たとえば、AI・データ系の案件は単価が伸びやすい一方、案件単位の規模が大きく、月による収入のバラつきも大きくなりがちです。AI関連の業務支援は今後も伸びる領域で、たとえばAIコンサル・業務活用支援のお仕事では、企業のAI導入を伴走支援するコンサル案件が増えています。月単位で見ると数十万円規模の波動があり、年初に大きな案件が動いてその後オフ期、というパターンも普通にあります。こうした働き方は「平均年収はそれなりに高いのに、ピンポイントで売上が落ちる年に国保 軽減が刺さる」典型例です。
同様に、AI・マーケティング・セキュリティのお仕事では、広告運用やSEO、セキュリティ診断など、企業の中長期プロジェクトを請ける形が多く、契約終了後の「次の大型案件が決まるまでのブランク」が国保 軽減・減免の検討タイミングになります。
アプリケーション開発のお仕事も、リリース直前は稼働がピークになり、リリース後は静かになるという波があります。年間の事業所得が結果的に判定ラインを下回るケースは、決して珍しくありません。
職種別の単価相場という観点では、ソフトウェア作成者の年収・単価相場を見ると、平均的なフリーランスエンジニアの想定年収レンジ、案件単価のばらつきがわかります。逆に著述家,記者,編集者の年収・単価相場のように、単価が安定している一方で1件あたりの金額が小さい職種では、副業フェーズや独立直後に法定軽減ライン(事業所得43万〜97万円台)に収まる方が比較的多くなります。
スキル証明の観点では、案件を獲得しやすくする資格選びも国保 軽減と無縁ではありません。たとえばビジネス文書検定のような実務系資格は、副業ライター・編集者・事務代行などの単価アップに直結しやすく、安定収入化を後押しします。一方、CCNA(シスコ技術者認定)のようなインフラ系の資格は、SES・運用保守案件の継続率を高め、収入の波を平準化してくれます。収入が安定すれば結果的に軽減対象から外れることもありますが、それはむしろ「事業が育った証」として歓迎すべき変化です。
保険まわりの全体最適という点では、国保 軽減はあくまで一部分です。社会保険・民間保険・賠償責任保険までを含めた選び方は、フリーランスの保険の選び方完全版|国保・医療・年金・賠償で詳しく解説しています。国保を軸に全体像をつかみたい方は、フリーランスの保険完全ガイド|国保・民間・賠償を一括解説も合わせて読むと、自分のフェーズに合った保険ポートフォリオが組みやすくなります。医療保険を国保にどう組み合わせるかについては、フリーランスの医療保険の選び方|国保の補完として必要?で、国保だけで足りないリスクと民間医療保険の使い方を整理しています。
私自身、独立して2年目に売上が一気に伸びた直後、3年目に大口クライアントの予算縮小で売上が4割落ちた経験があります。その年、念のため住民税申告だけは早めに出していたおかげで、自動判定で2割軽減が効きました。落差の大きい年ほど、「申告だけは絶対に出しておく」「軽減判定の通知をちゃんと読む」「想定外に減ったら所得激減減免を相談する」という当たり前を徹底できているかどうかで、年間のキャッシュフローが大きく変わってきます。
国保 軽減は、知っているか知らないかだけで年間数万円〜数十万円単位の差が生まれる制度です。フリーランス・副業ワーカーとして長く生き残るためには、案件獲得スキルと同じくらい、こうした「足元のコスト構造を最適化するリテラシー」を持っておくことが、結局のところ事業の持続可能性を支えることになります。
公的機関・関連参考情報
本記事の内容に関連する公的機関や信頼できる情報源は以下の通りです。最新情報は公式サイトで確認してください。
よくある質問
Q. 個人事業主の国民健康保険料は所得がいくらくらいから高くなりますか?
お住まいの市区町村によって計算式が異なりますが、所得(売上から経費と青色申告特別控除を引いた金額)が300万円〜400万円を超えてくると、会社員時代の自己負担分よりも高くなるケースが一般的です。国保は会社負担がなく全額自己負担となるため、事前に自治体のシミュレーター等で試算しておくことをおすすめします。
Q. 「マイクロ法人」と個人事業主を併用するメリットは何ですか?
マイクロ法人で社会保険(健康保険・厚生年金)に最低限の役員報酬で加入し、個人事業主として主な利益を得ることで、社会保険料の負担を最適化できるのが最大のメリットです。2026年現在も、所得が高いフリーランスが手取りを最大化させるための有力な選択肢となっています。
Q. 個人事業主はどのような保険に優先して加入すべきですか?
まずは病気やケガで働けなくなった際の収入減少をカバーする就業不能保険(所得補償保険)を検討してください。その上で、家族構成に合わせて生命保険や医療保険を追加するのがおすすめです。
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この記事を書いた人
丸山 桃子
アパレルEC運営支援・SNSコンサル
アパレル企業でMD・ECバイヤーとして勤務後、フリーランスに独立。アパレルブランドのEC運営支援・SNS運用を手がけ、ファッション・EC系の記事を執筆しています。
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