マネーフォワード クラウド確定申告|freeeとの料金・機能比較

朝比奈 蒼
朝比奈 蒼
マネーフォワード クラウド確定申告|freeeとの料金・機能比較

この記事のポイント

  • マネーフォワード クラウド確定申告とfreeeを料金・機能・操作性で徹底比較
  • フリーランスが本当に選ぶべき会計ソフトを客観的データで解説します

マネーフォワード クラウド確定申告とfreee、結局どっちを選べばいいのか。結論から言うと、「簿記の知識があるならマネーフォワード、初心者で質問形式で進めたいならfreee」です。ただし、両者ともに月額1,078円〜2,980円のランニングコストがかかり、年間で約13,000〜36,000円の固定費が発生します。フリーランスや個人事業主にとって、この差額は決して小さくありません。本記事では、両者の料金体系、機能、実務上の使い勝手を客観的なデータで比較し、自分に合った選択ができるよう整理していきます。

マネーフォワード クラウド確定申告とは|市場でのポジション

マネーフォワード クラウド確定申告は、株式会社マネーフォワードが提供するクラウド型の会計・確定申告ソフトです。同社は2012年創業、東証プライム上場企業として、個人事業主向けの「クラウド確定申告」と法人向けの「クラウド会計」を中核サービスに据えています。

会計ソフト市場における主要プレーヤーは、現状ほぼ3社に絞られています。老舗の弥生会計、後発で急成長したfreee、そして本記事の主役であるマネーフォワード。MM総研の調査によれば、クラウド会計ソフトの個人事業主向け市場シェアは、freeeとマネーフォワードが拮抗し、両者で過半数を占める傾向が見られます。

この3社が選ばれる理由は、いずれも電子帳簿保存法とインボイス制度に対応している点、そして青色申告65万円控除に必要な電子申告機能を標準搭載している点にあります。逆に言えば、ここに対応していない安価なソフトを選ぶと、確定申告の最終段階で詰みます。これは本当に重要なポイントです。

マネーフォワード クラウド確定申告は、青色申告に対応しています。電子申告機能を使えば、書面で提出した場合よりも10万円多い65万円の特別控除を受けられます。

なぜこの10万円の差が重要かというと、所得税率10%・住民税10%の層であれば、年間約2万円の節税効果があるからです。月額1,078円のソフト代を払っても、十分に元が取れる計算になります。逆に紙の白色申告で済ませている人は、この恩恵を一切受けられていません。

国税庁の公表データ(国税庁)でも、e-Taxを使った電子申告比率は年々上昇しており、紙申告は徐々に少数派になっています。この流れに乗り遅れないためにも、クラウド会計ソフトの導入は実質的な必須条件と考えるべきでしょう。

マネーフォワード クラウド確定申告とfreeeの料金比較

まずは最も気になる料金から比較していきます。両社ともプラン体系が複雑で、公式サイトを見ても「結局どれを選べばいいのか」が分かりにくいのが正直なところです。整理してみます。

マネーフォワード クラウド確定申告の料金プラン

マネーフォワード クラウド確定申告(個人事業主向け)には、以下3つのプランがあります。

パーソナルミニ(年額プラン): 月額1,078円(年間12,936円)。白色申告と簡易的な青色申告に対応。仕訳数は月15件まで。

パーソナル(年額プラン): 月額1,408円(年間16,896円)。仕訳数無制限、請求書・経費精算機能あり。事業規模が大きい個人事業主向け。

パーソナルプラス(年額プランのみ): 月額3,278円(年間39,336円)。電話サポート付き。会計に詳しくない人や、確定申告期に不安がある人向け。

月額プランの場合はそれぞれ1,408円、2,178円となり、年契約の方が約20%安くなります。

freeeの料金プラン

freee会計(個人事業主向け)も3プラン構成です。

スターター(年額プラン): 月額1,180円(年間14,160円)。確定申告書作成・電子申告に対応。チャットサポートあり。

スタンダード(年額プラン): 月額2,380円(年間28,560円)。レポート機能が充実。消費税申告にも対応。

プレミアム(年額プラン): 月額3,316円(年間39,792円)。電話サポート、税理士相談サービスあり。

料金比較で見えてくる傾向

両社の最安プランを比べると、マネーフォワード パーソナルミニが月額1,078円、freee スターターが月額1,180円と、わずかにマネーフォワードが安い構成です。ただし、マネーフォワードのパーソナルミニは仕訳数月15件までという制約があり、フリーランスでも案件数が多い人にはすぐ足りなくなります。

正直なところ、月15件という制限はかなり厳しいです。月に5社と取引していれば、入金1件・経費数件で簡単に到達します。実質的には「白色申告で年に数回だけ取引がある副業層」向けと考えた方がいいでしょう。

本格的にフリーランスをやるなら、マネーフォワードはパーソナル(月額1,408円)、freeeはスターター(月額1,180円)が現実的なスタートラインになります。この比較なら、freeeの方が年間約2,700円安くなります。

ただし、ここで注意すべきは消費税申告への対応です。インボイス制度開始後、課税事業者になったフリーランスは消費税申告が必要になります。freeeはスタンダード(月額2,380円)以上でないと消費税申告に対応しません。一方、マネーフォワード クラウド確定申告は、パーソナルプラン(月額1,408円)から消費税申告に対応しています。

つまり、課税事業者の場合の比較は次のようになります。

・マネーフォワード パーソナル: 年間16,896円 ・freee スタンダード: 年間28,560円

差額は年間約11,700円。これは無視できない金額です。インボイス対応で課税事業者になった人は、マネーフォワードの方が圧倒的にコストパフォーマンスが高い、という傾向が明確に見られます。

機能比較|青色申告65万円控除への対応

両者ともに青色申告65万円控除に対応していますが、控除を受けるための条件は法律で決まっています。具体的には次の3つです。

・複式簿記による記帳 ・貸借対照表と損益計算書の作成 ・e-Taxによる電子申告(または優良な電子帳簿保存)

このうち、ソフトが対応していなければならないのは前者2つ、そして電子申告機能です。両社ともこれらをカバーしているため、機能差というよりは「どれだけ簡単に達成できるか」が論点になります。

マネーフォワードは複式簿記の知識がある程度ある人向けに設計されており、勘定科目を自分で選んで仕訳を切るスタイルが基本です。一方、freeeは「取引登録」という独自の概念を使い、簿記知識がなくても日常言葉で入力できる設計になっています。

ただし、freeeの取引登録方式は、慣れないうちは「結局どの勘定科目に振り分けられているのか分からない」状態になりがちです。後から税理士に確認してもらおうとしたら、仕訳ベースで見たいのにfreee独自のUIでは見づらく、結局二度手間になった、というケースもよく耳にします。

おかげさまで1円の間違いもなく経理業務を遂行できています。簿記の知識がある程度ある人がマネーフォワード クラウド確定申告を使って日々真面目に記帳すれば、税理士さんをつけなくても確定申告・税務調査を乗り切ることができます(実体験)。

簿記3級程度の知識があるなら、マネーフォワードの方が結果的にラクです。逆に「借方・貸方」と聞いてピンと来ないなら、freeeのガイド付きUIの方が挫折しにくいでしょう。

電子申告については、両社ともe-Tax(e-Tax)との連携機能を備えており、ソフト内で確定申告書を作成してそのままオンライン送信できます。マイナンバーカードとカードリーダー、またはマイナンバーカード対応スマホがあれば、税務署に行かずに完結します。

銀行・クレジットカード連携の比較

クラウド会計ソフトの最大のメリットは、銀行口座やクレジットカードと自動連携して仕訳を自動生成してくれる点です。これが弥生のインストール型と決定的に違うポイントです。

連携可能な金融機関数

マネーフォワードは、銀行・クレジットカード・電子マネー・証券口座まで含めて2,500以上の金融機関と連携できます。これは業界トップクラスの数字で、地方銀行や信用金庫まで幅広くカバーしています。

freeeも主要な金融機関はカバーしていますが、連携可能数はマネーフォワードに一歩劣ります。特にニッチな信用金庫やネット銀行の一部はfreeeでは連携できないケースが見られます。

私の周囲でも、地方在住の個人事業主が地元の信用金庫をメインバンクにしているケースで、freeeでは対応していなかったためマネーフォワードに乗り換えた、という話を聞いたことがあります。連携機能はクラウド会計の核なので、自分のメインバンクが対応しているかは契約前に必ず確認すべきポイントです。

自動仕訳の精度

連携数が多いだけでなく、自動仕訳の精度も重要です。両社ともAIによる学習機能を搭載しており、最初は手動で勘定科目を設定する必要があるものの、繰り返し使うことで精度が上がっていきます。

ただし、初期設定のAIの精度については、freeeの方が「日常的な取引」を理解する力が高い印象です。例えば「スターバックスで支払い」を「会議費」と推測する精度などは、freeeに優位性が見られます。一方、マネーフォワードは「取引先名+金額」のパターン学習が強く、毎月決まった経費(家賃、サブスク等)の自動振り分けが安定します。

スマホ対応・モバイル機能の比較

レシート撮影機能はどちらも標準搭載ですが、使い勝手には差があります。マネーフォワードのアプリは「マネーフォワード クラウド確定申告」アプリ単体で完結する設計です。レシート撮影→OCR読み取り→仕訳生成までスマホ1つで完了します。

freeeも同様の機能を持ちますが、レシート撮影後の確認画面でPCブラウザに戻る必要があるケースが見られます。完全スマホ完結を求めるならマネーフォワードに分があります。

ただし、スマホでの記帳は緊急時の補助と考えるべきで、本格的な仕訳作業はPC上で行うのが現実的です。レシート撮影機能の優劣は、確定申告期の「あと数枚だけ片付けたい」ような場面では効いてきますが、日常の決め手にはならないというのが正直な評価です。

サポート体制とトラブル時の対応

会計ソフトを選ぶ際、料金や機能以上に重要なのが「困った時に助けてもらえるか」です。両社ともチャットサポート、メールサポート、FAQ整備は充実しています。

差が出るのは電話サポートの有無です。マネーフォワードはパーソナルプラス(月額3,278円)から、freeeはプレミアム(月額3,316円)から電話サポートが付きます。確定申告期は問い合わせが集中するため、初年度だけ電話サポート付きプランで契約し、慣れたら下位プランに変更する、という運用も合理的です。

私の体験では、確定申告締切直前の3月10日前後はチャット返信も数時間〜半日待ちになることがあります。期限ギリギリで詰まると本当に焦るので、確定申告の準備は2月中旬には始めることを強く推奨します。これはどちらのソフトを使う場合でも同じです。

操作性と学習コスト|実務での使い勝手

機能面の比較を超えて、実際に毎日触る上での「使いやすさ」を整理します。

マネーフォワードの操作性

メニュー構成は伝統的な会計ソフトに近く、「仕訳帳」「総勘定元帳」「決算書」といった会計用語がそのままUIに使われています。簿記を学んだことがある人なら、初日からスムーズに操作できます。

逆に、簿記を全く知らない人にとっては、「振替伝票」「勘定科目」といった用語の意味が分からず、最初の数日は調べながらの作業になります。学習コストは中程度と評価できます。

freeeの操作性

freeeは「取引」という独自概念で会計用語を隠蔽しています。例えば「売上が入金された」を入力すると、裏側で借方・貸方の仕訳が自動生成される仕組みです。簿記知識ゼロでも始められる設計は秀逸です。

ただし、独自UIの裏側で何が起きているかが見えにくいため、税理士との連携や税務調査対応の局面で困ることがあります。「結局この取引、貸借どっちに計上されているの?」という確認が、簡単にはできない構造になっているのです。

どちらが優れているか

正直なところ、これはどちらが優れているという話ではなく、ユーザーの会計知識レベルによります。

簿記3級レベル以上の知識がある人、または将来的に税理士に依頼する可能性がある人は、マネーフォワードが適しています。会計の基本に忠実な設計で、後から人に引き継ぎやすい構造だからです。

会計知識ゼロで、とにかく確定申告だけ済ませたい人、複雑な経理は不要な小規模個人事業主は、freeeの方が挫折しにくいでしょう。

法人化を見据えた選択|将来の拡張性

個人事業主から将来法人化を考えている場合、ソフト選びは別の観点が必要になります。

マネーフォワードは「クラウド会計」(法人向け)への移行がスムーズです。データ移行のサポートも整っており、個人事業主時代のデータを引き継いで法人会計を開始できます。

freeeも「freee会計」の法人プランがあり、同社内での乗り換えはサポートされています。料金体系は両社ともに法人版の方が高くなり、月額数千円〜2万円程度のレンジになります。

クラウド会計市場の法人向けシェアでは、マネーフォワードがやや優勢な傾向が見られます。これは中堅企業以上の経理部門での導入実績が積み重なっているためで、将来的な事業拡大を見据えるならマネーフォワードの方が安心感があります。

会計ソフトの操作スキルは、それ自体が独立したフリーランス案件として成立します。経理・財務・帳簿・税務のお仕事は、リモートワークと相性が良く、月次決算代行、年末調整補助、確定申告サポートなど、業務範囲が広い分野です。マネーフォワードやfreeeの操作経験があるだけで、応募できる案件の幅が大きく広がります。

特に注目すべきは、最近のAI活用の流れです。経理業務の自動化が進む中、AI・マーケティング・セキュリティのお仕事領域では、会計ソフトのAPIを使ったRPA案件、AIを活用した仕訳自動化のプロジェクトなどが増えています。会計知識とITスキルの両方を持つ人材は、フリーランス市場で希少価値が高い傾向にあります。

確定申告のような専門業務ではなくとも、自分の事業の経理を自力で回せることは、フリーランスとしての基礎体力です。実際、私が見てきた範囲では、会計ソフトを使いこなせるフリーランスは、収支管理が明確で資金繰り判断が早く、結果的に事業継続率が高い傾向があります。

経理スキルだけでなく、執筆業も収支管理が重要な分野です。著述家,記者,編集者の年収・単価相場を見ると、月の収入変動が大きい職種だと分かります。だからこそ、毎月の収支を会計ソフトでリアルタイムに把握しておくことが、安定経営の土台になります。

同様に、ソフトウェア作成者の年収・単価相場も案件単価の幅が大きく、年収管理が複雑です。会計ソフトを使った月次の損益管理は、フリーランスエンジニアにとっても必須スキルと言えるでしょう。

確定申告ソフト選びと、関連サービスとの連携

会計ソフトは単独で使うものではなく、給与計算、勤怠管理、経費精算など、周辺サービスと連携して初めて真価を発揮します。

人を雇うようになったら給与計算ソフトが必要になります。詳細は中小企業の給与計算SaaS比較2026|マネーフォワード vs freee|徹底比較で両社の給与計算サービスを比較していますが、結論としては会計ソフトと同じシリーズで揃えるのが最も連携がスムーズです。

経費精算については、レシート撮影機能だけでは不足する規模になったら専用ツールの導入を検討すべきです。経費精算システム比較2026|楽楽精算 vs マネーフォワード vs freee経費では、マネーフォワード経費とfreee経費を中心に比較しています。

人を雇うと勤怠管理も必要になります。勤怠管理システム比較2026|KING OF TIME vs ジョブカン vs マネーフォワードを参照すれば、勤怠管理と会計・給与の連携をどう設計すべきかが分かります。

ここで重要なのは、「マネーフォワード経済圏」と「freee経済圏」のどちらに身を置くかという判断です。会計ソフト単体の比較で選ぶより、周辺サービス全体で見て統一した方が、長期的には運用コストが下がります。

スキルアップで会計ソフトをさらに活用する

会計ソフトの操作に慣れたら、関連するスキルを身につけることで、フリーランスとしての市場価値はさらに上がります。

文書作成スキルは、請求書・見積書・契約書の作成で日常的に必要になります。ビジネス文書検定を取得しておくと、ビジネス文書の基本ルールが体系的に学べ、顧客とのやり取りがプロフェッショナルになります。フリーランスにとって、書類の質は信用そのものです。

ITインフラの知識もフリーランスには重要です。クラウド会計ソフトはネット環境ありきで動くため、自宅のネットワーク管理や、外出先でのセキュアな接続環境構築の知識があると安心です。CCNA(シスコ技術者認定)レベルのネットワーク知識があれば、自宅オフィスのネット環境構築から、クライアント企業のIT相談まで対応できるようになります。

意外に思われるかもしれませんが、作曲・編曲・効果音・ジングルのお仕事のようなクリエイティブ分野のフリーランスでも、確定申告で困っている人は多いです。著作権使用料、印税収入、機材費の減価償却など、独特の会計処理が必要になるため、会計ソフトの活用が必須スキルになります。

マネーフォワード vs freee|結論と選び方

長くなりましたが、最後に選び方の指針をまとめます。

マネーフォワード クラウド確定申告を選ぶべき人

・簿記3級程度の会計知識がある ・課税事業者(消費税申告が必要) ・地方銀行・信用金庫をメインバンクにしている ・将来的に法人化を考えている ・税理士との連携を予定している

freee会計を選ぶべき人

・会計知識がゼロまたはほぼゼロ ・小規模事業で消費税申告が不要(免税事業者) ・スマホで完結する操作性を重視 ・確定申告だけ済ませられればOK

ただし、どちらを選んでも月額1,000円台から始められ、青色申告65万円控除に対応している点は共通です。クラウド会計ソフトを使わずに紙とExcelで申告を続ける選択肢と比べれば、どちらを選んでも年間数万円の節税効果と、数十時間の作業時間削減が見込めます。

マネーフォワード クラウド確定申告は、白色申告に対応しています。初心者向けの使い方動画、解説記事をご用意しているので、安心してはじめられます。

最終的には、両社とも1ヶ月の無料トライアル期間を設けているので、実際に触ってみることを推奨します。公式サイト(マネーフォワードfreee)からトライアル申込ができます。

会計ソフトの選定は、フリーランスとしての10年、20年のキャリアに関わる基盤です。月額1,000円台の差で迷うよりも、自分の業務スタイルと相性のいいソフトを選ぶこと、そして毎日コツコツ記帳する習慣を作ることの方が、はるかに重要だと考えています。確定申告は1年に1回のイベントですが、日々の記帳の積み重ねが、その1日を楽にもキツくもします。

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朝比奈 蒼

この記事を書いた人

朝比奈 蒼

ITメディア編集者

IT系メディアで編集・ライティングを担当。クラウドソーシング業界の動向やサービス比較など、客観的な視点での記事を執筆しています。

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