高校在学中に取れる医療事務の資格|受け方


この記事のポイント
- ✓医療事務の資格は高校在学中でも受験できます
- ✓年齢制限のない試験の受け方
- ✓申し込みと支払いの注意点
医療事務の資格は、高校在学中でも取れます。主な試験はどれも受験資格を問わず、年齢による制限もないため、高校1年生でも3年生でも申し込めます。ただし、自宅のパソコンで受ける試験と、年2回の会場試験とでは、申し込みの手順も準備するものも大きく違います。
この記事では、各試験の実施団体の公式ページで2026年11月時点の案内を確かめたうえで、高校生が受けやすい医療事務の資格と、その受け方を順番に整理します。保護者の方と一緒に読んで、申し込みや支払いの段取りを決める材料にしてください。
高校生が医療事務の資格を取る意味
最初に、高校生のうちに医療事務の資格を取ることに、どのような意味があるかを整理します。
医療事務は資格がなくても就ける仕事
医療事務の仕事には国家資格がありません。一般財団法人日本医療教育財団は、よくある質問の中で「現在、医療事務の資格に国家資格・公的資格はございません」と答えています。医療事務の資格は、すべて民間の団体が実施する試験です。
資格がなくても働けるのに資格を取る理由は、採用する側が「この人は医療事務の基本を理解しているか」を判断する材料になるからです。医療事務の中心にあるのは、レセプトと呼ばれる請求書づくりです。レセプトとは、病院やクリニックが行った診療の費用のうち、患者が窓口で払わなかった分を、健康保険の運営者に請求するための明細書のことです。この仕組みを高校生のうちに理解していると、就職でも進学でも、自分の方向性をはっきり示せます。
高卒で就職する人にとっての意味
高校を卒業してすぐに医療機関で働きたい人にとって、資格は「未経験でも基礎は学んである」ことを示す数少ない材料です。高校生の就職活動は、多くの場合、学校に届く求人票の中から選び、学校を通して応募します。面接で「なぜ医療事務なのか」を聞かれたとき、資格の勉強で学んだ内容を話せると、志望の動機に具体性が生まれます。
専門学校や大学に進む人にとっての意味
医療系の専門学校や大学に進む人にとっても、高校生のうちに1つ資格を取っておくことには意味があります。入学後に学ぶ内容の基礎を先に固められるうえ、在学中に上の段階の資格を目指す時間が生まれます。また、実際に勉強してみて「点数の計算が思ったより面白い」「窓口の対応のほうが向いていそう」と分かれば、進路を選び直す判断材料にもなります。
高校在学中に受けられる主な医療事務の資格
ここでは、高校生でも申し込める主な医療事務の資格を、実施団体の公式ページの記載で比べます。
| 資格(試験名) | 実施団体 | 受け方 | 受験料(税込) |
|---|---|---|---|
| メディカルクラーク(医療事務技能審査試験) | 日本医療教育財団 | 毎月・自宅のパソコンで受験 | 8,800円 |
| 医療事務管理士技能認定試験(医科) | 技能認定振興協会 | インターネットは随時・紙の在宅試験は毎月 | 7,500円 |
| 医療秘書技能検定 3級 | 医療秘書教育全国協議会 | 年2回・会場試験 | 5,000円 |
| 医事コンピュータ技能検定 3級 | 医療秘書教育全国協議会 | 年2回・会場試験 | 7,500円 |
メディカルクラーク
メディカルクラークは、医療事務の受付業務と請求業務の両方を試験の対象にしている資格です。毎月実施され、土日を中心に月に複数回の日程が組まれています。自宅のパソコンで受けるインターネット試験で、試験官が画面越しに監視する方式です。
日本医療教育財団は、受験の条件について次のように案内しています。
受験資格は問いません。年齢制限もなく、どなたでも受験可能です。 出典: 日本医療教育財団 IBT方式について
試験は学科50分(60問)と実技70分に分かれ、学科と実技のそれぞれで得点率70%以上が合格です。どちらも参考資料を見ながら解ける形式で、2科目を受け終わると、その場で結果が画面に表示されます。合格すると合格証書をPDFで受け取れるため、すぐに履歴書に書けます。
医療事務管理士
株式会社技能認定振興協会(JSMA)の医療事務管理士は、医科の場合、レセプトの点検と作成を問う実技と、法規や保険請求事務、医学一般を問う学科で構成されています。インターネット試験なら申し込んだ期間の中で好きな時に受けられ、紙の問題を自宅で解く在宅試験は毎月実施されています。受験資格は問いません。
技能認定振興協会のインターネット試験は、申し込みの時にクレジットカードかコンビニ払いを選んで支払い、支払いが終わるとすぐに受験できるようになります。受験は支払いから2週間以内に、指定のURLにアクセスして行う決まりです。支払いを済ませてから2週間の間に受けられる日を確保しておく必要があるため、テスト期間の直前に支払うのは避けます。
定期テストや部活動の予定に合わせて受験日を決めやすいので、学校生活が忙しい高校生にとって選びやすい試験です。
試験ごとの選び方の目安
ここまでの内容をもとに、高校生がどの試験を選ぶとよいかを、状況ごとに整理します。
- 自宅にパソコンとWebカメラがあり、早く結果を知りたい:メディカルクラーク
- 部活動が忙しく、空いた日にすぐ受けたい:医療事務管理士のインターネット試験
- 学校で団体受験ができる、または医学の基礎も学びたい:医療秘書技能検定3級
- 学校の授業で医事コンピュータや電子カルテを使っている:医事コンピュータ技能検定3級
どれを選んでも、最初の1つで医療保険の仕組みとレセプトの基本を学ぶことに変わりはありません。迷ったら、自分の生活の中で一番受けやすい試験を選ぶのが、途中で投げ出さないための近道です。
医療秘書技能検定と医事コンピュータ技能検定
一般社団法人医療秘書教育全国協議会の医療秘書技能検定と医事コンピュータ技能検定は、年2回の会場試験です。協議会のよくある質問では「受験資格は特に問いません。どなたでも受験可能です」と案内されています。
医療秘書技能検定は、医療秘書の実務や医療関連の法律、医学の基礎知識、医療事務の3つの領域を扱います。3級から始めると、医療の仕事全体を広く学べます。2026年度は6月27日と11月7日に実施され、3級の試験時間は12時30分から14時30分まででした。
医事コンピュータ技能検定は、医事コンピュータ(会計と請求のための専用システム)の操作まで問う試験です。受験会場で使うソフトに対応している必要があるため、学校で同じソフトを使った授業を受けている人に向いています。
医療秘書技能検定3級の中身と合格の基準
高校生が会場試験で最初に目指すことが多い医療秘書技能検定3級について、もう少し詳しく見ておきます。試験は次の3つの領域で構成され、それぞれ100点の配点です。
- 領域Ⅰ:医療秘書実務、医療機関の組織と運営、医療に関係する法律
- 領域Ⅱ:医学の基礎知識(体の仕組みや主な病気)と医療に関係する知識
- 領域Ⅲ:医療事務(レセプトの作成と点数表の理解)
合格するには、3つの領域の合計が180点以上で、しかもそれぞれの領域で60%以上を取る必要があります。1つの領域だけ極端に点数が低いと、合計が180点を超えていても不合格になります。得意な分野で稼ぐより、苦手な分野をつくらない勉強が大切です。
持ち込みにも決まりがあります。ノートや参考書、電卓を持ち込めるのは領域Ⅲを受けるときだけで、点数表は必ず持参するよう案内されています。領域Ⅰと領域Ⅱは持ち込みができないため、用語や体の仕組みは覚えて臨みます。高校の生物や保健の授業で習った内容が、領域Ⅱの土台として役立ちます。
受験料は3級が5,000円で、2級と3級を同じ日に受ける併願は11,000円です。併願の制度があるのは、2級の試験時間が15時から17時、3級が12時30分から14時30分と、時間帯がずれているためです。いきなり併願するより、まず3級で試験の雰囲気に慣れ、次の回で2級を受けるほうが確実です。
医療事務の周辺で高校生が受けられる資格
医療事務の基本の資格のほかにも、働きたい場所によっては、別の資格のほうが仕事の中身とつながることがあります。
調剤薬局や介護施設を目指すなら
調剤薬局の請求は、病院やクリニックとは別の仕組みで、調剤報酬と呼ばれる点数で計算します。地元の薬局で働きたい人は、技能認定振興協会の調剤事務管理士技能認定試験(受験料6,500円)のように、調剤に特化した資格を選ぶと、仕事の内容と直接つながります。
介護施設の事務は、介護保険で決まる介護報酬の請求が中心です。技能認定振興協会の介護事務管理士技能認定試験(受験料5,500円)や、日本医療教育財団のケアクラーク技能認定試験が、介護の事務の資格に当たります。
電子カルテ実技検定
医療秘書教育全国協議会の電子カルテ実技検定は、医師と患者のやり取りを再現した問答をもとに、電子カルテのシステムを操作してカルテを作る試験です。実技の入力時間は50分、受験料は7,500円で、2026年度は7月4日と11月14日に実施されています。受験会場で使うソフトに対応している必要があるため、学校の授業で電子カルテに触れている人に向いています。
自宅で受ける試験の受け方と準備
メディカルクラークのように自宅のパソコンで受ける試験は、会場に行かなくてよい反面、機器と部屋の準備が必要です。日本医療教育財団の案内をもとに、高校生がつまずきやすい点を整理します。
パソコンとWebカメラが必要
試験にはパソコン本体(ノート型かデスクトップ型)が必要で、タブレットやスマートフォンでは受験できません。推奨されているのは Windows 11 か Mac の最新版、ブラウザは Google Chrome か Microsoft Edge の最新版です。自宅で個人として受ける場合は、試験官が監視するためのWebカメラも必要で、スマートフォンをカメラの代わりに使うことはできません。
家にパソコンがない、または家族のパソコンにカメラが付いていない場合は、申し込む前に用意できるかを家族と相談します。外付けのWebカメラを使う方法もあります。
1人で受けられる部屋を用意する
自宅で受けるときは、1人の静かな環境で、ほかの人が同じ空間にいない場所が条件です。家族が出入りするリビングでは受けられません。試験の当日には、カメラで部屋の周囲360度と机の上を映して確認されます。机の上にはテキスト、ノート、電卓、筆記用具のような持ち込めるものだけを置きます。
兄弟姉妹と同じ部屋を使っている場合は、家族が外出している日時を選んで申し込むなど、事前の調整が欠かせません。
本人確認の身分証を決めておく
当日は、申し込みの時に登録した身分証明書で本人確認が行われます。どの身分証が使えるかは受験規約やマニュアルに書かれているため、申し込む前に確かめ、登録した身分証を当日手元に置いておきます。
本番の前に体験版で操作に慣れる
日本医療教育財団は、試験の出題と解答の形式を確かめられる体験版(サンプル試験)を公開しています。医科、歯科、医師事務作業補助などの試験ごとに用意されており、本番と同じ画面で操作を試せます。パソコンで入力しながら解く形式に慣れていないと、知識があっても時間が足りなくなるため、申し込む前に一度は試しておきます。あわせて、使う機器が推奨の条件を満たすかを確かめる受験環境テストも、必ず事前に実施します。
会場で受ける試験の申し込み方
医療秘書技能検定や医事コンピュータ技能検定のような会場試験は、申し込みの締め切りが試験日のかなり前に来ます。
願書の受付期間は試験日の1〜2か月前
医療秘書教育全国協議会の2026年度の日程では、11月7日の医療秘書技能検定の願書受付が9月7日から10月7日まで、11月14日と15日の医事コンピュータ技能検定の願書受付が9月14日から10月14日まででした。思い立ってから試験日までに2か月以上かかる計算です。高校3年生の夏に就職活動で資格を書きたい場合、6月の試験に間に合わせるには4月から5月に願書を出す必要があります。
受験料の振込名義は本人の名前にする
個人で受ける場合、受験料は銀行振込で支払います。医療秘書教育全国協議会は、振込依頼人名が出願者本人の氏名であることを確かめるよう案内しており、出願者以外の名義で振り込むと願書が受理されない可能性があると書いています。
振込先の口座や願書の送付先は、医療秘書教育全国協議会の個人受験の案内に試験の回ごとに掲載されています。
保護者がネットバンキングで振り込む場合に、保護者の名前のまま送金してしまう失敗が起きやすいので注意が必要です。振込の画面で、依頼人名を受験する高校生本人の名前に変えてから送金します。
学校でまとめて受けられることもある
医療秘書教育全国協議会の会員校や、日本医療教育財団の団体受験校に申請している学校では、学校でまとめて受験できる場合があります。日本医療教育財団のインターネット試験には、学校のパソコン教室を会場にして全員が一斉に受ける「団体会場受験」があり、この場合は先生が監視するためWebカメラは不要です。ただし、団体会場受験は教育機関に限られた受験方法で、学校が事前に申請している必要があります。
商業科や情報処理科、医療事務のコースがある高校では、学校で受けられる試験が決まっていることがあります。まずは担任や進路指導の先生に、学校で受けられる検定があるかを聞いてみます。
学校生活と両立する勉強の進め方
高校生が資格の勉強をするときの最大の課題は、定期テストや部活動、学校行事との両立です。
受験日は定期テストから逆算して決める
自宅で受ける試験は日程を選べるので、定期テストの2週間前と重ならない時期を受験日にします。たとえば、夏休みの終わりや、2学期の期末テストが終わった後の12月などは、学校の勉強と重なりにくい時期です。
年2回の会場試験は日程が決まっているため、試験日の前の1か月は、平日に毎日30分、週末に2時間ほどの時間を確保できるかを先に確かめてから申し込みます。
3か月の計画を3つに分ける
最初の資格を目指すなら、3か月ほどの計画で考えると無理がありません。
- 1か月目:医療保険の仕組みと用語を覚える。保険証の種類、患者が払う割合、初診と再診の違いなど
- 2か月目:点数表の引き方を覚え、外来のレセプトを1枚ずつ作る
- 3か月目:過去の問題やサンプル試験を時間を計って解き、間違えた分野を復習する
勉強のノートは、間違えた問題の分野と、正しい答えを見つけた資料のページを書き留める形にすると、試験の直前に見返すだけで弱点を確認できます。
医療事務の試験の多くは、点数表などの資料を見ながら解けます。暗記に時間をかけるより、「資料のどのページを開けば答えが分かるか」を体で覚えることが合格への近道です。
教材は改定に対応したものを選ぶ
医療事務の試験は、診療報酬(診療の値段を点数で決めたもの)の改定に合わせて内容が変わります。2026年度は改定の年に当たり、医療秘書教育全国協議会は試験の案内に「新点数」と明記し、技能認定振興協会も2026年10月1日から改定に対応した版の試験の申し込みを始めています。
先輩から譲ってもらった教材や、フリマアプリで買った古いテキストは、改定前の点数のままのことがあります。教材を選ぶときは、表紙や奥付で対応年度を確かめます。
かかる費用は受験料と教材代
資格にかかる費用は、受験料と教材代が中心です。受験料は、メディカルクラークが8,800円、医療事務管理士が7,500円、医療秘書技能検定3級が5,000円です。教材は、試験ごとに実施団体が案内しているテキストや問題集を基本に選びます。医療秘書教育全国協議会は、医療秘書技能検定のテキストと問題集の出版社を公式ページで案内しており、問題集のない上の級については過去問題を事務局で販売しています。
お小遣いやアルバイト代で受ける場合は、受験料と教材代を合わせた金額を先に計算し、無理のない時期を選んで申し込みます。不合格だったときの再受験の費用も、最初から計画に入れておくと安心です。
合格したあとの流れ
合格したあとの手続きも、試験によって違います。履歴書に書く時期に間に合うよう、結果が出るまでの日数を知っておきます。
結果が出るまでの日数
メディカルクラークのような自宅で受けるインターネット試験は、学科と実技の2科目を受け終わると、その場で結果が画面に表示されます。合格すると、試験結果の画面から合格証書をPDFで受け取れます。
医療秘書教育全国協議会の会場試験は、試験日の約2週間前に受験票が届き、合否の通知は試験日の約40日後です。合格者には合格証が無料で発行され、合否の通知と一緒に送られてきます。11月の試験なら、結果が届くのは12月の終わりごろになる計算です。
合格証はなくさないように保管する
合格証は、就職の時に提出を求められることがあります。日本医療教育財団は、合格証書の再発行はできず、代わりに合格証明書を発行すると案内しています。医療秘書教育全国協議会の合格証の再発行には、郵送での申し込みと、手数料として110円切手10枚の同封が必要です。PDFで受け取った合格証書はパソコンやクラウドに保存し、紙の合格証はクリアファイルに入れて保管します。
医科と歯科、どちらで受けるか
メディカルクラークは、医科と歯科に分かれています。どちらで受けるかは、働きたい場所で決めます。
病院やクリニックなら医科
内科や小児科、整形外科などのクリニックや、総合病院で働きたいなら医科を選びます。高校生のうちは働きたい診療科まで決まっていないことが多いので、迷ったら医科から始めるのが無難です。医科の請求の考え方を理解しておくと、ほかの分野の資格に進むときも土台として使えます。
歯科医院なら歯科
歯科医院の請求は、医科とは別の点数の体系で計算します。地元の歯科医院で働きたいなど、行き先がはっきりしているなら、最初から歯科で受けるほうが仕事の中身と直接つながります。
医科と歯科の両方を高校生のうちに取る必要はありません。1つを確実に取り、余った時間は面接の準備や、一般の事務の力を付けることに使うほうが、就職の場面では役に立ちます。
医療事務の仕事の中身を先に知っておく
資格の勉強を始める前に、医療事務の1日の仕事を知っておくと、何のために覚えるのかが分かり、勉強が続けやすくなります。
受付から会計までの流れ
クリニックの医療事務の仕事は、おおまかに次の順番で進みます。
- 受付:来院した患者の保険証やマイナ保険証を確認し、初めての患者には問診票を渡す
- カルテの準備:受付の情報をシステムに入力し、診察の準備を整える
- 会計:診察が終わったら、行われた診療の内容から費用を計算し、患者が払う金額を伝えて受け取る
- 片付けと翌日の準備:その日の会計を締め、予約の確認や書類の整理をする
レセプトは、こうした毎日の会計の記録をもとに、月に1度まとめて作って請求します。月の初めはレセプトの作成と点検が集中し、医療事務が最も忙しくなる時期です。資格の勉強でレセプトを作る練習をするのは、この月初の仕事に備えるためです。
医療機関の種類で仕事の比重が変わる
小さなクリニックでは、受付、会計、電話、レセプトまでを2〜3人で分担します。患者と話す時間が長いので、人と接するのが好きな人に向いています。
大きな病院では、外来の受付、入院の会計、レセプトの点検などに担当が分かれ、それぞれの専門性を深めていく働き方になります。黙々と正確に作業を進めるのが得意な人は、病院の医事課の仕事に手応えを感じやすいはずです。
資格の勉強をしながら、自分は受付の対応と請求の作業のどちらに向いていそうかを考えておくと、就職先を選ぶときの判断に役立ちます。
申し込む前に家族と確かめておくこと
高校生が資格を受けるときは、保護者の協力が必要な場面がいくつもあります。申し込む前に、次の点を家族と一緒に確かめておくと、当日になって慌てずに済みます。
- 受験料と教材代を誰が負担するか、支払いの方法(クレジットカード、コンビニ払い、銀行振込)は何か
- 自宅で受ける場合、パソコンとWebカメラを使えるか、1人で受けられる部屋を確保できるか
- 会場で受ける場合、試験会場までの交通手段と所要時間はどれくらいか
- 受験日が、学校の行事や家族の予定と重なっていないか
- 合格証や受験票が郵送で届く試験では、届く時期に受け取れる住所を書いたか
特に支払いの方法は、試験によって選べるものが違います。メディカルクラークや医療事務管理士はクレジットカードかコンビニ払いを選べ、医療秘書教育全国協議会の個人受験は銀行振込です。クレジットカードを持っていない高校生は、コンビニ払いを選べる試験のほうが手続きを自分で進めやすくなります。
古い情報に注意したい試験
医療事務の資格を紹介する記事の中には、情報が古いまま残っているものがあります。高校生が調べものをするときに、特に注意したい点を挙げます。
診療報酬請求事務能力認定試験の実施団体は解散した
医療事務の資格で最も難しいとされてきた診療報酬請求事務能力認定試験は、公益財団法人日本医療保険事務協会が年2回実施してきました。しかし同協会のサイトのトップページには、令和8年3月31日で解散したと掲載されています。協会のサイトに載っている最後の試験は2025年12月の第63回です。
古い記事では「目指すなら最難関の診療報酬請求事務能力認定試験」と書かれていることがありますが、2026年11月時点では申し込み先が見当たりません。
試験の形式も変わっている
医療秘書技能検定の2級と3級では、領域Ⅲの「医療事務」の問題のうち、診療報酬請求明細書の記述で答える部分が、2025年6月からマークシート形式に変わりました。古い問題集で練習するときは、解答の形式が今の試験と違うことを頭に入れておきます。
試験日や受験料は、毎年度見直されることがあります。申し込む前には、必ず実施団体の公式ページで今年度の案内を確かめます。
資格を履歴書と面接で生かす
取った資格は、履歴書と面接で上手に伝えてこそ意味を持ちます。
履歴書には正式名称で書く
高校生の就職では、学校で指定された履歴書を使うことが多くあります。資格欄には、実施団体が使っている正式名称と、取得した年月を書きます。
- 医療事務技能審査試験(メディカルクラーク)医科 合格
- 医療秘書技能検定試験 3級 合格
通称だけを書くと、どの団体の試験か伝わらないことがあるため、正式名称を書いてから丸カッコで通称を添えます。
面接では学んだことと向いている理由を話す
面接で資格について聞かれたら、合格したことよりも、勉強の中で何を学び、どこに興味を持ったかを話します。「点数表を引きながらレセプトを作る練習を続けて、細かい確認作業が苦にならないと分かりました」のように、自分の向き不向きと結びつけると説得力が増します。
医療事務は、患者と話す受付の仕事と、机で黙々と進める請求の仕事の両方があります。資格の勉強でどちらに手応えを感じたかを話せると、採用する側は配属をイメージしやすくなります。
志望動機は「きっかけ」と「資格で学んだこと」と「入ってからしたいこと」で組み立てる
医療事務を志望する高校生の志望動機は、家族の通院や入院に付き添ったときの受付の印象をきっかけにするものが多く、それ自体は自然な理由です。ただ、きっかけだけで終わると、ほかの応募者と似た内容になりやすくなります。
そこで、次の3つを順番につなげます。1つ目は医療事務に興味を持ったきっかけ、2つ目は資格の勉強で実際に学んだことと感じたこと、3つ目は入職してから身につけたいことです。たとえば「受付の対応に安心した経験から興味を持ち、資格の勉強でレセプトの仕組みを学んで、正確な請求が医療機関を支えていると知りました。入職後は受付と会計の両方を担えるようになりたいです」と話すと、きっかけが行動につながっていることが伝わります。
医療事務と一緒に身につけたい力
医療事務の資格に加えて、高校生のうちに身につけておくと役立つ力もあります。
パソコンの入力と文書の作成
医療機関の受付や会計は、ほとんどがパソコンでの入力です。キーボードを見ずに正確に入力できる力は、医療事務の資格と同じくらい現場で評価されます。また、患者向けの案内や院内の連絡文書を作る場面もあるため、文書の書き方の基本を身につけておくと任される仕事の幅が広がります。
文書の書き方を証明する資格としてはビジネス文書検定があります。医療事務の資格と組み合わせると、受付と事務の両方を任せられる人だと示しやすくなります。
言葉づかいと電話の応対
医療機関には、体調の悪い患者や不安を抱えた家族が訪れます。落ち着いた言葉づかいと、相手の話を最後まで聞く姿勢は、資格の点数では測れない大切な力です。アルバイトや学校の委員会活動などで人と接する経験も、面接で話せる材料になります。
運営者として見てきた、若いうちに資格を取る人の強み
在宅ワークとフリーランスの仲介を20年以上続けてきた立場から見ると、若いうちに資格の勉強をした人には、仕事を始めてからの伸び方に共通点があります。それは、新しい制度やルールに出会ったとき、自分で調べて理解する習慣が身についていることです。
医療事務の資格の勉強は、点数表という分厚い資料から必要な情報を探し出す訓練でもあります。この「資料から答えを探す力」は、医療機関で働く場合も、将来、医療や介護の分野で文章を書く仕事や事務の仕事を在宅で受ける場合も、そのまま生きます。依頼する側と受ける側が直接やり取りする仕事では、説明を何度も求めずに自分で調べて進められる人ほど信頼され、次の依頼につながっていきます。
医療分野の知識を生かして文章を書く仕事に興味がある人は、実績の見せ方をWebライターのポートフォリオの作り方|案件獲得率が上がるテンプレート付き【2026年版】で確認できます。高校生のうちに取った資格は、こうした将来の選択肢を広げる最初の一歩になります。
よくある質問
Q. 高校1年生でも医療事務の資格を受験できますか?
受験できます。メディカルクラークを実施する日本医療教育財団は、受験資格を問わず年齢制限もないと案内しており、医療秘書技能検定と医事コンピュータ技能検定を実施する医療秘書教育全国協議会も、受験資格は特に問わないとしています。学年に関係なく申し込めるので、学校生活の予定に合わせて受験時期を決めてください。
Q. スマートフォンだけで受験できる試験はありますか?
メディカルクラークなど日本医療教育財団のインターネット試験は、パソコン本体が必要で、タブレットやスマートフォンでは受験できません。自宅で受ける場合はWebカメラも必要です。パソコンが用意できないときは、学校で団体受験ができないかを先生に相談するか、紙の試験を選ぶ方法を検討してください。
Q. 受験料を保護者が払うときの注意点はありますか?
医療秘書教育全国協議会の個人受験は銀行振込で、振込依頼人名を出願者本人の氏名にするよう案内されています。保護者の名前のまま振り込むと願書が受理されない可能性があるため、振込の画面で依頼人名を受験する本人の名前に変えてから送金してください。
Q. 高校生のうちに取るなら何個くらいが目安ですか?
まずは1つを確実に取ることを目標にしてください。医科か歯科か、働きたい場所に合った資格を1つ取り、面接で学んだ内容を具体的に話せるほうが評価につながります。余裕があれば、パソコンの入力や文書の書き方など、医療事務と組み合わせて使える力を伸ばすのがおすすめです。
この記事について
編集部
監修:@SOHO編集部
2004年よりフリーランス・在宅ワーク向けサービスを運営。生成AIで作成した下書きを、一次情報と照らし合わせて確認したうえで公開しています。

この記事を書いた人
@SOHO編集部
フリーランス・在宅ワークの専門メディア
@SOHOは2004年から続く、日本のフリーランス・在宅ワーク向け案件サイトです。記事は生成AIで下書きを作り、数値・固有名・出典を一次情報と照らし合わせる確認の手順を経て公開しています。
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