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市場調査の副業|リサーチの仕事の種類と始め方

@SOHO編集部
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市場調査の副業|リサーチの仕事の種類と始め方

この記事のポイント

  • ✓市場調査の副業を始めたい人向けに
  • ✓アンケートモニターや覆面調査
  • ✓インタビューの参加から

市場調査の副業には、調査に答える側として謝礼を受け取る仕事と、調査を作り、集め、分析する側として報酬を受け取る仕事の2つの方向があります。前者は特別なスキルがなくても始められる一方、まとまった収入にはなりにくく、後者は統計や調査の知識が求められる分、仕事として報酬を得やすいのが特徴です。この記事では、市場調査の副業の種類をこの2つに分けて整理し、それぞれの始め方、必要なスキルと道具、守るべきルール、登録料を先に払わせる募集の見分け方、税金の扱いまでを順に説明します。

市場調査の仕事とは

市場調査とは、商品やサービスを作ったり売ったりする会社が、消費者の考えや行動、市場の動きを知るために行う調べもののことです。マーケティング・リサーチとも呼ばれます。新しい商品を出す前に買いたいと思う人がどのくらいいるかを調べる、広告を見た人の印象を確かめる、店の接客の質を確かめる、といった目的で行われます。

市場調査の仕事は、大きく次の工程に分かれます。

  1. 企画:何を知りたいのか、誰に聞くのか、どんな方法で調べるのかを決めます。
  2. 調査票の設計:アンケートの質問や、インタビューで聞くことを作ります。
  3. 実査:実際に回答を集めたり、インタビューをしたりします。実査とは、調査を実際に行う工程のことです。
  4. 集計と分析:集めた回答を数え、表やグラフにまとめ、傾向を読み取ります。
  5. 報告:分析の結果を報告書にまとめ、依頼主に伝えます。

副業として関われるのは、この工程のどこかの一部です。答える側として実査に参加する仕事もあれば、調査票の設計、集計と分析、報告書の作成といった、調査を作る側の工程を請け負う仕事もあります。

リサーチの経験を持つ人が副業に生かせる場面について、次のような説明があります。

実は、仮説構築やアンケート設計、データ分析、レポート作成などのリサーチスキルは、副業市場でも高く評価されており、調査支援からコンサルティングまで幅広いニーズがあります。 出典: newspicks.expert

答える側として参加する仕事

まず、調査に答える側として参加する仕事を紹介します。特別なスキルがなくても始められるものが中心です。

アンケートモニター

調査会社やアンケートのサイトに登録し、届いたアンケートに答えて、謝礼としてポイントや現金を受け取る仕事です。スマートフォンで空いた時間に答えられるのが利点です。1件あたりの謝礼は小さく、生活の足しにするほどの収入にはなりにくいため、すき間の時間の小さな楽しみとして考えるのが現実的です。

座談会やインタビューへの参加

数人で商品について話し合う座談会(グループインタビュー)や、調査員と1対1で話すインタビューに参加し、謝礼を受け取る仕事です。会場に行く形と、オンラインで参加する形があります。アンケートに比べて1回あたりの謝礼は高めですが、参加できる条件(年齢、使っている商品、住んでいる地域など)が細かく決められていて、応募しても選ばれるとは限りません。

会場調査や商品の試用

決められた会場で商品を試食したり、試用したりして感想を答える調査や、自宅に届いた商品を一定期間使って答える調査もあります。会場調査は、英語の略でCLTとも呼ばれます。

覆面調査(ミステリーショッパー)

一般の客として飲食店や小売店を訪れ、接客、店内の清潔さ、料理の提供時間などを決められた項目に沿って確かめ、報告書にまとめる仕事です。ミステリーショッパーとも呼ばれます。飲食の代金の一部または全部が謝礼として戻る形が多く見られます。報告書には、決められた項目を正確に、客観的に書くことが求められます。業界団体の日本マーケティング・リサーチ協会は、ミステリーショッピングに関するガイドラインを公開しています。

答える側の仕事は、始めやすい反面、謝礼の額は依頼主の予算と調査の内容で決まり、自分で単価を上げていくことは難しい仕事です。副業としての収入を伸ばしたい場合は、次に紹介する調査を作る側の仕事に目を向けることになります。

アンケートのサイトを選ぶときの確認点

答える側の仕事を始めるときは、登録するアンケートのサイトや調査会社を慎重に選びます。登録の際には、名前、生年月日、住所、職業、家族の構成など、多くの個人情報を入力するためです。

確かめておきたいのは、運営する会社の名前と所在地、個人情報の扱いの方針(プライバシーポリシー)、謝礼の受け取り方と、受け取れる最低の額です。ポイントで謝礼を受け取る形では、一定の額までためないと交換できないことがあり、ポイントに有効期限が付いていることもあります。交換の方法と手数料も事前に確かめておくと、思ったより受け取れなかったという失望を防げます。

業界団体の日本マーケティング・リサーチ協会の会員かどうかも、判断の材料の1つになります。協会の会員は、協会の綱領やガイドラインに沿って調査を行うことになっているためです。登録するサイトを増やしすぎると、届くメールが多くなり管理が大変になるため、信頼できるところを少数選んで続ける方が、結果として答えやすくなります。

覆面調査の報告書の書き方

覆面調査は、答える側の仕事の中でも、報告書の質がそのまま評価につながる仕事です。調査会社から示された項目に沿って、見たことと聞いたことを正確に書くことが求められます。

報告書で大切なのは、事実と感想を分けて書くことです。「店員の対応が冷たかった」と書くと、読む人によって受け取り方が変わります。「入店してから声をかけられるまでに約3分かかった」「注文を繰り返して確認する言葉がなかった」のように、何があったのかを具体的に書くと、店の側が改善に使える報告になります。感想を書く欄がある場合は、事実を書いたうえで、客として感じたことを分けて書きます。

時刻の記録も大切です。入店した時刻、料理が届いた時刻、会計を終えた時刻などは、店の提供の速さを確かめる材料になります。調査中に目立つようにメモを取ると調査であることが分かってしまうため、記憶に頼る部分も多くなります。店を出たらすぐに要点を書き留め、その日のうちに報告書を仕上げるのが基本です。

覆面調査では、調査であることを店に知られないことが前提です。調査の内容をSNSに書いたり、店員に調査であることを伝えたりしないよう、調査会社の決まりを守りましょう。

調査を作る側として受ける仕事

調査を作る側の仕事は、調査や分析の知識が求められる分、報酬を得やすい仕事です。業務委託として、クラウドソーシングや知人の紹介、専門家の仲介サービスなどを通じて受けるのが一般的です。

市場調査・マーケットリサーチの仕事・案件一覧ページです。クラウドソーシング・アウトソーシングに強いランサーズでは、市場調査・マーケットリサーチの仕事情報の検索から納品、報酬の受け取りまで、すべて完結します。 出典: lancers.jp

デスクリサーチ

インターネット、公的な統計、業界団体の資料、企業の公開資料などから情報を集め、整理してまとめる仕事です。デスクリサーチとは、机の上でできる、既にある情報を使った調べもののことです。競合する会社の商品と価格の一覧を作る、ある業界の市場の規模や動きをまとめる、といった依頼が見られます。情報の出どころを明記し、信頼できる資料を選んで使えることが求められます。

調査票の設計

アンケートの質問を作る仕事です。知りたいことに答えが出る質問になっているか、答える人が迷わない聞き方か、答えを誘導していないか、を考えながら設計します。質問の順番や、選択肢の作り方ひとつで結果が変わるため、調査の目的を理解し、設計の基本を身につけていることが求められます。

集計と分析

集めた回答を、表計算ソフトや統計のソフトで集計し、表やグラフにまとめ、傾向を読み取る仕事です。単純に数えるだけでなく、年代別、性別別などの切り口で比べるクロス集計、自由に書かれた回答を分類する作業などが含まれます。統計の知識があると、結果の差が意味のある差なのかを判断でき、報告の質が上がります。

インタビューの実施と記録

調査の対象者に話を聞く仕事や、インタビューの録音を文字に起こしてまとめる仕事です。聞き手になる場合は、相手の話を引き出し、質問の意図からそれないように進める力が求められます。文字起こしの仕事は、録音を正確に文字にする根気と、専門用語を調べる力が必要です。

報告書の作成

分析の結果を、依頼主が意思決定に使える形の報告書にまとめる仕事です。結果の数字を並べるだけでなく、何が分かったのか、次に何をすべきかを簡潔に示す力が求められます。

報酬の決まり方と見積もり

調査を作る側の仕事の報酬は、作業の内容と分量によって決まります。決め方には、作業1件ごとの固定の報酬、作業時間に応じた時間単価、集計する回答の数や報告書のページ数に応じた単価などがあります。

報酬を見積もるときは、作業に必要な時間を工程ごとに分けて考えます。たとえば集計の仕事なら、データの確認と整理、集計表の作成、グラフの作成、結果の説明文の作成、依頼主の確認と修正の対応、という工程に分けると、見落としが減ります。データの形が整っていない場合は、整理だけで想定以上の時間がかかることがあるため、仕事を受ける前に見本のデータを見せてもらうと、見積もりの精度が上がります。

クラウドソーシングで受ける場合は、サービスの手数料が報酬から差し引かれることが多く、受け取る額は提示された報酬より少なくなります。手数料と振込の手数料を差し引いた額で、作業の時間に見合うかを考えてから応募しましょう。調査や分析の報酬は、経験や実績、依頼主によって大きく違い、始めたばかりのうちは時間に見合う報酬にならないこともあります。実績を積み、作業の速さと質が上がるにつれて、条件を見直していくのが現実的な道筋です。

調査票を作るときの基本

調査を作る側の仕事で、最初に身につけておきたいのが調査票の作り方です。質問の聞き方ひとつで結果が大きく変わるため、基本を押さえておくことが、信頼される仕事につながります。

1つの質問で1つのことを聞く

「この商品の価格とデザインに満足していますか」という質問は、価格とデザインの2つを同時に聞いています。価格には満足していてもデザインには不満な人は、どう答えればよいか迷ってしまいます。このような質問は、「価格に満足していますか」「デザインに満足していますか」の2つに分けるのが基本です。

答えを誘導しない

「多くの人に好評のこの商品について、満足していますか」という聞き方は、答える人を「満足」の方向へ誘導してしまいます。質問の文章には、評価を含む言葉や、前提を押しつける言葉を入れないようにします。

選択肢に漏れと重なりを作らない

年齢を「20〜30歳」「30〜40歳」のように区切ると、30歳の人はどちらを選べばよいか分かりません。選択肢は「20〜29歳」「30〜39歳」のように、重なりがなく、すべての人がどれかに当てはまるように作ります。当てはまるものがない人のために、「その他」や「分からない」の選択肢を用意しておくことも大切です。

答える人の負担を考える

質問の数が多すぎると、途中で答えるのをやめる人や、よく考えずに答える人が増え、結果の質が下がります。知りたいことに直接関わる質問に絞り、答えるのにかかる時間の目安を最初に示しておくと、最後まで答えてもらいやすくなります。

個人情報を聞くときは目的を示す

名前、連絡先、年齢などを聞く場合は、何のために聞くのか、どのように扱うのかを、調査票の最初に示します。分析に必要のない個人情報は聞かないのが原則です。

集計と分析の進め方の例

集計と分析の仕事が、実際にどう進むのかを、簡単な例で説明します。ある飲食店が、来店した人に満足度のアンケートを取ったとします。

まず、単純集計を行います。単純集計とは、質問ごとに、それぞれの選択肢を選んだ人の数と割合を数えることです。「満足」「やや満足」「やや不満」「不満」がそれぞれ何人で、全体の何%かを表にします。

次に、クロス集計を行います。クロス集計とは、2つの質問を組み合わせて、属性ごとの違いを見ることです。たとえば、年代と満足度を組み合わせると、次のような表になります。

年代 満足・やや満足 やや不満・不満 回答者数
20代 70% 30% 40人
30代 80% 20% 50人
40代以上 55% 45% 30人

この表からは、40代以上で不満の割合が高いことが読み取れます。ただし、回答者の数が少ない場合、割合の差がたまたま生じた可能性もあります。統計の知識があると、この差が意味のある差なのかを確かめる方法を選べます。さらに、自由に書かれた回答を読み、40代以上の人が何に不満を感じているのかを分類すると、改善の手がかりが見えてきます。

報告では、表を並べるだけでなく、「40代以上の満足度が低く、自由回答では席の間隔と料理の量への意見が多い」のように、分かったことを短い文で示します。依頼主が次に何をすべきかを考えやすい形にまとめることが、分析の仕事の価値になります。

公的な統計の探し方

デスクリサーチの仕事では、公的な統計を使う場面が多くあります。国や自治体が作る統計は、調べ方が公開されていて、信頼できる資料として使えるからです。

国の統計を探すときは、政府の統計をまとめて見られる政府統計の総合窓口(e-Stat)が便利です。人口、家計、労働、産業など、分野ごとに統計を探せ、表の形のデータをダウンロードすることもできます。

公的な統計を使うときは、次の点を確かめておきます。

  • 統計の名前と、作っている省庁や機関
  • 調査の時期と、公表された時期
  • 調査の対象と、集め方
  • 数字の単位と、定義

同じ言葉でも、統計によって定義が違うことがあります。たとえば「世帯」や「就業者」の範囲は、統計ごとに決められています。報告書に数字を書くときは、どの統計の、いつの時点の数字かを必ず添え、読む人が元の資料を確かめられるようにします。業界団体や民間の会社が公表している調査の結果を使う場合も、調べ方と時期を確かめ、出どころを明記するのが基本です。

必要なスキルと学び方

市場調査の副業で求められるスキルは、仕事の種類によって違います。調査を作る側の仕事に必要な主なスキルを整理します。

  • 表計算ソフトの操作:集計、並べ替え、グラフの作成、クロス集計の作り方は、ほぼすべての仕事で使います。
  • 統計の基礎:平均、割合、ばらつき、標本の大きさと誤差の考え方など、結果を正しく読むための知識です。
  • 調査の設計の知識:質問の作り方、選択肢の作り方、答える人の選び方など、正しい結果を得るための考え方です。
  • 情報を探す力:公的な統計や信頼できる資料を探し、出どころを確かめて使う力です。
  • 文章でまとめる力:分析の結果を、相手に伝わる言葉で簡潔にまとめる力です。

統計の知識を体系的に学ぶ目標として、統計検定があります。統計検定は、統計に関する知識や活用力を評価する検定で、公式の案内によると、準1級から4級はコンピュータを使う方式(CBT)で全国で随時受験でき、統計調査の実務に関わる「調査士系」の区分もあります。試験の区分と内容は統計検定の公式サイトで確かめてください。

研究や調査を仕事にする人の収入の目安を知っておきたい人は、研究者の年収・単価相場で、研究職の年収とフリーランスで受ける場合の単価の目安を確かめられます。

そろえておく道具

市場調査の副業に、高価な道具は必要ありません。ただし、調査を作る側の仕事では、次の道具がそろっていると受けられる仕事の幅が広がります。

  • パソコン:集計と分析、報告書の作成に使います。スマートフォンだけでは対応しにくい仕事がほとんどです。
  • 表計算ソフト:集計とグラフの作成に使います。依頼主が使っている形式に合わせて納品できると親切です。
  • アンケートを作るサービス:調査票を作って回答を集める仕事では、インターネットのアンケートのサービスを使います。無料で使えるものもあります。
  • 文書作成ソフトとプレゼンテーションのソフト:報告書や発表の資料を作るために使います。
  • 安定したインターネットの回線:オンラインのインタビューや、大きなデータのやり取りに必要です。

データの保管の方法も決めておきます。仕事のデータを個人のファイルと混ぜずに、仕事ごとのフォルダに分けて保存し、作業が終わったら依頼主の指示どおりに削除できるようにしておくと、情報の管理がしやすくなります。

インタビューの仕事を受ける場合は、録音のための機器や、オンラインの会議のソフトも用意しておきます。録音する場合は、必ず相手の了解を得てから録るのが基本です。

最初の仕事を受けるまでの手順

調査を作る側の仕事を副業として始める場合の手順を、順に整理します。

  1. できる工程を決める:調査の工程のうち、自分が担当できるものを決めます。表計算ソフトが得意なら集計、文章が得意なら報告書やデスクリサーチ、人と話すのが得意ならインタビュー、というように、得意な工程から入ると始めやすくなります。
  2. 作品を用意する:公的な統計を使って、ある業界の動きをまとめた短い報告書を作る、架空の調査の結果を集計して表とグラフにまとめる、など、自分の力を示せる見本を作っておきます。仕事で作った資料は、守秘の約束があるため使えません。
  3. 募集を探す:クラウドソーシングや、専門家と依頼主をつなぐサービスで、市場調査やリサーチの分類の募集を探します。最初は、作業の範囲がはっきりしている小さな仕事を選ぶと、納品までの流れをつかみやすくなります。
  4. 条件を確かめる:報酬、納期、作業の範囲、修正の回数、秘密保持の約束、成果物の形式を、仕事を始める前に書面やメールで確かめます。
  5. 納品して振り返る:納品したら、依頼主の反応や修正の指摘を振り返り、次の仕事に生かします。かかった時間を記録しておくと、次の見積もりの根拠になります。

フリーランスとして業務委託で受ける場合、発注する事業者には、取引の条件を明示することや、成果物を受け取った日から原則60日以内に報酬を支払うことなどが、フリーランス法で義務付けられています。

向いている人

市場調査の副業に向いているのは、数字や情報を整理することが好きで、細かい作業を正確に続けられる人です。集計や分析の仕事では、1つの数え間違いが結論を変えてしまうことがあります。地道な確認の作業を苦にしないことが、信頼される仕事の土台になります。

人の考えや行動に興味がある人にも向いています。「なぜこの人はこの商品を選んだのか」を考えることが好きな人は、調査票の設計やインタビュー、自由回答の分類で力を発揮しやすくなります。

一方で、決まった答えのない問いに向き合う仕事でもあります。調査の結果は、依頼主の期待どおりになるとは限りません。期待と違う結果が出たときに、それを曲げずに正直に報告できることも、調査の仕事に求められる大切な姿勢です。

仕事に慣れてきたら、得意な分野を決めておくことも役立ちます。食品、美容、不動産、ITなど、特定の業界の調査を続けて受けていると、業界の言葉や市場の動きに詳しくなり、デスクリサーチや報告書の作成が早く正確になります。業界に詳しいことは、依頼主にとって説明の手間が省けるという利点にもなり、継続の依頼につながりやすくなります。

守秘義務と個人情報の扱い

市場調査の仕事では、依頼主の新しい商品の情報や、回答者の個人情報など、外に漏れてはいけない情報を扱います。副業であっても、こうした情報を守る責任は変わりません。

調査を作る側の仕事では、依頼主と秘密保持の契約を結ぶことが一般的です。秘密保持の契約とは、仕事で知った情報を外に漏らさないことを約束する契約のことで、NDA(エヌディーエー)とも呼ばれます。調査の対象の商品名、調査の結果、依頼主の名前を、SNSや自分の実績の紹介に勝手に書かないよう注意します。実績として紹介したい場合は、依頼主に確かめてからにしましょう。

答える側の仕事でも、守秘のルールがあります。座談会や会場調査では、試した商品の内容を外に話さない、写真を撮らない、といった約束を求められることがあります。発売前の商品を試すこともあるため、約束を守ることが参加の前提です。

回答者の個人情報を扱う仕事では、個人情報保護法の考え方に沿って扱うことが求められます。回答のデータを自分のパソコンに保存する場合は、パスワードを付ける、作業が終わったら依頼主の指示どおりに削除する、といった管理を徹底します。業界団体の日本マーケティング・リサーチ協会は、調査の進め方や記録の保管についてのガイドラインを公開しているので、仕事の前に一読しておくと、業界で求められる水準をつかめます。ガイドラインは日本マーケティング・リサーチ協会のガイドラインのページで確かめられます。

登録料や教材費を求める募集の見分け方

市場調査やアンケートの仕事を名乗る募集の中には、「アンケートに答えるだけで高収入」「在宅で簡単に稼げる」とうたい、登録料、教材費、マニュアル代などを先に払わせるものがあります。応募する前に、次の点を確かめましょう。

  • 仕事を始める前に、登録料、教材費、マニュアル代などの支払を求められないか
  • 「誰でも簡単に高収入」など、結果を約束する言葉が使われていないか
  • 運営する会社の名前、所在地、連絡先がはっきり書かれているか
  • 謝礼の額と支払の条件が、事前に明示されているか

一般的なアンケートモニターや調査会社の登録は、無料で行えるのが普通です。仕事を紹介することを理由に、商品や講座を買わせる取引は、特定商取引法で「業務提供誘引販売取引」として規制されています。この取引では、契約の書面を受け取ってから20日以内であれば、書面や電子メールなどで契約を解除できます。

取引料、登録料、保証金その他いかなる名義をもつてするかを問わず、取引をするに際し、又は取引条件を変更するに際し提供される金品をいう。 出典: e-Gov法令検索「特定商取引に関する法律」第51条第2項

困ったときは、消費者ホットラインの188番に電話すると、最寄りの消費生活センターにつながります。

確定申告と就業規則の確認

会社員が市場調査の副業を始める場合は、まず本業の就業規則で副業が認められているか、届け出が必要かを確かめます。本業がマーケティングや調査に関わる仕事の場合は、競業や情報の扱いの面で制限があることも多いため、特に注意が必要です。

アンケートモニターのポイントや謝礼、業務委託の報酬は、所得税の上では、一般に雑所得として扱われます。会社員の場合、給与所得や退職所得以外の所得の合計が年間20万円を超えると、確定申告が必要です。ポイントで受け取った謝礼も、現金に交換できるものは収入として数える必要がある場合があります。所得とは、報酬から、仕事に使った費用を差し引いた額のことです。

給与を1か所から受けていて、かつ、その給与の全部が源泉徴収の対象となる場合において、各種の所得金額(給与所得、退職所得を除く。)の合計額が20万円を超える人 出典: 国税庁「No.1900 給与所得者で確定申告が必要な人」

20万円以下で所得税の確定申告が不要な場合でも、住民税の申告は別に必要になることがあります。税の扱いは事情によって変わるため、迷ったときは税務署や市区町村の窓口で確かめてください。

市場調査の副業の将来性

市場調査の分野でも、AIの活用が広がっています。自由に書かれた回答の分類、大量の資料の要約、調査票の下書きなど、時間のかかっていた作業をAIで効率よく進められる場面が多くなっています。業界団体の日本マーケティング・リサーチ協会も、綱領の改訂でAIに関する条項を新しく設けています。

インターネットのアンケートが広がったことで、調査そのものは以前より手軽に行えるようになりました。その一方で、答える人の偏りや、よく考えずに答えた回答の混入など、結果の質をどう保つかという課題も目立つようになっています。回答の中から明らかに不自然なものを見つけて除く作業や、答える人の偏りを踏まえて結果を読む力は、手軽な調査が増えるほど求められる場面が多くなります。

こうした中で価値が残りやすいのは、何を調べるべきかを考える企画の力、結果の数字が何を意味するのかを解釈する力、調査の結果を依頼主の判断につなげる提案の力です。AIの出力を下書きとして使いながら、内容の正しさを確かめ、依頼主の目的に合う形に仕上げられる人は、仕事の幅を広げやすくなります。AIの業務での活用や、マーケティングの仕事の種類については、AI・マーケティング・セキュリティのお仕事で紹介しています。

運営者の視点から見た長く続く人の共通点

在宅ワークとフリーランスの仲介を2004年から続けてきた運営者の立場から見ると、調査や分析の仕事を長く続けている人は、1件ごとの報酬よりも、依頼主に「この人に頼むと結果の読み方まで分かりやすく説明してくれる」と思ってもらえる関係づくりに時間を使っています。集計の表だけを納めるのではなく、表から何が言えるかを一言添えるだけで、依頼主の手間は大きく減り、次の依頼につながっています。

取引の形も、手取りに影響します。仲介の手数料がかからない直接の取引では、依頼する側は同じ予算でより多くの分析を頼め、受ける側の手取りは厚くなります。双方が得をする取引を続けるには、報酬、納期、秘密保持の範囲を最初に確かめておくことが欠かせません。

市場調査の副業は、答える側の仕事から始めて調査の流れを知り、表計算ソフトと統計の基礎を身につけて、調査を作る側の仕事に進むのが、無理のない道筋です。

よくある質問

Q. 市場調査の副業は未経験でも始められますか?

アンケートモニター、座談会やインタビューへの参加、覆面調査など、調査に答える側の仕事は、特別なスキルがなくても始められます。ただし謝礼は小さく、まとまった収入にはなりにくいのが実情です。収入を伸ばしたい場合は、表計算ソフトと統計の基礎を身につけ、集計や分析など調査を作る側の仕事に進むのが現実的です。

Q. 市場調査の副業に役立つ資格はありますか?

必須の資格はありませんが、統計の知識を体系的に学ぶ目標として統計検定があります。準1級から4級はコンピュータを使う方式で随時受験でき、統計調査の実務に関わる区分もあります。試験の内容は公式の案内で確かめてください。仕事では、資格よりも集計や報告書の実績が重視されます。

Q. アンケートモニターの謝礼に税金はかかりますか?

アンケートモニターの謝礼や業務委託の報酬は、一般に雑所得として扱われます。会社員の場合、給与所得や退職所得以外の所得の合計が年間20万円を超えると確定申告が必要です。現金に交換できるポイントも収入として数える必要がある場合があり、20万円以下でも住民税の申告が必要になることがあります。

Q. 登録料を求めるアンケートの仕事は大丈夫ですか?

一般的なアンケートモニターや調査会社の登録は無料で行えるのが普通です。登録料や教材費、マニュアル代を先に求める募集には注意しましょう。仕事の紹介を理由に商品などを買わせる取引は特定商取引法の規制の対象で、困ったときは消費者ホットライン188番で相談できます。

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監修:@SOHO編集部

2004年よりフリーランス・在宅ワーク向けサービスを運営。生成AIで作成した下書きを、一次情報と照らし合わせて確認したうえで公開しています。

公開:2026年1月18日最終更新:2026年10月27日
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