LPデザインの相場|料金の内訳とデザインだけ依頼するときの費用感

朝比奈 蒼
朝比奈 蒼
LPデザインの相場|料金の内訳とデザインだけ依頼するときの費用感

この記事のポイント

  • LPデザインの相場を発注者目線で徹底解説
  • 10万〜60万円の価格帯ごとの違い
  • デザインだけ依頼するときの費用感

「LPデザインを外注したいけれど、いくらが適正価格なのか分からない」。これは、初めてランディングページ(LP)の制作を検討する発注者が最初にぶつかる壁です。結論から言うと、LPデザインの相場は依頼先と作業範囲によって10万円から60万円以上まで大きく開きます。同じ「LP1枚」でも、テンプレート流用の簡易デザインと、戦略設計から入るフルスクラッチでは価格が数倍違ってくるためです。この記事では、発注者が「いくらで・どこに・どうやって頼めばよいか」を判断できるように、価格帯ごとの違い、料金の内訳、デザインだけを切り出して依頼するときの費用感、そして仲介会社を通す場合とフリーランスへ直接依頼する場合のコスト差までを、客観的なデータをもとに整理していきます。

LPデザインの相場は「10万〜60万円以上」に3分割される

まず全体像を押さえましょう。LP制作の費用相場は、ざっくり10万円台の低価格帯、30万円前後の標準価格帯、60万円以上のハイエンド帯の3つに分かれます。この価格差の正体は「どこまでの工程を任せるか」です。デザインだけを頼むのか、構成(ワイヤーフレーム)から任せるのか、さらに市場調査やコピーライティング、公開後の改善まで含めるのか。この作業範囲の広さが、そのまま金額に反映されます。

実際の市場では、この価格帯の開きが発注者を悩ませる大きな要因になっています。ある調査記事では、次のように指摘されています。

「10万円未満で作れる!」と謳っている制作会社もあれば、60万円以上の費用を提示している会社もあるため、適正価格がわからないと感じている方もいらっしゃるでしょう。

正直なところ、この価格のばらつきは発注者にとって親切とは言えません。だからこそ、まずは「自分のLPがどの価格帯に該当するか」を先に見極めることが、無駄な出費を防ぐ第一歩になります。順番に見ていきます。

低価格帯(10万〜20万円):テンプレート活用型

10万円から20万円の価格帯は、既存のデザインテンプレートやフレームワークを活用してLPを作るケースです。この帯域では、市場調査や独自のブランディングにかける工数が最小限に抑えられ、あらかじめ用意されたレイアウトに沿って原稿と画像を流し込んでいくスタイルが中心になります。

この価格帯が向いているのは、まずは小さくテストしたい発注者です。たとえば、新商品の反応を見たいECショップ、期間限定のキャンペーン用ページ、あるいは資料請求だけを取れればよいシンプルなLPなどです。デザインの独自性よりも「早く・安く・とりあえず公開する」ことを優先する場面では、この帯域で十分に機能します。

一方で注意したいのは、テンプレート型は「他社と似た見た目になりやすい」という点です。競合が多い商材で差別化を狙いたい場合には物足りなさが出ます。また、原稿(コピー)は発注者側で用意するのが前提になっていることが多く、「文章まで丸投げしたい」という場合は追加費用が発生します。見積もりを取るときは、どこまでが基本料金に含まれるかを必ず確認してください。

標準価格帯(30万〜50万円):オリジナルデザイン型

30万円から50万円の帯域は、LP制作でもっとも一般的なゾーンです。ここではオリジナルデザインでの制作が基本になり、ターゲットや訴求内容に合わせて構成・デザイン・コピーを一から組み立てていきます。ワイヤーフレーム(設計図)の作成、ヒアリングを踏まえた訴求設計、スマートフォン対応(レスポンシブデザイン)まで含まれるのが一般的です。

商品やサービスをきちんと売り込みたい、広告を出稿して本格的に集客したい、という発注者はこの帯域を検討することになります。テンプレート型と違い、ブランドの世界観やターゲットの心理に合わせてデザインを最適化できるため、コンバージョン率(CVR、成約率)の改善が見込める点が大きな違いです。

この価格帯で失敗しないコツは、「なぜこの金額になるのか」の内訳を制作側から引き出すことです。デザイン費・コーディング費・ディレクション費がそれぞれどれくらいかを把握しておくと、後述する「デザインだけ切り出す」判断もしやすくなります。逆に、内訳を出さずに一式いくらとだけ提示してくる相手は、比較検討がしづらいため慎重になったほうがよいでしょう。

ハイエンド帯(60万円以上):戦略設計・改善込み型

60万円以上の帯域は、単なるデザイン制作を超えて、成果を出すための戦略設計と公開後の改善までをパッケージにしたものです。市場調査、競合分析、ペルソナ設計といった上流工程に加え、公開後のABテスト(複数パターンを比較して勝ちパターンを見つける手法)まで含まれます。

60万円以上は、徹底的にコンバージョンを改善したい方向けの相場です。60万円以上の予算でLPを制作する際、制作会社は戦略検討や公開後のABテストを行います。

この帯域では、制作会社の実力差が成果に直結します。高い費用をかけても、担当者の力量が伴わなければ期待した成果は得られません。だからこそ、発注前に過去の実績を確認することが欠かせません。

60万円以上の相場は40万円の相場以上に、制作会社の実力で成果がわかれます。そのため、過去の成功例はもちろん、失敗例も確認し、信頼できる制作会社に依頼しましょう。

高額な予算を投じるほど「作って終わり」ではなく「改善して育てる」ことが前提になります。広告費を継続的に投下する予定があり、CVRを1%でも上げたい発注者にとっては、この帯域への投資は合理的です。逆に、単発のLP1枚で反応を見たいだけなら、ここまでの予算は過剰投資になります。

LPデザインの料金は「何に」払っているのか:内訳を分解する

相場を理解したら、次は「その金額の内訳」を知ることが重要です。内訳が分かると、見積もりを比較するときに何を削れば安くなるか、逆にどこは削ってはいけないかが判断できるようになります。LP制作の料金は、大きく分けて次の6つの工程で構成されています。

ディレクション費・企画設計費

ディレクション費は、プロジェクト全体を管理し、発注者の要望を制作物に落とし込むための費用です。ヒアリング、進行管理、各工程の品質チェック、修正のとりまとめなどが含まれます。金額としては全体の10%から20%程度を占めることが多く、標準価格帯のLPなら数万円から10万円前後が目安です。

見落とされがちですが、この工程の質がLP全体の成否を左右します。誰に・何を・どう伝えるかという訴求の骨格を決めるのがここだからです。安さだけを求めてディレクションを省いた結果、「見た目はきれいだが売れないLP」ができてしまうケースは少なくありません。企画設計の部分は、コストカットの対象にしないほうが賢明です。

構成・ワイヤーフレーム作成費

ワイヤーフレームは、LPの設計図にあたるものです。どの位置にどんな情報を、どんな順番で配置するかを決める工程で、デザインに入る前の土台になります。ファーストビュー(最初に表示される画面)で何を見せるか、どこに申し込みボタンを置くか、といったコンバージョンに直結する判断がここで行われます。

この工程の費用は3万円から10万円程度が目安です。構成がしっかりしていれば、後のデザインもコーディングもスムーズに進み、結果的に総額を抑えられます。逆に構成が曖昧なまま進めると、デザイン段階での手戻りが増え、追加費用の温床になります。急がば回れの工程だと考えてください。

デザイン制作費

デザイン制作費は、ワイヤーフレームに沿って実際のビジュアルを作る費用で、LP制作費の中でも大きな比重を占めます。配色、フォント、写真やイラストの選定、バナーやボタンのデザインなどが含まれます。相場としては10万円から30万円程度が中心です。

デザインの費用は、ページの縦の長さ(情報量)に比例して増える傾向があります。短いLPなら安く、長尺でセクションが多いLPほど高くなります。また、オリジナルのイラストや図解を多用する場合、写真素材を有料で購入する場合なども費用が上乗せされます。素材費が別途かかるのか、基本料金に含まれるのかは、見積もり時の確認ポイントです。

コーディング費

コーディング費は、完成したデザインを実際にブラウザで表示できるHTML・CSS・JavaScriptに落とし込む費用です。相場は5万円から20万円程度が目安になります。スマートフォン対応(レスポンシブ対応)、アニメーションや動きの実装、入力フォームの設置などがあると費用が上がります。

近年は、ノーコードツール(コードを書かずにWebページを作れるツール)を使ってコーディング費を圧縮する選択肢も増えています。デザインの自由度と引き換えに制作スピードとコストを抑えられるため、シンプルなLPであれば有力な選択肢です。ただし、細かい表現にこだわりたい場合や、独自の機能を組み込みたい場合には、通常のコーディングのほうが適しています。

ライティング・コピー費

意外と見落とされるのがコピーライティングの費用です。LPは「読ませて・納得させて・行動させる」ための文章が命であり、キャッチコピーや本文の質が成約率を大きく左右します。プロのセールスライターに依頼する場合、5万円から20万円程度が相場です。

原稿を発注者側で用意すれば、この費用は不要になります。自社の商品を一番理解しているのは発注者自身であるため、コピーの骨子を自前で用意し、仕上げだけプロに任せるという分担も有効です。逆に、文章づくりに自信がない場合や、売れるコピーのセオリーを持っていない場合は、ここへの投資を惜しまないほうが結果的に費用対効果は高くなります。

撮影費・素材費

商品写真やモデルの写真が必要な場合、撮影費が別途発生します。プロカメラマンへの依頼で3万円から15万円程度、モデルを起用するとさらに上乗せされます。ストックフォト(有料の写真素材サイト)を使う場合は、1枚数百円から数千円で済みます。

撮影は費用がかさむ工程なので、既存の写真素材で代替できないか、手元の写真が使えないかを先に検討すると節約につながります。ただし、商品LPでは写真の質がそのまま信頼感につながるため、ここを削りすぎると全体の説得力が落ちる点には注意が必要です。

デザインだけ依頼したいときの費用感

「LP全体ではなく、デザインだけを頼みたい」という発注者は少なくありません。すでに構成や原稿は自社にある、あるいはコーディングは社内でできる、といったケースです。ここでは、デザインだけを切り出して依頼するときの費用感を掘り下げます。

デザインのみの相場は10万〜30万円

デザインだけを依頼する場合の相場は、おおむね10万円から30万円です。これはコーディングやディレクションを含まず、純粋にビジュアルデザイン(多くはデザインツールで作成したデータの納品)までを指します。原稿と構成がすでに固まっていれば、デザイナーはビジュアル制作に集中できるため、フルパッケージより費用を抑えられます。

金額の幅は、LPの縦の長さとデザインの作り込み度で決まります。ファーストビューだけの短いLPなら10万円前後、セクションが多く図解や装飾が多い長尺LPなら30万円近くになることもあります。見積もりを取るときは「何セクションまでか」「修正は何回まで無料か」を必ず確認してください。修正回数の上限を超えると追加費用がかかるのが一般的です。

デザインだけ切り出すメリットとデメリット

デザインだけを依頼する最大のメリットは、コストを工程単位で最適化できることです。原稿もコーディングも自社でできるなら、外注はデザインだけに絞ることで総額を大きく圧縮できます。得意な部分は内製し、専門性が要る部分だけプロに任せるという発想です。

一方でデメリットもあります。工程を分割すると、それぞれの担当者の間で認識のズレが生じやすくなります。たとえば、デザイナーが作ったデザインを別の担当者がコーディングする際、意図が正しく伝わらず仕上がりが崩れることがあります。また、構成が甘いままデザインだけ発注すると、「きれいだが売れない」LPになりかねません。工程を切り分けるなら、発注者自身がある程度のディレクション能力を持っている必要があります。

デザインデータの納品形式を必ず確認する

デザインだけを依頼するときに、意外と見落とされるのが「納品形式」です。デザインデータをどのファイル形式で受け取るのか、コーディングに使える形なのかを事前に確認しないと、後工程で困ることになります。

たとえば、画像として1枚に書き出されたデータだけを受け取っても、それを編集したり別の担当者がコーディングしたりするには不便です。編集可能な元データ(レイヤー構造が保持されたデータ)で納品してもらえるか、文字情報が抜き出せる形かを契約前に取り決めておきましょう。この一手間を怠ると、追加でデータ作成費を請求されたり、別のデザイナーに作り直しを頼むはめになったりします。

発注先による相場の違い:制作会社・フリーランス・クラウドソーシング

同じLPデザインでも、どこに頼むかで相場は大きく変わります。ここでは主な発注先を4つに分けて、それぞれの相場感と向き不向きを整理します。発注者にとって、この選択が費用を最も大きく左右するポイントです。

大手・中堅の制作会社

大手や中堅の制作会社に依頼する場合、相場は40万円から100万円以上と最も高くなります。ディレクター、デザイナー、コーダー、マーケターがチームを組んで対応するため、品質は安定し、上流の戦略設計から公開後の運用まで一貫して任せられるのが強みです。

この帯域が向いているのは、予算に余裕があり、成果に対する責任を明確にしたい企業です。担当者が退職しても組織で対応が引き継がれるため、長期のプロジェクトでも安心感があります。反面、間接コスト(オフィス維持費、営業費、複数人の人件費など)が価格に上乗せされるため、費用対効果を重視する小規模事業者にはオーバースペックになりがちです。

小規模の制作会社・デザイン事務所

数人規模の制作会社やデザイン事務所は、相場20万円から50万円程度で、大手より柔軟に対応してくれます。担当者との距離が近く、細かい要望も伝わりやすいのが利点です。特定の業種や表現に強みを持つ事務所も多く、自社の商材と相性のよい相手を見つけられれば、コストと品質のバランスがよくなります。

デメリットは、対応できる案件数に限りがあることと、担当者のスキルに品質が依存しやすいことです。繁忙期には着手が遅れることもあります。発注前に、過去の実績が自社のイメージと合っているかをしっかり確認しておきましょう。

フリーランス(直接依頼)

フリーランスのデザイナーへ直接依頼する場合、相場は5万円から30万円程度と、制作会社よりも大きく抑えられます。理由は明快で、制作会社のような間接コストや複数人の人件費が乗らないためです。デザイナー個人と直接やり取りするため、意思決定が速く、修正のスピードも上がりやすい傾向があります。

ここで発注者が意識したいのが、仲介マージンの有無です。代理店や仲介会社を経由すると、そのマージン(手数料)が費用に上乗せされます。同じデザイナーが手を動かしていても、間に会社が入るだけで20%から40%ほど費用が変わることも珍しくありません。フリーランスへ直接依頼すれば中間マージンが発生しないぶん、同じ品質でもコストを抑えられるわけです。予算を最優先するなら、直接取引は有力な選択肢になります。

フリーランスと直接取引する際の相場感は、職種別の単価データを見ておくと判断しやすくなります。デザインやコーディングの単価水準を把握したい場合は、ソフトウェア作成者の年収・単価相場や、原稿・コピーまで含めて頼みたいなら著述家,記者,編集者の年収・単価相場が参考になります。相場を知っておくことで、提示された見積もりが妥当かどうかを自分で判断できるようになります。

クラウドソーシング・マッチングサービス

クラウドソーシングや在宅ワーク仲介サイトを使う場合、相場は3万円から20万円程度です。多数の登録者の中から予算やスキルに合う人を探せるため、選択肢が広いのが魅力です。コンペ形式(複数の提案から選ぶ方式)を使えば、実際のデザイン案を見比べてから発注できるサービスもあります。

ただし、プラットフォームによっては発注額に対して手数料が上乗せされる仕組みになっており、その分だけ実質コストが上がる点には注意が必要です。手数料の有無や料率はサービスによって差があるため、事前に確認しておきましょう。手数料がかからない、あるいは低いマッチング形態を選べば、フリーランスへの直接依頼に近いコスト感で発注できます。仲介手数料が手数料0%のサービスを選べば、その分をデザイン費そのものに回せるのは、発注者にとって見逃せないメリットです。

発注者が失敗しないための選び方4つのポイント

相場と発注先が分かっても、実際に外注先を選ぶ段になると迷うものです。私自身、初めてLP制作を外注したときは、複数社から見積もりを取ったものの、何を基準に比べればよいか分からず苦労しました。安さだけで選んで品質で泣くのも、高い会社に頼めば安心と思い込むのも、どちらも危険です。ここでは、発注者が押さえるべき4つの判断軸を示します。

実績とポートフォリオが自社の商材と合っているか

第一の軸は実績です。デザイナーや制作会社のポートフォリオ(過去の制作事例集)を見て、自社の商材やターゲットに近いテイストの実績があるかを確認します。BtoC(一般消費者向け)に強い相手とBtoB(企業向け)に強い相手では、得意なデザインの方向性がまったく違います。

このとき、見た目の華やかさだけで判断しないことが大切です。「そのLPが実際に成果を出したのか」まで踏み込んで聞ければ理想的です。デザインは手段であって目的ではありません。売るためのLPなのか、ブランドイメージを伝えるためのLPなのか、自社の目的と相手の得意分野が一致しているかを見極めてください。

見積もりの内訳が明確か

第二の軸は見積もりの透明性です。前述したように、LP制作費は複数の工程で構成されています。その内訳を「デザイン費○円、コーディング費○円、ディレクション費○円」と明示してくれる相手は信頼できます。逆に「一式○円」としか出さない相手は、後から追加費用が膨らむリスクがあります。

私が外注比較で失敗したのは、まさにこの内訳を軽視したときでした。総額だけを見て一番安い見積もりを選んだところ、実は修正が2回までしか含まれておらず、3回目以降に追加費用が発生して、結局は割高になってしまったのです。見積もりを比べるときは、総額だけでなく「何が・どこまで含まれるか」を横並びにして比較してください。

修正回数と追加費用の条件

第三の軸は、修正まわりの条件です。LP制作では、初稿がそのまま通ることはまずなく、必ず修正のやり取りが発生します。基本料金に何回まで修正が含まれるのか、それを超えたら1回いくらかかるのかを、契約前に必ず確認しましょう。

修正条件が曖昧なまま進めると、こだわればこだわるほど費用が青天井に膨らみます。特にデザインは主観が入りやすく、「もう少しこうしたい」という要望が出やすい工程です。最初に修正ルールを取り決めておくことが、予算オーバーを防ぐ最大の防御になります。あわせて、対応スピードや連絡の取りやすさも見ておくと、進行中のストレスを減らせます。

契約と権利関係を書面で残す

第四の軸は、契約の明確さです。発注前に、納期・費用・修正条件・著作権の帰属を書面で取り決めておきましょう。特に見落とされやすいのが著作権です。完成したLPのデザインデータや権利が発注者に帰属するのか、それともデザイナー側に残るのかを明確にしておかないと、後で別の用途に使えないといったトラブルになります。

個人と直接取引する場合でも、業務委託契約書やNDA(秘密保持契約)を交わすのが望ましい姿です。フリーランスへの依頼だからと口約束で済ませると、認識のズレが起きたときに立場が弱くなります。書面を残すことは、発注者と受注者の双方を守る手続きだと考えてください。契約や書類の基本を押さえたいなら、ビジネス文書検定の知識が実務で役立ちます。

発注前に準備しておくべきこと

外注の成否は、実は発注前の準備でほぼ決まります。準備が整っているほど見積もりの精度が上がり、制作もスムーズに進み、結果的に費用も抑えられます。逆に丸投げに近い状態で発注すると、ヒアリングや手戻りに時間がかかり、その分のコストが上乗せされます。ここでは最低限そろえておきたい2つを挙げます。

LPの目的とゴールを言語化する

まず、そのLPで何を達成したいのかを明確にします。商品を売るのか、資料請求を取るのか、メルマガ登録を増やすのか。ゴールが曖昧なままだと、デザイナーも「何を優先してデザインすればよいか」が分からず、成果につながりません。

あわせて、ターゲット(誰に届けたいか)、訴求ポイント(何を一番伝えたいか)、参考にしたい他社LPなども整理しておくと、認識合わせが一気に楽になります。「こういう雰囲気にしたい」というイメージを言葉と参考例で共有できれば、デザイナーとのズレが減り、修正回数も抑えられます。準備の質が、そのまま費用対効果に跳ね返ってくると考えてください。

原稿・素材をどこまで用意するかを決める

次に、原稿(コピー)や写真・ロゴなどの素材を、どこまで自社で用意するかを決めます。前述のとおり、原稿を自社で用意すればライティング費を、写真を自社で用意すれば撮影費を節約できます。何を内製し、何を外注するかを先に切り分けておくことが、費用を最適化する近道です。

もし社内にライティングやデザインの知見がある担当者がいれば、その強みを活かして外注範囲を絞れます。逆に、社内リソースが乏しい場合は無理に内製せず、まとめて外注したほうが結果的に安く早く仕上がることもあります。自社の体制を冷静に見極めることが大切です。マーケティングや広告運用まで含めて相談したい場合の外注先の探し方は、AI・マーケティング・セキュリティのお仕事や、業務全般の効率化を相談したいならAIコンサル・業務活用支援のお仕事も選択肢になります。

LP制作費を賢く抑える具体的な方法

「相場は分かったが、できれば安く抑えたい」というのが発注者の本音でしょう。ここでは、品質を落とさずにコストを圧縮する現実的な方法を整理します。単に安い相手を探すのではなく、工程と発注方法を工夫することがポイントです。

工程を切り分けて内製と外注を組み合わせる

最も効果的なのは、これまで述べてきた「工程の切り分け」です。デザインだけ外注する、原稿は自社で書く、コーディングはノーコードツールで自社対応する、といった具合に、外注範囲を必要最小限に絞ります。全工程をまとめて発注すると割高になりがちですが、自社でできる部分を内製すれば総額は大きく下がります。

ただし、切り分けには前述のとおりディレクションの手間が伴います。工程間の橋渡しを発注者自身が担う覚悟が必要です。この手間を許容できるかどうかで、内製と外注の最適なバランスは変わってきます。時間に余裕があるなら切り分けで節約、時間がないならまとめて外注、という判断でよいでしょう。

仲介を挟まず直接依頼してマージンを削る

コスト削減として見逃せないのが、仲介マージンの圧縮です。前述のとおり、代理店や仲介会社を通すと手数料が上乗せされます。同じデザイナーに頼むなら、間に会社を挟まず直接依頼したほうが、中間マージンがない分だけ確実に安くなります。マッチングサービスを使う場合も、手数料の低い、あるいは手数料0%のサービスを選べば、浮いた分をデザインの質に回せます。

もちろん、直接取引には発注者自身が相手を見極める責任が伴います。身元がはっきりしない相手や、前払いを過度に要求してくる相手には慎重になるべきです。実績や本人確認、契約書の取り交わしといった基本を押さえたうえで直接依頼すれば、安さと安心を両立できます。

テンプレートやノーコードを活用する

デザインの独自性がそこまで重要でない場合は、テンプレートやノーコードツールの活用も有効です。ゼロから作るより制作工数が減るため、費用も納期も圧縮できます。まずはテンプレートベースで公開し、反応を見てから本格的なオリジナルLPに作り替える、という段階的なアプローチも合理的です。

いきなり高額なフルスクラッチLPに投資するのはリスクが高い、という発注者にとって、この「小さく始めて育てる」考え方はコスト管理の面で理にかなっています。最初から完璧を目指すより、テストしながら改善に予算を配分するほうが、トータルの費用対効果は高くなります。

外注データから見えるLPデザインの発注動向

ここまで相場と選び方を整理してきました。最後に、在宅ワークやフリーランスの外注データから見えてくる、LPデザイン発注の実務的な傾向を考察しておきます。発注者が意思決定するうえで、市場全体の動きを知っておくことは判断材料になります。

デザインやWeb制作の外注市場では、近年、工程を細かく切り分けて発注するスタイルが広がっています。かつては「LP1枚まるごと制作会社へ」が主流でしたが、いまはデザインだけ、コーディングだけ、ライティングだけ、と工程単位で専門家へ直接発注するケースが増えています。この背景には、マッチングサービスの普及によって、専門スキルを持つ個人へ直接アクセスしやすくなったことがあります。

この流れは、発注者にとって費用面で大きな意味を持ちます。仲介を挟まず直接発注できる環境が整ったことで、中間マージンをカットしやすくなったからです。同じ品質の成果物を、より低いコストで得られる余地が広がっているわけです。制作の上流工程、たとえばディレクションやプロジェクト管理を担える発注者であればあるほど、この直接発注のメリットを享受できます。

一方で、工程を分割するほど発注者側のマネジメント負荷は上がります。複数の専門家をまとめ、認識を揃え、スケジュールを管理する役割を誰かが担わなければなりません。ここを外部のディレクターやコンサルに任せる選択肢もあります。業務プロセス全体の設計や効率化を相談したい場合の依頼先については、AIコンサル・業務活用支援のお仕事が参考になります。また、Web制作の進行管理そのものを外部に任せたい発注者にとっては、Webディレクターのフリーランス単価相場2026|月80万円案件を獲得するスキルセットで示されている単価水準が、外注コストを見積もる目安になります。

費用を左右するもう一つの要素は、スキルの専門性です。単純なデザイン作業であれば供給が多く価格競争が働きますが、CVR改善のノウハウを持つ戦略デザイナーや、特定業種に精通したデザイナーは希少で、その分単価も上がります。発注者は「どこに専門性への対価を払うべきか」を見極める必要があります。デザインの見た目そのものより、成果を出す設計力にこそ価値がある、というのが外注市場を見てきた実感です。

セキュリティやデータ保護が絡む案件では、さらに専門的な人材への依頼が必要になることもあります。たとえば個人情報を扱うフォーム付きLPでは、セキュリティ面の配慮が欠かせません。関連する専門外注の費用感については、ホワイトハッカーに依頼する費用相場|バグバウンティ導入でセキュリティを強化も、専門職への外注コストを理解するうえで参考になります。ネットワークやインフラの知識を持つ人材の水準を知りたいなら、CCNA(シスコ技術者認定)のような資格も、スキルの目安として押さえておくとよいでしょう。

総じて、LPデザインの相場は「10万〜60万円以上」という幅の中で、作業範囲・発注先・専門性の3要素によって決まります。発注者がやるべきことは、自社のLPに必要な範囲を見極め、内製できる部分を切り分け、仲介マージンを抑えられる発注ルートを選ぶことです。相場を知り、内訳を理解し、直接取引という選択肢を持つことで、同じ品質のLPをより合理的なコストで手に入れられます。デザインの外注は「安いか高いか」ではなく「何にいくら払うべきか」を判断する作業だと考えれば、迷いはずっと減るはずです。なお、アプリやシステムと連動したLPを検討している場合は、アプリケーション開発のお仕事もあわせて確認しておくと、外注の全体像がつかみやすくなります。また、外注コストの水準を他分野と比較して相場観を養いたい場合は、薬剤師パート求人の探し方と時給相場|賢く稼ぐための全知識【2026年版】のような単価・時給の記事も、金額感覚を磨く材料になります。

よくある質問

Q. LPデザインの相場はいくらくらいですか?

LP制作全体の相場は依頼先と作業範囲で幅があり、テンプレート活用型で10万〜20万円、オリジナルデザイン型で30万〜50万円、戦略設計や改善まで含むハイエンド帯で60万円以上が目安です。デザインだけを切り出して依頼する場合は、おおむね10万〜30万円が相場になります。

Q. デザインだけを依頼することはできますか?

できます。構成や原稿がすでにある、コーディングは社内でできる、といった場合はデザインのみの依頼が可能で、相場は10万〜30万円程度です。ただし工程を分けると担当者間で認識のズレが起きやすいため、納品データの形式や修正回数を契約前に必ず確認してください。

Q. 制作会社とフリーランスではどちらが安いですか?

一般にフリーランスへの直接依頼のほうが安くなります。制作会社は複数人の人件費や間接コストが価格に乗るためです。同じデザイナーでも仲介会社を挟むと手数料が2〜4割上乗せされることがあり、直接依頼すれば中間マージンがない分コストを抑えられます。

Q. 費用を抑えるにはどうすればよいですか?

工程を切り分けて内製と外注を組み合わせること、仲介を挟まず直接依頼してマージンを削ること、テンプレートやノーコードを活用することが有効です。あわせて、目的の言語化や原稿・素材の事前準備を整えておくと手戻りが減り、結果的に総額を抑えられます。

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監修:@SOHO編集部

2004年よりフリーランス・在宅ワーク向けサービスを20年運営。編集部が事実確認のうえ公開しています。

公開:2026年5月8日最終更新:2026年7月8日
朝比奈 蒼

この記事を書いた人

朝比奈 蒼@SOHO編集部

ITメディア編集者

IT系メディアで編集・ライティングを担当。クラウドソーシング業界の動向やサービス比較など、客観的な視点での記事を執筆しています。

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