続かない理由は単価ではなく、ITコンサル・講師が抱える準備時間の多さ

長谷川 奈津
長谷川 奈津
続かない理由は単価ではなく、ITコンサル・講師が抱える準備時間の多さ

この記事のポイント

  • ITコンサル・講師の仕事が続かない理由を
  • 単価ではなく準備時間の観点から整理しました
  • 準備時間を報酬に反映させる契約の書き方

先日、ある方から相談を受けました。企業向けの研修講師を副業で1年ほど続けたけれど、もう限界だという内容でした。理由を伺うと、最初に出てきたのは「単価が安いから」でした。

でも、話を細かく聞いていくと、実際の問題は別のところにありました。2時間の研修のために、資料の作り直しと打ち合わせと事前アンケートの確認で、15時間近く使っていたのです。つまり、単価が安いのではなく、単価に含まれていない作業が多すぎた。

これ、知らない人が本当に多いんです。ITコンサル・講師の仕事が続かなくなる原因の中心は、報酬の額そのものではなく、報酬に対応していない準備時間の存在にあります。

この記事では、その準備時間がどこで発生しているのかを分解し、契約でどう扱えるのか、どうすれば減らせるのかを整理します。そのうえで、続けるかどうかをどう判断すればよいかまでお話しします。

続かない人が挙げる理由と、実際に起きていること

相談の場でよく出てくる理由を並べてみます。単価が安い。時間が取れない。思ったより難しい。本業と両立できない。この四つです。

ところが、掘り下げると、どれも同じ一点に行き着くことが多い。準備にかかる時間が想定の何倍もあった、という事実です。

単価が安いと感じるのは、総投入時間で割ったときに時給が下がるからです。時間が取れないのは、準備が終わらないからです。難しいと感じるのは、教える内容そのものより、教える形に整える作業が重いからです。本業と両立できないのは、準備が細切れでは終わらず、まとまった時間を要求するからです。

つまり、表面に出てくる四つの理由は、同じ根から生えた枝です。根を放置したまま単価だけを上げようとしても、状況はあまり変わりません。これは、実際に単価が上がったのに結局やめてしまった、という相談が一定数あることからも見えてきます。

準備時間の正体を、金額とセットで見る

では、準備時間は具体的にどこで発生しているのか。講師の案件を例に、実際にかかる作業を並べます。

・依頼内容のヒアリングと、受講者の前提知識の確認 ・カリキュラムの設計と、時間配分の決定 ・スライドや配布資料の作成 ・演習問題と解答例の作成 ・動作確認のためのリハーサル ・当日の実施 ・受講後の質問対応とアンケート結果の確認

この中で報酬の対象として明示されているのは、多くの場合「当日の実施」だけです。残りは「当然やるもの」として扱われ、金額の話に出てきません。

ここに、続かなくなる構造があります。2時間の登壇に対して報酬が設定されているとき、準備に13時間かかっているなら、実際の投入時間は15時間です。時給に直すと、当初の想定の7分の1ほどになります。

コンサルティングの案件も同じ構造です。報告会や打ち合わせの時間は目に見えますが、その前に行う資料の読み込み、整理、分析、資料化の時間は見えません。見えない時間が多い仕事ほど、続けるのが難しくなります。

仕事の全体像と、どんな工程が含まれるのかはITコンサルティング・講師のお仕事に整理があります。案件を受ける前に、自分がどの工程まで担当するのかを工程の地図の上で確認しておくと、見積もりの精度が変わります。

初回と二回目以降で、準備時間は大きく変わる

もう一つ、押さえておきたい性質があります。準備時間は、案件を重ねるほど減っていくということです。

同じテーマで二回目の講義を行う場合、資料はほぼ再利用できます。演習問題も、受講者の反応を見て一部を差し替えるだけで済みます。初回に13時間かかった準備が、二回目には3時間程度に収まることも珍しくありません。

つまり、続かない人の多くは、この「減っていく」局面に到達する前にやめています。毎回違うテーマの単発案件ばかりを受けていると、いつまでも初回の負荷が続きます。これは案件の選び方の問題であって、能力の問題ではありません。

※ ただし、内容が古くなる分野では、再利用にも限度があります。技術の変化が速い領域では、定期的な改訂を前提に考えてください。

コンサルの案件で、準備が膨らみやすい場面

講師の仕事と違い、コンサルティングの案件は準備の量が事前に読みにくいという特徴があります。読みにくくなる場面には、いくつか決まったパターンがあります。

一つめは、相手の社内に整理された資料がない場合です。現状を把握するところから始めることになり、その調査自体が想定外の作業になります。契約前に「既存の資料はどの程度ありますか」と一言確認しておくだけで、見積もりの精度がかなり変わります。

二つめは、関係者が多い場合です。ヒアリングする相手が3人10人では、日程調整だけでも負荷がまるで違います。さらに、聞いた内容が食い違えば、それを整理する作業が追加で発生します。

三つめは、決裁者が途中で変わる場合です。方針が覆ると、それまでに作った資料の相当部分が使えなくなります。これは受け手の責任ではありませんが、時間は確実に失われます。

こうした事情は、契約前の会話である程度は見えます。誰が決めるのか、いつまでに何を判断したいのか、社内でどこまで合意ができているのか。この三つを聞いておくと、準備の膨らみやすさを事前に推し量れます。

聞くこと自体をためらう方がいますが、これは失礼な質問ではありません。むしろ、聞かれた側は「きちんと段取りを考えてくれている」と受け取ります。

単価が原因に見えるのは、なぜか

ここで単価の話を正面から扱います。相場を知らずに判断すると、間違った結論に行き着くからです。

この領域の報酬水準を測るには、技術側と文章側の両方を見ておくとよいでしょう。開発系の職種についてはソフトウェア作成者の年収・単価相場、資料や教材を書く仕事については著述家,記者,編集者の年収・単価相場に、それぞれ水準がまとまっています。ITコンサル・講師の仕事は、この二つの性質を併せ持つため、どちらか一方だけを基準にすると判断を誤ります。

企業に所属してコンサルティングを行う場合の報酬構造については、次のような見方が示されています。

ITコンサルティングファームの多くは、年齢や社歴よりも成果で評価する実力主義の人事制度を採用しています。プロジェクトでの貢献度や個人の成長度合いが昇進・昇給に直結するため、20代でマネージャーに昇格し、年収1,000万円を超えるケースも珍しくありません。厳しい環境ではありますが、短期間で密度の濃い経験を積める分、ビジネスパーソンとしての成長スピードは格段に上がるでしょう。 出典: tiglon-partners.com

つまり、組織の中では準備時間も含めて働いた時間全体が給与の対象になっている、ということです。ところが個人で受ける案件では、成果物や登壇時間だけが報酬の対象になりがちです。この構造の違いが、同じ仕事をしているのに割に合わないと感じる原因になります。

額面と手取り、そしてかかった時間

単価を考えるときは、三つの数字を分けて見てください。契約上の額面、実際に手元に残る金額、そして投入した総時間です。

仲介サービスを経由する場合、システム利用料が差し引かれます。額面が同じでも、手取りは変わります。さらに、そこから経費と税が引かれます。総時間で割るのは、この最後に残った金額です。

この計算を一度もしないまま「単価が安い」と判断している人は、かなり多い印象があります。逆に、計算した結果、思ったより悪くなかったという方もいます。数字を出さないと、判断のしようがありません。

準備時間を報酬に反映させる、契約上の書き方

ここからは、法務の観点も含めた話になります。準備時間を減らせないなら、報酬の対象に含めるという方向があります。

業務範囲を、工程の言葉で書く

契約書や発注書に「研修講師業務一式」とだけ書かれている場合、範囲は解釈次第になります。つまり、依頼した側は「資料作成も当然含まれる」と考え、受けた側は「登壇の対価だ」と考える。ここがずれたまま進むと、後で必ず揉めます。

書くべきは、工程の一覧です。「カリキュラム設計、資料作成(スライド30枚程度)、演習問題作成(5問)、当日の実施(2時間)、実施後の質問対応(2週間以内、メールにて)」といった形です。

こう書いておくと、範囲を超える依頼が来たときに「これは当初の範囲外です」と言えます。言えるかどうかは、書いてあるかどうかで決まります。

こうした条件を曖昧さなく文章にする力は、実務上かなり重要です。ビジネス文書検定で扱われる文書の型は、契約前のやり取りでもそのまま役立ちます。読み手によって解釈が分かれない書き方ができるかどうかは、後のトラブルの発生率に直結します。

取引条件を書面で受け取る

2024年に施行されたフリーランス保護の法律により、業務を委託する側には、業務内容や報酬額、支払期日などの取引条件を書面または電磁的方法で明示する義務が定められています。つまり、口約束のまま作業を始めるのは、本来の姿ではないということです。

制度の適用範囲や、2026年時点の運用については、公正取引委員会の案内で確認してください。事業者間の取引に関する支援制度は中小企業庁にも情報があります。

※ 個別の契約について判断に迷う場合は、弁護士や行政書士など、専門の相談先に確認してください。この記事は法的な判断を示すものではありません。

準備が別途必要な場合は、別項目として見積もる

もう一つの方法は、準備を独立した項目として見積もることです。「カリキュラム設計費」「教材制作費」を、登壇料と分けて出す。

この形にすると、依頼する側にとってもメリットがあります。既存の教材を流用して費用を抑えたい場合、設計費を外すという選択ができるからです。一式でしか出せない見積もりは、実は相手にとっても調整の余地がありません。

分けて出すことは、値上げの交渉とは違います。何にいくらかかっているのかを見える形にする作業です。この違いを説明できれば、話は通りやすくなります。

準備時間そのものを減らす、三つの方法

契約で扱うのと並行して、準備自体を軽くする工夫も必要です。

一つめは、型を持つことです。カリキュラムの構成、スライドの見た目、演習問題の作り方。毎回ゼロから考えるのをやめて、自分の型を決めてしまう。型があると、考える対象が「中身」だけに絞られます。ここで時間が半分近くまで減る人もいます。

二つめは、再利用できる形で残すことです。作った資料を、案件ごとのフォルダに入れて終わりにしない。テーマ別に部品として切り出し、次に組み合わせられる状態にしておく。「導入の説明」「よくあるつまずきの解説」「演習の進め方」といった単位で持っておくと、次の案件で組み替えるだけで骨格ができます。

三つめは、受ける案件の幅を絞ることです。これがいちばん効きます。扱う領域を絞れば、資料も知識も蓄積されます。逆に、毎回違う分野の依頼を受けていると、蓄積がゼロのまま初回の負荷を繰り返すことになります。

隣接する領域として、AI活用やセキュリティ、マーケティングの分野でも同種の依頼が増えており、どんな仕事があるかはAI・マーケティング・セキュリティのお仕事で確認できます。ただ、幅を広げるのは軸ができてからにしてください。同時に複数の領域を追いかけると、準備時間の問題は解決しません。

技術系の講義を扱うなら、体系立った知識の裏づけがあると準備が速くなります。ネットワークの基礎を扱うCCNA(シスコ技術者認定)のような資格は、出題範囲が教える順序としても整理されているため、カリキュラム設計の土台にしやすい面があります。

環境の整備も、準備時間に影響する

見落とされやすいのですが、作業環境が準備時間を左右することもあります。

オンラインでの講義や打ち合わせが中心になると、通信の安定性は直接コストになります。接続の確認や再接続に毎回時間を取られる、録画データのアップロードに長時間かかるといった状態は、積み重なると相当な時間になります。回線の選び方については在宅ワークに最適なネット回線|光回線vsホームルーターの選び方に判断材料がまとまっています。

オンラインで教える仕事の進め方そのものについては、プログラミング講師の副業入門|オンラインで教えて稼ぐ方法に手順が整理されています。準備の流れを型として持っておきたい方は、こちらも参考になります。

需要と将来性を、冷静に見ておく

続けるかどうかを判断する材料として、市場の状況も見ておきましょう。

特に、人材不足に困るセキュリティベンダーやITベンダーは多くあります。実際に、経済産業省「IT人材の最新動向と将来推計に関する調査結果」によると、コンサルティング業務に従事する人材の不足を感じている企業の割合は90%以上であり、ITコンサルタントの需要が高いことがうかがえます。 出典: kikkakeagent.co.jp

需要そのものは、当面続くと見てよいでしょう。案件の総量も、専門職を扱うサービスでは相応の規模があります。

ネットで最短即日発注ができるランサーズなら、講師・ITコンサルタントの仕事が4,027件。講師・ITコンサルタントの仕事情報の検索から納品、報酬の受け取りまで、すべてランサーズで完結します。時間や場所にとらわれず、在宅や副業で理想的な働き方を実現可能です。24時間365日のサポート体制をご用意しています。仕事・案件、求人をお探しのフリーランスの方はまず会員登録がおすすめです。 出典: lancers.jp

ただ、需要があることと、続けやすいことは別の話です。需要があるからこそ依頼が途切れず、準備が終わらないまま次が来る、という状態にもなり得ます。需要の大きさは、続かない理由を解決してはくれません。

続けるか、別の道を選ぶかの判断

ここまで対策を並べてきましたが、それでも合わないという結論に至ることはあります。それは失敗ではありません。

判断の材料を三つ挙げます。

一つめ、準備時間が二回目以降に減っているか。減っていないなら、案件の選び方に問題があります。減っているのに苦しいなら、そもそも投入できる時間が足りていない可能性があります。

二つめ、契約の形を変えられる相手かどうか。工程を分けた見積もりを出したときの反応で、その相手と長く続けられるかがかなり見えます。

三つめ、この仕事の何が魅力だったのかを覚えているか。教えるのが好きで始めたはずが、資料作成に追われて教える時間が楽しくなくなっているなら、続け方を変える必要があります。

組織に所属して同じ領域の仕事をするという選択肢もあります。準備時間が業務時間として扱われる環境なら、この記事で扱ってきた問題はかなりの部分が解消します。転職を考える場合でも、個人で案件を回した経験は、範囲の定義や納期管理の実務として説明できる材料になります。無駄にはなりません。

在宅でできる仕事は他にも幅広くあり、選択肢を確認したい方は在宅でできる仕事おすすめ【2026年版】|スキル別ランキングを見てみてください。まったく別方向として、教材に使う音源などを扱う作曲・編曲・効果音・ジングルのお仕事のような制作系もあります。合う形を探し直すことは、後退ではありません。

やめる直前に出る、いくつかのサイン

相談を受けていると、限界が近づいている方には共通のサインが出ていることに気づきます。早く気づけば、やめる以外の選択肢が残ります。

一つめは、依頼が来たときに嬉しさより先に負担を感じるようになることです。以前は前向きに受けていた案件に、まず「今月は無理かもしれない」と考える。この変化は、投入時間が許容量を超えている合図です。

二つめは、準備を後回しにするようになることです。直前まで手をつけられず、前日に徹夜に近い形で仕上げる。これが二回続いたら、案件の量か範囲を見直す時期です。品質の問題ではなく、続けられるかどうかの問題として捉えてください。

三つめは、報酬が入っても実感がないことです。金額を見ても、それに見合う対価だと感じられない。この感覚が出ているとき、たいてい投入時間の計算をしていません。数字にすると、思っていたより悪くないこともあれば、想像以上に厳しいこともある。どちらにせよ、感覚のまま判断するより先に数字を出すべきです。

こういうご相談をいただいたとき、私がまずお願いしているのは、直近3件の案件について、日付と作業内容と時間を書き出してもらうことです。それだけで、本人が驚くことがよくあります。「打ち合わせの調整にこんなに使っていたとは思わなかった」と。

見えていないものは、対策できません。逆に言えば、見えた瞬間から対策できるようになります。

※ 心身の不調が続いている場合は、時間の管理の問題として片づけず、医療機関や公的な相談窓口に相談してください。無理を続けてよい理由は、どこにもありません。

運営者の視点から見た、続く人と続かない人の分岐点

在宅とフリーランスの市場を20年運営してきた立場から見ると、続く人には共通する行動があります。

続く人は、案件を受ける前に総時間を見積もります。そして、その見積もりを案件が終わるたびに実績と照らし合わせて更新します。この習慣があると、三回目あたりから見積もりが実態に近づき、無理な受注が減ります。

続かない人は、見積もりをしません。依頼が来たときの報酬額だけを見て判断し、終わってから「割に合わなかった」と感じる。この繰り返しが、やがて疲弊につながります。

もう一つ、運営者として見てきた限りはっきりしているのは、長く続けている人ほど、単発の作業をこなすことより「この人に任せると段取りまで含めて楽だ」と思われる関係づくりに時間を使っているという点です。同じ相手から繰り返し依頼が来る状態になると、準備時間は自然に減っていきます。関係の継続そのものが、準備時間対策になるのです。

中間に手数料が乗らない直接の取引では、依頼する側は同じ予算でより多くを頼めますし、受け取る側は手取りが厚くなります。手数料0%の意味は、金額の大きさより、この構造が関係を長続きさせるところにあります。準備時間が読めない仕事だからこそ、手取りの厚さは続けられるかどうかを左右します。

独自データ考察、見えない時間をどう扱うか

在宅で働く人の動きを追っていると、離脱が起きやすい時期には傾向があります。始めてから数か月、案件を三つから五つほどこなしたあたりです。

この時期に何が起きているかというと、初回の準備負荷を三回から五回繰り返した状態です。まだ蓄積による効率化が効いておらず、負荷だけが積み上がっている。ここを越えられるかどうかが、大きな分岐点になります。

越えた人に共通しているのは、同じテーマの案件を二回以上受けていることです。二回目で準備が減る体験をすると、この仕事の構造が理解できます。理解すれば、案件の選び方が変わります。

逆に、毎回違うテーマを受け続けた人は、負荷が減る体験をしないまま離脱します。そして「この仕事は割に合わない」という結論を持ち帰る。実際には、割に合わない受け方をしていただけということが少なくありません。

続かない理由を単価に求めているうちは、対策の打ちようがありません。準備時間という見えないコストを数字にして、契約に反映するか、蓄積で減らすか、案件の選び方を変えるか。方法は三つとも手元にあります。

こういうご相談、本当に多いんです。そして、数字を出してみたら意外と続けられる形が見つかった、という方も同じくらいいます。まずは直近の案件で、実際に何時間使ったかを書き出すところから始めてみてください。

よくある質問

Q. ITコンサル・講師の仕事が続かない一番の原因は何ですか?

報酬の額そのものではなく、報酬の対象になっていない準備時間の多さです。2時間の登壇に対して資料作成やリハーサル、事前確認で13時間かかっていれば、実際の投入時間は15時間になります。単価が安いと感じる、時間が取れない、両立できないという訴えは、いずれもこの準備時間から派生していることが多くあります。

Q. 準備時間はどうすれば減らせますか?

方法は三つあります。カリキュラム構成や資料の見た目の型を決めて毎回ゼロから考えないこと、作った資料を部品単位で再利用できる形に残すこと、そして受ける案件の領域を絞ることです。特に三つめが効きます。毎回違う分野の依頼を受けると蓄積がゼロのままで、初回の負荷を繰り返すことになります。

Q. 準備時間を報酬に含めてもらうには、どう伝えればよいですか?

業務範囲を工程の言葉で書き、カリキュラム設計費や教材制作費を登壇料と分けて見積もる方法があります。分けて出すことは値上げ交渉とは違い、何にいくらかかっているかを見える形にする作業です。依頼側も既存教材の流用で費用を調整できるようになるため、双方にとって話が進めやすくなります。

Q. 続けるか、組織で働くかはどう判断すればよいですか?

二回目以降の案件で準備時間が減っているか、契約の形を変えられる相手かどうか、そしてこの仕事の何が魅力だったかを覚えているか、の三つで判断してください。組織に所属すれば準備時間も業務時間として扱われるため、この問題の多くは解消します。個人で案件を回した経験は、範囲定義や納期管理の実務として説明できます。

この記事について

@SOHO
編集部

監修:@SOHO編集部

2004年よりフリーランス・在宅ワーク向けサービスを20年運営。編集部が事実確認のうえ公開しています。

公開:2026年2月3日最終更新:2026年8月25日
長谷川 奈津

この記事を書いた人

長谷川 奈津@SOHO編集部

行政書士・元企業法務

企業法務で数多くのフリーランス契約を扱った経験を活かし、フリーランス向けの法律・契約・権利に関する記事を執筆。「法律はあなたの味方です」がモットー。

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