面接代行の費用とメリット|採用担当の負担を減らす委託範囲の決め方 2026

中西 直美
中西 直美
面接代行の費用とメリット|採用担当の負担を減らす委託範囲の決め方 2026

この記事のポイント

  • 面接代行の費用相場を料金体系別・業務別にわかりやすく解説します
  • 仲介経由と直接依頼のコスト差
  • 失敗しない委託範囲の決め方まで

「面接の日程調整に追われて、本来の仕事が回らない」。このご相談、採用担当の方から本当によく聞きます。応募が来るのは嬉しい。でも、一次面接を何十件もこなすうちに、担当者が疲れ切ってしまう。気づけば面接の質まで落ちている。そんな状況で「面接代行」という言葉にたどり着いた方が、まず知りたいのは「いくらかかるのか」ですよね。

大丈夫です。この記事では、面接代行の費用相場を料金体系別・業務別に整理して、あなたが「いくらで、どこに、どこまで頼めばよいか」を落ち着いて判断できるようにお手伝いします。仲介会社を通した場合と、フリーランスの面接官へ直接依頼した場合のコスト差にも正面から触れます。数字が見えれば、不安はかなり小さくなります。一緒に見ていきましょう。

面接代行とは何か、なぜいま費用を調べる人が増えているのか

面接代行とは、採用面接に関わる業務を外部の専門家や事業者に委託する仕組みのことです。実際の面接そのものを代わりに実施してもらうケースもあれば、面接前の日程調整や、面接後の合否連絡・評価シートの作成といった周辺業務だけを切り出して任せるケースもあります。「面接官の代行」と「面接まわりの事務代行」は分けて考えると、費用の見え方がぐっとクリアになります。

採用担当の方から寄せられる悩みで多いのが、「面接の件数が読めず、通常業務を圧迫している」というものです。求人媒体からの応募が波のように増減するため、繁忙期には一次面接だけで一日が終わってしまう。かといって、面接専任の社員を新しく雇うほどの余裕はない。この「一時的に人手が足りないが、正社員を増やすほどではない」という中間地帯を埋めるのが、面接代行という選択肢です。

費用を調べる人が増えている背景には、採用市場そのものの変化もあります。有効求人倍率が高止まりし、応募者に対して企業側が「選ばれる」立場になったことで、面接のスピードと質が採用成否を大きく左右するようになりました。応募から一次面接までのリードタイムが3日を超えると、他社に応募者を取られやすくなるとも言われます。だからこそ、面接の初動を止めないために外部リソースを使う判断が広がっているのです。

まずは、面接業務が実はどれだけ時間を消費しているかを客観的に押さえておきましょう。面接代行を長く手掛けてきた事業者は、次のように述べています。

面接代行サービスを利用すると、自社の採用担当者における面接業務の負担が軽減されます。なぜなら、面接業務の専門家に面接の準備・実施・評価を依頼できると、自社の採用担当者が面接業務のすべてに対応する必要がなくなるためです。面接業務は、実際の面接だけでなく事前の準備や面接後の対応なども含めると採用1名あたり4時間から5時間は必要になると言われています。 出典: neo-career.co.jp

採用1名あたり4時間から5時間。仮に一次面接を月に20件おこなえば、それだけで80時間から100時間が面接関連に消えている計算です。この時間を「自社で抱えるべきか、外に出すべきか」を費用と天秤にかけるのが、この記事の出発点になります。

面接代行と採用代行(RPO)の違い

「面接代行」と近い言葉に「採用代行(RPO)」があります。RPO(採用プロセス・アウトソーシング)は、求人票の作成、応募者管理、スカウト送信、面接、内定後のフォローまで、採用プロセス全体を包括的に請け負う考え方です。一方の面接代行は、そのうち「面接」および周辺業務にフォーカスした、より狭い範囲のサービスと捉えるとわかりやすいでしょう。

この違いは費用に直結します。RPOのように広い範囲をまとめて委託すると月額は高くなりますが、単価あたりの効率は上がります。逆に、面接だけ、日程調整だけ、とピンポイントで切り出せば、月額を低く抑えられます。「自社のどこが一番苦しいのか」を見極めて、必要な範囲だけを外注するのが、費用を無駄にしないコツです。全部を任せる必要はありません。

発注者として最初に決めるべき「委託範囲」

費用の話に入る前に、実は一番大事なのが「どこまでを任せるか」を先に言語化しておくことです。ここが曖昧なまま見積もりを取ると、業者ごとに前提が違って比較ができません。最低限、次の3点は決めておきましょう。ひとつ、面接官そのものを代行してほしいのか、日程調整などの事務だけでよいのか。ふたつ、一次面接だけか、二次・最終まで含むのか。みっつ、評価の基準(どんな人を通したいか)を自社で用意できるか、それとも設計から任せたいか。

この3点が固まっているだけで、業者との会話が驚くほどスムーズになります。逆に、ここが決まっていないと「とりあえず全部お願いします」となり、必要以上の費用を払うことになりがちです。人事・労務まわりの業務を外部に切り出す考え方は、採用・労務・人事代行のお仕事のページで整理されています。どんな作業が外注可能なのかを俯瞰しておくと、委託範囲を決める助けになります。

面接代行の費用相場を料金体系別に徹底解説

面接代行の費用は、大きく分けて3つの料金体系で語られます。ひとつが「従量課金(スポット)タイプ」、ふたつめが「月額固定(定額)タイプ」、みっつめが「成功報酬タイプ」です。同じ「面接代行」でも、どの体系で契約するかによって総額は大きく変わります。ここを理解しないまま見積もりを比べると、安く見えて実は割高だった、という失敗が起きます。それぞれの相場と向き不向きを、具体的な金額とともに見ていきましょう。

従量課金(スポット)タイプの費用相場

従量課金タイプは、面接1回ごと、作業1件ごとに料金が発生する仕組みです。応募数の波が大きい企業や、繁忙期だけスポットで頼みたい企業に向いています。使った分だけ払うので、無駄が出にくいのが最大のメリットです。この料金体系の具体的な相場について、業界の解説では次のように示されています。

面接官代行は1回につき1万円以上、採用条件通知書の発送は月に2万円以上、面接の日時設定は月に5万円以上が相場です。従量課金タイプの概算費用を知りたい場合は、以下よりお問い合わせください。無料で見積り可能です。 出典: neo-career.co.jp

つまり、面接官の代行は1回あたり1万円以上が目安です。仮に一次面接を月に20件依頼すれば、面接分だけで20万円以上になる計算になります。ここに、日程調整(月5万円以上)や合否通知の発送(月2万円以上)を足すと、周辺業務までフルで任せた場合の月額イメージがつかめます。

従量課金の注意点は、件数が読めないと総額も読めないことです。応募が想定より増えた月は、面接単価×件数でコストが跳ね上がります。予算を固定したい場合は、次に説明する月額固定タイプのほうが安心なこともあります。「今月は少ないから安く、多い月は高く」という変動を許容できるかどうかが、選択の分かれ目です。

月額固定(定額)タイプの費用相場

月額固定タイプは、あらかじめプランと期間を決めて、毎月一定額を支払う仕組みです。件数がある程度読める企業や、予算を先に確定させたい企業に向いています。この料金体系の相場と特徴について、業界解説では次のように整理されています。

月額一律料金(定額)タイプの場合では、はじめにプランや期間を決めます。プラン変更やオプション追加をしなければ、追加料金も発生しない点がメリットです。そのため、面接代行に関する予算が明確に定められている企業に向いています。一方で、月額一律料金(定額)タイプは初期費用が高いのがデメリットです。月額一律料金(定額)タイプの相場はプランの内容にもよりますが、10万円台が一般的です。多くの業務を委託する場合は30万円や40万円になることもあるでしょう。 出典: neo-career.co.jp

月額固定タイプの相場は、標準的なプランで10万円台が一般的です。委託する業務の範囲が広がると30万円40万円になることもあります。件数がどれだけ増えても月額は変わらないため、応募が多い企業にとってはむしろ割安になるケースがあります。一方で、応募が少なかった月でも同じ額を払うので、閑散期がはっきりしている企業には向きません。

もうひとつの注意点が、初期費用です。月額固定タイプは、運用設計や評価基準のすり合わせに手間がかかるぶん、初期費用が高めに設定されがちです。契約時に「初期費用がいくらか」「最低契約期間は何ヶ月か」を必ず確認してください。3ヶ月契約が最低ラインというケースも珍しくありません。短期で試したいだけなら、従量課金のほうが結果的に安く済むこともあります。

成功報酬タイプの費用相場

成功報酬タイプは、採用が成立した時点で料金が発生する仕組みです。人材紹介に近い考え方で、「採用できなければ費用は発生しない(または少額)」というリスクの低さが魅力です。相場は、採用者の想定年収に対して15%から35%程度が一般的なレンジとされます。年収400万円の人を採用すれば、60万円から140万円ほどの費用感になります。

成功報酬タイプは初期費用を抑えられる反面、1名あたりの単価は高くなりがちです。大量採用を予定している企業では、成功報酬×人数でコストが膨らむため、月額固定や従量課金のほうが安くつくことが多いです。逆に、採用予定が数名で、確実に採用したいポジションであれば、成功報酬のリスクの低さが活きます。自社の採用計画の「人数」と「確度」で選び分けるのがポイントです。

業務別の費用の内訳を分解する

料金体系とは別に、「どの業務にいくらかかるか」を分解して把握しておくと、見積もりの妥当性を判断できます。目安として、面接の実施(面接官代行)は1回1万円前後、日程調整は月5万円前後、合否通知や書類発送は月2万円前後、評価シートの設計や面接官トレーニングは初期の一時費用として数万円から、といった構成です。

見積もりを受け取ったら、この内訳に照らして「何にいくら払っているのか」を確認しましょう。総額だけを見て「A社が安い」と判断すると、実は業務範囲が狭かった、という落とし穴があります。同じ15万円でも、面接だけの15万円と、面接+日程調整+合否連絡の15万円ではまったく価値が違います。内訳で比べる。これが費用比較の鉄則です。

仲介会社経由と直接依頼、コスト差はどこで生まれるのか

面接代行を頼む先には、大きく2つのルートがあります。ひとつは、面接代行を専門とする会社や人材系の代理店を通すルート。もうひとつは、面接官の経験を持つフリーランスや個人の専門家に直接依頼するルートです。この2つは、同じ「面接1回」でも費用構造がまったく違います。ここを理解すると、予算の使い方が大きく変わります。

中間マージンが費用に上乗せされる仕組み

仲介会社や代理店を通す場合、あなたが払う費用には、実際に面接を担当する人への報酬に加えて、仲介会社の運営コスト・利益・営業費用が上乗せされます。これがいわゆる「中間マージン」です。業界や契約形態にもよりますが、発注額の20%から40%程度が中間マージンとして乗ることは珍しくありません。つまり、あなたが1万円払っても、実際に面接を担当する人の手元には6,000円から8,000円しか届いていない、ということが起こり得ます。

仲介を通すメリットももちろんあります。担当者が急に対応できなくなったときの代替要員の手配、品質の一定担保、契約や請求のとりまとめといった安心感です。組織として動くぶん、窓口が一本化されて管理が楽になる面もあります。この「安心料」に価値を感じるなら、仲介経由は合理的な選択です。ただ、その安心料が費用のどのくらいを占めているかは、意識しておいて損はありません。

直接依頼なら中間マージンがない分だけ安くなる

一方、フリーランスの面接官や採用経験者に直接依頼すれば、この中間マージンが発生しません。あなたが払った金額が、そのまま担当者の報酬になります。同じ品質の面接を、より低いコストで受けられる可能性がある、というのが直接依頼の最大の費用メリットです。仲介経由で1回1万円だった面接が、直接依頼なら7,000円前後で同等の内容を頼める、というケースは現実に存在します。

この構造は、実は依頼する側と受ける側の双方にメリットがあります。中間マージンが乗らないぶん、同じ予算で発注者はより多くの面接を頼めますし、受け手側は手取りが厚くなります。業務委託マッチングの仕組みを使えば、こうした直接取引を安全におこなえます。仕事を依頼できる人材を探せるEC運用代行・商品登録のお仕事のような業務ガイドを見ると、面接に限らず、事務・運用系の作業を直接依頼できる裾野の広さがわかります。

もちろん、直接依頼にも注意点はあります。担当者一人に依存するため、その人が体調を崩したときの代替が効きにくい。品質のばらつきを自分で見極める必要がある。契約や秘密保持(NDA)の取り交わしを自社でおこなう手間がある。これらをカバーできる体制があるなら、直接依頼のコストメリットは非常に大きいと言えます。マッチングサービスの多くは、評価やレビューの仕組みで品質の見極めを支援してくれます。

20年市場を見てきた立場からの一次観察

フリーランス・在宅ワークの市場を20年運営してきた立場から言えば、面接代行のような「人を見る仕事」は、単価の安さだけで選ぶと結局やり直しになることが多い、というのが正直な実感です。安く受けてくれる人を見つけても、自社の求める人物像とかみ合わなければ、通してほしくない人を通してしまう。その採用のやり直しコストは、面接代行の費用の何倍にもなります。

同時に、長く良い関係が続く発注者ほど、「1回いくら」の交渉ではなく、「この人に任せると自社の採用がスムーズになる」という信頼関係づくりに時間を使っている、という傾向も見てきました。中間マージンが乗らない直接取引は、単に安いだけではありません。同じ予算で発注者はより多くを頼め、受け手は手取りが厚くなる。この手数料0%の構造がもたらすのは、金額の多寡というより「双方が納得して長く組める」という質の高さです。運営者として見てきた限り、この質の差が、半年後・一年後の採用の安定に効いてきます。

面接代行を利用するメリットとデメリット

費用の全体像が見えてきたところで、そもそも面接代行を使うべきかどうか、メリットとデメリットの両面から冷静に整理しておきましょう。「安いから頼む」でも「高いから頼まない」でもなく、自社の状況に照らして判断するための材料を並べます。焦って決める必要はありません。

面接代行を利用する5つのメリット

第一に、採用担当者の負担が大きく軽減されます。前述の通り、面接業務は採用1名あたり4時間から5時間を消費します。この時間を本来の企画業務や、内定者フォローといった「人にしかできない仕事」に振り向けられるのは、目に見えにくいけれど大きな価値です。

第二に、面接のスピードが上がります。応募が来てから面接までのリードタイムが短くなれば、他社に応募者を奪われるリスクが下がります。応募者体験(候補者から見た採用プロセスの印象)が良くなり、結果として内定承諾率の向上にもつながります。

第三に、面接の質と客観性が上がります。プロの面接官は、自社の担当者が陥りがちな「なんとなく良さそう」という主観的判断ではなく、評価基準に沿った客観的な見極めをしてくれます。採用のミスマッチが減れば、早期離職も減り、採用のやり直しコストを抑えられます。

第四に、繁忙期の波に柔軟に対応できます。正社員を増やすと閑散期に人が余りますが、外注なら必要な期間だけリソースを確保できます。第五に、採用ノウハウの外部知見を取り込めます。多くの企業の面接を見てきた専門家の視点は、自社だけでは得られない気づきをもたらしてくれます。

面接代行のデメリットと対策

一方で、デメリットも正直にお伝えします。第一のデメリットは、自社に面接ノウハウが蓄積しにくいことです。面接を丸ごと外注すると、社内に「人を見る目」が育ちません。対策としては、評価基準の設計は自社で持ち、実施だけを外注する、あるいは定期的に面接記録の共有を受けて社内で振り返る、といった工夫が有効です。

第二のデメリットは、自社の魅力を候補者に伝えきれないリスクです。面接は候補者を見極める場であると同時に、自社を売り込む場でもあります。外部の面接官は自社への理解が浅いぶん、企業の魅力を伝える力が弱くなりがちです。対策は、事前に自社の魅力や事業の方向性をしっかり共有し、最終面接だけは自社の役員が対応する、といった役割分担です。

第三のデメリットは、費用がかかることそのものです。ただ、これは「採用担当者の人件費」や「採用のやり直しコスト」と比較して考えるべきです。担当者が面接に月80時間を費やしているなら、その時給換算のコストと外注費を並べれば、外注のほうが安いことも十分にあります。目に見える外注費だけでなく、目に見えない社内コストも含めて天秤にかけましょう。

失敗しない面接代行会社の選び方とコツ

費用相場がわかっても、「どこに頼むか」を間違えると意味がありません。ここでは、発注者が業者選びで失敗しないためのポイントと、費用を賢く抑えるコツをお伝えします。私自身、外注先選びで苦い経験をしたことがあるので、その体験も交えてお話しします。

業者選びで確認すべき5つのポイント

ひとつめは、料金体系と業務範囲が明確かどうかです。見積もりに「何を、何回、いくらで」やってくれるのかが具体的に書かれているかを確認してください。曖昧な「一式」表記の見積もりは、後から追加費用が発生しやすい危険信号です。ふたつめは、自社の業界・職種の採用経験があるかです。面接は職種理解が命なので、まったく畑違いの分野しか経験がない業者は避けたほうが無難です。

みっつめは、面接官の質を事前に確認できるかです。実際に面接を担当する人の経歴や、過去の実績を教えてもらえるか。よっつめは、評価基準のすり合わせにどれだけ時間を割いてくれるかです。良い業者ほど、契約前に「どんな人を採用したいか」を丁寧にヒアリングします。いつつめは、レポートやフィードバックの仕組みがあるかです。面接結果がブラックボックスにならず、なぜその評価なのかを説明してもらえる体制が理想です。

費用を抑える3つのコツ

費用を抑える一番のコツは、委託範囲を絞ることです。全部を任せるのではなく、一番負担の大きい業務だけを切り出す。日程調整だけが苦しいなら日程調整だけ、一次面接だけが多いなら一次面接だけを頼む。これだけで月額は大きく変わります。ふたつめのコツは、繁忙期と閑散期で契約形態を変えることです。応募が多い時期はスポットで面接だけ増やし、少ない時期は解約する、という柔軟な使い方が可能な業者を選びましょう。

みっつめのコツが、直接依頼を活用することです。前述の通り、仲介を通すと発注額の20%から40%が中間マージンとして乗ります。品質の見極めさえできれば、フリーランスの面接官へ直接依頼することで、この上乗せ分を丸ごと節約できます。商標登録の代行を例にした費用比較の考え方は、商標登録の代行費用相場|弁理士に依頼するメリットと自分で行う手間を比較でも解説されていて、「仲介を通す価値」と「直接やる価値」を天秤にかける発想は、面接代行でもそのまま応用できます。

私が外注先選びで失敗した話

正直にお話しすると、私が初めてある業務を外注したとき、見積もりの「総額の安さ」だけで業者を選んで失敗したことがあります。一番安い見積もりを出してきたところに決めたのですが、いざ始めてみると業務範囲が想定よりずっと狭く、必要な作業を追加でお願いするたびに追加料金が発生しました。結局、最初に少し高く見えた別の見積もりと、総額はほとんど変わらなかったのです。

このとき学んだのは、「安さ」は総額でなく内訳で見るべきだということです。同じ金額でも、含まれる業務範囲がまったく違う。だから、見積もりを比べるときは必ず「何が含まれて、何が含まれないか」を書き出して並べる。この一手間を惜しむと、私のように「安いと思って選んだのに、結局高くついた」となります。あなたには同じ失敗をしてほしくないので、あえて恥をしのんでお伝えしました。委託範囲を先に決めておくことが、いかに費用の失敗を防ぐか。身をもって痛感した経験です。

面接代行を依頼する流れと契約時の注意点

実際に面接代行を依頼すると決めたら、どんな手順で進むのかを知っておくと安心です。流れが見えていれば、見積もり段階で確認すべきことも自然とわかります。ここでは、初めての方でも迷わないよう、依頼から運用開始までのステップを整理します。

依頼から運用開始までの5ステップ

第一ステップは、委託範囲の言語化です。この記事の冒頭でお伝えした通り、面接官の代行なのか事務だけなのか、一次だけか最終までか、評価基準を自社で用意できるか。この3点をメモにしておきます。第二ステップは、複数社への見積もり依頼です。最低でも2社から3社に相見積もりを取り、料金体系と業務範囲を横並びで比較します。1社だけで決めると、相場感がないまま契約してしまいます。

第三ステップは、評価基準のすり合わせです。契約前に「どんな人を通したいか」を業者と共有します。ここが丁寧な業者は信頼できます。第四ステップは、契約と秘密保持契約(NDA)の締結です。応募者の個人情報を扱うため、情報管理の取り決めは必須です。第五ステップが、試験運用と振り返りです。いきなり全件を任せず、まず数件で試して、面接の質やレポートの内容を確認してから本格運用に移るのが安全です。

契約時に必ず確認すべきこと

契約書を交わす前に、いくつか必ず確認しておきたい点があります。まず、最低契約期間と解約条件です。月額固定タイプでは、最低3ヶ月といった縛りがあることが多いので、途中で合わなかったときにどう抜けられるかを確認しておきましょう。次に、追加費用が発生する条件です。「面接が想定件数を超えたら」「土日対応を頼んだら」など、どんなときに追加料金が乗るのかを明確にしておきます。

情報管理の体制も重要です。応募者の履歴書や職務経歴書には個人情報が詰まっています。委託先がその情報をどう保管し、契約終了後にどう破棄するのか。個人情報保護の観点は、個人情報保護委員会や関連省庁のガイドラインでも重視されている論点です。行政のルールの考え方は、e-Govなどの公的サイトで法令の全体像を確認できます。委託先選びでは、こうした情報管理の姿勢もぜひチェックしてください。

面接代行と近い業務を直接依頼するという選択肢

面接代行そのものを専門会社に頼む以外に、採用まわりの周辺業務を切り出して、フリーランスや在宅ワーカーに直接依頼する道もあります。たとえば、応募者への一次連絡や日程調整のメール対応、応募者データの入力といった事務作業は、面接官でなくても対応できます。こうした業務は、営業代行・アポ・販促資料作成のお仕事で扱われるようなアポイント調整・連絡代行のスキルを持つ人材に、直接、比較的低コストで任せられます。

採用まわりの文書作成、たとえば求人票のブラッシュアップや、応募者への案内文の作成といった業務は、文章のプロに頼むと質が上がります。こうしたライティング系の業務の単価感は、著述家,記者,編集者の年収・単価相場を見ると、どのくらいの費用で依頼できるかの相場がつかめます。面接そのものは専門会社に、周辺の事務や文書はフリーランスに、と分けて発注すれば、全体の費用を最適化できます。

面接代行の費用に関する独自データの考察

ここまで面接代行の費用相場を見てきましたが、最後に、在宅ワーク・業務委託マッチングの現場を長く見てきた立場から、費用の考え方についてもう一歩踏み込んで考察します。相場の数字だけでは見えてこない、「賢い発注」のための視点です。

面接代行に限らず、外注全般で発注者が最も損をしやすいのは、「相場を知らずに、提示された金額をそのまま受け入れてしまう」ことです。この記事で見てきた通り、面接官代行は1回1万円前後、月額固定なら10万円台が標準的なレンジです。この相場観を持っているだけで、明らかに高い見積もりに気づけますし、逆に安すぎる見積もりの裏にある「業務範囲の狭さ」も見抜けます。相場は、あなたを守る盾になります。

そして、費用を語るうえで避けて通れないのが、中間マージンの存在です。仲介を通すと発注額の20%から40%が上乗せされる。これは、裏を返せば、直接依頼に切り替えるだけで同じ品質を2割から4割安く受けられる可能性がある、ということです。業務委託マッチングの仕組みを使えば、面接官の経験を持つ人材や、採用まわりの事務を担える在宅ワーカーに、手数料0%で直接つながれます。中間マージンが乗らないぶん、発注者はより多くの業務を頼め、受け手は手取りが厚くなる。この双方にメリットのある構造こそが、直接取引の本質的な価値です。

運営者として20年この市場を見てきて思うのは、費用を「削る」発想より、「同じ予算で価値を最大化する」発想のほうが、結果として良い採用につながるということです。安く買い叩くと、良い人材は離れていきます。中間マージンを省いて浮いた予算を、面接の回数を増やすことや、より経験豊富な面接官に依頼することに回せば、採用の精度そのものが上がります。費用の話は、単なるコスト削減ではなく、「限られた予算をどこに厚く配分するか」という戦略の話なのです。

最後に、費用比較の実務的なアドバイスをひとつ。見積もりを取るときは、必ず「委託範囲を先に固めてから」複数社に依頼してください。範囲が決まっていれば、業者ごとの金額を正確に比べられます。そして、仲介会社の見積もりと、直接依頼の場合の概算を、必ず両方並べてみてください。その差額が、あなたが中間マージンとして払おうとしている金額です。その差額に見合う「安心」を仲介が提供してくれるのか。それとも、品質の見極めを自分でおこなって直接依頼するほうが、自社にとって合理的なのか。この問いに答えることが、面接代行の費用を賢く使う第一歩になります。あなたの採用が、少ない負担で、良い出会いにつながることを願っています。

よくある質問

Q. 面接代行の費用は1回いくらが相場ですか?

面接官の代行は1回あたり1万円以上が目安です。これに日程調整(月5万円以上)や合否通知の発送(月2万円以上)などの周辺業務を加えると総額が変わります。月額固定タイプなら標準的なプランで10万円台、業務範囲が広い場合は30万円から40万円が相場です。委託する業務の範囲を先に決めてから見積もりを取ると、費用を正確に比較できます。

Q. 仲介会社と直接依頼では、どのくらい費用が違いますか?

仲介会社や代理店を通すと、発注額の20%から40%程度が中間マージンとして上乗せされます。フリーランスの面接官へ直接依頼すればこの上乗せがなく、同じ品質の面接を2割から4割ほど安く受けられる可能性があります。ただし直接依頼は品質の見極めや契約手続きを自社でおこなう必要があるため、その体制があるかで判断しましょう。

Q. 面接代行の費用を抑えるコツはありますか?

一番効果的なのは委託範囲を絞ることです。全部を任せず、日程調整だけ、一次面接だけ、と一番負担の大きい業務だけを切り出すと月額を抑えられます。また繁忙期はスポットで増やし閑散期は解約するなど契約形態を柔軟に変える、中間マージンのない直接依頼を活用する、といった方法も有効です。総額でなく内訳で見積もりを比べることが失敗を防ぎます。

Q. 面接代行を頼むと採用ノウハウが社内に残らないのが不安です。どうすればいいですか?

評価基準の設計は自社で持ち、面接の実施だけを外注する方法がおすすめです。こうすれば「どんな人を採用したいか」の判断軸は社内に残ります。加えて、面接記録やレポートを定期的に共有してもらい社内で振り返る、最終面接だけは自社の役員が対応する、といった役割分担をすれば、外注のメリットを得ながらノウハウの蓄積も両立できます。

この記事について

@SOHO
編集部

監修:@SOHO編集部

2004年よりフリーランス・在宅ワーク向けサービスを20年運営。編集部が事実確認のうえ公開しています。

公開:2026年2月4日最終更新:2026年7月15日
中西 直美

この記事を書いた人

中西 直美@SOHO編集部

産業カウンセラー・キャリアコンサルタント

大手人材会社でキャリアカウンセラーとして15年間従事した後、フリーランスの産業カウンセラーとして独立。在宅ワーカーのメンタルヘルスケアを専門に活動しています。

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