訪問リハビリのパートという働き方|勤務時間の組み方と、任される範囲

長谷川 奈津
長谷川 奈津
訪問リハビリのパートという働き方|勤務時間の組み方と、任される範囲

この記事のポイント

  • ✓訪問リハビリのパートで働きたい理学療法士・作業療法士・言語聴覚士へ
  • ✓パートに任される範囲と常勤との線引き
  • ✓移動時間やキャンセル時の扱い

先日、ある作業療法士さんから相談を受けました。「訪問リハビリのパートを始めたら、利用者さんのキャンセルが続いた月の給料が、思っていた額の半分くらいになった。これって普通なんですか」と。

結論から言うと、これは契約の中身しだいです。時給で雇われているのか、1件ごとの単価で雇われているのか、キャンセルのときの扱いがどう書かれているのか。そこを入る前に確かめていなかったことが、いちばんの原因でした。

訪問リハビリのパートは、子育てや本業と両立しやすい、とても柔軟な働き方です。一方で、病院のパートと違って、移動、キャンセル、件数の波という訪問ならではの要素が、勤務時間と給与に直接かかわってきます。

この記事では、訪問リハビリのパートで勤務時間をどう組むのか、パートに任される範囲はどこまでか、そして契約で必ず確認しておきたい点はどこかを、順番に整理します。

訪問リハビリでパートの求人が多い理由

訪問リハビリの求人を探していると、常勤よりもパートや非常勤の募集が目立つと感じる人は多いと思います。これには、訪問という職場の成り立ちがかかわっています。

まず、訪問の需要には時間帯の偏りがあります。利用者さんは、午前中にデイサービスへ行く日、通院する日、家族が来られる日が決まっていて、「この曜日の午後がいい」「平日の夕方にしてほしい」といった希望が集まりやすいのです。事業所としては、需要の多い時間帯だけを担ってくれる人が欲しい。これがパートの求人が多い1つ目の理由です。

2つ目は、件数の波です。新しい利用者さんが増える時期もあれば、入院や施設入所で担当が減る時期もあります。常勤を増やすと、件数が減ったときに人件費が重くなります。そこで、件数に合わせて勤務を調整しやすいパートで補う事業所が多くなります。

3つ目は、慢性的な人手不足です。訪問リハビリの事業所は増え続けていて、セラピストの確保はどこも課題になっています。病院に常勤で勤める人が、休日や勤務後に訪問を担ってくれるなら、事業所にとってはとても助かります。

実際の求人では、次のような条件が示されています。

仕事内容■日勤のみ可/残業ほぼなし 【キャッチコピー】◎訪問未経験でもOK♪パート社員の理学療法士を募集しています!時短正社員制度もあります! 【お仕事内容】訪問でのリハビリ業務全般。施設ではなくご自宅への訪問が中心です。 給与・手当て 給与 時給 2,200円 パート:週30時間勤務 月収264000円=時給2200円×週30時間×月4週 処遇改善 処遇改善あり 諸手当 通勤手当 出典: jp.stanby.com

時給2,200円で週30時間という例です。パートといっても、週30時間なら常勤に近い働き方になります。つまり、訪問リハビリの「パート」は、週1日の数時間から、ほぼフルタイムまで、幅がとても広いということです。自分がどのくらい働きたいのかを先に決めておかないと、求人を比べることができません。

勤務時間はどう組むのか

では、訪問リハビリのパートは、実際にどんな勤務時間で働くのでしょうか。求人の書き方には、たとえば次のようなものがあります。

勤務時間又は 9時 00分 ~ 20時 00分 の間の4時間以上 (休憩時間)60分 (週所定労働日数) 週1日 ~ 週5日 出典: jp.stanby.com

「9時から20時の間で4時間以上、週1日から週5日」。これは、働く時間帯と日数を、かなり自由に選べるという意味です。ただ、実際には「好きな時間に働ける」わけではありません。訪問の予定は、利用者さんの生活に合わせて組まれるからです。

よく見られる組み方を、いくつか挙げます。

午前だけの組み方

9時から13時ごろまでに、2件から3件を訪問します。子どもを保育園や学校に送ったあとに始められるので、子育て中の人に多い組み方です。ただし、午前はデイサービスに出かける利用者さんが多く、担当できる人が限られることがあります。

午後や夕方の組み方

14時から18時ごろ、あるいは夕方以降に2件から3件を訪問します。デイサービスから帰ってきた利用者さんや、日中は仕事をしている家族が同席できる時間帯なので、需要が多い時間帯です。

本業の休みの日にまとめる組み方

病院の休みの日に、1日で4件から5件を回ります。本業を持つ人に多い形です。土曜日に訪問している事業所なら、週1日だけでも受け入れてもらいやすくなります。

ここで大事なのは、勤務時間を「時間」だけでなく「件数」で考えることです。訪問リハビリの1回は、40分か60分で組まれるのが一般的です。これに移動の時間と、記録の時間が加わります。4時間の勤務なら、実際に回れるのは3件ほどと考えておくと、現実に近くなります。

もう1つ、見落とされやすいのが「曜日と時間の固定」です。訪問リハビリは、同じ利用者さんを毎週同じ曜日の同じ時間に訪問するのが基本です。つまり、一度担当を持つと、その曜日と時間は簡単には動かせません。「来月から水曜は無理になった」となると、利用者さんの予定を組み直すことになります。パートの柔軟さは、入る前に曜日を決めるところまで、と考えておくのが安全です。

時給制と件数制、給与の決まり方の違い

冒頭の相談に戻ります。訪問リハビリのパートでは、給与の決まり方が大きく2つに分かれます。これ、知らない人が本当に多いんです。

時給制

働いた時間に対して時給を支払う形です。先ほどの求人のように、時給2,000円から2,500円ほどの募集がよく見られます。移動や記録の時間も勤務時間に含まれるので、件数が少ない日でも、決まった時間を働けば給与は変わりません。

件数制(1件ごとの単価)

訪問1件ごとに単価を決めて支払う形です。1件(40分から60分)あたり4,000円から5,000円前後の募集が目立ちます。1時間に換算すると時給制より高く見えることが多いのですが、移動や記録の時間が単価に含まれているのか、キャンセルが出たらどうなるのかで、実際の手取りは大きく変わります。

冒頭の作業療法士さんは、件数制で雇われていました。キャンセルが出た分は、そのまま給与から消えていたわけです。

ここで、法律の話を少しだけします。

雇用契約で働いている人が、会社の都合で仕事を休まされた場合、労働基準法では、会社は平均賃金の60%以上の休業手当を払うことになっています。つまり、「会社の都合で働けなかった分」は、全額を失うわけではない、ということです。

ただし、利用者さんの体調不良による当日のキャンセルが「会社の都合」にあたるかどうかは、状況によって判断が分かれます。事業所がほかの訪問に振り替えられたのに何もしなかった場合と、どうしようもなかった場合とでは、扱いが違ってくるからです。

だからこそ、入る前に「キャンセルが出たとき、給与はどう扱われるか」を書面で確かめておくことが、自分を守るいちばんの方法になります。

※実際にキャンセル分の給与をめぐってトラブルになった場合は、労働基準監督署や社会保険労務士に相談してください。

パートに任される範囲と、常勤との線引き

次に、パートのセラピストがどこまでの仕事を任されるのかを見ていきます。ここは事業所によって差が大きいので、「一般的な傾向」として読んでください。

担当する利用者さん

パートのセラピストは、状態が比較的安定していて、決まった曜日と時間に訪問する利用者さんを担当することが多いです。退院した直後で状態が変わりやすい人や、医療的な管理が多い人は、常勤が担当するか、常勤と分担する事業所が多く見られます。

新しい利用者さんの評価

新しい利用者さんの最初の評価と、リハビリの計画づくりは、常勤が担うことが多い部分です。パートはその計画に沿って訪問を続け、変化があれば常勤に報告する、という役割分担がよく見られます。ただし、経験のあるパートのセラピストに、評価から任せる事業所もあります。

記録と書類

訪問ごとの記録は、パートでも自分で書きます。月に1回の報告書や計画書の見直しを、パートにも任せるかどうかは事業所しだいです。ここは時間のかかる作業なので、任される場合は、その時間が勤務時間に含まれるかを確認しておきましょう。

会議や連絡

利用者さんのケアプランを話し合うサービス担当者会議には、常勤が出ることが多いです。パートは、会議で決まった内容を共有してもらう立場になりがちです。ケアマネジャーや家族との細かな連絡を、パートが直接担うかどうかも、事業所によって違います。

オンコールや休日の対応

パートにオンコールを求める事業所は多くありません。ただ、訪問看護ステーションで働く場合、利用者さんの急な体調変化に気づいたとき、看護師への連絡の手順は、パートでも同じように求められます。

こうして見ると、パートに任される範囲は、「決まった利用者さんへの訪問と記録」が中心で、その周辺の調整や計画づくりは常勤が担う、という線引きが基本です。この線引きが曖昧な事業所では、パートなのに常勤と同じ書類を抱えることになりがちです。面接で「パートの方は、報告書や会議をどこまで担当していますか」と聞いてみてください。

逆に、任される範囲が狭すぎることに物足りなさを感じる人もいます。計画づくりに関わりたい、ケアマネジャーと直接話したいという希望があるなら、それも面接で伝えておきましょう。経験を積んだパートのセラピストに、少しずつ役割を広げていく事業所もあります。

パートの1日は、こう動く

ここで、訪問リハビリのパートの1日を、午後に勤務する例で追ってみます。

13時30分に事業所に着き、その日の担当の利用者さんについて、前回の訪問から変わったことがないかを確認します。常勤や看護師から、「この方は昨日から熱っぽいそうです」といった申し送りがあれば、ここで聞きます。直行直帰を認めている事業所では、この確認を電話やアプリで済ませて、自宅から1件目に向かうこともあります。

14時に1件目の訪問です。玄関で挨拶をして、血圧や脈拍を測り、最近の様子を聞き取ってから、40分のリハビリに入ります。ベッドからの起き上がり、トイレまでの歩行、立ち上がりの練習。家族がいれば、介助の方法も一緒に確認します。

移動の時間をはさんで、15時過ぎに2件目、16時過ぎに3件目の訪問をします。訪問と訪問の間は、自転車や車で10分から20分ほどです。

17時ごろに事業所へ戻り、3件分の記録を書きます。気になる変化があった利用者さんについては、常勤や看護師に口頭でも伝えます。17時30分ごろに退勤です。

この例では、勤務時間は4時間ほどで、そのうち実際にリハビリをしているのは2時間です。残りは移動と記録と申し送りです。時給制なら、この4時間すべてに給与が発生します。件数制なら、3件分の単価が支払われます。同じ1日でも、給与の仕組みによって、時間の感じ方がまったく違ってくるのが分かると思います。

私自身、行政書士として開業したばかりのころに、移動の多い出張の仕事を「1件いくら」で受けて、移動と書類作成の時間を入れると割に合わなかった経験があります。時間あたりに直してみて、初めて気づきました。訪問リハビリの件数制も、同じ計算を一度してみることをお勧めします。

移動時間は労働時間なのか

訪問の仕事で、トラブルになりやすいのが移動時間の扱いです。ここは法律の考え方を知っておくと、求人票の読み方が変わります。

厚生労働省は、訪問介護の仕事について、事業所から利用者さんの家へ、利用者さんの家から次の利用者さんの家へと移動する時間は、使用者の指示にもとづいて動いている時間なので、原則として労働時間にあたる、という考え方を示しています。つまり、「訪問している時間だけが仕事の時間」ではない、ということです。訪問リハビリでも、雇用契約で働いている以上、基本的には同じように考えられます。

一方で、自宅から最初の訪問先へ向かう時間と、最後の訪問先から自宅へ帰る時間は、通勤と同じ扱いになるのが一般的です。直行直帰の働き方では、この点を押さえておいてください。時給制の求人で「勤務時間は訪問先に着いてから」と説明された場合は、訪問先どうしの移動がどう数えられているかを、あわせて聞いておきましょう。

では、件数制の場合はどうなるのでしょうか。件数制でも、雇用契約である以上、最低賃金を下回ってはいけません。移動や記録を含めた実際の勤務時間で給与を割ったときに、地域の最低賃金を下回っていないかは、法律の上で守られるべき線です。件数制の単価は高く見えるので、実際に下回ることはまれですが、キャンセルが重なった月には確認しておく価値があります。

もう1つ、移動のための費用です。自家用車や自分の自転車を使う場合、ガソリン代や駐車場代、自転車の修理代を誰が負担するのか。求人票に「通勤手当」とだけ書かれていて、訪問の移動の費用が含まれるのか分からないことがあります。これも、入る前に確認したい項目です。

こんな相談もありました。「訪問と訪問の間が1時間空く日があって、その時間は給与が出ないと言われた」。訪問の合間の待ち時間は、その時間を自由に使えるのか、事業所から待機を指示されているのかで扱いが変わります。自宅に帰って家事をしてもよい時間なら休憩に近く、事業所で次の指示を待つよう求められているなら、労働時間と判断されやすくなります。

空き時間が長く出る組み方は、パートにとって一番損をしやすい形です。担当の組み方を決めるときに、訪問を続けて入れてもらえるよう相談しておくと、時間の無駄が減ります。

※移動時間の扱いや、最低賃金を下回っているのではないかと感じた場合は、労働基準監督署に相談できます。

雇用契約か、業務委託か

訪問リハビリのパートの求人の中には、「業務委託」として募集しているものが混ざっていることがあります。ここは、とても大事な違いです。

雇用契約(パート、アルバイト、非常勤職員)

事業所に雇われて、指示を受けながら働く形です。労働基準法が適用されるので、最低賃金、残業代、有給休暇、休業手当といった、働く人を守るルールがすべて使えます。条件を満たせば、社会保険や雇用保険にも入ります。

業務委託

事業所から仕事を請け負う形です。雇われているわけではないので、原則として労働基準法は適用されません。有給休暇も休業手当もありません。そのかわり、報酬の単価は高めに設定されることが多く、確定申告は自分で行います。

2024年11月から、フリーランスとして仕事を受ける人を守る法律(いわゆるフリーランス新法)が施行されました。業務委託で働く場合も、発注する側には、報酬や業務の内容を書面などで明示すること、報酬を受け取りの日から60日以内に支払うことなどが求められています。

ここで気をつけたいのは、名前が「業務委託」でも、実態が雇用と変わらない場合です。勤務の時間と場所を細かく指示され、断る自由がなく、事業所の備品を使って、時間で管理されている。こうした働き方は、実態として雇用と判断される可能性があります。

医療や介護の保険を使う訪問リハビリは、事業所の職員として人員の基準に数えられる働き方が基本です。そのため、訪問リハビリで純粋な業務委託の形は多くありません。「業務委託」と書かれた求人に出会ったら、なぜその形なのか、有給や保険はどうなるのかを、はっきり聞いてください。

もう1つ、業務委託で気をつけたいのが、訪問中の事故の責任です。利用者さんが転倒してけがをした場合、雇用されている職員なら事業所の保険で対応するのが通常です。業務委託の場合、自分で賠償責任の保険に入っておく必要があるのか、事業所の保険の対象になるのかを、契約の段階で確認してください。専門職の賠償責任の保険は、職能団体を通じて入れるものもあります。

※雇用か業務委託かの判断に迷う場合や、実態が雇用なのに業務委託として扱われていると感じる場合は、労働基準監督署や弁護士に相談してください。

社会保険、有給休暇、雇用保険の扱い

パートで働くときに、見落としがちなのが保険と休暇です。ここも、知っているかどうかで損得が変わります。

有給休暇

パートでも、6か月続けて働き、決められた日の8割以上出勤すれば、有給休暇がつきます。日数は、週に何日働くかで決まります。週1日の勤務なら6か月で1日、週2日なら3日、週3日なら5日、週4日なら7日です。週5日以上、または週30時間以上なら、常勤と同じ10日になります。

つまり、「パートだから有給はない」は誤りです。これ、本当に知らない人が多いんです。

社会保険(健康保険と厚生年金)

2026年時点では、従業員が51人以上の事業所で働く場合、週の所定労働時間が20時間以上、月の賃金が8.8万円以上などの条件を満たすと、パートでも社会保険に入ります。従業員数の条件は、今後段階的になくしていく方向で見直しが決まっています。

社会保険に入ると、手取りは減りますが、将来の年金が増え、病気で休んだときの手当も受けられます。家族の扶養の範囲で働きたい人は、勤務時間を決める前に、どこで線を引くのかを考えておきましょう。

雇用保険

週の所定労働時間が20時間以上で、31日以上続けて雇われる見込みがあれば、雇用保険に入ります。対象を週10時間以上に広げる改正も決まっています。

掛け持ちしている場合

病院に常勤で勤めながら訪問のパートをする場合、社会保険は基本的に本業の側で入ります。雇用保険も、原則として主に働いている1か所で入ります。

扶養の範囲で働く場合

配偶者の扶養の範囲で働きたい場合は、年収だけでなく、勤務先の社会保険の加入条件も合わせて考える必要があります。件数制で働くと、件数の多い月と少ない月で収入が大きく動くので、年の途中で見込みを確かめる習慣をつけておくと安心です。

本業と掛け持ちするときに気をつけること

訪問リハビリのパートは、病院のセラピストが本業と掛け持ちすることの多い働き方です。掛け持ちには、いくつか注意点があります。

本業の就業規則を確認する

まず、本業の職場が副業や兼業を認めているかを確認します。届け出や許可が必要な職場もあります。黙って始めて、あとで問題になるケースは少なくありません。

労働時間は、2つの職場で合算される

労働基準法では、2つの職場で雇われて働く場合、労働時間は合算して数えることになっています。つまり、本業で週40時間働いたうえで、休日に訪問のパートで働くと、その分は法律上の上限を超えた時間になり、割増賃金の問題が出てきます。事業所によっては、この管理の手間を理由に、本業を持つ人の雇い入れに慎重なこともあります。

休息を確保する

本業と訪問の両方で体を使う仕事なので、休みの日がなくなる働き方は長く続きません。1人で訪問するセラピストが疲れていると、利用者さんの小さな変化を見逃すことにもつながります。月に何日は完全に休むか、先に決めておくことをお勧めします。本業が繁忙期に入る時期に、訪問の担当を一時的に減らせるかどうかも、最初に相談しておくと安心です。

本業の患者さんとの関係

本業の病院を退院した患者さんを、訪問のパート先で担当することがあります。それ自体が問題になるわけではありませんが、本業の職場の情報を持ち出さないこと、どちらの立場で関わっているのかを利用者さんに分かるようにすることは、専門職として気をつけたい点です。

確定申告が必要になる場合

2か所から給与を受け取っている場合、本業ではない側の給与の額によっては、自分で確定申告をする必要があります。業務委託の報酬を受け取っている場合は、金額にかかわらず申告が必要になる場面が多いです。どちらの形で働いているかによって手続きが変わるので、年が明ける前に源泉徴収票や支払いの記録をそろえておきましょう。

訪問リハビリの非常勤の働き方や、時給の傾向については、理学療法士・作業療法士の訪問リハビリ副業|高時給を狙う方法【2026年版】で、始め方と注意点がまとめられています。掛け持ちを考えている人は、あわせて読んでみてください。

求人票と労働条件通知書で確かめたいこと

最後に、応募の前と、採用が決まったときに確かめたい項目を並べます。パートで雇われる人には、事業所が労働条件を書面などで明示することが法律で決まっています。昇給、賞与、退職金の有無や、相談の窓口も、パートの人には明示することになっています。受け取ったら、次の点を見てください。

給与の仕組み

時給制か、件数制か。件数制なら、1件の時間(40分か60分か)と、移動や記録の時間が単価に含まれているか。

キャンセル時の扱い

当日のキャンセルが出たとき、給与がどうなるか。ほかの訪問への振り替えがあるか。

勤務の曜日と時間

固定なのか、月ごとに変わるのか。担当の変更を事業所から求められることがあるのか。2024年4月からは、雇い入れのときに、将来の業務や就業場所の変更の範囲も明示することになっています。

任される範囲

新しい利用者さんの評価、報告書、会議への参加を、パートにも求めるか。求める場合、その時間は勤務時間に含まれるか。

移動の手段と費用

自家用車や自転車を使うか。その費用の手当はあるか。事故のときの保険はどうなっているか。

同行の期間と相談の体制

訪問の経験がない場合、先輩と同行する期間があるか。1人で訪問しているときに迷ったら、誰に連絡すればよいか。

面接で聞きにくいと感じるかもしれませんが、条件を確かめることは、わがままではありません。むしろ、長く働いてくれそうな人ほど、きちんと確認するものだと、事業所の側も分かっています。

在宅の医療と介護の現場では、看護師や介護職と連携する場面が毎回のようにあります。一緒に働く相手の働き方を知っておくと、連絡の伝え方が変わります。訪問看護ステーションで働く看護師の給与水準や働き方の傾向は、看護師の年収・単価相場に、介護職については介護職員の年収・単価相場にまとまっています。

フリーランスや在宅ワークの市場を長く見てきた運営者の立場から言えば、長く続く専門職ほど、単発の仕事をこなすことより、「この人に任せると安心」という関係づくりに時間を使っています。訪問リハビリのパートも、同じ利用者さんを毎週訪問し、少しずつ信頼を積み上げる働き方です。

業務委託として個人で仕事を受ける場面では、仲介の手数料が引かれない直接の取引のほうが、同じ依頼額でも手元に残る額が厚くなり、依頼する側も支払った分がそのまま担い手に届きます。手数料0%で直接つながる仕組みの価値は、金額の大小ではなく、双方が納得して長く付き合える関係を作りやすいところにあると考えています。

訪問リハビリのパートは、勤務時間を自分の生活に合わせて組める、とても良い働き方です。そのかわり、給与の仕組み、キャンセルの扱い、任される範囲を、入る前に言葉と書面で確かめておく必要があります。知っていれば防げるトラブルは、本当に多いのです。法律は、働くあなたの味方です。

よくある質問

Q. 訪問リハビリのパートは、週1日だけでも働けますか?

週1日から受け入れる事業所は多くあります。本業の休みの日にまとめて4件ほど回る働き方もよく見られます。ただし、訪問は同じ利用者さんを毎週同じ曜日と時間に担当するのが基本なので、一度決めた曜日は簡単に変えられないことを前提に考えておきましょう。

Q. 訪問リハビリのパートの時給はどのくらいですか?

時給制では2,000円から2,500円ほど、件数制では1件あたり4,000円から5,000円前後の募集がよく見られます。件数制は時間あたりに直すと高く見えますが、移動や記録の時間が含まれるか、キャンセル時にどう扱われるかで実際の収入は変わります。

Q. パートでも有給休暇や社会保険はありますか?

有給休暇は、6か月続けて働き8割以上出勤すれば、週の勤務日数に応じて付与されます。週1日なら1日、週3日なら5日です。社会保険は、事業所の規模や週20時間以上などの条件を満たすと加入します。条件は労働条件通知書で確認しましょう。

Q. 訪問の移動時間は、給与の対象になりますか?

雇用契約で働く場合、事業所から訪問先へ、訪問先から次の訪問先へ移動する時間は、原則として労働時間にあたると考えられています。自宅から最初の訪問先への移動は通勤と同じ扱いが一般的です。件数制の場合は、移動の時間が単価に含まれているかを確認してください。

この記事について

@SOHO
編集部

監修:@SOHO編集部

2004年よりフリーランス・在宅ワーク向けサービスを20年運営。編集部が事実確認のうえ公開しています。

公開:2026年7月15日最終更新:2026年9月21日
長谷川 奈津

この記事を書いた人

長谷川 奈津@SOHO編集部

行政書士・元企業法務

企業法務で数多くのフリーランス契約を扱った経験を活かし、フリーランス向けの法律・契約・権利に関する記事を執筆。「法律はあなたの味方です」がモットー。

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