オフィスデスク自宅に置くなら奥行き何センチ?狭い部屋でも快適な配置のコツ


この記事のポイント
- ✓オフィスデスクを自宅に置くなら奥行き何センチが正解?6畳ワンルームでも快適に在宅ワークするための
- ✓デスク選びと配置のコツを産業カウンセラーの視点から解説します
「オフィスデスクを自宅に置きたいんだけど、奥行きって何センチがいいんでしょう?」このご相談、本当に多いです。
在宅ワークが定着して数年。最初は食卓で仕事をしていた方も、「やっぱり専用のデスクがほしい」と感じ始めるタイミングが必ず訪れます。でも、いざ家具屋さんやネットショップを見ると、奥行き45cmから80cmまでいろいろなサイズがあり、どれを選べばいいのか分からなくなります。そして購入後に、「大きすぎて部屋が狭くなった」「逆に小さすぎて作業しづらい」「モニターが近すぎて目が疲れる」と後悔する方も少なくありません。
自宅に置くオフィスデスク選びで大切なのは、単に「置けるか」ではなく、「毎日無理なく使えるか」です。デスクは一度置くと簡単には買い替えにくく、部屋の動線や仕事の集中力、肩こり、腰痛、眼精疲労にまで影響します。特に奥行きは、画面との距離、キーボードの位置、手前に資料を置ける余白、肘を置ける安定感を左右するため、在宅ワーク用デスクの満足度を大きく決めます。
この記事を読み終わるころには、あなたの部屋とライフスタイルに合う奥行きが、かなり具体的にイメージできるはずです。ワンルームや6畳の部屋でも、寸法の考え方と配置のコツを押さえれば、圧迫感を抑えながら快適な作業環境は作れます。ここでは、在宅ワーカーが実際につまずきやすいポイントを踏まえながら、オフィスデスクの奥行き、配置、高さ、チェアとの組み合わせまで丁寧に整理していきます。
在宅ワーク用デスク市場の現状と、なぜ「奥行き」が大事なのか
まず、市場のお話から少しだけ。総務省の調査や企業の働き方を見ても、テレワークを導入している企業は依然として多く、フルリモートやハイブリッド勤務の働き方が定着しています。以前は一時的な在宅勤務のために、食卓やローテーブルで間に合わせる人も多くいました。しかし、在宅勤務が週1日から週3日、あるいはフルリモートへと長期化するにつれて、家庭用オフィスデスクの需要は大きく変わりました。
数年前まで、家庭用デスクといえば「学習机の延長」のようなものが主流でした。奥行き60cm前後、幅100cm前後の、子ども部屋に置く想定のサイズ感です。ところが、大人がフルタイムで仕事をするようになると、このサイズだけでは人によって少し物足りないことが見えてきました。外付けモニター、ノートPC、キーボード、マウス、資料、スマホ、飲み物、Web会議用ライトなど、仕事道具が増えたからです。
なぜ「奥行き」がこれほど重要なのか。それは、奥行きが目とモニターの距離を決め、その距離が肩こり・腰痛・眼精疲労を左右するからです。在宅ワーカーの不調を聞いていくと、首や肩のこわばり、眼の疲れ、腰の重さを訴える方が多くいます。原因を一緒に探っていくと、デスクの奥行きが足りずに画面が近すぎる、キーボードを置く位置が手前すぎる、肘を支える余白がない、というケースがとても多いです。
厚生労働省も「情報機器作業における労働衛生管理のためのガイドライン」に関連する資料の中で、ディスプレイから目までの距離を概ね40cm以上確保する考え方を示しています。詳細は厚生労働省の労働衛生関連情報を参照してください。この40cmという数字は、デスクの奥行きを考えるうえでの最低ラインになります。
ただし、目とディスプレイの距離を40cm確保するには、単純に奥行き40cmのデスクを買えばよいわけではありません。モニターの脚、キーボードの奥行き、手首を置く余白、椅子との距離が必要です。たとえば、外付けモニターのスタンド部分だけで奥行き20cm前後を使うことがあります。そこにキーボードと手元スペースを加えると、奥行き45cmではかなり窮屈になります。
在宅ワーク用デスクの奥行きは、健康面だけでなく心理面にも関係します。画面が近すぎると、視界いっぱいに仕事が迫ってくるような感覚になり、無意識に緊張しやすくなります。逆に、適度な奥行きがあり、手前にノートや飲み物を置ける余白があると、仕事中の圧迫感が和らぎます。特に自宅は生活空間でもあるため、デスクが部屋に与える存在感と、そこに座ったときの心地よさを両方考える必要があります。
市場としても、奥行き45cm前後の省スペースデスク、奥行き60cmの標準デスク、奥行き70cm以上の本格ワークデスク、昇降式デスク、折りたたみデスク、キャスター付きデスクなど、選択肢はかなり増えています。選択肢が増えたぶん、自分の作業内容を言語化しないまま買うと失敗しやすくなりました。まずは「ノートPCだけか」「外付けモニターを使うか」「紙資料を広げるか」「1日何時間使うか」を整理してから、奥行きを選びましょう。
オフィスデスクを自宅に置く場合の「奥行き」基準
ここからは、奥行きごとの特徴をひとつずつ見ていきます。あなたのお部屋の広さや使い方を思い浮かべながら、読んでみてください。結論から言うと、ノートPCだけなら45cmから50cm、外付けモニターを使うなら60cm、デュアルモニターや紙資料が多いなら70cm以上が目安です。ただし、部屋の広さや椅子の引きしろも含めて判断する必要があります。
奥行き45〜50cm:省スペース重視の「コンパクトデスク」
ワンルームや6畳未満のお部屋にお住まいの方には、奥行き45〜50cmのデスクが選択肢に入ります。一見「小さすぎるのでは?」と思われるかもしれませんが、ノートパソコン1台で作業する方であれば、十分機能します。メール、チャット、簡単な資料作成、オンライン学習、短時間の副業であれば、コンパクトデスクでも対応できます。
このサイズの強みは、部屋を圧迫しにくいことです。奥行き60cmのデスクと比べると、たった10cmから15cmの差に見えますが、狭い部屋ではこの差がかなり大きく感じられます。ベッドとデスクの間を通りやすくなる、椅子を引いてもクローゼットにぶつかりにくい、部屋全体の余白が残るといったメリットがあります。
ただし、注意点が2つあります。1つは、外付けモニターを置くと目との距離が30cm程度になってしまうこと。これは眼精疲労の大きな原因になります。もう1つは、書類を広げる余白がほとんどないこと。「PCと資料を並行して見る」という使い方には向きません。
たとえば、奥行き45cmのデスクにノートPCを置いた場合、ノートPC本体の奥行きだけで約22cmから25cm使います。手前に手首を置くスペースを10cmほど確保すると、残りはかなり少なくなります。マウスパッド、メモ帳、スマホを置くだけでも窮屈に感じるかもしれません。外付けキーボードを使う場合は、さらに手前のスペースが必要です。
このタイプを選ぶなら、モニターアームやノートPCスタンドで画面位置を調整するよりも、「ノートPC単体で短時間作業」「作業後にすぐ片付ける」「部屋の余白を優先する」という使い方に割り切るのがおすすめです。コンパクトデスクは悪い選択ではありません。ただし、本格的な在宅勤務を長時間行う人には、少し物足りなくなる可能性があります。
「フリーランスになりたての頃、奥行き45cmのデスクを使っていた」という方もいます。ノートPCだけで完結する仕事なら最初は気にならないのですが、オンライン面談や外付けモニターが増えると、途端に肩や首への負担が出やすくなります。半年後、1年後の使い方も想像して選びましょう。
奥行き60cm:もっとも標準的でおすすめのサイズ
奥行き60cmは、家庭用オフィスデスクの「ど真ん中」です。多くの在宅ワーカーにとって、最も失敗しにくいサイズと言えます。外付けモニターを置いても視距離を確保しやすく、ノートPC、マウス、キーボード、メモ帳、飲み物を置いても極端に窮屈になりません。
オフィスコムの解説でも、自宅用デスクの選び方として、スペースや用途に合わせたデスク選びの重要性が触れられています。
また、スタンダードデスクは形やデザイン、価格帯、大きさが豊富で、置く場所に合わせてさまざまなタイプから選べます。オフィスの空間に合うタイプを探している場合は、大きめで落ち着いた雰囲気を感じられる素材のオフィスデスクがおすすめです。自宅で使う場合は、部屋の印象がおしゃれになるデザインのオフィスデスクを、スペースに合わせて選ぶのをおすすめします。
なぜ60cmが「ちょうどいい」のか。理由は3つあります。
第一に、24インチクラスのモニターを置いても、目との距離が50〜60cm確保しやすいこと。第二に、ノートPCとマウス・書類を横に並べても窮屈になりにくいこと。第三に、市販のデスクチェアと組み合わせたときに、肘が天板にしっかり乗りやすいこと。この3つが揃うのが、ちょうど60cmの奥行きです。
具体的には、24インチモニター1台、外付けキーボード、マウス、A5ノート、スマホを置くなら、奥行き60cmはかなり扱いやすいです。モニターの脚が大きい場合は少し手前が狭くなるため、モニターアームを使うとさらに快適になります。モニターアームを使えば、スタンド部分が天板を占有しなくなり、キーボードや資料を置くスペースが広がります。
ただし、奥行き60cmでも、幅が狭すぎると作業性は落ちます。ノートPCだけなら幅80cmでも可能ですが、外付けモニターを使うなら幅100cm以上、余裕を持つなら幅120cm前後がおすすめです。狭い部屋では、幅を少し削っても奥行き60cmを確保するほうが、身体への負担は少なくなります。
奥行き60cmは、在宅勤務、オンライン会議、Webライティング、プログラミング、事務作業、資格学習など、幅広い用途に対応できます。初めて自宅用オフィスデスクを買うなら、まずは奥行き60cmを基準にして、部屋に入るか、椅子を引けるか、収納と干渉しないかを確認するとよいでしょう。
奥行き70〜80cm:デュアルモニターや書類作業が多い方向け
「画面を2枚使いたい」「会計処理で帳票を広げる」「設計図やデザイン作業をする」こんな方は、奥行き70cm以上を検討する価値があります。27インチのモニターを2台並べても、目との距離をしっかり取れますし、手前にA4書類を広げる余裕もできます。
奥行き70cm以上のメリットは、視距離と手元スペースの両方を確保できることです。たとえば、27インチモニターを使う場合、画面が大きいぶん目との距離を取りたくなります。奥行き60cmでも使えますが、モニターの脚が大きいと少し近く感じることがあります。奥行き70cmなら、モニター、キーボード、手前のメモスペースをゆったり配置できます。
デザイナー、動画編集者、エンジニア、経理担当、オンライン講師、士業、資料を広げる仕事の方には、この余白が効きます。デスク上で資料を左右に置き、中央でPC作業をし、必要に応じて手書きメモを取る。こうした「複数の作業を同時に行う」スタイルでは、奥行きの余裕が集中力に直結します。
ただし、奥行き80cmのデスクは、想像以上に部屋を圧迫します。6畳の部屋に置くと、ベッドや収納とのバランスが取りづらくなることもあります。奥行き80cmのデスクに椅子を組み合わせる場合、椅子を引くスペースとしてさらに60cmから80cm程度が必要です。つまり、デスク奥行き80cmと椅子の動作スペースを合わせると、壁から少なくとも140cmから160cm程度の奥行きを見ておきたいところです。
「広いほどいい」とは限りません。広い天板は快適ですが、散らかりやすいという弱点もあります。資料、ガジェット、飲み物、文房具が出しっぱなしになり、かえって集中しづらくなる人もいます。奥行き70cm以上を選ぶなら、配線トレー、引き出し、モニターアーム、書類スタンドなどもセットで考え、天板を作業面として保てるようにしましょう。
狭い部屋でもオフィスデスクを快適に置く5つのコツ
「うちは6畳ワンルームだから、無理かもしれない」そう諦める前に、ぜひ試してほしい工夫があります。狭い部屋で大切なのは、家具のサイズそのものよりも、動線と視線をどう設計するかです。デスクを置いた瞬間に部屋が狭く感じる原因は、通路をふさいでいる、視界を遮っている、椅子を引く余白がない、収納の扉と干渉していることが多いです。
1. 壁際に「縦長」に配置する
部屋の中央に置くより、壁にぴったり付けて配置するほうが空間効率は格段に上がります。さらに、窓のある壁ではなく「窓と垂直になる壁」に沿わせると、自然光が真横から入って画面が反射しません。これは在宅ワーカーの方によくお伝えするコツです。
壁際配置のメリットは、背後の通路を確保しやすいことです。デスクを壁に付け、椅子を引くスペースを60cmから70cmほど確保できれば、狭い部屋でも座る、立つ、通るという動作がしやすくなります。反対に、デスクを部屋の中央に向けるレイアウトはおしゃれに見えますが、ワンルームでは動線を圧迫しがちです。
窓際に置く場合は、画面への映り込みに注意してください。窓を背にすると画面に光が反射しやすく、窓に向かって座るとWeb会議で顔が暗く映ることがあります。窓に対して横向きに配置し、必要に応じてカーテンやブラインドで光を調整すると、目の疲れを抑えやすくなります。
2. 幅は妥協しても、奥行きは妥協しない
狭い部屋だと、つい「幅80cm×奥行き45cm」のような細長いデスクを選びがちです。でも、健康面で大切なのは「奥行き」のほう。幅は100cmから90cmに削ってでも、奥行き60cmを確保するほうが、長期的には体への負担が減ります。
幅が足りない場合は、縦方向や壁面を活用できます。モニターアームで画面を浮かせる、書類は縦型ファイルに入れる、ヘッドホンはフックに掛ける、充電器はケーブルボックスに入れる。こうした工夫で、幅90cmでも意外と作業できます。一方で、奥行きが足りないと、目と画面の距離や腕の置き場が不足し、身体への負担を後から補うのが難しくなります。
購入前には、床に新聞紙やマスキングテープでデスクのサイズを再現してみてください。幅90cm、奥行き60cmなら、そのサイズを床に貼り、椅子を置いて座ってみます。クローゼットは開くか、ベッドとの距離はあるか、椅子を引いたときに壁に当たらないか。実際の動作で確認すると、ネット上の寸法だけでは分からない圧迫感が見えてきます。
3. デスク下を収納として活用する
奥行きを60cm確保できれば、デスク下にキャスター付きのワゴンや小型の引き出しを置いても、足元はちゃんと確保できます。「デスク+収納」を別々に買うより、空間効率が良くなります。
ただし、デスク下収納は足元を圧迫しない範囲にしましょう。足を自然に置けない、膝が引き出しに当たる、椅子を奥まで入れられない状態になると、姿勢が崩れます。収納を入れるなら、左右どちらかに寄せ、中央には足を伸ばせる空間を残すことが大切です。
収納するものも、使用頻度で分けると快適です。毎日使うノート、充電器、イヤホン、筆記具は手元に近いワゴンへ。たまに使う書類や備品は棚やクローゼットへ。デスク上に置くものを減らすほど、奥行き60cmの価値が活きます。天板は収納場所ではなく、作業場所として空けておく意識を持ちましょう。
4. 昇降式デスクで「立ち仕事」も視野に入れる
昇降式デスクは、奥行き60cm程度のコンパクトサイズも増えています。立ち姿勢と座り姿勢を切り替えることで、長時間の同じ姿勢を避けられて、腰痛予防にもつながります。経済産業省の働き方に関する情報でも、健康的で生産性の高い働き方は重要なテーマとして扱われています。
昇降式デスクのよいところは、立てることだけではありません。自分の身長や椅子に合わせて、天板高を細かく調整できることです。一般的なデスクの高さは70〜72cmですが、身長が低めの方には高すぎることがあります。昇降式なら、肩が上がらない高さに合わせやすくなります。
立ち仕事は、最初から長時間やる必要はありません。1時間に10分から15分だけ立つ、午後の眠くなる時間だけ立つ、オンライン会議の一部を立って行う。それだけでも姿勢の固定を避けられます。狭い部屋で導入する場合は、昇降時に棚や窓枠、照明、モニターケーブルと干渉しないかを確認してください。
5. 折りたたみ・キャスター付きで「動かせる」を選ぶ
ワンルームでオン・オフを切り替えるのが難しいと感じる方には、キャスター付きで動かせるデスクや、使わないときは畳めるタイプもおすすめです。仕事終わりに視界から仕事道具を消せると、心理的にも休みやすくなります。
折りたたみデスクを選ぶ場合は、天板の安定性と耐荷重を確認してください。奥行きが浅く、脚が細いタイプは、タイピング時に揺れることがあります。ノートPCだけなら問題なくても、外付けモニターやプリンターを置くには向かない場合があります。キャスター付きデスクも、作業中に動かないようロック機能があるものを選びましょう。
「動かせる」ことは、狭い部屋では大きな武器です。平日は壁際、オンライン会議のときだけ背景が整う位置へ移動、休日は部屋の端へ寄せる、といった使い方ができます。特に生活空間と仕事空間が一体化しやすいワンルームでは、デスクを動かせるだけで気持ちの切り替えがしやすくなります。
高さ・チェアとの組み合わせも忘れずに
奥行きの話ばかりしてきましたが、もうひとつ大事なのが「高さ」です。デスクの天板の標準高さは70〜72cm。これは身長170cm前後の方を想定したサイズです。身長155cm前後の方だと、標準デスクは少し高すぎて、肩が上がってしまうことがあります。
肩が上がると、首や肩の筋肉が常に緊張します。逆にデスクが低すぎると、背中が丸まり、腰への負担が増えます。理想は、椅子に深く座り、足裏が床につき、肘を軽く曲げたときにキーボードへ自然に手が届く高さです。肘の角度は90度前後、または少し広いくらいが目安です。
そんなときに役立つのが、昇降機能付きデスクや、足元に置く「フットレスト」。あるいは、最初から座面の高さがしっかり調整できるオフィスチェアを選ぶことです。デスクが高くて椅子を上げた場合、足が床から浮いてしまうことがあります。そのまま作業すると太もも裏が圧迫され、血流が悪くなります。フットレストを置くだけでも、姿勢はかなり安定します。
実際にニトリでチェアを選ばれた方のレビューを引用します。
引越しを着にテレワークスペース用の椅子を探していました。
いくつも座って気に入ったのがこの椅子。予算は1.5万円ほどだったので大幅オーバーしていましたが、せっかくなのでと購入。
座面がメッシュタイプとクッションタイプで迷いましたが、夏の快適性を重視してメッシュにしました。
レッグレストも使いやすく、白基調の部屋にも馴染み、とても気に入っています。
組み立ては2人で行いました。途中で高い場所に座面を置いて作業をする時があるので、ダンボールか何かは捨てずに置いておくことをおすすめします。
このレビューから読み取れるのは、「予算オーバーしてでも、自分の身体に合うものを選んだ」という判断が、長期的に見て満足度の高い選択になったということです。デスクとチェアは、家具というより「健康投資」と捉えるといいかもしれません。
チェアを選ぶときは、座面高、座面の奥行き、背もたれ、肘掛けの高さを確認しましょう。肘掛けが高すぎるとデスクに当たって椅子を近づけられず、低すぎると腕を支えられません。座面が深すぎると、背もたれに腰が届かず、浅く座る癖がつきます。できれば実店舗で座り、デスク高を想定して試すのがおすすめです。
モニターの高さも忘れないでください。画面の上端が目線と同じか、少し下になるくらいが目安です。ノートPCだけで作業すると画面が低くなり、首が前に出やすくなります。ノートPCスタンド、外付けキーボード、マウスを組み合わせると、奥行き60cmのデスクでも姿勢を整えやすくなります。
在宅ワークの孤独と、デスク環境の意外な関係
ここで少し、心理面のお話もさせてください。
在宅フリーランスやリモートワーカーの中には、「デスクに向かうのが憂鬱になってきた」と感じる方がいます。最初は仕事の内容や人間関係の問題かと思って話を聞くのですが、よく掘り下げていくと、「デスク環境そのものが、毎日8〜10時間を過ごす場所として、心地よくない」というケースが本当に多いです。
奥行きが足りなくて画面が近い。チェアが合わなくて腰が痛い。照明が暗くて気分が沈む。配線が足元で絡まっている。資料が散らかっていて、座るたびに片付けから始まる。一つひとつは小さなことでも、毎日積み重なると、無意識のうちに「仕事=苦痛」という条件付けが脳の中で出来上がっていきます。
逆に言えば、デスク環境を整えるだけで、仕事へのモチベーションが回復する方もいます。「自分が大切にされている空間」だと感じられることが、自宅という公私が混じる場所では特に重要です。高級家具である必要はありません。画面との距離が適切で、手元に余白があり、椅子が身体に合い、照明が明るく、必要なものがすぐ取れる。それだけで、デスクに向かう心理的ハードルは下がります。
在宅ワークの孤独感は、作業場所が生活空間に溶け込みすぎることでも強まります。ベッドの横で仕事をしていると、休む場所と働く場所の境界が曖昧になります。食卓で仕事をしていると、食事の時間にも仕事の気配が残ります。小さくても「ここは仕事をする場所」と決めたデスクがあると、脳が仕事モードと休息モードを切り替えやすくなります。
照明や色も心理面に影響します。暗い部屋でモニターだけが明るい状態は、目が疲れるだけでなく気分も沈みやすくなります。白やナチュラルカラーのデスクは圧迫感が少なく、狭い部屋でもなじみやすいです。黒や濃いブラウンは落ち着いた印象になりますが、部屋が狭い場合は重く見えることがあります。デスクは毎日目に入るものなので、機能だけでなく「座りたいと思える見た目」も大切にしてください。
オフィスデスクと、フリーランスとしてのキャリア
ここまで「家具」の話をしてきましたが、最後に、もう少し広い視点でお話します。
自宅にオフィスデスクを置く方の多くは、在宅で何らかの仕事をされています。会社員のテレワークの方もいれば、フリーランスや副業の方もいるでしょう。総務省の統計データを見ても、在宅で働く人の割合は依然として高い水準で推移しています。
また、在宅でできる仕事のジャンルも広がっています。AIスキルを身につけてAIコンサル・業務活用支援のお仕事に挑戦される方、マーケティングの専門性を活かしてAI・マーケティング・セキュリティのお仕事に取り組まれる方、開発スキルでアプリケーション開発のお仕事を受注する方など、選択肢はとても多様です。
文章を書くお仕事に必要な基礎はビジネス文書検定で体系的に学べますし、ITインフラ系の在宅ワークならCCNA(シスコ技術者認定)が単価アップにつながります。具体的な働き方のイメージは、Webデザイナー初心者必見!失敗しない学習方法から転職まで徹底解説や未経験から始めるSNS運用代行 副業で稼ぐための全手順、Web制作フリーランスの始め方|HTML/CSSから案件獲得までの完全ロードマップ【2026年版】といった記事を参考にしてみてください。
長期的に活躍されている方ほど、最初の半年〜1年でデスク環境への投資を行っている傾向があります。具体的には、奥行き60cm以上のデスク、昇降機能、外付けモニター、ちゃんとしたチェア。これらに合計5〜15万円程度を投じている方が多いです。
一見すると大きな出費に感じるかもしれません。しかし、在宅で月5万円、10万円、あるいは本業並みの収入を目指すなら、作業環境は売上を生むためのインフラです。腰痛で作業時間が減る、眼精疲労で集中が切れる、姿勢が悪くてオンライン会議の印象が下がる。こうした損失を考えると、デスク環境への投資はかなり合理的です。
もうひとつ見えてくるのは、デスク環境を整えた方ほど「仕事と生活の境界線」を上手に引けているということ。物理的な「仕事専用ゾーン」があると、そこに座れば仕事モード、離れればプライベートモード、という心理的なスイッチが自然に入ります。これは認知行動療法でいう「文脈による条件付け」を、ご自宅の中で意図的につくり出している状態です。
ですから、もし今あなたが「自宅にオフィスデスクを置こうかな」と考えているなら、それは家具を買うこと以上の意味を持ちます。あなた自身の働き方を、心と体の両面から支える土台をつくる行動です。奥行き、高さ、チェアとの相性、部屋の動線。一つひとつ丁寧に選んで、長く付き合える一台に出会えますように。
公的機関・関連参考情報
本記事の内容に関連する公的機関や信頼できる情報源は以下の通りです。最新情報は公式サイトで確認してください。
よくある質問
Q. ゲーミングチェアをオフィスワークで使うのはアリですか?
用途や作業スタイルによります。後傾姿勢でリラックスしながら画面を見る作業には適していますが、タイピングなどの前傾姿勢が多い場合は、姿勢サポートの観点から専用のオフィスチェアをおすすめします。
Q. 自宅オフィス用の家具や家電は、全額経費として計上できますか?
事業に使用する割合(家事按分)に応じて経費計上が可能です。事業専用の部屋で使うデスクやチェアであれば100%経費にできますが、リビングなど生活空間と兼用する場合は、使用時間や面積の割合に応じて合理的な基準で按分する必要があります。また、10万円以上の備品は購入した年に一括で経費にできず、減価償却が必要になる点に注意しましょう。
Q. 自宅オフィスのセキュリティ対策に多額の費用をかけるべきですか?
いいえ。まずは「画面にロックをかける」「机を片付ける」「ゲストWi-Fiを分ける」といった、コストをかけずにできる習慣化から始めるのが最も重要です。

この記事を書いた人
中西 直美
産業カウンセラー・キャリアコンサルタント
大手人材会社でキャリアカウンセラーとして15年間従事した後、フリーランスの産業カウンセラーとして独立。在宅ワーカーのメンタルヘルスケアを専門に活動しています。
関連記事
カテゴリから探す

職種別ガイド
職種・スキル別の案件獲得方法と単価相場

副業・在宅ワーク
副業・在宅ワークの始め方と対象者別ガイド

フリーランス
フリーランスの独立・営業・実務ノウハウ

お金・税金
確定申告・節税・経費・ローンなどお金の知識

スキルアップ
プロフィール・提案文・単価交渉などのテクニック

比較・ランキング
サービス比較・おすすめランキング

最新トレンド
市場動向・法改正・AIなど最新情報

発注者向けガイド
クラウドソーシングで外注・人材探しをする企業・個人向け

転職・キャリア
転職エージェント・転職サイト比較・キャリアチェンジ

看護師
看護師の転職・副業・フリーランス・キャリアガイド

薬剤師
薬剤師の転職・副業・キャリアパスガイド

保険
生命保険・医療保険・フリーランスの保険設計

採用・求人
無料求人掲載・採用コスト削減・人材募集の方法

オフィス・ワークスペース
バーチャルオフィス・コワーキング・レンタルオフィス

法律・士業
契約トラブル・士業独立開業・フリーランス新法

シニア・50代
シニア世代のキャリアチェンジ・副業・年金

セキュリティ
サイバーセキュリティ・脆弱性対策・情報保護

金融・フィンテック
暗号資産・決済・ブロックチェーン・金融テクノロジー

経営・ビジネス
経営戦略・ガバナンス・事業承継・知財

ガジェット・機材
フリーランスに役立つPC・デバイス・周辺機器

子育て×働き方
子育てと在宅ワークの両立・保育園・時間管理







