ゲームBGMを1曲だけ作曲依頼したい|料金の目安と使用範囲の決め方 2026


この記事のポイント
- ✓ゲームBGMの作曲依頼を検討している方向けに
- ✓使用範囲(ライセンス)の決め方を行政書士事務所を運営する筆者が解説します
- ✓トラブルを避ける契約のポイントも紹介します
インディーゲームの開発が佳境に入り、あとはBGMだけという段階で「ゲームBGM 作曲 依頼」と検索してこのページにたどり着いた方が多いのではないでしょうか。自作の効果音やフリー素材だけでは世界観が伝わりきらない、かといって作曲の専門知識はない。そんな状況で、いくらぐらいで、どこに、どう頼めば安心なのか。この記事では料金の目安と依頼先の選び方、そして意外と見落とされがちな「使用範囲(ライセンス)」の決め方まで、発注者の立場でまとめます。
ゲームBGM外注の市場動向とマクロな背景
まず全体像から押さえておきましょう。ゲーム音楽の外注市場は、ここ数年で明確に広がっています。理由は大きく2つあります。
1つ目は、個人・小規模チームによるインディーゲーム開発の増加です。Steamやモバイルアプリのストアには毎年数万本規模の新作が登録されており、開発者の多くがプログラミングやグラフィックは自前で対応できても、作曲だけは専門外というケースが大半です。音楽は「聞けば違いがわかるのに、自分では作れない」典型的な分野であり、外注ニーズが根強く存在します。
2つ目は、クラウドソーシングやスキルマーケットの普及によって、個人の作曲家に直接依頼するハードルが下がったことです。以前は「作曲を依頼する」といえば音楽制作会社や広告代理店経由が主流で、見積もりだけで数十万円から始まることも珍しくありませんでした。今は個人のフリーランス作曲家がクラウドソーシングサイトやSNSで直接受注しており、予算感がぐっと下がっています。
一方で、依頼側の悩みは相場の不透明さです。「1曲いくらが妥当なのか」「なぜサイトによって金額が5倍も違うのか」といった質問は、筆者が受ける契約相談の中でも頻度の高いテーマの一つです。つまり、悩みの正体は「作曲家を探すこと」自体より「適正な相場と契約条件を判断すること」にあります。この記事はそこに焦点を当てます。
作曲関係はクラウドソーシングは難しいでしょうね。 こういうところに依頼するのがいいと思います。
以前、こんな会社に問い合わせたらだいたい60万くらいから。 と言っていました。
個人だから安くしてというのは聞かないと思うので どうしてもお金が無かったら鼻歌や口笛で録音してくっつけるとか自力で努力してください。
この回答は制作会社への依頼を前提にしたものですが、個人のフリーランス作曲家に直接依頼する場合は、これよりもかなり手頃な金額から相談できるのが実情です。次の章で具体的な料金レンジを見ていきます。
ゲームBGM作曲の料金相場
料金は「誰に頼むか」「どんな用途か」「納品形態」の3軸でおおむね決まります。ここでは代表的なパターンごとに相場を整理します。
個人のフリーランス作曲家に直接依頼する場合
クラウドソーシングやスキルマーケットに登録している個人の作曲家に直接依頼する場合、1曲あたり5,000円から5万円程度が目安です。学生や副業として活動している作曲家であれば安価な案件も見つかりますが、実績豊富なプロクラスになると1曲3万円を超えるのが一般的です。
料金に幅がある理由は明確です。曲の長さ(ループ用の短尺BGMか、ボスバトル用の展開のある長尺曲か)、楽器編成(打ち込みのみか、生演奏を含むか)、ミックス・マスタリングの有無、修正回数の上限、そして著作権や使用範囲の条件によって金額は大きく変わります。見積もりを比較する際は、金額だけでなく「何が含まれているか」を必ず確認してください。
音楽制作会社に依頼する場合
法人格を持つ音楽制作会社に依頼する場合は、ディレクション費、作編曲費、レコーディング費、ミックス・マスタリング費が個別に積み上がるため、1曲あたり10万円から60万円程度になることもあります。前述の引用にあったように、大手や広告案件の実績がある会社では「60万円から」という見積もりが提示されるケースもあります。これは制作会社が営業・ディレクション・複数人体制での品質管理コストを含んでいるためで、決して不当な金額ではありません。ただし個人開発のインディーゲームでこの予算を組めるケースは限られるでしょう。
楽曲数がまとまった場合の相場
タイトル曲、フィールドBGM、バトルBGM、エンディングなど、ゲーム1本分として5曲から10曲程度をまとめて依頼する場合、1曲あたりの単価は下がる傾向があります。個人作曲家であれば全体で10万円台から30万円台での契約例が見られます。まとめ発注は作曲家側にとっても継続案件としてのメリットがあるため、単発依頼より交渉の余地が生まれやすい点も覚えておくとよいでしょう。
依頼先の選び方
料金相場を把握したら、次は「誰に頼むか」の判断です。主な依頼先は3つに分類できます。
クラウドソーシングサイト経由
クラウドソーシングサイトでは、多くの作曲家がゲーム音楽をタグ付けしてサービスを出品しています。実績のポートフォリオを事前に試聴でき、価格帯も明示されているため、初めて作曲を依頼する方でも比較検討がしやすいのが利点です。
ゲーム音楽作曲の依頼ならランサーズ。ゲーム楽曲の作曲やキャラクターイメージBGMまで、さまざまなゲームミュージックに対応します。また、楽曲のミックスマスタリングのみの依頼も対応可能です。経験豊富なランサーが、用途や予算に合わせてあなたの音楽制作をサポートします。 出典: lancers.jp
このように、ミックス・マスタリングのみの部分的な依頼にも対応してもらえる場合があります。すでに自分で仮のメロディや構成を作っているが仕上げだけプロに任せたい、というケースでは選択肢として検討する価値があります。
個人作曲家への直接依頼(SNS・ポートフォリオサイト経由)
SNSやポートフォリオサイトで活動している作曲家に直接連絡を取る方法もあります。
普段はメジャーのコンペへ参加したり、SNSから来る依頼をこなしたりしております。 コンペや、作曲コンテストでグランプリ等経験のある私がしっかりとしたクオリティで貴方だけの音楽を提供致します!
このコメントが示すように、コンペ実績やコンテスト受賞歴がある作曲家は、クオリティの担保という意味で信頼できる指標になります。個人に直接依頼する最大のメリットは、代理店や仲介会社の手数料が上乗せされない点です。仲介を挟むと、作曲家に支払われる報酬に加えて仲介手数料が発生し、同じ予算でも作曲家の取り分が目減りするか、発注者側の総支払額が膨らむかのどちらかになります。フリーランスへ直接依頼すれば、中間マージンが発生しない分、同じ予算でより質の高い作曲家に依頼できる可能性が高まります。
音楽制作会社への依頼
予算に余裕があり、複数人の作曲家・エンジニアによるチーム体制でクオリティを担保したい場合は、音楽制作会社が選択肢になります。窓口が一本化されるため進行管理は楽になりますが、前述の通り費用は個人依頼より高くなる傾向があります。
失敗しないための依頼のコツ
料金相場と依頼先を押さえたら、次は実際の発注プロセスで失敗しないためのポイントです。
イメージを言語化してから依頼する
「かっこいいBGMをお願いします」だけでは、作曲家によって解釈が大きく分かれます。参考曲を2〜3曲提示する、シーンの状況(戦闘中か、街の探索中か、緊迫感が欲しいのか穏やかさが欲しいのか)を文章で説明する、テンポ感(アップテンポかスローテンポか)を伝える。この3点を事前に整理してから発注文を作成すると、修正のやり取りが大幅に減ります。
修正回数の上限を最初に確認する
見積もり金額に修正回数の上限が含まれているかどうかは、必ず契約前に確認してください。「イメージと違ったので何度も直してもらった」というケースでは、当初の見積もりに含まれる修正回数(多くは1〜2回)を超えると追加費用が発生します。これは作曲家側にとっても正当な請求であり、事前に条件を握っておけば発注者・受注者双方にとってトラブルの芽を摘めます。
使用範囲(ライセンス)を必ず契約書に明記する
ここが最も見落とされがちなポイントです。作曲を依頼して楽曲データを受け取っても、それだけで「どんな用途にも自由に使える」わけではありません。次章で詳しく解説します。
使用範囲(ライセンス)の決め方
ゲームBGMの発注で最もトラブルになりやすいのが、この「使用範囲」の取り決めです。行政書士として契約相談を受ける中でも、このテーマは本当に多くのご相談をいただきます。
つまり、楽曲の著作権(財産権)を誰が持つのか、そしてその楽曲をどの媒体・どの期間・どの地域で使えるのかを、発注時に明確に取り決める必要があるということです。これを曖昧にしたまま制作を進めると、後から「配信プラットフォームでの二次利用は想定していなかった」「サウンドトラックとして別売りする場合は追加費用が必要」といった行き違いが発生します。
著作権の譲渡か利用許諾か
契約形態には大きく2種類あります。1つは著作権そのものを発注者に譲渡してもらう「著作権譲渡契約」、もう1つは著作権は作曲家に残したまま特定の用途での使用を許可してもらう「利用許諾契約」です。
ゲームに組み込んで販売する目的であれば、多くの場合は著作権譲渡、もしくは商用利用を含む包括的な利用許諾のどちらかを結ぶことになります。譲渡の方が発注者にとって自由度は高くなりますが、その分、料金が上乗せされることも一般的です。利用許諾の場合は料金を抑えられる代わりに、想定していなかった用途(例えばゲーム本編以外でのサントラ販売、映像化での使用など)が発生したときに追加交渉が必要になります。
用途を具体的に洗い出しておく
契約前に、次のような用途を発注者自身で洗い出しておくことをおすすめします。
・ゲーム本編での使用(配信プラットフォーム、パッケージ版の両方を想定するか) ・プロモーション用トレーラー映像での使用 ・サウンドトラックとしての別売り ・実況・配信者による二次利用の許諾範囲 ・海外展開時の地域制限の有無
これらを事前に洗い出し、見積もり依頼の段階で作曲家に伝えておくと、後からのトラブルを大幅に減らせます。
クレジット表記の要否
著作権を譲渡してもらう場合でも、作曲家名のクレジット表記を求められることがあります。エンドロールやゲーム内のスタッフクレジットに作曲家名を記載する条件は、発注時に確認しておきましょう。クレジット表記の有無は料金交渉の材料になることもあります。
※このケースでは、契約書の文言によって解釈が分かれることがあるため、高額案件や商用展開の可能性がある案件では、契約書のドラフト段階で弁護士や行政書士に確認することをおすすめします。
発注時に確認すべき契約書のチェックポイント
見積もりが決まり、いざ発注という段階で、口約束だけで進めてしまうケースを何度も見てきました。金額の大小にかかわらず、次のポイントは書面(メールやチャットの文面でも構いません)で残しておくことを強くおすすめします。
- 楽曲の仕様(尺、ループの有無、フォーマット形式)
- 納期と修正回数の上限
- 著作権の帰属(譲渡か利用許諾か)
- 使用範囲(媒体、期間、地域)
- 報酬額と支払いタイミング
- キャンセル時の取り扱い
特に6番目のキャンセル規定は見落とされがちです。開発中止やスケジュール変更で発注を取り消す場合、作業が進んだ分の報酬をどう扱うかを決めていないと、双方にとって不利益な水掛け論になりかねません。
筆者自身、以前サイトのコンテンツ制作を外注した際、見積もり比較の段階で「安さ」だけを基準に依頼先を決めてしまい、納品後の修正対応が契約範囲外だと言われて追加費用が発生した経験があります。あのとき、契約書に修正回数の上限を明記していれば防げたはずのトラブルでした。つまり、安さだけで判断すると、後から想定外のコストが発生するリスクがあるということです。この経験は、その後の契約相談業務でも常に頭の片隅に置いています。
法律はあなたの味方です。契約条件を事前に文書化しておくことは、発注者・受注者双方を守る最も確実な手段です。
@SOHOデータからみる発注実務の考察
20年この市場を見てきた立場から言えば、ゲームBGMのような専門性の高いクリエイティブ領域ほど、発注者と受注者の「継続的な関係づくり」が成果物の質を左右します。単発の1曲だけの依頼でも、最初のやり取りで参考曲や世界観をどれだけ具体的に共有できるかによって、その後の修正回数や納期の安定感が大きく変わってくるというのが、長く現場を見てきた運営者としての実感です。
また、中間マージンが乗らない直接取引には、金額の安さ以上の意味があります。同じ予算であれば、発注者はより経験豊富な作曲家に依頼する余地が生まれ、受注者側も手取りが厚くなることで継続的な関係を築きやすくなります。この"双方が得をする"構造は、額面の安さだけで語られがちですが、実際には「発注者がより良い作品を得られ、受注者がより長く創作活動を続けられる」という質的なメリットとして現れます。手数料0%で仲介できる仕組みは、まさにこの循環を後押しする設計だと捉えています。
作曲・編曲の分野を外注先として検討する際は、作曲・編曲・効果音・ジングルのお仕事のページで、どのような業務範囲・依頼形態があるかを事前に把握しておくと、見積もり依頼の際の要件整理がスムーズになります。BGMだけでなく効果音やジングルまで一括で相談したい場合の参考になるはずです。
ゲーム開発ではBGM以外にも、AIツールを活用した素材制作やセキュリティ対策など、外部の専門家に頼るべき領域が他にもあります。例えばAI・マーケティング・セキュリティのお仕事のページでは、ゲームのプロモーションやアプリ内マーケティングを外部委託する際の業務範囲がまとまっており、BGM制作と合わせて外注体制を組む際の参考になります。
音楽制作者に依頼する際の相場感をさらに深く知りたい場合は、ソフトウェア作成者の年収・単価相場のような単価データベースも参考になります。作曲家個人の単価は職種によって異なりますが、クリエイティブ職全般の相場感を把握しておくと、見積もり額が市場水準から大きく外れていないかを判断する材料になります。
なお、ゲーム音楽制作だけでなく、ゲーム自体のアプリケーション開発を外注したい方はアプリケーション開発のお仕事のページで開発工程の外注範囲を確認しておくと、BGM発注とあわせてプロジェクト全体の予算配分を検討しやすくなります。
公的機関・関連参考情報
本記事の内容に関連する公的機関や信頼できる情報源は以下の通りです。最新情報は公式サイトで確認してください。
まとめに代えて、発注前に整理しておきたいこと
ここまで料金相場、依頼先の選び方、使用範囲の決め方を見てきました。最後に、発注前に整理しておくべき項目を振り返ります。
まず予算です。個人のフリーランス作曲家であれば1曲5,000円から5万円程度、制作会社であれば10万円以上を見込んでおくと現実的な比較検討ができます。
次に用途です。ゲーム本編だけで使うのか、サントラ販売や配信者の二次利用も想定するのか。この整理が曖昧なまま発注すると、後から追加費用や契約トラブルの原因になります。
そして契約書です。金額の大小にかかわらず、修正回数、著作権の帰属、使用範囲、キャンセル規定は書面で残しておくこと。これだけで多くのトラブルを未然に防げます。
これ、知らない人が本当に多いんです。丁寧な準備と正しい契約知識があれば、ゲームBGMの外注は決して難しいものではありません。あなたの作品にふさわしい1曲を、安心して依頼できる環境を整えてください。
よくある質問
Q. ゲームBGMを1曲だけ依頼する場合、料金の目安はどれくらいですか?
個人のフリーランス作曲家に直接依頼する場合、1曲5,000円から5万円程度が目安です。実績豊富なプロクラスは3万円を超えることもあります。制作会社に依頼する場合は10万円以上が一般的です。
Q. 著作権の譲渡と利用許諾はどちらを選べばよいですか?
ゲームに組み込んで自由に展開したい場合は著作権譲渡が安心です。予算を抑えたい場合は利用許諾を選び、想定される用途(配信、サントラ販売など)を事前に洗い出して契約に明記してください。
Q. 修正回数に上限はありますか?
多くの見積もりには修正回数の上限(1〜2回程度)が含まれています。上限を超えると追加費用が発生するため、発注前に必ず条件を確認し、書面に残しておくことが重要です。
Q. 仲介会社を通さず個人に直接依頼するメリットは何ですか?
仲介手数料が発生しないため、同じ予算でより経験豊富な作曲家に依頼できる可能性が高まります。中間マージンがない分、受注者側の手取りも厚くなり、継続的な信頼関係を築きやすくなります。
この記事について
編集部
監修:@SOHO編集部
2004年よりフリーランス・在宅ワーク向けサービスを20年運営。編集部が事実確認のうえ公開しています。

この記事を書いた人
長谷川 奈津@SOHO編集部
行政書士・元企業法務
企業法務で数多くのフリーランス契約を扱った経験を活かし、フリーランス向けの法律・契約・権利に関する記事を執筆。「法律はあなたの味方です」がモットー。
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