ゲームの背景イラストを1点だけ発注したい|料金の目安と納期 2026


この記事のポイント
- ✓ゲーム背景イラストを1点だけ依頼したい発注者向けに
- ✓料金相場・納期の目安・見積もりの見方・失敗しない発注先の選び方をまとめました
- ✓仲介手数料の仕組みも解説します
「タイトル画面の背景を1枚だけ発注したいのに、どこに頼めばいいか分からない」。インディーゲーム開発者や個人サークルの方から、こういう相談を受けることが増えています。結論から言うと、ゲーム背景イラストの外注は1点あたり1万円〜10万円と幅が広く、依頼先の選び方次第で費用も納期も大きく変わります。この記事では、発注者の立場で「いくらで・どこに・どう頼めばよいか」を具体的に整理します。
ゲーム背景イラストの外注市場、いま何が起きているか
ゲーム背景イラストの外注ニーズは、ここ数年で明確に拡大しています。理由は主に3つです。1つ目は、Steamやニンテンドーeショップでの個人・小規模チームによるインディーゲーム公開が増えたこと。2つ目は、ソーシャルゲームの運営フェーズでイベント背景やガチャ演出用背景の追加発注が定常化していること。3つ目は、VTuberの配信背景やノベルゲームの立ち絵背景など、ゲーム以外の隣接分野からの需要が流入していることです。
こうした背景で、クラウドソーシングサイトやSNS経由で背景イラストを専門に受注するフリーランスイラストレーターの層が厚くなりました。かつては「背景専門」という肩書き自体が珍しかったのですが、今では背景に特化したポートフォリオを公開する作家が数百人単位で存在します。発注者にとっては選択肢が増えた一方で、「誰に頼めば自分の作品のトーンに合うのか」「相場感がつかめない」という新たな悩みも生まれています。
料金相場についても、依頼内容によって大きく変わる点に注意が必要です。単純な1点物の背景と、シリーズで統一感を出す複数枚のセット発注では、単価の考え方自体が違います。まずは自分がどの規模の依頼をしたいのかを明確にしてから、相場を見ていくのが失敗しないコツです。
ゲーム背景イラストの料金相場
ゲーム背景イラストの料金は、解像度・タッチ・作り込みの深さで大きく変動します。目安として次のように整理できます。
ラフ〜簡易背景(1点): 5,000円〜2万円程度。パーティクルや小道具の書き込みを最小限にし、色面と大まかな構図で仕上げるタイプです。プロトタイプ制作やテスト画面用に選ばれることが多い価格帯です。
標準的な仕上がりの背景(1点): 2万円〜6万円程度。パース(遠近感)を整え、質感表現やライティングまで含めた、一般的なゲーム画面として違和感のない仕上がりです。個人開発のノベルゲームやスマホゲームの通常背景に多く採用される価格帯です。
ハイクオリティ・世界観の核になる背景(1点): 6万円〜15万円以上。タイトル画面、キービジュアル、パッケージイラストを兼ねるような1枚は、この価格帯になります。作り込みの密度が高く、修正回数も多く含まれるのが一般的です。
複数枚をまとめて依頼する場合、1枚あたりの単価は下がる傾向にあります。作家側も背景の世界観設定やパレットを一度作ってしまえば、2枚目以降の作業効率が上がるためです。目安として、5枚以上のまとめ発注では1点あたり10%〜20%程度の割引が提示されるケースが多く見られます。
背景・風景イラストの依頼は、配信画面やゲーム用の背景から、ファンタジーや現代の風景、イラストマップまで幅があります。実績や依頼者の評価、これまでの背景サンプルを見比べて選べます。使いたい世界観やタッチに近い出品者かを軸にすると選びやすいです。 出典: coconala.com
料金だけを見て安さで選ぶと、後述するような「イメージと違う」トラブルにつながりやすい点は、あらかじめ知っておいてください。
見積もりの内訳を理解する
背景イラストの見積もりには、単に「絵を描く工賃」以外の要素が含まれています。主な内訳は次の4つです。
ラフ提出・修正対応の回数
多くの作家は、最初にラフ(構図の下書き)を提出し、発注者の確認を経てから本制作に入ります。この修正対応が何回まで無料に含まれているかは、見積もりで必ず確認すべきポイントです。標準は2回までの無料修正で、それ以降は追加料金という設定が一般的です。修正回数の上限を超えると、1回あたり数千円〜1万円程度の追加費用が発生することもあります。
レイヤー分割・素材納品の有無
ゲーム制作では、背景に前景オブジェクトを重ねたり、パララックス(視差)効果を付けたりするために、レイヤーごとに分割されたPSDやAI形式のデータが必要になる場面があります。1枚の完成画像(PNG/JPEG)だけで良いのか、レイヤー分割済みの編集可能データが必要なのかで、料金が変わります。レイヤー分割納品を希望する場合は、追加費用として数千円〜数万円を見込んでおくと安心です。
利用範囲・商用利用の許諾
個人の非商用プロジェクトか、商業タイトルとしてリリースする作品かで、利用許諾の範囲が変わり、料金にも影響します。商業作品での利用、パッケージ・広告への二次利用、他媒体への転用などを想定している場合は、契約の段階で利用範囲を明記し、それに応じた料金を提示してもらう必要があります。
納期の緊急度
通常納期(2〜4週間程度)に対して、1週間以内などの短納期を希望する場合、特急料金として20%〜50%程度の割増が発生するのが一般的です。締め切りに余裕を持って発注することが、コストを抑える基本です。
依頼の流れ
ゲーム背景イラストを外注する際の標準的な流れは、次の通りです。
1. 参考資料と要件の整理
依頼前に「どんなシーン(屋内/屋外/時間帯)」「どんな雰囲気(ファンタジー/現代/SF)」「解像度・アスペクト比」「納品形式」を整理します。参考にしたい既存作品のスクリーンショットやパレット画像を数点用意しておくと、初回の意思疎通が格段にスムーズになります。
イラストにくわしくなくても頼めます。配信背景やゲーム背景など使いたい場面のイメージ、参考にしたい雰囲気を伝えると話が早いです。細部は購入後のトークルームで一つずつ決めていけます。 出典: coconala.com
2. 依頼先候補への相談・見積もり依頼
複数のイラストレーターに同時に相談し、見積もりを取ります。相見積もりは3件程度が目安です。料金だけでなく、過去のポートフォリオの中で自分の求める雰囲気に近い作品があるかを重視してください。
3. ラフの確認とすり合わせ
構図・光源の向き・大まかな配色を、線画段階で確認します。この段階で方向性を固めておくことが、後工程の手戻りを防ぐ最大のポイントです。「完成してから直す」のは費用も時間も大きくかかります。
4. 本制作・進捗確認
本制作に入ったら、途中経過を共有してもらいながら進めます。作家によっては、途中経過の共有を求めると別途料金がかかる場合もあるため、事前に確認しておきましょう。
5. 納品・検収・支払い
完成データを受け取り、依頼内容通りの仕様(解像度・ファイル形式・レイヤー構成)になっているかを検収します。フリーランス保護新法の施行以降、発注者には受領日から60日以内に報酬を支払う義務があります。検収に時間がかかりそうな場合でも、支払期日は法律で定められているという点は覚えておいてください。
失敗しない発注先の選び方
背景イラストの発注で失敗しやすいポイントと、その回避策を整理します。
タッチの相性を最優先で見る
技術力が高くても、自分の作品世界と絵柄が合わなければ意味がありません。ポートフォリオを見る際は「上手いかどうか」より「自分の作品のトーンに近いか」を軸に選んでください。パース(遠近感)の正確さ、光の表現、色数の使い方などは、作家によって明確な個性が出る部分です。
契約前に修正範囲を書面で確認する
「イメージと違った」というトラブルの多くは、修正範囲の認識違いから生まれます。何回まで無料修正が可能か、構図変更(大幅な描き直し)は追加料金の対象になるのかを、契約前にテキストで残しておくことが重要です。
商用利用可否を必ず確認する
無料または低単価の個人依頼サービスの中には、非商用利用限定というルールのものもあります。リリース予定のゲームに使う背景であれば、必ず商用利用可能な依頼形態かを確認してください。
直接依頼と仲介経由のコスト差を理解する
依頼の経路には、大きく分けて「制作会社・代理店を通す方法」と「フリーランスに直接依頼する方法」の2つがあります。制作会社経由は進行管理や品質保証が手厚い一方、仲介手数料が上乗せされる分、同じ予算でも受け取れる作業量が少なくなりがちです。一方、フリーランスへ直接依頼すれば中間マージンが発生しないため、同じ予算でより作り込んだ1枚を頼めたり、複数回の修正に対応してもらえたりする余地が生まれます。特に1点だけの単発発注では、直接依頼のコストメリットが相対的に大きく感じられるはずです。
私自身、初めて背景イラストを外注したときに見積もりの比較で失敗した経験があります。3社から見積もりを取ったのですが、金額だけを見て一番安いところに決めてしまい、いざ発注してみると修正対応が有償オプション扱いで、結局トータルの支払額は他の候補より高くなってしまいました。見積もりは総額ではなく、内訳(修正回数・納品形式・利用範囲)まで並べて比較することの大切さを、身をもって学びました。
発注時によくあるトラブルと対処法
背景イラスト発注の現場でよく相談を受けるトラブルを、匿名化した事例で紹介します。
あるインディーゲーム開発者から相談を受けました。「完成した背景を受け取ったが、依頼時に伝えた解像度と違うサイズで納品された」というケースです。つまり、事前に解像度・アスペクト比・DPIといった技術仕様を文書で明示していなかったことが原因でした。口頭やチャットでの曖昧なやり取りだけでなく、発注時に仕様書として箇条書きでまとめておくことが、こうしたトラブルの予防になります。
もう1つ、「途中経過の共有がなく、完成品を見たら想定と大きく違っていた」という相談もよくあります。この場合、契約前に「ラフ確認」「線画確認」「配色確認」といった中間チェックポイントを設定しておくことが有効です。作家によっては、これらのチェックポイントを提案してくれる方もいますが、発注者側から明確にリクエストすることも大切です。
※これらのトラブルが金銭的な支払い拒否や著作権の帰属をめぐる争いに発展した場合は、個別の事情によって対応が変わるため、弁護士や行政書士など専門家への相談をおすすめします。法律はあなたの味方です。契約内容を正しく理解し、記録に残しておくことが、自分の身を守る最大の武器になります。
依頼先の探し方
背景イラストの依頼先を探す方法は、主に3つに分かれます。
クラウドソーシングサイト・スキルシェアサービス
不特定多数のイラストレーターがサービスを出品しており、価格帯やポートフォリオを比較しやすいのが特徴です。相場感をつかみたい初めての発注には向いていますが、応募数が多い人気作家は納期が数ヶ月先まで埋まっていることもあります。
SNS経由での直接依頼
X(旧Twitter)などで背景イラストの作例を発信している作家に、DMで直接相談する方法です。仲介手数料が発生しない分、コストを抑えやすい傾向にあります。ただし、契約書のやり取りや支払いの安全性については、発注者自身で確認する手間が増えます。
業務委託マッチングサービス
フリーランスと発注者をつなぐマッチングサービスを使えば、契約書のテンプレートや支払いの仕組みが整っている場合が多く、SNS直接依頼のリスクを抑えつつ、仲介手数料を抑えて依頼できる選択肢になります。1点だけの単発発注でも対応してくれる作家を探しやすい点も特徴です。
イラスト制作を仕事として受けたい側の情報は漫画・同人誌・イラスト制作のお仕事にまとめています。発注者としては、この記事で紹介されているような制作フローに慣れた作家が多いことを知っておくと、発注時のコミュニケーションがスムーズになります。また、イラストのスキルを学びながら発注側の目線も養いたい方向けにはイラスト・デザインレッスンのお仕事も参考になります。
依頼内容別のコストシミュレーション
具体的な発注シーンを想定して、費用感をシミュレーションしてみます。
ケース1: 個人開発のノベルゲーム、教室の背景を1点 標準クオリティで3万円前後。修正2回込み、PNG納品のみであれば、この価格帯に収まることが多いです。
ケース2: スマホゲームのイベント背景を5点セット 1点あたり2.5万円前後、合計12万円前後。まとめ発注による単価割引が効き、統一感のある世界観設定を作家に依頼できます。
ケース3: タイトル画面のキービジュアルを1点(高品質) 8万円〜15万円程度。作り込みの密度が高く、修正回数も多めに設定されるのが一般的です。
これらはあくまで目安であり、作家の実績や依頼内容の複雑さによって前後します。予算感を作家に事前に伝え、その範囲内でどこまでの仕上がりが実現できるかを相談する進め方も有効です。
独自データから見る、背景イラスト発注の実務ポイント
長くフリーランス・在宅ワーク市場を運営してきた立場から見ると、背景イラストのような専門性の高いクリエイティブ発注では、単発の安さより「継続的に頼める関係」を重視する発注者ほど、結果的に満足度の高い制作を続けられている傾向があります。1点だけの発注で終わらせず、その作家との相性が良ければ2作目、3作目と継続依頼することで、作家側も世界観の理解が深まり、指示にかかる時間そのものが短縮されていくためです。
また、運営者として見てきた限りでは、仲介手数料の有無は発注者にとって「金額の大小」以上に「同じ予算で頼める作業量」に直結する要素です。中間マージンが乗らない直接取引であれば、依頼者は同じ予算でより多くの修正回数や、より高い解像度での納品を依頼できます。一方、受け手であるイラストレーターにとっても、手数料が引かれない分だけ手取りが厚くなり、その分の余力を作品のクオリティに還元しやすくなります。この双方が得をする構造は、金額の多寡だけでなく「手取りが厚い」という質の違いとして、現場では実感されています。
内部リンクの活用という観点では、イラストレーターとしての単価相場を知りたい方にはソフトウェア作成者の年収・単価相場のような隣接職種のデータベースも参考になります。クリエイティブ職の単価は業種横断で比較することで、自分が依頼しようとしている金額が妥当かどうかの判断材料になります。
ゲーム背景イラストの発注は、料金相場・見積もりの内訳・修正範囲・利用許諾という4つのポイントを事前に押さえておくだけで、トラブルの大半を未然に防げます。1点だけの単発発注であっても、丁寧なすり合わせと明確な契約条件があれば、満足度の高い仕上がりにたどり着けます。
よくある質問
Q. ゲーム背景イラストを1点だけ依頼する場合の相場はいくらですか?
標準的な仕上がりで2万円から6万円程度が目安です。ラフな仕上がりなら5,000円程度から、タイトル画面用の高品質な1枚では6万円以上になることもあります。
Q. 修正は何回まで無料でお願いできますか?
一般的には2回までの無料修正が含まれているケースが多いです。それ以降は追加料金が発生することがあるため、契約前に修正範囲を確認しておくことをおすすめします。
Q. 商用利用したい場合、追加費用はかかりますか?
依頼形態によります。非商用限定のサービスもあるため、商業リリースを予定しているゲームに使う場合は、商用利用可能かどうかを契約前に必ず確認してください。
Q. 納期はどのくらいを見込めばよいですか?
通常納期は2週間から4週間程度が目安です。1週間以内などの短納期を希望する場合は、特急料金として20%から50%程度の割増が発生するのが一般的です。
無料で案件を掲載する
入力は3分ほど。掲載料も取引手数料も0円です。@SOHOに登録しているフリーランス・副業ワーカーから、早ければ当日中に最初の応募が届きます。
この記事について
編集部
監修:@SOHO編集部
2004年よりフリーランス・在宅ワーク向けサービスを20年運営。編集部が事実確認のうえ公開しています。

この記事を書いた人
長谷川 奈津@SOHO編集部
行政書士・元企業法務
企業法務で数多くのフリーランス契約を扱った経験を活かし、フリーランス向けの法律・契約・権利に関する記事を執筆。「法律はあなたの味方です」がモットー。
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