SEO・MEO対策の最初の打ち合わせで聞くこと|後戻りを防ぐ


この記事のポイント
- ✓SEO・MEO対策の初回の打ち合わせで何を聞けば後戻りを防げるのかを
- ✓法務と実務の両面から整理しました
- ✓契約書に落とす条項まで
SEO・MEO対策の仕事で最も多いトラブルは、技術的な失敗ではありません。初回の打ち合わせで確認しなかった一言が、数か月後に「話が違う」という揉め事になる。これが圧倒的に多いパターンです。結論から言うと、初回の打ち合わせで聞くべきことは決まっていて、それを漏らさず聞き、書面に残しておけば、後戻りのほとんどは防げます。この記事では、SEO・MEO対策の初回の打ち合わせで確認すべき項目を、事前準備、当日の質問、記録の残し方、契約書への落とし込みという順に整理します。法律の話も出てきますが、必要な箇所は必ず噛み砕いて説明します。
初回の打ち合わせで後戻りが起きる流れ
まず、なぜ後戻りが起きるのかを押さえておきます。相談として持ち込まれる揉め事は、だいたい次の流れをたどっています。
依頼者が「検索で上に出るようにしてほしい」と言う。受注側が「承知しました」と答える。契約書には業務内容として「SEO対策一式」とだけ書かれる。作業が始まる。数か月後、依頼者が「順位が上がっていない」と言い出す。受注側は「サイトの構造上、こちらでは変更できない箇所が原因です」と説明する。依頼者は納得せず、報酬の支払いを渋る。
この流れの問題は、途中ではなく最初にあります。「検索で上に出る」が何を指すのかを定義しないまま始めているからです。地図の枠内で上位に出ることなのか、通常の検索結果で上位に出ることなのか。どのキーワードなのか。どのエリアからの検索なのか。ここが曖昧なまま進むと、成果の判定そのものができません。
これ、知らない人が本当に多いのですが、報酬をめぐる揉め事は「成果が出たかどうか」ではなく「成果の定義がなかったこと」から生まれます。定義さえあれば、達成できなくても次の打ち手の話に進めます。定義がないと、感情の話にしかなりません。
SEOとMEOを最初に切り分ける
初回の打ち合わせで最初にやるべきなのは、依頼の対象がSEOなのかMEOなのか、あるいは両方なのかを切り分けることです。依頼者はこの2つを区別せずに話しているケースがほとんどです。
2つは仕組みも成果の出方も違う
MEOはGoogleビジネスプロフィールの最適化で地図表示の上位を狙う施策、SEOは検索エンジン全般でWebサイトを上位化する施策です。費用の見方はシンプルで、初期と運用コスト、成果発現までの期間、そして1件あたりの集客単価で比較します。一般にMEO対策は無料機能を活用しやすく初期負担が小さい一方、口コミや写真の更新など運用の手間が発生します。SEOはコンテンツ制作や技術対応が必要で投資額は大きくなりがちですが、広域の検索から長期的な流入が期待できます。店舗ビジネスなら来店に直結するMEO対策の効果が早く、指名や地域キーワードでの反応が可視化しやすい点が強みです。 出典: assist-centering.co.jp
つまり、MEOは店舗の情報そのものを整えて地図の枠に出す施策、SEOはWebサイトの中身と構造を整えて検索結果に出す施策です。作業する対象が違うので、必要な権限も違いますし、成果が見えるまでの時間も違います。この違いを打ち合わせの冒頭で共有しておかないと、後で「サイトを直してくれると思っていた」「店舗情報の更新まで頼んだつもりはない」という食い違いが起きます。
どちらを優先すべきかの判断基準
判断は事業の形で決まります。来店してもらう必要がある事業、つまり飲食店、美容室、歯科、整体、修理業、士業の事務所などは、MEOの優先度が高くなります。検索する人が既に「近くの店を探している」状態で、行動までの距離が短いためです。
一方、商圏が地理的に限定されない事業、たとえば通販、BtoBのサービス、オンラインで完結する教育やコンサルティングは、SEOが主軸になります。地図に出ても意味がないからです。
両方が必要になるのは、実店舗を持ちながら広域からも集客したい事業です。この場合でも、初回の打ち合わせでは「どちらを先に着手するか」を決めます。同時に走らせると、どちらの施策が効いたのか判断できなくなり、次の意思決定ができなくなるためです。
依頼者の期待値をここでそろえる
切り分けの説明をしたうえで、成果が見えるまでの時間感覚も共有します。MEOは店舗情報の整備と口コミの蓄積が進めば比較的早く動きが出ますが、SEOはページを作ってから検索エンジンに評価されるまでに時間がかかります。この差を最初に伝えておかないと、開始1か月目に「まだ変わらないのですが」という連絡が来ます。
説明の仕方としては、「いつまでに何が起きるか」ではなく「何を測ればうまくいっているか分かるか」を伝えるほうが実務的です。順位は外部要因で動くため約束できませんが、施策の進捗は測れます。
打ち合わせ前に済ませておく3つの確認
初回の打ち合わせを実のあるものにするには、事前の下調べが要ります。何も見ないまま行くと、当日は状況のヒアリングだけで終わってしまい、もう一度打ち合わせが必要になります。
公開されている情報を先に見る
依頼者のWebサイトを開き、どんな構造になっているかを確認します。ページ数、更新頻度、使われているシステム、スマートフォンでの表示、表示速度。ここで「作り直しが必要かもしれない」という見立てが立てば、打ち合わせでその話に時間を割けます。
地図上の掲載状態を確認する
店舗事業なら、Googleビジネスプロフィールの現状を見ます。登録されているか、営業時間が正しいか、写真が何枚あるか、口コミにどう返信しているか、カテゴリが適切か。この確認をしておくと、当日「すでに登録済みですか」という初歩的な質問をせずに済み、「カテゴリの選び方に改善余地があります」という具体的な話から始められます。
登録自体がされていない、あるいは別の誰かが登録して管理権限が不明、という状態も珍しくありません。この場合は権限の回復手続きが最初の作業になるため、事前に把握しておく価値があります。
競合の状態を見る
同じエリア、同じ業種で上位に出ている先が何をしているかを見ておきます。口コミの件数と返信の丁寧さ、写真の量、サイトの情報量。競合の状態を把握していると、打ち合わせで「現状との差はここです」と具体的に示せます。抽象的な提案より、比較で示すほうが依頼者は動きます。
初回の打ち合わせで必ず聞く項目
ここからが本題です。順番も含めて、実務で機能する形に並べます。
何が増えたら成功と考えているか
最初に聞くのはこれです。順位ではなく、その先にある行動を聞きます。予約の電話が増えることなのか、来店が増えることなのか、問い合わせフォームからの送信が増えることなのか。
依頼者が「順位が上がればいい」と答えたら、そこで止めずにもう一段掘ります。順位が上がって何が起きてほしいのかを聞く。ここを言語化してもらうと、施策の優先順位が自動的に決まります。予約の電話が目的なら、電話番号の表示位置や営業時間の正確さのほうが、記事の量より先に効きます。
現状の数字を誰が持っているか
アクセス解析、検索の管理ツール、予約システム、電話の着信記録。どれが導入済みで、誰がその数字を見ているのかを確認します。数字がまったく取れていない状態なら、計測の整備が最初の作業になります。
ここを確認せずに施策を始めると、後で効果を説明できません。「開始前の数字がない」状態は、成果を示せないという意味で受注側にとって不利です。
アカウントの権限を誰が持っているか
実務で最も後戻りを生むのが権限の問題です。Googleビジネスプロフィールの管理権限、サイトの管理画面のログイン情報、解析ツールの閲覧権限、ドメインの管理権限。これらが誰の手にあるかを確認します。
よくあるのが、数年前に依頼した制作会社が権限を持ったまま連絡が取れない、というケースです。この状態だとサイトの改修ができません。権限の回復から始める必要があり、それだけで数週間かかることもあります。初回の打ち合わせで確認しておけば、スケジュールに織り込めます。
なお、依頼者のアカウントのIDとパスワードをそのまま預かるのは避けます。管理権限を自分のアカウントに付与してもらう形にします。理由は2つあり、情報漏えいのリスクを下げるためと、契約終了時に権限を返しやすくするためです。
サイトを触れる範囲はどこまでか
サイトの制作会社が別にいる場合、受注側が直接触れる範囲を確認します。文章の差し替えだけなのか、ページの追加までできるのか、テンプレートの構造まで変更できるのか。
ここが曖昧だと、「改善案は出したが実装されない」という状態になります。実装を制作会社が担う体制なら、依頼者を経由した依頼の流れと、その所要時間まで確認しておきます。
店舗情報の更新は誰が責任を持つか
MEOでは、営業時間の変更、臨時休業、メニューの改定といった情報の更新が継続的に発生します。この更新を受注側が代行するのか、依頼者が自分で行うのかを決めます。
代行する場合は、変更の連絡をどこで受けるかを決めます。電話だと記録が残らないため、チャットかメールに一本化します。連絡経路を決めておかないと、「伝えたのに更新されていない」という揉め事になります。
口コミにどう対応する方針か
口コミは、MEOで最も扱いが難しい領域です。ここは法律が関わるため、丁寧に確認します。
まず、口コミの投稿を金銭や割引と引き換えに依頼し、その関係を隠すことは景品表示法の規制対象です。2023年10月から、事業者が第三者を装って行う表示、いわゆるステルスマーケティングが不当表示として指定されました。依頼者から「サクラを手配できないか」と相談されることが実際にありますが、これは受けられません。断る際は、法律の話として説明したほうが角が立ちません。
※広告表示の適法性について個別の判断が必要な場合は、消費者庁が公表している運用基準を確認したうえで、必要に応じて弁護士に相談してください。
そのうえで、実務として決めるのは返信の方針です。誰が返信を書くのか、低評価の口コミにどこまで踏み込んで返すのか、返信文の承認は必要かどうか。低評価への返信は事業の姿勢が最も現れる部分なので、文面の最終確認を依頼者に取る運用が安全です。
更新を続ける体制があるか
SEOもMEOも、続けなければ効果が落ちます。写真の追加、記事の公開、情報の更新。この作業を誰がどの頻度で担うのかを確認します。
依頼者側に担当者がいない状態で「全部お任せ」となる場合、業務量が想定より膨らみます。範囲を決めずに引き受けると、後で「ここまでやってくれると思っていた」という話になります。
契約期間と、途中でやめるときの条件
期間の定めがある契約なら、中途解約ができるのか、できるとしてどんな条件かを確認します。SEOは成果が出るまで時間がかかるため、短期で解約されると作業だけが持ち出しになります。
逆に、依頼者側から見れば長期の拘束はリスクです。双方が納得できる形として、一定期間ごとに継続の可否を判断する区切りを設ける方法があります。区切りの時点で何を報告するかも、あわせて決めておきます。
聞いた内容を残す方法
打ち合わせで確認したことは、その日のうちに文書にします。ここを省くと、確認した意味がなくなります。
議事録の書き方
決まったこと、決まらなかったこと、次に誰が何をするかの3つに分けて書きます。特に「決まらなかったこと」を明記するのが重要です。後で「あのとき決めたはず」という食い違いを防げます。
送付は打ち合わせの当日か翌営業日までに行い、「相違があればご指摘ください」と一文添えます。指摘がなければ、その内容で合意したという記録になります。
取引条件の明示は法律上の義務でもある
フリーランスとして業務を受ける場合、発注側には取引条件を書面や電子メールなどで明示する義務があります。特定受託事業者に係る取引の適正化等に関する法律、いわゆるフリーランス保護新法によるものです。業務の内容、報酬の額、支払期日などが明示の対象になります。
つまり、条件が口頭のままで作業に入るのは、本来の姿ではありません。発注側から書面が出てこない場合、受注側から議事録という形で条件を整理して送るのは、自分を守る行動として理にかなっています。制度の詳細は公正取引委員会や厚生労働省の公表資料で確認できます。
また、報酬の支払期日は、給付を受領した日から起算して60日以内のできる限り短い期間内に定めることが求められています。継続的な業務の場合、毎月の締めと支払いのタイミングを初回の打ち合わせで確認しておくと安心です。
契約書に落とすべき条項
議事録で合意した内容のうち、契約書に反映すべきものを整理します。
業務範囲は、やることとやらないことの両方を書きます。「SEO対策一式」ではなく、「対象キーワードの選定、既存ページの見出しと本文の改善提案、月次のレポート提出」というように動作で書く。やらないことも「サイトのデザイン変更およびシステム改修は含まない」と明記します。
成果の扱いも書きます。順位を保証する契約は、外部の要因に左右されるため受けるべきではありません。代わりに、実施する作業の内容と頻度を約束する形にします。成果報酬型にする場合は、成果の定義、計測の方法、計測に使うツール、判定のタイミングを具体的に決めます。
権限については、付与される権限の種類と、契約終了時に返還する手順を書きます。返還の手順を書いておかないと、終了後も権限が残ったままになり、双方にとってリスクになります。
再委託の可否も決めます。記事の執筆を外部のライターに出す、写真撮影を外注する、といった場面が出るためです。再委託を認める場合、秘密保持の義務を再委託先にも同様に負わせる旨を入れます。NDAを別途締結している場合は、その範囲との整合も確認します。
MEOの案件で初回に確認する固有の項目
MEOを引き受ける場合、SEOとは別に確認しておくべき項目があります。どれも後から直すと手戻りが大きい部分です。
店舗情報の表記が全部そろっているか
店名、住所、電話番号の3点は、Webサイト、地図、予約サイト、SNS、業界のポータルサイトなど、複数の場所に掲載されています。この表記が食い違っていると、同一の店舗として認識されにくくなります。
初回の打ち合わせでは、どこに掲載があるかを依頼者に洗い出してもらいます。本人も把握していない掲載が出てくることは珍しくありません。ビル名の有無、丁目の表記が漢数字か算用数字か、電話番号のハイフンの位置。細かい違いが積み重なっているので、修正の作業量を見積もるためにも一覧が要ります。
カテゴリとサービス内容の選び方
地図での表示に強く影響するのがカテゴリの設定です。メインのカテゴリを何にするかは、依頼者の自己認識と、検索する人の言葉が食い違うことがあります。「イタリアン」と名乗っている店が、実際には「パスタ専門店」で検索されている、といった形です。
打ち合わせでは、依頼者が「うちは何屋か」をどう説明するかを聞いたうえで、検索されている言葉との差を確認します。カテゴリの変更は表示に直結するため、変更してよいかの了解を先に取っておきます。
写真と投稿を誰が用意するか
MEOでは写真の更新が効きます。ただし、写真の撮影は受注側の業務範囲に入るとは限りません。撮影まで引き受けるのか、依頼者が撮ったものを掲載するだけなのかを決めます。
依頼者が撮影する場合、必要な枚数と撮る対象、避けるべき撮り方を伝えます。伝えていないと、暗い写真や人物が写り込んだ写真が送られてきて、使えないという状況になります。人物が写る写真は本人の了解が必要になる点も、あわせて確認しておきます。
複数店舗がある場合の扱い
店舗が複数ある場合、対象を全店舗にするのか、一部にするのかで作業量が大きく変わります。各店舗の情報を誰が管理しているか、本部で一括なのか店舗ごとなのかも確認します。店舗ごとの管理だと、更新の依頼を店舗ごとに出すことになり、連絡の手数が跳ね上がります。
SEOの案件で初回に確認する固有の項目
SEO側にも、初回に決めておかないと後で戻る項目があります。
対象とするキーワードの決め方
依頼者が最初に挙げるキーワードは、たいてい競合が最も激しい語です。その語だけを追うと、成果が出るまでに長い時間がかかります。
初回では、依頼者が挙げた語をそのまま受け取らず、その語で検索する人が何を求めているかを一緒に確認します。実際に検索して、上位に出ているページの種類を見せるのが早い。上位が比較サイトばかりなら、事業者のサイトが入る余地は小さいと分かります。そのうえで、成果に近い語を候補として出します。
サイトの技術的な制約
既存サイトの作りによっては、できないことがあります。ページごとに説明文を設定できない、見出しの構造を変更できない、URLを変えられない、表示速度の改善に手が入らない。使っているシステム次第で制約は変わります。
打ち合わせの場で管理画面を見せてもらうのが最も確実です。画面を見れば、何ができて何ができないかが数分で分かります。見ずに提案を出すと、実装の段階で「その設定項目はありません」となります。
既存のページをどう扱うか
長く運営しているサイトには、成果が出ていないページが大量にあることがあります。これを直すのか、消すのか、まとめるのか。方針を初回に共有しておきます。
特に、ページを削除する提案は依頼者の抵抗が強い部分です。手間をかけて作ったページを消すという話になるためです。判断の材料として、削除ではなく統合という選択肢があることも先に伝えておくと、話が進みやすくなります。
記事を作る場合の承認の流れ
記事の制作を含む契約では、誰が内容を確認するかを決めます。専門性の高い業種、たとえば医療、法律、金融の分野では、事業者側の有資格者による確認が欠かせません。確認を通す前提でスケジュールを組まないと、公開が遅れます。
確認の回数も決めます。無制限の修正を受ける形にすると、作業量が読めなくなります。修正は原則2回まで、といった上限を最初に合意しておくのが実務的です。
レポートの形式を初回に決める
継続案件では、月次の報告が関係の質を決めます。初回のうちに、何をどの形式で報告するかを決めておきます。
含める項目は、実施した作業の一覧、測定した数字、次の月にやること、依頼者にお願いしたいことの4つです。数字だけを並べても依頼者は判断できません。作業と数字を並べて、次の行動まで書くから意思決定の材料になります。
形式は毎回同じにします。書式が毎回変わると、前月との比較ができず、報告としての価値が下がります。同じ書式で並べるだけで、変化が読めるようになります。
発注の実態から見える、確認項目の優先順位
在宅ワークの仲介サイトに出ている案件の説明文を継続的に見ていくと、SEO・MEOの依頼で書かれている条件には偏りがあります。多いのは、既存サイトの改善、地図での上位表示、そして月次レポートの提出です。新規サイトの構築を伴う依頼は相対的に少ない。
つまり、初回の打ち合わせで最も丁寧に確認すべきなのは、既存の資産に触れるための権限と、レポートで何を見せるかという2点になります。どんな作業が実際に発注されているかは、SEO対策・MEO・LPOのお仕事で扱われている業務範囲を見ると具体的に把握できます。ここに並ぶ作業内容を確認しておくと、打ち合わせで想定外の依頼が出てきたときにも、範囲内か範囲外かを判断しやすくなります。
施策の実行段階では、記事の制作が伴うことが多くなります。執筆までを引き受けるのか、構成だけを作って執筆は別の人に任せるのかは、初回に決めておくべき論点です。関連する業務の切り分けは、SEO記事・ブログ・コピーライティングのお仕事の分類を見ると整理しやすくなります。分析とレポート作成を独立した業務として受ける形もあり、その範囲はマーケ戦略・分析・レポート作成のお仕事にまとまっています。
知識の裏付けを示したい場面では、資格も1つの材料になります。検索エンジンの仕組みを体系的に学んだ証明としてはSEO検定があり、文章の品質を示す観点ではWebライティング能力検定が使えます。資格そのものが受注を決めるわけではありませんが、初対面の相手に前提知識を説明する手間を減らす効果はあります。
働き方の幅を広げたい場合、地域に縛られない案件の取り方を知っておくと選択肢が増えます。海外の発注元との取引についてはUpworkの使い方ガイド|日本人フリーランスが海外案件を取る方法が参考になり、長く続ける前提での独立設計については定年後のフリーランス独立|退職金を活かした起業プランと注意点が具体的です。
20年見てきた市場から言えること
在宅ワークと業務委託の市場を20年見てきた立場から言えば、SEO・MEOの仕事で長く続いている人には共通点があります。作業の量ではなく、依頼者との情報のやり取りが整っていることです。
具体的には、聞くべきことを最初に全部聞いている。決まったことを文書で残している。報告の形式が毎回同じで、比較できるようになっている。この3つが揃っている人は、成果が思うように出なかった月でも契約が続きます。逆に、作業は丁寧でも記録が残っていない人は、成果が出ていても関係が切れやすい。依頼者側が何をしてもらったのか説明できないためです。
もう1つ、運営者として見てきた限りでは、この領域は仲介手数料の影響が長期にわたって効いてきます。SEO・MEOは月額での継続契約になりやすく、契約が長く続くほど、割合で引かれる手数料の累計が大きくなるためです。中間マージンが乗らない直接取引であれば、依頼者は同じ予算でより多くの施策を頼めますし、受け手は手取りが厚くなります。手数料0%の構造が効くのは、単発の作業より、こうした長く続く関係のほうです。
初回の打ち合わせは、その長い関係の設計図を書く場です。順位の話をする前に、権限、範囲、成果の定義、記録の残し方を決める。地味な作業に見えますが、後戻りを防ぐという意味で、これ以上に効率の良い時間の使い方はありません。法律は、こうした取り決めをした人の側に立ちます。
よくある質問
Q. 初回の打ち合わせは何分くらい確保すべきですか?
確認項目が多いため、60分から90分は見ておくと安全です。ただし、事前にサイトと地図上の掲載状態、競合の状況を調べておけば、状況確認に時間を使わずに本題から入れます。時間が足りない場合は、権限の所在、成果の定義、更新体制の3点を優先して確認し、残りは後日の連絡で埋める進め方が現実的です。
Q. 依頼者のアカウントのIDとパスワードを預かってもよいですか?
避けたほうが安全です。Googleビジネスプロフィールや解析ツールは、自分のアカウントに管理権限を付与してもらう形にしてください。情報漏えいのリスクが下がるうえ、契約終了時に権限を外すだけで済むため返還も簡単になります。共有が避けられない場合は、パスワード管理ツールを使い、終了時に必ず変更してもらう取り決めを入れておきます。
Q. 検索順位を保証する契約を求められたらどうしますか?
順位は検索エンジン側の仕様変更や競合の動きに左右されるため、保証は引き受けないのが原則です。代わりに、実施する作業の内容と頻度を約束する形に置き換えます。成果報酬型にする場合は、何をもって成果とするか、どのツールでどのタイミングで計測するかまで契約書に明記してください。定義がないと支払いの段階で必ず揉めます。
Q. 口コミの投稿を謝礼付きで依頼したいと言われたら?
その依頼は受けられません。対価を渡して投稿を依頼し、事業者が関与していることを隠す行為は、景品表示法で規制される不当表示に当たります。断る際は個人の判断ではなく法律の話として説明し、代わりに来店客へ投稿を呼びかける掲示や、返信を丁寧に行う運用など、適法な方法を提案してください。判断に迷う場合は弁護士に相談してください。
Q. 契約書がないまま作業を始めても大丈夫ですか?
避けてください。発注側には業務内容や報酬額、支払期日を書面や電子メールで明示する義務があります。書面が出てこない場合は、打ち合わせの議事録という形で条件を整理し、相違があれば指摘してほしいと添えて送ってください。この記録があるだけで、後の食い違いを大きく減らせます。報酬の支払期日は受領日から60日以内が原則です。
この記事について
編集部
監修:@SOHO編集部
2004年よりフリーランス・在宅ワーク向けサービスを20年運営。編集部が事実確認のうえ公開しています。

この記事を書いた人
長谷川 奈津@SOHO編集部
行政書士・元企業法務
企業法務で数多くのフリーランス契約を扱った経験を活かし、フリーランス向けの法律・契約・権利に関する記事を執筆。「法律はあなたの味方です」がモットー。
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