フリーランス 持続化給付金 後の支援|2026年版利用できる助成金

中西 直美
中西 直美
フリーランス 持続化給付金 後の支援|2026年版利用できる助成金

この記事のポイント

  • フリーランス 持続化給付金 後の支援策をお探しのあなたへ
  • 2026年版の助成金・補助金・給付金を網羅し
  • 申請手順・採択ポイント・税務処理・注意点まで在宅ワーカー視点で丁寧に解説します

「持続化給付金、本当に助かったな…。でも、あの後ってどんな支援があるんだろう」。最近、私のもとへこんなご相談がとても増えています。コロナ禍で多くのフリーランス・個人事業主の方が持続化給付金に救われましたよね。ただ、あの制度はすでに終了していて、「次の不安」に対する備えを探されている方が本当に多いんです。

大丈夫ですよ。あなたは一人ではありません。実は持続化給付金が終わった後も、フリーランスが活用できる助成金・補助金・支援制度はちゃんと残っています。むしろ、給付金型から「事業を伸ばす投資への補助金型」へとシフトしてきていて、上手に使えば事業の体力を底上げできる時期に入っているとも言えます。

この記事では、フリーランスの心と仕事に向き合ってきた私が、2026年現在で利用できる支援策を、感情のリズムに寄り添いながら丁寧に整理しました。読み終えるころには、「次に何を準備すればいいか」が霧が晴れたように見えてくるはずです。

持続化給付金が終わった「後」のフリーランスを取り巻く現在地

まずは、深呼吸してください。「持続化給付金が終わった=もう何もない」ではありません。終わったのは、コロナ禍の緊急対応として走った特例的な現金給付制度です。フリーランス・個人事業主の事業継続を支える仕組みそのものは、いまも複数のかたちで動いています。

持続化給付金とはどんな制度だったのか

持続化給付金は、新型コロナウイルス感染症の影響で売上が大きく落ち込んだ事業者に対し、事業の継続を支えるために現金が給付された緊急の支援策でした。中小企業は最大200万円、フリーランスを含む個人事業主は最大100万円を上限に、対象月の売上が前年同月比で50%以上減少している事業者へ支給されました。

中堅・中小企業や小規模事業者は200万円、個人事業主(フリーランスを含む)は100万円を上限に受け取ることができ、新型コロナウイルス感染拡大の影響で、事業等の売上が前年同月比で50%以上減少している事業者が対象でした。

途中からは、雑所得・給与所得で確定申告していたフリーランスや、2026年新規開業者にも対象が拡大されるなど、フリーランスの実態に寄り添う方向で運用が広がりました。この経緯を覚えておくと、「現在の制度はどうしてこういう設計なのか」が理解しやすくなります。

持続化給付金は今どうなっているか

結論からお伝えします。持続化給付金は、すでに受付が終了しています。

■フリーランス・個人事業主が申請できる「持続化給付金」は受付終了(2026年3月現在) (1)持続化給付金とは? (2)持続化給付金は終了している

「えっ、もう新しい申請はできないの…?」と肩を落とされる方も多いのですが、ここで知っておいてほしいのは、緊急給付の役割を引き継いだ別の制度がいくつも走っているという事実です。具体的には、小規模事業者持続化補助金、IT導入補助金、事業再構築補助金、ものづくり補助金、雇用調整助成金、月次支援金型の自治体給付などです。

つまり、「給付金は終わった」けれど、「フリーランスへの支援は終わっていない」。ここを正しく理解してから次のステップに進みましょう。

「給付金型」から「補助金型」への移行を理解する

持続化給付金は、申請が通ればまとまった金額が現金で振り込まれる「給付金型」でした。一方、2026年に主役となっている支援は、原則として先に事業者がお金を使い、後から経費の一部を補填してもらう「補助金型」が中心です。

ここを混同すると、「補助金が当たったから来月の家賃が払える」と勘違いしてしまい、資金繰りが逆に苦しくなることがあります。補助金はあと払いが基本。先に立て替えるキャッシュが手元にあるか、もしくは公庫融資などで一時的にお金を回せるか。ここをセットで考える発想がとても大切です。

2026年現在、フリーランスが活用できる助成金・補助金・給付金一覧

ここからは、持続化給付金「後」の主な支援策を整理します。「種類が多くて、自分にどれが合っているか分からない…」というお声、本当によくいただきます。だから、目的別・規模別にざっくり地図を描いてみましょう。

小規模事業者持続化補助金(フリーランスでも使える定番)

フリーランスや個人事業主にいちばん馴染みの深い補助金がこれです。商工会・商工会議所と一緒に「経営計画書」を作り、販路開拓や生産性向上のための取り組みにかかった経費の一部を補助してもらう仕組みです。

通常枠で上限50万円、特別枠(賃金引上げ枠・卒業枠・後継者支援枠・創業枠・インボイス特例など)では最大200万円規模になることもあります。補助率はおおむね2/3。たとえば60万円使えば、上限内で40万円が後から戻ってくる、というイメージです。

対象になる経費は、ホームページ制作、チラシ・パンフレット作成、新商品開発、店舗改装、機械装置購入、広告出稿、展示会出展などとても幅広いです。フリーランスのWebデザイナー・ライター・カメラマンなどがポートフォリオサイトをリニューアルしたり、コーチ・カウンセラーがオンライン予約システムを導入したりするケースは典型例ですね。

ただし、次回の公募スケジュールが固まっていない時期もあるため、必ず中小機構中小企業庁の最新案内を確認してください。

IT導入補助金(フリーランスのDX投資に強い味方)

IT導入補助金は、業務効率化やインボイス対応、サイバーセキュリティ対策など、ITツール導入の費用を補助してくれる制度です。フリーランス1人で運営している事業でも、登録IT事業者と組んで申請できます。

会計ソフト、請求書作成ソフト、予約管理システム、グループウェア、業務管理ツール、セキュリティ対策ソフトなど、対象となるツールは年々広がっています。インボイス対応枠なら、PCやタブレット、レジまで一括で補助対象になるパターンもあります。

例えば、これまで紙ベースで請求書を発行していたフリーランスが、クラウド会計ソフトと電子請求書ツールを導入する場合、ツール代金とその設定費用がまとめて補助対象になることが多いです。ITが苦手な方ほど、登録ベンダー側がガッツリ伴走してくれるこの制度との相性は良いと感じています。

会計クラウドのfreeeマネーフォワードも、IT導入補助金の対象ツールとして毎年エントリーしていることが多いですね。

事業再構築補助金・ものづくり補助金(事業転換・設備投資向け)

「フリーランスでも、こんな大きな補助金、本当に使えるんですか?」と聞かれますが、要件さえ満たせば個人事業主も申請可能です。ただし、専門家(中小企業診断士、認定支援機関、税理士など)と組んで事業計画を作り込む必要があり、難易度は高めです。

事業再構築補助金は、新分野展開・業態転換・事業転換・業種転換・事業再編といった「思い切ったピボット」を後押しする制度です。たとえば、写真スタジオ撮影専業だったフォトグラファーが、企業向け動画編集サービスに事業転換する、ライターが生成AIを使った企業研修事業に進出する、といった大規模な転換が想定されています。

ものづくり補助金は、革新的な製品・サービス開発や生産プロセス改善のための設備投資が対象です。ハンドメイド作家がプロ用機材を導入する、エステ・整体・パーソナルトレーナーが新しい施術機器を導入する、といったケースで活用されています。

補助額は数百万円〜数千万円規模になることもありますが、その分だけ計画書の質と実現可能性が厳しく評価されます。チャレンジ価値はある一方、フルタイムで取り組む覚悟が必要だ、と覚えておきましょう。

雇用調整助成金・産業雇用安定助成金(雇う立場になったフリーランス向け)

事業が伸びてきて、アシスタントや業務委託メンバーを「雇用」しはじめたフリーランスの方には、雇用関係の助成金が選択肢に入ってきます。雇用調整助成金は、景気変動などで一時的に雇用維持が難しい場合に、休業手当の一部を国が肩代わりしてくれる仕組みです。

産業雇用安定助成金、トライアル雇用助成金、特定求職者雇用開発助成金、キャリアアップ助成金など、人を雇うフェーズになると「えっ、こんなに助成金あるの?」と驚かれる方が多いです。厚生労働省の助成金検索を一度のぞいてみてください。

「私はまだ一人だから関係ない」と感じる方もいらっしゃるかもしれませんが、将来の選択肢として頭の片隅に置いておくだけで、事業の見え方が変わります。

自治体独自の給付金・補助金(意外と見落としがち)

国の制度ばかり見て、自治体の支援を見逃しているフリーランス、本当に多いです。実はここが意外と狙い目です。東京都・大阪府・愛知県・福岡県といった大きな自治体だけでなく、市区町村レベルでも独自の補助金・給付金を出しているケースがあります。

たとえば、商店街リフォーム補助金、創業支援補助金、女性起業家補助金、子育て世帯向け就労支援金、テレワーク導入助成金などです。金額は数万円〜数十万円とコンパクトなものが多いですが、競争率は比較的低く、要件さえ合えば採択されやすい傾向にあります。

お住まいの市区町村のホームページで「中小企業」「個人事業主」「補助金」「給付金」「フリーランス」といったキーワードで検索すると、思いがけない制度が出てくることがあります。

給付金型として残っている支援(業種・地域限定)

業種や地域を限定した形では、月次支援金や事業復活支援金の後継となる「給付金型」の支援が一部の自治体・業界で続いています。観光業、宿泊業、飲食業、エンタメ業など、特定業界向けに集中投下されるケースが多いです。

フリーランスでも、観光ガイド、ライブ配信、舞台技術、伝統工芸、農林水産業の支援を受ける個人事業主など、対象業種に該当する場合は確認する価値があります。「私の業種なら無関係」と決めつけず、年に1〜2回は自治体の制度を棚卸しする習慣を持つと安心です。

フリーランスが申請するメリット4選

「申請の手間を考えると、もらえる金額に見合うのかな…」と迷う方も多いですね。私もカウンセリングで何度もこのご相談を受けてきました。ここでは、メリットを冷静に整理してみます。

メリット1:返済不要の自己資金が手に入る

最大のメリットはこれです。融資と違って、補助金・助成金・給付金は原則として返済義務がありません。利息もありません。事業を伸ばす投資の一部を、国や自治体が応援してくれる形になります。

特にフリーランスは、銀行融資のハードルが法人より高めだと感じる方が多いと思います。そんな中で、補助金が採択されれば、純粋な自己資本として事業に再投資できる。これは大きな安心材料です。

メリット2:事業計画書の作成スキルが磨かれる

これ、地味だけれど一生もののメリットです。補助金申請には、事業の現状分析、ターゲット顧客、提供価値、競合との差別化、収支計画、KPIの設定など、ビジネスの基礎を書き出す作業が伴います。

「自分の事業を、ここまで言語化したのは初めてだった」と話されるフリーランスを何人も見てきました。採択されてもされなくても、この棚卸し作業を一度くぐると、その後の値付け、顧客との交渉、SNS発信、すべての解像度が上がります。

メリット3:第三者の評価でビジネスを磨ける

審査員はその分野の専門家です。落選した場合でも、「なぜ落ちたか」を読み解くことで、自分のビジネスの弱点が見えてきます。中小企業診断士や認定支援機関の伴走支援を受ければ、外部視点からのフィードバックも得られます。

一人で事業をやっていると、どうしても自分の世界に閉じこもりがちです。補助金申請を「客観視のチャンス」として捉えると、心の負担が軽くなります。

メリット4:事業の信用力アップにつながる

「○○補助金 採択事業者」という事実は、対外的な信用力につながります。取引先への提案、銀行融資、メディア取材、SNS発信、すべての場面で「国・自治体に事業を認められた実績」として活きてきます。

フリーランスは「個人だから信用されにくい」と感じやすい立場ですよね。だからこそ、客観的な信用の積み上げが、後々の交渉力を底上げしてくれます。

フリーランスが申請するデメリット3選

メリットだけ見て突っ走ると、後で「こんなはずじゃなかった…」となってしまう方もいます。だから、デメリットもフラットにお伝えします。

デメリット1:申請から入金までに時間がかかる

補助金は、申請→審査→採択→事業実施→実績報告→確定検査→入金という長い道のりです。早くても半年、長いと1年以上かかります。給付金型の持続化給付金のように「数週間で振り込まれる」イメージで動くと、確実に資金繰りに穴が空きます。

「採択されたから安心」ではなく、「採択されてから、本当の作業が始まる」と覚えておきましょう。

デメリット2:書類作成・経費管理の負担が大きい

申請書、見積書、契約書、納品書、請求書、領収書、振込明細、写真、報告書…。補助金には「証憑書類」と呼ばれる膨大な書類管理が伴います。1円単位で帳尻を合わせる必要があり、慣れていないと心がポキッと折れます。

「これ、本業の時間を圧迫しすぎるんじゃ…」と感じたら、無理せず認定支援機関や行政書士、税理士のサポートを検討する方が結果的にコスパが良いケースが多いです。

デメリット3:補助金は課税対象になる

ここを知らずに使い切ってしまい、翌年の確定申告で「えっ、税金こんなに増えるの…!?」と慌てる方、毎年いらっしゃいます。補助金は原則として「雑収入」または「事業所得」として課税対象です。

満額が手元に残るわけではない、と理解した上で、入金額の2割〜3割は税金用に取り分けておく癖をつけましょう。詳しくは後ほど「税務処理」のセクションで深掘りします。

補助金・助成金 申請の流れと採択されるポイント

ここからは実務編です。「どう申請するの?」「採択率を上げるコツは?」というご相談に、私の現場感覚からお答えします。

ステップ1:自分に合う制度を絞り込む

最初にやるべきは、制度の棚卸しです。「とりあえず申請できるものは全部出す」では消耗してしまいます。次の3つの軸で絞り込みましょう。

1つ目は「目的との合致」。販路開拓なのか、IT投資なのか、設備投資なのか、雇用なのか。自分の今の優先課題に合う制度を選びます。2つ目は「補助上限と自己負担額」。補助率が2/3でも、残りの1/3は自己負担です。手元のキャッシュで賄えるかを必ず計算してください。3つ目は「公募スケジュールと審査期間」。本業の繁忙期と重ねないよう、年間計画に組み込みます。

ステップ2:事業計画書を磨き込む

採択の鍵は、なんと言っても事業計画書の質です。審査員は1日に何十件もの計画書を読みます。読み手の負担を減らし、「この人の事業、応援したい」と思わせる書き方が大切です。

具体的には、5W1H(誰の・どんな課題を・どうやって・いつまでに・いくらで・なぜできるのか)を明確に書く。数字で語れるところは必ず数字で書く(「売上アップ」ではなく「月商30%増」と書く)。図やイラストを入れて視覚的に理解できる構成にする。これだけで、ぐっと印象が変わります。

ステップ3:認定支援機関や商工会議所のサポートを使う

「自分一人で書こうとしないでください」。これは強くお伝えしたいです。地域の商工会・商工会議所、認定支援機関(税理士・中小企業診断士など)、よろず支援拠点は、補助金申請のサポートを無料または低額で提供しています。

私のクライアントで、最初は「自分でやります!」と気合いを入れて取り組んだものの、3週間で疲弊して相談に来られた方がいました。その後、商工会議所の経営指導員に伴走してもらったら、申請書のブラッシュアップが一気に進み、無事採択。「最初から相談しておけば、あの3週間の消耗はなかった…」とおっしゃっていました。プロの力を借りるのは、決して恥ずかしいことではないんです。

ステップ4:採択後の経費管理を徹底する

採択がゴールではなく、スタートです。補助対象期間中の経費は、発注書・契約書・納品書・請求書・領収書・振込明細を1セットで保管します。日付の整合性、金額の一致、品目の明記、すべてが厳しくチェックされます。

私自身、フリーランスとして独立した最初の年、書類管理を甘く見て、領収書の一部が認められず減額された苦い経験があります。あの時に学んだのは、「補助金を取りに行く」と決めたら、最初から最後まで一級資料係になりきる覚悟が必要だ、ということです。

ステップ5:実績報告書を期日内に提出する

事業完了後は、実績報告書を提出します。事業の実施内容、成果、経費の使途、写真などを取りまとめ、期日までに事務局へ提出。ここでミスがあると、補助金が振り込まれなかったり、減額されたりすることもあります。

採択された喜びで気が抜けがちな時期ですが、ここを「ゴール」と心得て、最後まで気を引き締めてくださいね。

フリーランスが補助金受給後に注意したい税務処理

ここ、本当に大事なのでじっくりお話しします。「補助金をもらった後の税金、知らなかった…」というご相談、年明けの確定申告シーズンに集中するんです。

補助金は「雑収入」または「事業所得」として申告する

フリーランス・個人事業主が受け取る補助金・助成金は、原則として「雑収入」または「事業所得」として課税対象になります。たとえば、小規模事業者持続化補助金で50万円を受け取った場合、その50万円は所得として申告し、所得税・住民税・国民健康保険料の計算に反映されます。

「補助金は税金から出てるんだから、課税されないのでは?」と思われる方もいますが、税制上は事業収入とほぼ同じ扱いです。詳細は国税庁の案内や、顧問税理士に確認してください。

入金時期と経費の発生時期にズレがある

補助金型の支援は、「先に経費を使い、後から入金される」構造です。たとえば、2026年中に経費を支出して、入金は2026年になる、というケースもあります。この場合、税務上は「対応する経費が発生した年に収益計上する」のが原則ですが、実務では入金時に収益計上することも認められる場合があります。

ここは判断が難しいので、必ず顧問税理士か、税務署に確認してから処理しましょう。会計ソフト(freeeマネーフォワードなど)にも、補助金の処理パターンが解説されているので参考になります。

圧縮記帳の特例を使えるケースがある

固定資産の取得に充てた補助金については、「圧縮記帳」という特例があり、税負担を平準化できる場合があります。たとえば、補助金で機械設備を購入した場合、補助金相当額を機械の取得価額から差し引いて経理することで、その年の課税所得を圧縮できる仕組みです。

ただし、要件や処理方法が複雑なので、必ず税理士に相談してください。「節税できるはず」と独自に処理して、後から税務調査で否認されると本末転倒です。

インボイス制度との関係

2026年10月から始まったインボイス制度に対応するための補助金(持続化補助金のインボイス特例枠など)を活用した方は、消費税の取り扱いも要注意です。簡易課税を選択しているか、本則課税かによって処理が変わります。

「制度の組み合わせが複雑で頭が真っ白…」となったら、無理せず国税庁の電話相談センターや、お近くの税理士に頼ってください。一人で抱え込まないで大丈夫です。

フリーランスが補助金・給付金を受給する際の注意点

ここからは、私がカウンセリングの現場で「これは事前に知っておいてほしかった…」と感じるポイントを、まとめてお伝えします。

注意1:申請後の取り下げ・キャンセルは原則できない

「申請してから事業計画が変わったので、辞退します」というのは、原則として認められないか、認められても重いペナルティ(今後の補助金申請に影響)がつくケースがあります。申請する時点で、「本当に最後までやり切れるか」を慎重に判断してください。

注意2:本来の用途以外に補助金を使うと不正受給扱い

「申請した内容と違う使い方をしたい」と思っても、絶対にやってはいけません。事業計画書に書いた経費以外に流用すると、不正受給として全額返還+加算金が請求されます。最悪の場合、刑事罰の対象になることもあります。

注意3:書類の保管義務がある

補助金関係の書類は、事業完了後も5年〜10年程度の保管が義務付けられているケースが多いです。クラウドストレージや専用フォルダで体系的に管理しておきましょう。

注意4:公募要領は毎年微妙に変わる

「去年こうだったから今年も同じ」とは限りません。補助率、対象経費、必要書類、加点要件など、毎年細かい変更があります。必ず最新の公募要領を読み込んでから申請してください。

注意5:採択後の「事業化状況報告」を忘れない

採択された事業については、3〜5年程度、毎年「事業化状況報告」を提出する義務があるケースがあります。これを忘れると補助金返還リスクが発生することも。採択後のスケジュールを必ずカレンダーに登録しておきましょう。

フリーランスが事業の安定を取り戻すための「3本柱」

ここからは、補助金・助成金という「外からの追い風」だけでなく、フリーランスが自分の足で立ち続けるための土台作りについてもお話しします。私がカウンセリングで必ずお伝えしている「3本柱」の話です。

柱1:単価と取引先を底上げする

持続化給付金「後」の世界で生き残るには、単価交渉と取引先の質の見直しが避けて通れません。「忙しいのにお金が残らない」というご相談、本当に多いんです。

職種別の単価相場を把握しておくことも大事です。たとえばソフトウェア作成者の年収・単価相場著述家,記者,編集者の年収・単価相場を見比べると、「自分の単価は適正なのか」が客観的に判断できます。

柱2:節税と社会保険を最適化する

補助金で得た資金を、税金で持っていかれては元も子もありません。経費計上、控除の活用、小規模企業共済、iDeCo、国民年金基金、青色申告特別控除など、フリーランスが使える節税策はたくさんあります。

私のクライアントで、「ずっと白色申告だったけど、青色申告に切り替えただけで年間20万円近く手取りが増えた」という方がいました。詳細はフリーランス 節税の教科書!手残りを最大化する控除と経費の全知識で、控除と経費の全体像を整理しています。

ITエンジニアの方など、事業規模が大きくなりつつあるフリーランスには、事業用口座・税金管理の仕組み化も重要です。ITエンジニア フリーランス 事業用口座 税金!2026年最新管理もあわせて参考にしてください。

柱3:スキルアップと資格で「単価の天井」を破る

補助金は一時的な追い風ですが、本当に長期的に効くのはスキルと資格です。とくにAI時代に入って、需要が爆発的に伸びている分野があります。

AIコンサル・業務活用支援のお仕事は、企業のAI導入を伴走するコンサル型の案件で、高単価かつ継続案件になりやすい領域です。マーケティング寄りのAI・マーケティング・セキュリティのお仕事は、生成AIを活用した広告運用やセキュリティ対策など、需要が急増中の分野です。プロダクト開発寄りの方はアプリケーション開発のお仕事で、Web・モバイル・業務システムの案件にアプローチできます。

資格も、客観的な信用力を底上げしてくれます。事務系フリーランスならビジネス文書検定、ITインフラ系を志すならCCNA(シスコ技術者認定)が、対外的なアピール材料として強力に機能します。

「補助金疲れ」を防ぐためのメンタルケア

ここからは、カウンセラーとしての私が、ぜひお伝えしたい話です。補助金や給付金の話をしていると、つい「もらえる金額」「採択率」ばかりに目が行きがちです。でも、フリーランスのメンタル面に与える影響も、決して小さくありません。

「申請疲れ」は実在する

「補助金申請を3つ並行で進めていたら、本業が手につかなくなった」「不採択通知が続いて、自分が否定された気持ちになった」。こういうご相談、本当に多いんです。

補助金申請には、想像以上のエネルギーが必要です。事業計画を言語化し、数字を組み立て、書類を整え、不採択リスクと向き合う。これは、本業の集中力を確実に削ります。

だから、年間で取り組む補助金の数は、無理のない範囲に絞ることをおすすめします。私の感覚では、フリーランス一人で取り組むなら、年間1〜2本が現実的です。

不採択は「ご縁がなかった」だけ

不採択通知を受け取ったとき、「自分の事業は価値がないのかも…」と落ち込む方がいます。でも、補助金の採択は、その時の公募要領と審査員と運の組み合わせです。あなたの事業の価値そのものとは、別物です。

「ご縁がなかった、次に行こう」と切り替える練習を、ぜひしてください。事業計画書を磨いた経験は、不採択でも必ずあなたの財産になります。

一人で抱え込まない

孤独は、フリーランス最大のリスクです。補助金の悩みも、税務の悩みも、事業の悩みも、一人で抱え込まず、専門家やコミュニティに頼ってください。商工会議所、よろず支援拠点、税理士、社労士、行政書士、中小企業診断士、そしてフリーランス仲間。頼れる先は、思っているよりずっと多いです。

「人に頼るのが申し訳ない」と感じる方も多いですが、専門家はそのために存在しています。あなたが頼ることで、専門家の仕事が成立しているという側面もあるんです。気負わず、扉を叩いてみてくださいね。

具体的には、IT導入補助金を活用した企業からの「使いこなし支援」案件、事業再構築補助金で新規事業を立ち上げた企業からの「新規事業立ち上げ支援」案件、小規模事業者持続化補助金でホームページをリニューアルした店舗からの「Web運用支援」案件、これらが目に見えて増えてきました。

つまり、補助金の流れを理解しているフリーランスは、「補助金を使う側」だけでなく、「補助金を使った企業を支援する側」としても収益機会を広げられる、ということです。事業を伸ばす視点として、ぜひ覚えておいてほしい構造です。

持続化給付金が終わった後の世界でも、フリーランスとして事業を伸ばす道筋は、ちゃんと用意されています。あなたが立ち止まらない限り、次の一歩は必ず見えてきます。今日整理した補助金・助成金・支援策の中から、一つでも「これ、自分でも使えそう」と感じたものがあれば、ぜひ最初の一歩を踏み出してみてくださいね。私は、あなたの挑戦を心から応援しています。

よくある質問

Q. 開業届を出していないフリーランスでも補助金は申請できますか?

原則として申請できません。国や自治体の事業者向け補助金は、税務署に「開業届」を提出し、事業として成立していることが大前提となります。まだ開業届を出していない場合は、まずは税務署で手続きを行うところから始めましょう。

Q. 雇用保険に入っていないフリーランスでも本当に利用できますか?

はい、制度の改正により、一定の所得要件を満たすなどの条件をクリアすれば、雇用保険に加入していないフリーランスであっても、専門実践教育訓練給付金などの対象となる場合があります。まずはハローワークで相談してみることを強くおすすめします。

Q. フリーランスでも会社員のような「育休手当」はもらえますか?

現時点(2026年4月)では、雇用保険に加入していないフリーランスには、会社員のよ うな「育児休業給付金」や「出産手当金(産休手当)」はありません。しかし、2026年 10月からは国民年金の第1号被保険者(フリーランス等)を対象とした新たな育児支援 制度が開始される予定ですので、今後の動向に注目が必要です。

Q. 出産時にもらえる50万円の一時金は、フリーランスも対象ですか?

はい、対象です。「出産育児一時金」は国民健康保険の制度であるため、フリーランス であっても子ども1人につき原則50万円を受け取ることができます。多くの場合、医療 機関への直接支払制度を利用して、出産費用の支払いに充てることが可能です。

Q. フリーランスの夫(男性)でも育休の支援制度を利用できますか?

はい、利用可能です。2026年10月から予定されている国民年金保険料の育児期間免除制度は、性別を問わず、要件を満たす国民年金第1号被保険者であれば男性フリーランスも対象となる見込みです。

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中西 直美

産業カウンセラー・キャリアコンサルタント

大手人材会社でキャリアカウンセラーとして15年間従事した後、フリーランスの産業カウンセラーとして独立。在宅ワーカーのメンタルヘルスケアを専門に活動しています。

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