社員インタビューの撮影から編集までの費用|採用広報動画の相場 2026

中西 直美
中西 直美
社員インタビューの撮影から編集までの費用|採用広報動画の相場 2026

この記事のポイント

  • 社員インタビュー動画の費用相場を
  • 撮影・編集・企画の内訳から解説します
  • 採用広報動画にかかる料金の内訳

「社員インタビュー動画を作りたいけれど、費用がどれくらいかかるのか見当がつかない」。採用担当や広報担当の方から、こういうご相談をよく受けます。見積もりを取ってみたら想像より高くて驚いた、という声も少なくありません。この記事では、社員インタビュー動画の費用相場と内訳、そして無駄なく外注するためのポイントを、具体的な数字とともにお伝えします。

社員インタビュー動画をめぐる市場の現状

採用広報の分野で、動画コンテンツの重要性は年々高まっています。求職者が企業を選ぶ際、テキストだけの求人情報よりも、実際に働く社員の表情や声を見て判断したいというニーズが強くなっているためです。特に新卒採用・中途採用の両方で、企業説明会やWebサイトに社員インタビュー動画を掲載する企業が増えています。

背景には、就職・転職活動の情報収集がオンライン中心になったことがあります。求職者は企業の公式サイトやSNSだけでなく、YouTubeや採用サイトの動画コンテンツを比較検討材料として使うようになりました。文章だけでは伝わりにくい「社風」「働く人の雰囲気」「実際の業務内容」を、動画なら数分で伝えられます。この特性が、採用ミスマッチを減らしたい企業側のニーズと合致し、社員インタビュー動画の需要を押し上げています。

一方で、動画制作の費用感には大きな幅があります。10万円程度の簡易的なものから、80万円を超える本格的な採用広報動画まで、依頼内容によって費用は数倍から数十倍変わります。この幅の大きさが、発注する側にとって「相場がわからない」という不安の原因になっています。

社員インタビュー動画の費用相場

まず結論から示します。社員インタビュー動画の制作費用は、内容によって大きく次の3つの層に分かれます。

簡易パッケージ:10万円〜30万円程度

1人1カメラでの撮影、質問項目に沿ったインタビュー、簡単なテロップ編集までを含むプランです。撮影時間は半日程度、編集は1週間前後で納品されるケースが多く見られます。予算が限られている中小企業や、まずは1本試してみたいという企業に向いています。

ただし、この価格帯には注意点があります。以下の引用にあるように、複数人を撮影する場合は費用が跳ね上がる傾向があるためです。

ただし10万円に近いと1人1ヶ所のカメラ撮影でもギリギリ。複数人になる場合は、費用が40万円に近くなると考えてください。 出典: douga-kanji.com

つまり、社員1人だけのインタビューであれば10万円台の見積もりでも成立しますが、複数の社員を登場させたい、部署ごとに撮影したいといった要望が加わるだけで、費用は一気に40万円近くまで上昇します。見積もりを依頼する際は「何人登場させたいか」を最初に明確にしておくことが、費用の予測誤差を減らすコツです。

標準プラン:30万円〜80万円程度

複数人のインタビュー、複数カメラでの撮影、BGMや図解テロップを加えた編集まで含む、いわゆる「本格的な採用広報動画」の価格帯です。企画構成の打ち合わせから納品まで、1ヶ月〜2ヶ月程度のスケジュールが一般的です。

この価格帯では、社員インタビュー動画単体ではなく、会社紹介動画とセットで発注されることも多くあります。実際の費用感は次の通りです。

費用感: 社員インタビュー動画(30万〜80万円)+会社紹介動画(50万〜120万円)の組み合わせに該当します。2本をまとめて制作することで、撮影日をまとめる等の効率化が可能です。 出典: stokedbase.jp

社員インタビューと会社紹介をセットで発注する企業が多い理由は、撮影日をまとめられるからです。同じ日にロケハン(下見)から撮影まで完結させれば、制作会社側の稼働も1回で済み、結果的にトータルコストを抑えられます。単発で何度も撮影を依頼するより、最初にまとめて相談する方が費用対効果は高くなります。

プレミアムプラン:80万円以上

ドローン撮影、複数拠点でのロケーション撮影、プロのナレーター起用、モーショングラフィックスを組み合わせた演出など、映像としての完成度を追求する場合の価格帯です。大企業の採用ブランディングや、テレビCM品質を求める場合にこの層になります。中小企業や個人事業主が社員インタビュー動画を初めて作る場合、この価格帯まで検討する必要はほとんどありません。

費用の内訳を理解する

見積もりを比較する際、単純な合計金額だけを見ていると、何にいくらかかっているのかが見えず、値引き交渉もできません。内訳を分解すると、主に次の4つの工程で費用が発生しています。

企画・構成費

インタビューで何を聞くか、どんな流れで見せるかを設計する工程です。ここを丁寧にやるかどうかで、動画の説得力が大きく変わります。相場は3万円10万円程度で、簡易プランでは企画費が撮影費に含まれていることもあります。

撮影費

カメラマン、照明機材、音声収録機材の手配と、当日の撮影実施にかかる費用です。カメラ台数、撮影場所の数、拘束時間によって変動します。1人1カメラの半日撮影で5万円15万円程度、複数人・複数カメラになると20万円以上になることもあります。

編集費

撮影した映像を整え、テロップやBGM、図解を加えて完成品に仕上げる工程です。動画全体の長さと、テロップの手の込み具合によって大きく変わります。5分程度の動画で10万円30万円程度が目安です。

ディレクション費・仲介手数料

制作会社経由で依頼する場合、営業担当や進行管理を担うディレクターの人件費が上乗せされます。この部分が、見積もりの総額を押し上げる要因になっているケースが多く見られます。

費用を左右する要因

同じ「社員インタビュー動画」というオーダーでも、見積もりが数倍変わる理由は主に以下の要因にあります。

登場人数と撮影拠点数

先述の通り、登場する社員が1人か複数かで費用は大きく変わります。さらに、撮影場所が本社1拠点なのか、複数の支店・工場をまわるのかによっても交通費や拘束時間が変わり、費用に反映されます。

動画の本数と長さ

1本だけ作るのか、部署ごとに複数本作るのかによって、撮影日程・編集工数が変わります。1本あたりの単価は、複数本まとめて発注すると下がる傾向があります。これは、企画のベースを使い回せること、撮影日をまとめられることが理由です。

演出のこだわり度合い

単純にインタビューを撮って繋ぐだけなら編集費は抑えられますが、モーショングラフィックスによる図解、ドローン撮影、複数カメラでのマルチアングル編集などを加えるほど、費用は積み上がります。「どこまでこだわるか」を発注前に決めておくことが、予算オーバーを防ぐ最大のポイントです。

修正回数

多くの制作会社は「修正2回まで無料」といった条件を設定しています。これを超える修正依頼は追加費用が発生することが一般的です。構成案の段階でしっかりすり合わせをしておくと、後々の修正コストを抑えられます。

社員インタビュー動画を外注する際の失敗しない選び方

ここからは、実際に外注先を選ぶ際に押さえておきたいポイントを解説します。

過去の制作実績を必ず確認する

同じ「採用広報動画」というジャンルでも、制作会社によって得意なテイストが異なります。落ち着いたコーポレート系の演出が得意な会社もあれば、カジュアルでポップな編集が得意な会社もあります。発注前に必ずポートフォリオを見せてもらい、自社のイメージに近いテイストの実績があるかを確認しましょう。

見積もりの内訳を必ず出してもらう

「一式」でまとめられた見積もりは、後から追加費用が発生しやすい傾向があります。企画費・撮影費・編集費・修正対応の範囲がそれぞれいくらなのか、内訳を明示してもらうことで、比較検討がしやすくなります。

私自身、フリーランスとして独立した当初に外注を依頼した経験があります。最初の見積もりだけを見て安さで発注先を決めてしまい、後から「修正は追加料金です」と言われて予算オーバーになったことがありました。あのとき、内訳をきちんと確認していれば防げた失敗だったと今でも思います。見積もりは金額の大小だけでなく、何が含まれていて何が含まれていないかを必ず確認することが大切です。

仲介会社か直接依頼かで費用構造が変わる

制作会社を仲介として使う場合、営業担当の人件費や会社の運営コストが料金に上乗せされます。一方、実際に撮影・編集を行うフリーランスの映像クリエイターへ直接依頼すれば、その中間マージンが発生しません。同じ品質の撮影・編集スキルであっても、依頼経路によって総額は変わってきます。

特に社員インタビュー動画のように、企画・撮影・編集の工程がある程度標準化されているコンテンツは、経験豊富なフリーランスクリエイターに直接依頼することで、仲介会社を通すより費用を抑えられる可能性があります。予算に制約のある中小企業にとって、この選択肢は検討する価値があります。

よくある失敗パターンと注意点

社員インタビュー動画の発注で、実際によく起きる失敗を紹介します。

質問項目を丸投げしてしまう

「いい感じに聞いてください」と質問内容をすべて制作会社任せにすると、自社が伝えたいメッセージとズレた仕上がりになることがあります。事前に「伝えたいポイント」を箇条書きでまとめ、質問項目の叩き台を用意しておくことで、想定外の仕上がりを防げます。

撮影当日のスケジュールに余裕を持たせない

インタビュー撮影は、社員が緊張してうまく話せなかったり、撮り直しが必要になったりすることが珍しくありません。1人あたり30分程度の余裕を持ったスケジュールを組んでおくと、当日のトラブルに対応しやすくなります。

公開後の二次利用範囲を確認していない

採用サイトだけでなく、SNSや会社説明会でも使いたい場合、契約時にその利用範囲を含めておく必要があります。後から「SNSでの利用は追加費用」と言われるケースもあるため、想定する利用シーンをすべて事前に伝えておきましょう。

費用を抑えるための具体的な工夫

予算を抑えつつ、質の高い社員インタビュー動画を作るための工夫をいくつか紹介します。

第一に、撮影場所を自社オフィス内に限定することです。ロケーション移動が発生すると、その分の交通費・拘束時間が費用に反映されます。オフィス内の会議室や休憩スペースなど、照明環境が整った場所を撮影場所にすることで、追加費用を抑えられます。

第二に、複数の社員インタビューをまとめて1日で撮影することです。1人ずつ別の日に撮影すると、その都度カメラマンの拘束費用が発生します。1日でまとめて撮影すれば、拘束費用を1回分に集約できます。

第三に、編集のテンプレート化です。テロップのデザインやオープニング・エンディングの演出を統一フォーマットにしておくと、2本目以降の編集工数が減り、単価が下がる傾向があります。複数部署の社員インタビューを作る予定がある場合は、最初からシリーズ化を前提に発注すると効率的です。

運営者の視点から見た外注の実態

フリーランス・在宅ワーク市場を長く見てきた運営者の立場から言えば、映像制作のような専門スキルを要する業務ほど、発注者と受注者の間の情報格差が大きくなりがちです。発注者は「相場がわからないから言われた金額を払うしかない」と感じ、受注者側も「本当はいくらまで下げられるのか手探り」という状態になっていることが少なくありません。

長く続く取引関係を見ていると、単発の値引き交渉よりも、継続的に同じクリエイターに複数の案件を依頼する関係の方が、結果的に双方にとって得をしていることが多いという実感があります。発注者は毎回一から制作会社を探す手間が省け、受注者側も継続案件があることで安定した仕事の見通しが立ちます。

そして、この関係性において中間マージンの有無は大きな意味を持ちます。仲介会社を通した場合、依頼者が支払う金額のうち一定割合は営業・管理コストに充てられ、実際に撮影・編集を行うクリエイターの手取りはその分減ります。フリーランスへの直接依頼で手数料0%の仕組みを使えば、同じ予算でもクリエイター側の手取りは厚くなり、依頼者側もより充実した内容を依頼できる余地が生まれます。これは金額の大小の話ではなく、同じ予算でどれだけ質の高い成果物に変換できるかという「質」の問題です。双方が得をするこの構造は、価格交渉のテクニックよりも、発注経路そのものの選び方によって決まる部分が大きいというのが、長年この市場を見てきた実感です。

社員インタビュー動画とあわせて検討したい関連業務

社員インタビュー動画の企画・構成を考える際、AI活用の知見を持つ専門家に相談することで、質問設計や編集の効率化アイデアを得られる場合があります。AIコンサル・業務活用支援のお仕事では、業務プロセス全体の見直しを支援する専門家の依頼内容がまとめられています。

また、社員インタビュー動画の公開後、採用サイトへの集客やSNS運用まで一貫して強化したい場合は、AI・マーケティング・セキュリティのお仕事で、マーケティング施策を専門とする人材への依頼範囲を確認できます。

採用サイト自体を新たに構築・改修したい場合は、アプリケーション開発のお仕事で開発案件の依頼相場や進め方を把握しておくと、動画コンテンツとサイト全体を連動させた採用広報戦略を組み立てやすくなります。

映像編集やクリエイティブ業務に関わる専門職の年収・単価水準を把握しておくことも、見積もりの妥当性を判断する材料になります。著述家,記者,編集者の年収・単価相場では、コンテンツ制作に関わる職種の単価データを確認できます。採用サイトのシステム面を担うエンジニアの単価感については、ソフトウェア作成者の年収・単価相場が参考になります。

まとめに代えて:発注前に整理しておきたいこと

社員インタビュー動画の費用は、登場人数・撮影拠点数・演出のこだわり度合いによって10万円台から80万円以上まで幅広く変動します。見積もりを比較する際は、総額だけでなく企画・撮影・編集それぞれの内訳を確認し、修正回数や二次利用範囲まで含めて条件をすり合わせることが、後悔しない発注につながります。

そして、同じ品質の映像を求めるのであれば、仲介会社を通すか、実際に手を動かすクリエイターへ直接依頼するかによって、支払う総額は変わってきます。予算に制約がある中で質の高い社員インタビュー動画を作りたいと考えている担当者の方は、この発注経路の違いを一度検討してみる価値があります。

よくある質問

Q. 社員インタビュー動画の費用相場はどれくらいですか?

登場人数や演出のこだわり度合いによって幅がありますが、簡易プランで10万円〜30万円程度、標準的な採用広報動画では30万円〜80万円程度が目安です。複数人を撮影する場合は40万円前後を見込んでおくと安心です。

Q. 撮影日数を短縮して費用を抑える方法はありますか?

複数の社員インタビューを同じ日にまとめて撮影することで、カメラマンの拘束費用を1回分に集約できます。会社紹介動画とセットで発注し、撮影日を統一するのも有効な方法です。

Q. 制作会社とフリーランスのどちらに依頼すべきですか?

制作会社は進行管理や企画提案のサポートが手厚い一方、営業・管理コストが料金に上乗せされます。実務経験のあるフリーランスへ直接依頼すれば、その中間マージンを抑えられる可能性があります。

Q. 見積もりを比較する際に注意すべき点は何ですか?

総額だけでなく、企画費・撮影費・編集費の内訳が明示されているか、修正回数の上限、SNSなど二次利用範囲が含まれているかを必ず確認してください。「一式」表記の見積もりは後から追加費用が発生しやすい傾向があります。

この記事について

@SOHO
編集部

監修:@SOHO編集部

2004年よりフリーランス・在宅ワーク向けサービスを20年運営。編集部が事実確認のうえ公開しています。

公開:2026年2月21日最終更新:2026年7月26日
中西 直美

この記事を書いた人

中西 直美@SOHO編集部

産業カウンセラー・キャリアコンサルタント

大手人材会社でキャリアカウンセラーとして15年間従事した後、フリーランスの産業カウンセラーとして独立。在宅ワーカーのメンタルヘルスケアを専門に活動しています。

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