電気工事士の副業の始め方

長谷川 奈津
長谷川 奈津
電気工事士の副業の始め方

この記事のポイント

  • 電気工事士 副業 始め方を
  • 免状を取り終えた人の視点で手順に分けて整理しました
  • 受ける仕事の型の決め方

電気工事士 副業 始め方、と検索している人の多くは、免状をすでに手にしています。第二種を取った、あるいは第一種まで進んだ。せっかく取ったのだから何かに使いたい。ただ、何から手をつければいいのか分からない。この記事はそこから書き始めます。

結論を先に言うと、電気工事士の副業は「工事を請け負う道」と「知識を売る道」で、必要な準備がまったく違います。前者は法律上の手続きが先に来ます。後者は手続きがほとんど要らず、その日から動けます。この違いを理解しないまま始めると、ずっと準備段階から抜け出せません。ここを最初に切り分けたうえで、初回の受注までにやることを順番に並べていきます。

始める前に決める、いちばん大事な分岐

副業の内容を考える前に、決めることがひとつあります。工事そのものを請け負うのか、それとも工事以外の形で知識を売るのか、です。

工事を業として請け負う場合、電気工事業の業務の適正化に関する法律にもとづき、登録電気工事業者の登録や、建設業許可を持つ事業者による届出といった手続きが定められています。つまり、免状を持っているだけで、個人が自由に工事を請け負ってよいという話にはならない、ということです。これ、知らない人が本当に多いんです。免状は作業に従事するための資格であり、事業として請け負うための資格とは分けて考える必要があります。

一方、知識を売る道には、この手続きが基本的に関わりません。記事の執筆と監修、資格試験の教材作成、図面の作成、積算、書類の整備、技術サポート。これらは工事ではないため、免状の保有と実務経験がそのまま材料になります。しかも在宅で完結するため、本業のある人でも動きやすい。

副業の紹介記事では、両者が区別されずに書かれていることがよくあります。

電気工事の副業は、資格さえ取得していれば実務経験の長さに関わらず仕事を受けやすい特徴があります。第二種電気工事士の資格を持っていれば、家庭用の配線工事やコンセント増設などを正式に請け負うことができます。 出典: jobhouse.jp

資格が要件になる仕事が実際に存在するという点はその通りです。ただし、請け負うという言葉には注意が要ります。工事会社に雇われて作業に従事する形と、自分が事業者として工事を受注する形では、必要な手続きが変わります。工事を自分の事業として受けるつもりなら、始める前に所管の窓口で手続きの要否を確認してください。ここを飛ばして進めるのは、後から取り返しがつきません。

以下では、手続きの壁が低く、免状を持った翌日から動ける「知識を売る道」を軸に、初回受注までの手順を並べます。

ステップ1 本業の就業規則を確認する

最初にやることは、勤務先の就業規則を読むことです。副業を全面的に禁止している会社は減りましたが、届出制や許可制にしている会社は多く残っています。届出を出さずに始めて、あとから発覚すると、収入より面倒なことになります。

確認するのは3点です。副業が許可制か届出制か。競業にあたる業務が禁止されていないか。そして、勤務時間外の活動に対する制限があるか。電気工事の会社に勤めている人が、電気設備の記事を書く行為が競業にあたるかどうかは、会社の規定と内容によります。特定の顧客情報や施工方法を書くのは論外ですが、一般的な知識の解説であれば問題にならないことが多い。ただし、判断するのは会社側です。先に確認しておけば、後ろめたさを抱えずに続けられます。

もうひとつ、社会保険や雇用の面で気になる人も多いはずです。業務委託として仕事を受ける場合、その報酬は給与ではなく事業所得または雑所得として扱われます。本業の社会保険に直ちに影響が出るものではありませんが、収入の規模が大きくなってきた段階で扱いが変わることがあります。※個別の事情によって判断が分かれる部分なので、金額が大きくなってきたら税理士に確認してください。

ステップ2 自分の免状と経験を棚卸しする

次にやるのは、書き出す作業です。パソコンに向かって、次の項目を箇条書きにします。

免状の種別と取得年。実務で担当した工事の種類(住宅の新築配線、改修、店舗の内装電気、動力設備、盤の製作、高圧受電設備など)。使ったことのある工具と材料。読める図面の種類。使えるCADソフト。試験対策で苦労した箇所。前職で担当した書類の種類。

この一覧が、後で作るプロフィールと提案文の材料になります。ここで多くの人が「大した経験はない」と手を止めますが、それは基準が現場の中にあるからです。在宅の案件を発注する側から見れば、複線図が書けること、接地の条件を説明できること、施工手順を順番に並べられることは、すでに希少な能力です。現場では当たり前でも、現場の外では当たり前ではありません。

棚卸しのコツは、工程の単位ではなく「判断した内容」で書き出すことです。「分電盤を交換した」だけでは材料になりませんが、「既存住宅の分電盤交換で、既設回路の負荷を確認して回路の振り分けを決めた」と書けば、何を判断できる人なのかが伝わります。発注側が知りたいのは作業の経歴ではなく、判断できる範囲です。

書き出す量の目安は、項目数で20個から30個です。これだけあれば、どの型の案件に応募しても、その募集に合う材料が最低ひとつは見つかります。逆に5個しか書き出していない状態で応募を始めると、募集ごとに書ける内容が尽きて、結局どの応募も同じ文面になります。

実務経験が短い人ほど有利になる材料もあります。直近で受験した人は、試験でどこがつまずくかを覚えています。教材作成や受験対策の記事は、この記憶が最大の武器になります。経験20年のベテランより、合格したばかりの人のほうが書ける題材が確実にあります。

ステップ3 受ける仕事の型をひとつに決める

棚卸しが終わったら、最初に狙う型をひとつだけ決めます。複数に手を出さないことが重要です。

型の候補は、記事の執筆と監修、資格試験の教材作成、CADトレースと図面作成、積算と拾い出し、施工写真の整理と書類作成、技術問い合わせ対応の6つです。それぞれ求められるものと単価の決まり方が違うため、自分の棚卸しの結果と照らして、いちばん材料が揃っているものを選びます。

ひとつに絞る理由は、プロフィールと提案文が定まるからです。「なんでもできます」と書かれたプロフィールは、発注側から見ると何も分かりません。「第二種電気工事士。住宅の改修配線を中心に5年。受験対策の教材作成と、電気設備に関する記事の監修に対応できます」と書かれていれば、依頼する場面が具体的に想像できます。

最初の型は、後から変えて構いません。むしろ1件受けてみると、自分に向いているかどうかがはっきりします。決められないなら、記事の執筆と監修から入るのが無難です。年間を通して募集があり、応募の判断が書類だけで完結し、パソコン以外に設備投資が要りません。

ステップ4 プロフィールと提案文を作る

在宅の案件は、顔を合わせずに選考されます。プロフィールと提案文がすべてです。ここに時間をかけるかどうかで、応募数と受注数の比率が変わります。

プロフィールに書く順番は、次の通りです。第一に、保有資格と取得年。第二に、実務で担当してきた工事の分野。第三に、対応できる作業の種類。第四に、稼働できる曜日と時間帯。第五に、納品形式や使用ソフト。

提案文は、応募先ごとに書き換えます。共通の文面を送り続けている人は、応募数を増やしても通過率が動きません。書き換えるのは冒頭の3行だけで十分です。募集内容のどこに自分が合致するのかを、具体的に書きます。「電気設備の記事の監修とのことですが、住宅の改修配線を中心に現場を担当してきたため、既存住宅の分電盤交換や回路増設に関する記述の確認に対応できます」。このように、募集のテーマと自分の経験を接続する一文があるかどうかが、判断を分けます。

そしてもうひとつ、初回に何を提供するかを書き添えます。「まず1本、既存記事の技術的な確認をさせていただき、指摘内容をご覧いただいたうえで継続をご判断ください」。相手の不安は、頼んで外れたときの損失です。小さく試せる形を提示すると、依頼のハードルが下がります。

ステップ5 応募先を選んで応募する

応募先は、大きく3つに分かれます。在宅ワークやフリーランス向けの仕事情報を扱うサイト、業界のメディアやメーカーの直接募集、そして知人経由の紹介です。

最初は仕事情報サイトから入るのが現実的です。募集が一覧で見られ、条件が明示されており、比較しながら選べます。ただし、仲介型のサービスは手数料が引かれる点を理解しておく必要があります。報酬から10%から20%程度が差し引かれる仕組みが一般的で、年間の受注額が大きくなるほど影響が出ます。手数料0%で直接やり取りできる場を併用しておくと、実績ができた段階で手取りの厚い取引へ移していけます。

応募の数の目安としては、最初の1件が決まるまでに10件から20件は送ることになると考えておいてください。この数字を先に知らないと、3件送って反応がなかった段階で「自分には需要がない」と結論を出してしまいます。反応がないのは需要がないからではなく、単に母数が足りていないだけです。

応募先を選ぶときは、募集文の書かれ方も見ます。単価が先に固定されている募集は、専門知識が価格に反映されにくい設計です。逆に「専門知識をお持ちの方歓迎」「経験者優遇」と書かれている募集は、応募者によって条件を変える余地があるということです。この種の募集には、こちらから条件を提示して応募したほうが、上の枠で検討されます。何も言わずに応募すると、一般の応募者と同じ条件で話が進みます。

もうひとつ、応募の記録を残しておくことをおすすめします。いつ、どこに、どの型で、どの条件で応募したか。表にしておくと、反応があった募集の傾向が見えてきます。返事が来た案件と来なかった案件を並べると、自分の書き方のどこが効いているかが分かる。感覚で応募し続けるより、この記録があるほうが改善が早くなります。

在宅の仕事の全体像を把握しておきたい場合はキャリア・副業・人生相談のお仕事で、どのような分野に発注があるかを俯瞰しておくと、応募先を選ぶ判断が速くなります。

ステップ6 初回の条件を文字で確認する

依頼の返事が来たら、着手する前に条件を確認します。ここを口頭やチャットの流し読みで済ませると、後から必ず揉めます。

確認するのは次の項目です。作業の範囲。納品の形式と期限。報酬の金額と計算方法。修正の回数と、範囲外の作業が発生した場合の扱い。報酬の締め日と支払日。そして、納品物の権利がどちらに帰属するか。

2024年11月に施行されたフリーランス保護新法(特定受託事業者に係る取引の適正化等に関する法律)では、発注者が個人に業務委託をする際に、給付の内容や報酬の額、支払期日などの取引条件を書面または電子データで明示することが定められています。つまり、条件を文字で示してもらうのは、こちらが警戒しているからではなく、法律が想定している進め方だということです。「条件を一度まとめてお送りいただけますか」と書いて送るだけで済みます。

先日も、書面を交わさずに始めた案件で、途中から作業範囲がじわじわ広がり、当初の報酬のまま作業量だけが倍になったという相談がありました。範囲を最初に文字にしていれば、増えた時点で「これは別途のご相談になります」と言えます。文字にしていないと、言い出すタイミングを失います。法律はあなたの味方ですが、味方に働いてもらうには、事実を残しておく必要があります。※すでに未払いが発生している、相手と連絡が取れないといった段階なら、自力での交渉にこだわらず弁護士に相談してください。

ステップ7 納品して、2件目につなげる

初回の納品では、頼まれたものに加えて、ひとつだけ気づいたことを添えます。記事の監修なら「この箇所は施工方法によって条件が変わるため、注記を入れると読者の誤解が減ります」。図面なら「この経路は既存の梁と干渉する可能性があります」。積算なら「この器具は現在入手性が落ちているため、代替品の想定があると安全です」。

この一言があるかどうかで、次の依頼が来る確率が明確に変わります。発注側が求めているのは作業の完了ではなく、自分が気づけなかった点を埋めてくれる存在だからです。20年この市場を運営してきた立場から見ても、継続して依頼を受けている人は例外なくこれをやっています。逆に、指示された通りに正確に納めるだけの人は、単価の安い相手に置き換えられていきます。

そして、納品したものは記録に残します。監修した記事のURL、作図した図面の種類と枚数、作成した教材の内容。次の応募でそのまま実績として提出できます。守秘義務がある案件は内容を書けませんが、「住宅設備メーカーの製品説明文の技術確認を30本」といった形なら書けることが多い。ここを積み上げるかどうかで、半年後に応募できる案件の幅が変わります。

始めた人がつまずきやすい3つの場面

手順どおりに動いても、途中で止まる人には共通する場面があります。先に知っておけば、そこで止まらずに済みます。

ひとつ目は、応募して反応がない時期です。前述のとおり、最初の1件が決まるまでには相応の通数が必要です。それでも、返事が来ない状態が2週間も続くと、人は自分の資格に価値がないのではと考え始めます。ここで確認すべきは自分の価値ではなく、応募の中身です。提案文が使い回しになっていないか、対応できる時間帯を書いているか、免状の種別と取得年を明記しているか。この3点を直すだけで反応が変わるケースがほとんどです。

ふたつ目は、初回の単価を下げすぎることです。実績がないからと相場より大幅に安い金額を提示すると、その金額が相手との間の基準になります。次に値上げを申し出るときに、根拠を示す作業が必要になり、言い出せないまま安い条件で続けることになりがちです。実績がない不安は、単価を下げることではなく、初回の作業量を小さくすることで埋めるほうが安全です。金額は据え置いて、まず1本だけ受ける。この形なら相手のリスクも小さく、こちらの基準も守れます。

みっつ目は、本業との時間配分です。在宅の副業は場所を選ばないぶん、時間の境目が消えます。帰宅後と休日に作業が入り込み、気づくと休みが無くなっている。最初に「週に何時間まで」を決めておくことが、続けるための条件になります。目安としては、本業がある人なら週5時間から10時間程度から始め、無理なく回っていることを確認してから増やします。受けられる量を超えて引き受けると、納期の遅れという最も信用を落とす形で跳ね返ります。

工事を請け負う道を選ぶ場合に必要になること

知識を売る道ではなく、工事そのものを受ける道を選ぶ人もいます。その場合に必要になる準備を、簡単に整理しておきます。

まず、事業として電気工事を請け負うのであれば、電気工事業の業務の適正化に関する法律にもとづく登録や届出の手続きが関わります。登録の要件には、営業所ごとに主任電気工事士を置くことなどが定められており、主任電気工事士になるための実務経験の要件も別に定められています。第二種電気工事士の免状を取ったばかりの人が、その日から自分の事業として工事を請け負える、という話にはなりません。

次に、賠償責任保険です。工事には事故のリスクが伴います。施工物件で漏電や火災が起きた場合の賠償は、個人が負える金額に収まりません。工事を受けるなら、保険の加入は選択肢ではなく前提です。

そして、工具と車両です。在宅の仕事と違い、工事には初期投資が必要になります。工具一式、測定器、材料の在庫、移動手段。始める前に、どれだけの支出が先に発生するかを計算しておく必要があります。

つまり、工事を請け負う道は準備の量が桁違いに多い、ということです。だからこそ、まずは在宅で知識を売る形から始めて、資金と実績を作りながら判断するという順番が、副業として現実的だと考えています。※工事を事業として受ける計画がある場合は、手続きの要否を必ず所管の窓口に確認してください。要件は事業の形態によって変わります。

届出と確定申告の扱い

副業で得た収入には税金がかかります。給与以外の所得が年間20万円を超える場合の確定申告について、詳しい要件は国税庁の案内を確認してください。金額が小さいうちでも、住民税の扱いは別に考える必要があります。

継続的に受注するつもりなら、開業届の提出も検討します。事業所得として扱い、青色申告を選択すると控除の面で有利になる場合がありますが、帳簿の作成が必要になります。副業の規模と、自分がかけられる手間のバランスで決めてください。

住民税の扱いにも触れておきます。副業の所得があると住民税の額が変わり、その通知が勤務先に届くことで副業が把握される場合があります。確定申告の際に住民税の徴収方法を選べる場合があるため、勤務先との関係で気になる人は、申告時にその欄を確認してください。ただし、就業規則で届出が求められているなら、隠す方向で工夫するより、先に届出を出すほうが確実に安全です。

経費として計上できるものも把握しておきます。CADソフトの利用料、通信費のうち業務に使った割合、専門書、パソコンの購入費。工事を伴わない在宅の副業でも、経費は発生します。領収書を残す習慣を最初から作っておくと、申告の時期に慌てません。

記録の方法は、専用の会計ソフトを使わなくても、最初のうちは表計算ソフトで十分です。日付、相手先、内容、金額、入金日の5項目だけを記録しておけば、申告の作業が一気に楽になります。受注が増えて手作業が負担になった段階で、ソフトの導入を検討すればよい話です。順番を逆にして、始める前に道具をそろえることに時間を使ってしまう人が少なくありません。

資格を仕事に換える構造は、分野が違っても同じ

電気工事士に限らず、専門資格を在宅の仕事に換える流れは共通しています。免状そのものを直接売るのではなく、免状を取る過程で身についた判断力を売る、という構造です。

在宅の周辺業務でどのような単価が動いているかを知っておくと、値付けの基準ができます。文章を扱う仕事の相場は著述家,記者,編集者の年収・単価相場で、技術系の在宅案件の水準はソフトウェア作成者の年収・単価相場で確認できます。どちらも、自分の作業時間に対して妥当な金額かを判断する材料になります。

書類や申請の周辺を扱う案件を受けるとき、どこまでが自分の受けてよい範囲かを知っておく必要があります。行政書士の解説で、どのような業務が想定された資格なのかを見ておくと、線引きの見当がつきます。行政への申請の代理や代行にあたる部分は扱いが定められているため、範囲を広げる前に確認してください。

AIを使った業務の需要も伸びています。現場の知識を持つ人がAIの出力を検証する役割は、これから増える領域です。案件の傾向はAI・マーケティング・セキュリティのお仕事で確認できます。副業そのものの立ち上げ方を整理したい場合は副業 始め方ガイド!星野ゆいが教える失敗しない4ステップとおすすめが、AIの活用手順はAI 始め方ガイド!初心者が仕事や副業でAIを使いこなす5ステップがそれぞれ参考になります。海外の発注元と取引する可能性を考えるならフリーランス 英語 案件 未経験 始め方!2026年最新の海外副業術で決済と時差の扱いを見ておくとよいでしょう。

案件の動きから見た、始める時期の選び方

在宅ワークの募集を運営してきた立場から観察していることを、最後に書いておきます。

電気設備に関する記事や監修の募集は、年間を通して安定しています。一方、図面や積算の外注は施工会社の繁忙期に集中し、教材関係は試験の申込時期と実施時期の前に増えます。つまり、始める時期によって「反応の出やすい型」が変わります。募集が少ない時期に応募しても反応が薄く、それを自分の実力不足と受け取ってしまう人が多い。時期の問題であることを知っているだけで、続けられるかどうかが変わります。

もうひとつの観察は、手取りの構造についてです。仲介する事業者が間に入るほど、同じ予算から引かれる分が増えます。中間の手数料が乗らない直接の取引であれば、発注側は同じ予算でより多くを頼めて、受ける側の手取りは厚くなる。この構造は、実績ができて指名で依頼が来るようになった人ほど強く実感します。最初は仲介型で実績を作り、続けながら直接の取引へ軸足を移していく。この順番で動いている人が、結果として長く続いています。

最後にもうひとつ。在宅の案件は、報酬が地域相場に縛られません。現場の仕事は移動できる範囲と地域の単価に制約されますが、在宅の仕事は住んでいる場所と関係なく、都市部の発注元と同じ条件で取引できます。地方に住んでいることが不利にならない働き方は、資格を持っている人にとって大きな意味を持ちます。この点だけでも、始める価値は十分にあります。

免状は、取った時点で価値が固定されるものではありません。使い続けることで、市場での評価が積み上がっていきます。すでに持っているものを、動かせる形に変える。最初の1件は、その入口にすぎません。

よくある質問

Q. 電気工事士の副業は、免状があればすぐに始められますか?

知識を売る形の副業であれば、免状と実務経験を材料にその日から応募できます。ただし工事そのものを事業として請け負う場合は、電気工事業の業務の適正化に関する法律にもとづく登録や届出が定められているため、始める前に所管の窓口で手続きの要否を確認してください。

Q. 最初の1件が決まるまでに、どれくらい応募が必要ですか?

目安として10件から20件です。3件送って反応がないからといって需要がないわけではなく、単に母数が足りていないだけのことがほとんどです。応募先ごとに提案文の冒頭3行を書き換えて、募集内容と自分の経験を接続する一文を入れると通過率が上がります。

Q. 会社に副業を知られずに始められますか?

就業規則で届出制や許可制になっている場合、隠して始めると後から問題になります。まず規則を確認し、必要なら届出を出してください。住民税の徴収方法によって勤務先に知られる場合もあるため、税務上の扱いも合わせて確認しておくと安全です。

Q. 副業の収入はいくらから確定申告が必要ですか?

給与以外の所得が年間20万円を超える場合の申告について、詳しい要件は国税庁の案内で確認してください。20万円以下でも住民税の扱いは別に考える必要があります。継続して受注する見込みがあるなら、開業届の提出と経費の記録を最初から習慣にしておくと後が楽になります。

この記事について

@SOHO
編集部

監修:@SOHO編集部

2004年よりフリーランス・在宅ワーク向けサービスを20年運営。編集部が事実確認のうえ公開しています。

公開:2026年2月8日最終更新:2026年8月27日
長谷川 奈津

この記事を書いた人

長谷川 奈津@SOHO編集部

行政書士・元企業法務

企業法務で数多くのフリーランス契約を扱った経験を活かし、フリーランス向けの法律・契約・権利に関する記事を執筆。「法律はあなたの味方です」がモットー。

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