通関士の記事監修の仕事

長谷川 奈津
長谷川 奈津
通関士の記事監修の仕事

この記事のポイント

  • 通関士が記事の監修者として関わる副業の実態をまとめました
  • 依頼がどこから来るのか
  • 原稿の何を確認するのか

貿易や輸出入をテーマにした記事に「監修:通関士」と書かれているのを、見たことがあると思います。あの立場で関わる仕事は、実は資格を持っている方の副業として、かなり現実的な選択肢です。

これ、知らない人が本当に多いんです。監修は文章を書く仕事ではありません。書かれたものを読んで、間違いを見つけて、直し方を伝える仕事です。書くのが苦手でも成立します。

ただし、名前を出す仕事である以上、気をつけるべき点があります。特に肩書きの書き方については、通関業法の条文と自分の現在の立場を照らして確認しておく必要があります。ここを含めて、順に説明します。

監修者を探している事業者が増えている

なぜこの仕事が増えているのか。背景を先に押さえておくと、依頼を受けたときの判断が速くなります。

誰が言っているかを見られる時代になった

検索エンジンは、情報の作り手が誰かを重視する方向に動いてきました。同じ内容でも、その分野の実務経験を持つ人が確認したものと、そうでないものを区別しようとしています。

読者の側も同じです。輸入を始めようとしている事業者が記事を読むとき、書いた人が実務を知っているかどうかを気にします。制度の説明を間違えられると、事業に直接の損害が出るからです。

その結果、貿易や物流の記事を出しているメディアは、専門家の確認を入れることを前提に制作するようになりました。監修者を探す動きは、この数年で明確に強まっています。

貿易分野は監修者の供給が少ない

医療や法律の分野では、監修者を探すのはそれほど難しくありません。有資格者の数が多く、情報発信に慣れた人も多いからです。

貿易と通関はそうではありません。実務経験を持つ人の絶対数が少なく、そのうち外部に向けて活動している人はさらに少ない。つまり供給が薄いのです。

これは、これから始める方にとって有利な条件です。競争相手が少ない領域では、実績がなくても最初の依頼にたどり着きやすくなります。

発信する事業者の側も増えている

輸出入の代行サービス、国際物流の会社、越境の販売支援を手がける事業者。こうした会社が自社でメディアを持ち、記事を出すようになりました。

書く人はライターに頼めますが、内容の正しさを担保できる人が社内にいません。ここに監修の需要が生まれています。ライティングの領域そのものがどう評価されているかは著述家,記者,編集者の年収・単価相場で確認できますが、監修はその外側にある別の役割として値段がついています。

依頼はどこから、どんな形で来るか

依頼の出方には、いくつかの型があります。

メディア運営会社からの継続依頼

貿易や物流の情報サイトを運営している会社から、月に数本の監修を継続的に依頼される形です。安定していて、こちらの負荷も読みやすい。この形が取れると、副業としては非常に扱いやすくなります。

やり取りは原稿ファイルの受け渡しが中心で、打ち合わせはほとんど発生しません。在宅で完結します。

資格スクールや教育事業者から

通関士試験の講座や、貿易実務の研修を出している事業者からの依頼です。教材そのものの確認、模擬問題の検証、解説文のチェックなど、内容が細かくなります。

正確さの要求水準が高いぶん、報酬も上がる傾向があります。教育系の事業者は、専門家に業務委託で関わってもらう形に慣れているところが多く、契約の話も進めやすい相手です。

事業会社のオウンドメディアから

越境の販売支援や物流サービスを提供している会社が、自社サイトの記事を確認してほしいと依頼してくる形です。

この場合、記事の目的が集客であることを理解しておく必要があります。事実として間違っている記述は当然直しますが、「表現を強めたい」という要望と「正確に書く」ことがぶつかる場面があります。この線をどう扱うかは、後で説明します。

出版社からの書籍監修

冊数は少ないですが、書籍やムック本の監修依頼が来ることがあります。分量が多く、期間も長い。副業として初めて受けるには重いので、記事監修で経験を積んでから検討するのが現実的です。

依頼文からどこまで読み取るか

依頼のメールを受け取った段階で、確認すべきことがあります。

第1に、監修の範囲です。記事全体なのか、特定の章だけなのか。第2に、名前の出し方です。実名か、肩書きだけか、プロフィールも載せるのか。第3に、修正のやり取りが何回あるか。第4に、監修した記事が後から書き換えられる可能性があるかどうか。

この4点が曖昧なまま進むと、後で必ず揉めます。最初のメールへの返信で、そのまま質問として送ってください。丁寧に聞いてくる人を、依頼側が嫌がることはありません。

原稿の何を確認するのか

監修という言葉は曖昧なので、実際にやることを具体的に書きます。

事実として間違っている記述

これがいちばん分かりやすい仕事です。手続の順序が違う、必要な書類が抜けている、制度の名称が誤っている。

貿易の記事でよく見かける誤りには、傾向があります。輸出と輸入で手続が違う点を混同している、税関の判断と他省庁の許認可を混ぜている、協定の適用条件を単純化しすぎている。こうした典型的な誤りは、経験があれば読んだ瞬間に見えます。

古くなっている情報

制度は動きます。数年前は正しかった説明が、今は違うということが頻繁に起きます。

特に、経済連携協定の適用状況や、電子的な手続の運用については、更新が追いついていない記事が多い。ここを指摘できるのは、日常的に実務を見ている人だけです。

断定しすぎている記述

「この場合は必ずこうなります」と書かれている箇所は、要注意です。実務では例外や条件が付くことがほとんどです。

読者が記事を信じてそのまま動いて損をすると、記事を出した事業者の責任問題になります。ここを緩める指摘は、依頼側にとってもありがたいものです。

前提が抜けている記述

正しいことが書いてあるのに、適用条件が書かれていない。これも危険です。

「関税が無税になる」と書いてあるが、それは特定の協定を使い、原産地の要件を満たし、必要な証明を用意した場合の話。この前提が抜けると、読者は誤解します。

表現として危うい箇所

事実として間違っていなくても、読み手を誤誘導しかねない書き方があります。

「簡単にできます」「手続は不要です」といった断定は、たいてい何かを省略しています。こうした表現には、条件を補う形で指摘してください。

監修者が見なくてよいところ

逆に、確認する必要がない部分もはっきりさせておきます。文章のうまさ、構成の順序、検索対策上の言葉選び。これらは編集者やライターの領域です。

ここに口を出すと、作業量が増えるだけで報酬は変わりません。関心があるなら別ですが、監修の役割としては範囲外です。検索対策の考え方そのものに興味がある方はSEO対策・MEO対策の副業で稼ぐ方法|必要なスキルと案件相場で扱われている領域を見ておくと、依頼側が何を気にしているのかが分かります。

名前の出し方には確認が要る

ここがこの記事でいちばん大事な部分です。

通関士という名称の使い方

通関業法は、通関士について次のように定めています。

第三十一条 通関業者は、通関士試験に合格した者を通関士という名称を用いてその通関業務に従事させようとするときは、その者の氏名、通関業務に従事させようとする営業所の名称その他政令で定める事項を財務大臣に届け出て、その者が次項の規定に該当しないことの確認を受けなければならない。 第三十二条 通関士は、次の各号のいずれかに該当するときは、通関士でなくなるものとする。一 前条第一項の確認を受けた通関業者の通関業務に従事しないこととなつたとき。 出典: agaroot.jp

つまり、試験に合格していることと、通関士として扱われる状態にあることは、法律上は別の話として整理されています。確認を受けた通関業者の通関業務に従事しなくなったときは通関士でなくなる、と条文に書かれているとおりです。

ここから何が言えるか。監修者の肩書きとして「通関士」と表示することが適切かどうかは、その人が現在どういう立場にあるかによって変わる可能性がある、ということです。

※この点をどう扱うべきかは、個別の事情によって判断が分かれます。自己判断で決めず、所轄の税関や通関業に詳しい専門家に確認してください。名称の使用について問題があるという指摘を後から受けると、掲載済みの記事すべてに影響が及びます。先に確認しておくほうが、はるかに安全です。

肩書きをどう書くか

肩書きの候補には、いくつかの書き方があります。試験の合格者であることを示す書き方、貿易実務の経験年数を示す書き方、扱ってきた分野を示す書き方。

どの表現が自分の現状に合うかは、上で述べたとおり確認が必要です。ただ、実務経験の中身を書くほうが、読者にとって情報量が多いのは確かです。「輸入通関の実務に十数年」「食品と機械の分野が中心」のような書き方は、資格名だけよりも伝わります。

顔写真と所属の扱い

顔写真の掲載を求められることがあります。断っても依頼が消えることは、まずありません。

所属先の記載には特に注意してください。勤務先の名前を出すことは、会社の許可なくやってはいけません。副業が認められている場合でも、社名の使用は別の判断になることが多いです。

勤務先との関係

副業として監修を受ける場合、就業規則の確認が先です。許可制なら申請を通してから受けてください。

貿易の業界は狭く、監修した記事を勤務先の同僚が読む可能性は十分にあります。隠して進めるより、先に通しておくほうが結果的に楽です。

表示のルールにも触れておく

事業者が広告として出す記事に監修者として関わる場合、表示のルールが関係してきます。広告であることを隠して第三者の意見に見せかける形は、景品表示法の規制対象になります。

監修者として名前を出すときに、それが広告記事なのか通常の記事なのかを確認しておいてください。※判断に迷う場合は、依頼側の法務部門や広告表示に詳しい専門家に確認するのが確実です。

記事の目的と正確さがぶつかったとき

集客を目的にした記事では、依頼側が「もっと分かりやすく」「読者が不安にならない書き方に」と求めてくることがあります。

分かりやすくすること自体は、悪いことではありません。問題は、条件や例外を削った結果、読者が誤った理解のまま動いてしまう場合です。

このときの伝え方には型があります。削れない理由を、読者が被る不利益で説明してください。「この条件を落とすと、読者が要件を満たさないまま手続を進める可能性があります。後から追徴が生じると、記事を出した側にも問い合わせが来ます」という形です。

依頼側も、読者を困らせたいわけではありません。リスクの所在が具体的に見えれば、たいていは受け入れられます。それでも押し切られる場合は、監修者として名前を出さない選択も含めて検討してください。名前を出すかどうかの最終判断は、こちら側にあります。

報酬と契約をどう決めるか

お金の話も具体的に書いておきます。

相場の感覚

記事1本あたりの監修料は、内容の重さと分量によって1万円から5万円程度の幅で提示されることが多い形です。教材や書籍のように分量が大きいものは、別の計算になります。

作業時間で見ると、3,000字程度の記事なら1時間から2時間で終わることが多いです。慣れると速くなります。

何に対して払われているのか

ここを誤解している方が多いのですが、監修料は作業時間への対価ではありません。名前を出すことと、内容を保証することへの対価です。

だから、直すところがほとんどない原稿でも、報酬は変わりません。逆に、名前を出さない形の確認作業であれば、単価は下がるのが自然です。

修正のやり取りを決めておく

指摘を返したあと、修正版が戻ってきて再度確認する。この往復が何回まで含まれるかを、最初に決めてください。

決めていないと、何度も戻ってきます。「初回の指摘と、修正版の再確認1回まで」という形が一般的です。

記事が後から書き換えられる場合

これは見落とされがちな点です。監修した記事が、後から編集側の判断で書き換えられることがあります。

書き換えられたあとも自分の名前が載ったままだと、確認していない内容に名前が付いている状態になります。「内容を変更する場合は再監修を行う」という条項を契約に入れておいてください。断られることは、ほとんどありません。

責任の範囲を書面にする

監修者が負う責任の範囲も、書面で決めておくべきです。提供された原稿の記述について確認したこと、記事の利用によって生じた結果について責任を負わないこと。

士業や専門家が業務委託で関わる場面では、こうした条項は珍しくありません。書類の作成や許認可の領域で活動する行政書士のような資格でも、業務範囲と責任の線引きは契約で明確にするのが通例です。同じ考え方で組み立ててください。

最初の1件をどうやって取るか

実績がない状態からどう始めるか。ここでつまずく方が多いので、具体的に書きます。

探すのではなく、見つけてもらう形を作る

監修者の募集は、求人として明示的に出ることが少ない仕事です。「監修者募集」で検索しても、ほとんど出てきません。

だから、探しにいくより、見つけてもらう形を作るほうが速い。具体的には、自分が何を確認できるのかを書いた場所をひとつ作ることです。プロフィールページでも、業務委託のマッチングサービスの登録情報でも構いません。

書くべきなのは、経歴の羅列ではありません。「食品の輸入手続について書かれた記事の、制度面の正確さを確認できます」のように、提供できる役割を書いてください。探している側は、役割で検索しています。

自分から声をかける

貿易をテーマにした記事を出しているメディアを、実際に読んでみてください。間違いや古い記述が見つかることが、かなりの確率であります。

その状態で問い合わせフォームから連絡する。「記事を拝読しました。この箇所の記述について、現在の制度と食い違いがあるように思います」と具体的に指摘したうえで、監修で協力できると伝える。

この方法は、応答率が高いです。理由は単純で、相手にとって有益な情報が最初に入っているからです。単なる売り込みのメールとは扱いが変わります。

小さく始めて範囲を広げる

最初から記事全体の監修を引き受ける必要はありません。「関税と手続に関する記述部分の確認」という限定した形でも、依頼側は助かります。

範囲を絞って入ると、報酬は下がりますが、次に広げる余地が残ります。逆に、値段を下げて全体を引き受けると、その条件が基準になってしまいます。値段より範囲で調整してください。

監修の実績は表に出る

この仕事のよいところは、実績が公開される点です。監修者として名前が載った記事は、そのまま次の依頼者への説明材料になります。

1本目が出たら、それを見せて2本目を取る。この積み上げが効きます。実績を1件ずつ公開して次につなげる動き方は他の在宅の仕事にも共通しており、ポッドキャスト編集で副業|未経験から月5万円を稼ぐ方法【2026年版】で説明されている進め方も、順番の作り方としては同じ構造です。

監修と執筆をどう使い分けるか

依頼側から「監修だけでなく執筆もお願いできませんか」と言われることがあります。ここは分けて考えてください。

監修は、既にあるものを読んで判断する仕事です。時間が読めます。3,000字の記事なら、確認と指摘で2時間あれば足ります。

執筆は、ゼロから作る仕事です。構成を考え、調べ、書き、直す。同じ3,000字でも6時間から10時間かかることがあります。書き慣れていないなら、もっとかかります。

副業として時間が限られているなら、監修のほうが扱いやすい仕事です。書くことに関心があるなら執筆に広げてもよいのですが、報酬が作業時間に見合っているかは、その都度確認してください。「監修の延長で書いてもらえませんか」と言われて安く引き受けると、割に合わなくなります。

両方を引き受ける場合でも、料金は別に立ててください。監修料と執筆料を合算した1本の値段にすると、後から片方だけを頼まれたときに基準がなくなります。

監修でよく起きるトラブルと、その避け方

実際に相談を受ける場面をいくつか挙げておきます。

指摘が反映されないまま公開された

指摘したのに直っていない、という状況です。編集側の作業漏れであることが多いのですが、名前が載っている以上、読者から見れば監修者の責任に見えます。

避け方はひとつで、公開前に最終版を確認する工程を契約に入れておくことです。「公開前に最終原稿を確認させていただきます」と最初に伝えておけば、たいていの依頼側は応じます。

想定より作業量が多かった

原稿の品質が低く、指摘が数十か所に及ぶ。こういう案件は必ずあります。

受ける前に原稿を見る、という手順を守れば大半は防げます。見ずに引き受けてしまった場合は、途中で正直に伝えてください。「想定していた範囲を超えているため、この形では対応できません」と言うのは、正当な申し出です。

名前だけ借りたいという依頼

内容の確認をほとんど求めず、名前を載せることだけを目的にした依頼が来ることがあります。報酬が相場より高いことも多い。

これは受けないでください。確認していない内容に名前が載る状態は、後から取り返しがつきません。※広告表示に関わる規制の対象になる可能性もあるため、判断に迷う依頼は法務に詳しい専門家に相談してください。

過去に監修した記事が古くなる

制度が変われば、過去の記事の内容も古くなります。名前は載ったままです。

契約時に、監修の対象が「その時点の制度に基づく確認」であることを明記しておいてください。あわせて、更新が必要になった場合の扱いも決めておくと安心です。

監修を続けるための段取り

最後に、実務としての進め方です。

受ける前に原稿を見る

依頼を受けるかどうかを、テーマ名だけで決めないでください。原稿を見せてもらってから判断します。

品質が低すぎる原稿は、監修ではなく書き直しになります。それは別の仕事です。「この内容だと監修の範囲を超えるので、構成から関わる形でのご相談になります」と伝えてください。

指摘の書き方

指摘は、3点をセットで書いてください。どこが問題か、なぜ問題か、どう直せばよいか。

「ここは誤りです」だけだと、ライター側が直せません。直し方まで書くと、往復が減ります。結果的に自分の時間が節約できます。

正誤の判断が微妙な箇所は、その旨を書いてください。「断定はできませんが、この条件下では表現を弱めたほうが安全です」という書き方で構いません。

返す速さ

監修の依頼は、制作スケジュールの終盤に来ます。つまり、依頼側は急いでいます。

3日以内に返せる体制を作っておくと、指名され続けます。難しい場合は、受け取った時点で「何日に返します」と伝えてください。伝えてあれば、待つことは苦になりません。

確認に使う情報源を決めておく

指摘の根拠は、記憶ではなく公開されている資料に置いてください。経験があるほど「これは違う」と直感で分かりますが、根拠を示せないと編集側は動けません。

制度の条文はe-Govの法令検索で確認できますし、各国の規制や貿易制度についてはJETROが公開情報をまとめています。指摘のたびに参照先を添える習慣をつけておくと、やり取りが一往復減ります。

自分がよく使う参照先を数か所に絞っておくと、確認の速度が上がります。毎回ゼロから探していると、監修1本にかかる時間が倍になります。

得意分野を絞る

貿易全般の監修を引き受けるより、分野を絞ったほうが依頼は増えます。食品の輸入、機械の輸出、越境販売の物流。

絞ると仕事が減ると思われがちですが、逆です。探す側は具体的な条件で探しています。

運営者から見た、監修で選ばれ続けている人の共通点

在宅とフリーランスの市場を20年見てきた立場から、この領域について気づいたことをお伝えします。

監修で長く指名されている方には、共通点があります。指摘の量が多い人ではなく、指摘の理由が読める人です。

「ここは違います」だけを大量に返す監修者より、「この記述は制度としてはこう扱われていて、だからこの表現だと誤解される」と説明する監修者のほうが、編集側は次も頼みたくなります。理由が書いてあると、ライター側が学習して、次の原稿の質が上がるからです。依頼側にとっては、記事1本の修正より、その効果のほうが価値があります。

運営者として見てきた限りでは、専門性を持つ人の仕事が続くかどうかは、知識の深さより、その知識を相手が使える形にして渡せるかどうかで決まっています。監修はまさにその力が問われる仕事です。

もうひとつ。中間の手数料が乗らない直接の取引では、依頼側は同じ予算でより多くを頼めますし、受け手の手取りは厚くなります。手数料0%で直接つながる形が意味を持つのは、監修のように継続する関係でこそです。同じ相手と何本も続けるほど、この差は積み上がります。

貿易の分野は、確認できる人が足りていません。名前を出すことの意味を理解したうえで、線を確かめてから始めてください。法律はあなたを縛るためではなく、活動を守るためにあります。

よくある質問

Q. 記事監修の報酬相場はどのくらいですか?

記事1本あたり1万円から5万円程度の幅で提示されることが多い形です。教材や書籍のように分量が大きいものは別の計算になります。監修料は作業時間ではなく、名前を出して内容を保証することへの対価なので、直す箇所が少なくても報酬は変わりません。

Q. 監修者の肩書きに「通関士」と書いてよいですか?

通関業法は、通関士という名称を用いて通関業務に従事させるには通関業者側の届出と確認が必要と定め、その通関業務に従事しないこととなったときは通関士でなくなるとしています。現在の立場によって適切な表記は変わるため、自己判断せず所轄の税関や専門家に確認してください。

Q. 監修では原稿の何を確認すればよいですか?

事実の誤り、古くなった情報、断定しすぎている記述、前提条件が抜けている記述、読み手を誤誘導しかねない表現の5点です。文章のうまさや構成の順序、検索対策上の言葉選びは編集者とライターの領域なので、監修の範囲外として扱って構いません。

Q. 監修した記事が後から書き換えられたらどうなりますか?

確認していない内容に自分の名前が載ったままになります。これを防ぐため、内容を変更する場合は再監修を行うという条項を契約に入れてください。あわせて、修正のやり取りが何回まで含まれるかも最初に決めておくと、作業が無制限に広がるのを防げます。

この記事について

@SOHO
編集部

監修:@SOHO編集部

2004年よりフリーランス・在宅ワーク向けサービスを20年運営。編集部が事実確認のうえ公開しています。

公開:2026年1月15日最終更新:2026年8月27日
長谷川 奈津

この記事を書いた人

長谷川 奈津@SOHO編集部

行政書士・元企業法務

企業法務で数多くのフリーランス契約を扱った経験を活かし、フリーランス向けの法律・契約・権利に関する記事を執筆。「法律はあなたの味方です」がモットー。

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