公認会計士の在宅でできる仕事

朝比奈 蒼
朝比奈 蒼
公認会計士の在宅でできる仕事

この記事のポイント

  • 公認会計士が在宅で引き受けられる仕事を4つに分類し
  • 資格が要件になる案件とならない案件の見分け方を整理しました
  • 単価の考え方まで扱います

公認会計士の資格を持っていて、在宅でできる仕事を探すとき、最初に困るのが案件の見分け方です。募集要項に「公認会計士歓迎」と書いてあっても、実際は資格が要件ではなく経験だけを見ている案件があります。逆に、資格がなければ受けられない仕事に、資格を持たない人が応募している状態も起きています。

この見分けがつかないまま探すと、応募先の選定に時間ばかりかかります。資格が要件になる仕事は限られていて、そこには当然ながら競合が少ない。一方で、資格が要件ではない仕事のほうが案件数は圧倒的に多く、報酬も悪くない。どちらを狙うかで、探す場所も提案の書き方も変わります。

この記事では、公認会計士の資格を持っている人が在宅で引き受けられる仕事を4つに分類し、それぞれの見分け方と受け方を整理します。試験や資格の取り方の話はしません。すでに手元にある資格を、在宅の仕事に換える段階の話です。

会計士が個人で仕事を受ける流れは広がっている

まず、市場の状況を確認しておきます。

働き方改革の一環で、厚生労働省作成の「モデル就業規則」から副業禁止規定が削除され、企業が副業を認める動きが進んでいます。 公認会計士も例外ではなく、監査法人や会計事務所、コンサルティングファーム、あるいは事業会社で勤務する公認会計士の多くが副業を始めています。 出典: jmsc.co.jp

会計の実務は、もともと在宅と相性がよい仕事です。数字と資料を扱い、成果物は文書として出す。物理的に出社しなければできない工程は、実地棚卸の立会いのように限られた場面だけです。クラウド会計の普及によって、資料の受け渡しも電子で完結するようになりました。

一方で、監査法人の繁忙期は在宅の案件を入れる余地がほとんどありません。この構造があるため、公認会計士が個人で受ける仕事は、閑散期に集中する形になりがちです。年間を通した計画を立てるうえで、この季節性は最初に織り込んでおく必要があります。

在宅でできる仕事を4つに分ける

案件を性質で分けると、次の4つになります。この分類が頭に入っていると、募集要項を見た瞬間にどれに当たるかが分かります。

1つ目 資格そのものが要件になる仕事

法令上、公認会計士または監査法人でなければ行えない業務があります。公認会計士法は監査証明業務を公認会計士の業務として定めており、資格のない者が行うことはできません。会社法上の会計監査人としての監査や、金融商品取引法に基づく監査がここに入ります。

ただし、これらの業務を個人で在宅で受けられるかは別の話です。会計監査人としての就任には手続きが伴い、監査の実施には体制の整備が求められます。個人が在宅で単独で引き受けられる形にはなりにくい領域だと考えたほうが現実的です。関連する業務として、非常勤で監査業務に関わる形はありますが、これは在宅というより勤務形態の話になります。

なお、どの業務が資格を要するかは公認会計士法の規定によって決まり、解釈が問題になる場面もあります。個別の案件が独占業務に当たるかどうかは、日本公認会計士協会や所属先に確認してください。この記事では、資格だけでどこまでできるかを断定しません。

2つ目 実務経験が評価される仕事

案件数として最も多いのがこの領域です。資格は要件ではないものの、監査法人での経験があることが強く評価されます。

内部統制の構築支援、決算業務の支援、開示書類の作成補助、月次決算の早期化に向けた業務改善、会計方針の検討支援。上場を目指す企業からの相談が多く、監査を受ける側の準備を手伝う仕事だと考えると分かりやすい。

この領域の特徴は、資格を持たない経理経験者も競合になることです。ただし、監査でどこを見られるかを知っている人は限られるため、そこが差別化の材料になります。募集要項に「公認会計士または同等の経験」と書かれていたら、この領域だと判断できます。

3つ目 会計の知識があれば成立する仕事

記帳代行、財務資料の作成、経営数値の分析、会計に関する記事や教材の作成。専門性は必要ですが、資格までは求められない仕事です。

在宅との相性が最もよいのがこの領域で、時間の制約も緩い。単価は上の2つより下がりますが、繁忙期に合わせて量を調整しやすいという利点があります。会計を扱う記事や解説の需要も一定量あり、文章を書ける人には安定した仕事になります。文章を商品にする仕事の水準は著述家,記者,編集者の年収・単価相場で確認できます。

4つ目 会計と直接関係しない仕事

資格や会計の知識と関係なく、個人のスキルで受ける仕事もこの分類に入れておきます。会計士のキャリアを歩んできた人が、まったく別の領域で仕事を受けることは珍しくありません。

なぜこれを分類に入れるかというと、収入の柱を1本に絞らないほうが安定するからです。会計の仕事は季節性が強く、閑散期と繁忙期の差が大きい。年間を通して稼働を平準化したい場合、季節性の違う仕事を組み合わせる考え方が有効になります。

4つの分類を並べて比べる

分類ごとの性質を一覧にします。

分類 資格の位置づけ 在宅との相性 案件数 単価の傾向
監査証明に関わる業務 法令上の要件 低い 少ない 高い
上場準備や内部統制の支援 経験が評価される 高い 中程度 高い
記帳や資料作成、執筆 知識があれば足りる 高い 多い 中程度
会計と無関係な仕事 関係しない 案件による 多い 案件による

この表で見ると、資格が直接効いてくるのは1行目だけで、そこは在宅で単独で受けにくい領域だと分かります。実際に在宅の仕事として成立しやすいのは2行目と3行目です。資格は入口の条件ではなく、2行目で選ばれるための材料として働きます。

募集要項から資格要件を見分ける

分類が分かったら、次は実際の募集要項を読む段階です。見るべき箇所は3つあります。

ひとつ目は、必須条件と歓迎条件の書き分けです。「公認会計士資格必須」と書かれていれば1つ目の領域か、依頼者が資格保有者を指名している案件です。「公認会計士歓迎」であれば2つ目の領域で、資格がなくても経験があれば通ります。

ふたつ目は、成果物の指定です。監査意見や監査報告書という言葉が出てくれば独占業務に関わる可能性があります。一方、報告書、分析資料、業務フロー図といった成果物であれば、非監査の支援業務です。

みっつ目は、依頼者の属性です。上場企業や上場準備企業からの依頼か、中小企業からの依頼か。上場企業からの支援業務の場合、その企業の監査人との関係で独立性の問題が生じる可能性があります。ここは後述します。

この3か所を見れば、案件がどの分類に入るかはほぼ判断できます。判断がつかない場合は、応募前に依頼者に確認します。確認すること自体が、分かっている人だという印象につながります。

独立性という固有の制約

公認会計士が個人で仕事を受けるとき、他の職種にはない制約があります。独立性の問題です。

公認会計士法は、監査を行う対象との関係について規律を設けています。監査を担当している企業やその関連会社から非監査業務を受けることには制限がかかる場合があり、勤務先の監査法人が監査している企業から個人で仕事を受けることも問題になり得ます。

この判断は、自分ひとりで結論を出せる領域ではありません。所属している監査法人には独立性に関する管理体制があり、事前の確認手続きが定められているのが通常です。案件を受ける前に所属先へ照会するのが正しい順序になります。何が問題になるかを判断する前に、まず確認する。この順序を守らないと、後から取り返しがつきません。

事業会社に勤めている場合も、自社の監査人との関係や、自社の取引先との関係が問題になることがあります。立場によって見るべき点が変わるため、一般論をそのまま自分に当てはめないほうが安全です。

税務を受けたい場合の注意

会計と税務は隣接していますが、法律上は別です。税理士法は税務代理や税務書類の作成を税理士の業務として定めており、資格のない者が業として行うことを制限しています。

公認会計士が税務を扱う場合、税理士としての登録が必要になるのが原則です。登録の要件や手続きについては、日本税理士会連合会や所属先に確認してください。会計の知識があるから税務も受けられる、という理解で進めると、法令に触れる可能性があります。

在宅の案件を探していると、記帳代行と税務申告の代行が同じ募集の中に混ざっていることがあります。記帳そのものは税理士の独占業務ではありませんが、申告書の作成まで含まれると話が変わります。募集要項の作業範囲を細かく読み、どこまでが自分の受けられる範囲かを確認する必要があります。判断に迷う場合は、国税庁の案内も参考になります。制度の一次情報はhttps://www.nta.go.jp/で確認できます。

案件を探す場所と選び方

探し方についても、方向性が示されています。

次におすすめなのが、公認会計士向けの専門プラットフォームやマッチングサービスの活用です。 こうしたサービスでは、公認会計士の資格や実務経験を活かせる案件が多数掲載されており、一般的な求人サイトよりも適した副業案件に出会える可能性が高くなります。 出典: jmsc.co.jp

専門特化のサービスは案件の質が揃いやすい一方、案件数そのものは限られます。3つ目の分類に当たる仕事、つまり会計知識で成立する仕事を探すなら、一般の業務委託サービスのほうが数は多くなります。狙う分類によって探す場所を変えるという発想が必要です。

契約条件では、仲介手数料の有無が手取りに直結します。同じ報酬額でも、手数料が引かれるかどうかで手元に残る額が変わります。専門性の高い仕事ほど単価が高くなるため、割合で引かれる手数料の影響も大きくなります。

収入以外の理由で受けている人もいる

動機についても触れておきます。

実際、公認会計士が副業をすることで得られる最も一般的なメリットは、追加の収入を得られることです。 特に、一般企業に勤務する公認会計士や監査法人のスタッフクラスでは、本業の給与だけでは十分な収入を得られない場合もあります。 出典: jmsc.co.jp

ただし、実際に続けている人の話を聞くと、収入だけが理由ではないことが分かります。監査法人では担当する業界が固定されがちで、外部の案件は分野も規模もばらばらです。上場準備企業の内部統制を手伝ったことで、監査で見ていた側とは違う視点が身についた、という話はよく聞きます。

将来の独立を見据えて顧客との接点を作るという動機もあります。独立してから顧客を探すより、勤務しているうちに関係を作っておくほうが移行は滑らかになります。この場合、最初の案件は単価より継続性で選ぶことになります。

在宅で成立させるための実務条件

在宅で会計の仕事を受けるとき、技術的な前提が2つあります。

ひとつは、資料の受け渡し方法です。財務データは機密性が高く、メール添付での送受信を禁じている企業も増えています。依頼者側が指定するファイル共有の仕組みに合わせられるか、自分で安全な受け渡し方法を提案できるか。ここでつまずくと、案件が始まりません。

もうひとつは、会計ソフトへのアクセスです。クラウド会計であれば権限を付与してもらえば在宅で作業できますが、オンプレミス型のシステムを使っている企業では、リモートアクセスの可否が問題になります。応募の段階で確認しておくと、後で条件が合わないことが分かる事態を避けられます。

作業環境そのものについても、自宅の端末を業務に使う場合の管理方法を説明できるようにしておきます。ウイルス対策、画面の覗き見防止、家族との共用端末を使わないこと。細かい話に見えますが、機密性の高いデータを扱う以上、依頼者側が気にする点です。

繁忙期と閑散期をどう組み合わせるか

会計の仕事には季節性があります。監査法人に勤めていれば、3月期決算の企業を多く担当する関係で、春と初夏に負荷が集中します。事業会社の経理でも、決算期と申告期に山が来ます。

この時期に外部の案件を抱えていると、どちらも中途半端になります。品質が落ちるのは、責任の重さから言って個人で受けた案件のほうです。そして、信用を失うのは自分の名前のほうになります。

対策は、案件の種類を時期で分けることです。繁忙期には、納期の縛りが緩い仕事を置きます。記事や教材の作成、分析資料の作成など、締切を自分で調整できるものが向いています。閑散期には、依頼者とのやり取りが発生する支援業務を入れます。

月額固定の契約を繁忙期にまたがって結ぶ場合は、稼働量の上限を契約に書いておきます。上限がないまま繁忙期に入ると、想定の2倍の作業を求められても断りにくくなります。

提案文に何を書くか

案件が見つかったら、次は提案です。会計の支援業務では、書くべき項目がほぼ決まっています。

最初に、依頼内容を自分の言葉で要約します。「本件は、上場準備に向けて内部統制の文書化を進めるにあたり、業務プロセスの整理と記述書の作成を支援するものと理解しました」といった形です。この1文があるかどうかで、テンプレートを貼っただけの提案と区別されます。

次に、対応できる範囲と対象外を両方書きます。会計の仕事では、どこまでが支援でどこからが実施なのかが曖昧になりがちです。文書化の支援はするが、統制の運用そのものは依頼者側で行う、といった線引きを最初に示しておくと、後の認識のずれを防げます。

そして、稼働できる時期と時間を明示します。繁忙期に入れない期間があるなら、先に伝えておきます。隠して受けて後から調整を求めるより、条件を示したうえで判断してもらうほうが信頼されます。

最後に、価格の根拠を添えます。金額だけを書くと高いか安いかの判断しかされません。想定工数と単価の掛け算で示すと、比較の土俵が変わります。

単価をどう考えるか

会計士の在宅案件は、報酬の決まり方が3通りあります。時間単価、成果物単価、月額固定です。

時間単価は、支援業務でよく使われます。作業量が読みにくい案件では双方にとって公平ですが、稼働報告の手間が発生します。成果物単価は、報告書や資料の作成で使われます。工数を読み違えると実質時給が下がるため、範囲の確定が重要になります。月額固定は、継続的な支援で使われます。収入が安定する代わりに、作業量が想定を超えると割に合わなくなります。

自分の基準を作るには、勤務での時給を出発点にします。そこに、営業、契約、請求、税務といった、勤務なら会社が担っている工程の分を上乗せする。この計算をせずに単価を決めると、勤務より安く働くことになります。職種別の水準は公認会計士,税理士の年収・単価相場で確認できます。

安く受けて実績を作るという発想は、専門職では機能しにくい。単価を理由に選ばれた依頼者は、次はより安いところに移ります。関係が続かない相手に時間を使うより、適正価格で1件を取るほうが結果的に早く軌道に乗ります。

現場を見てきて感じること

20年この市場を運営してきた立場から言えば、専門職で長く続いている人ほど、単発の作業を取ることより、依頼者との関係を作ることに時間を使っています。一度依頼した相手が期待どおりの品質で返してくれると分かれば、依頼者は次から相見積もりを取らなくなります。

中間マージンが乗らない手数料0%の直接取引では、依頼者は同じ予算でより多く頼めるようになり、受け手の手取りは厚くなります。この構造が効いてくるのは、単価が高く繰り返し発注が生まれる仕事です。会計の支援業務は、まさにその条件に当てはまります。

もうひとつ、運営者として見てきた限りで言えるのは、資格そのものより「何をどこまでやれるか」が明示されている人に依頼が集まるということです。公認会計士という肩書きだけでは、依頼者は何を頼めるのか判断できません。扱える業種、対応できる会計基準、稼働できる時期。この3つが書かれているだけで、問い合わせの質が変わります。

勤務先の規程は制度とは別に確認する

独立性の話とは別に、勤務先の就業規則という制約があります。法令上問題がなくても、勤務先との契約で禁止または許可制になっていれば、そちらが優先します。

確認するのは3か所です。副業が禁止か許可制か届出制か。競業避止の条項がどこまでを対象にしているか。秘密保持の範囲がどう定められているか。監査法人に勤めている場合、個人で受ける支援業務が法人の提供しているサービスと競合する可能性があるため、この確認は独立性の確認と併せて行うことになります。

許可制の職場で申請を出すときは、書き方で通りやすさが変わります。受ける業務を「会計関連の業務」ではなく「上場準備企業向けの内部統制文書の作成支援」といった粒度まで落とす。勤務先の顧客と重ならないことを業種や規模で示す。稼働時間の上限を自分から提示する。この3つが揃っていると、判断する側が承認しやすくなります。

収入の経路と申告の話

個人で受けた報酬は、勤務先の給与とは別に申告が必要です。年間の所得が20万円を超えれば確定申告の対象になり、それ以下でも住民税の申告義務は残ります。会計の専門家であれば手続き自体は問題にならないはずですが、自分の申告となると後回しにする人が意外に多い。

住民税の徴収方法にも触れておきます。業務委託で受けた報酬は給与以外の所得になるため、確定申告書で自分で納付を選べます。ただし自治体の運用によっては特別徴収に振り分けられることがあるため、申告した年の初夏に納付書が届いたかを確認してください。

事業として継続するなら、開業届を出しておくと後の選択肢が広がります。青色申告の適用、屋号での口座開設、小規模企業共済への加入。いずれも開業届が前提になります。書類1枚で済む手続きなので、継続の意思が固まった段階で出しておくほうが合理的です。

会計の外に広げるという選択

キャリアの選択肢そのものを扱う仕事もあります。専門職としての経験を、これから同じ道を進む人に伝える役割です。キャリア・副業・人生相談のお仕事のガイドでは、相談を受ける側の仕事について整理しています。キャリアの移行そのものに関心がある場合はプログラマー 転職完全攻略!未経験から年収を上げるステップと在宅・副業の実現法も、職種は違いますが移行の考え方として参考になります。

近年増えているのが、AIの業務活用に関する相談です。経理業務の自動化、監査手続へのデータ分析の導入、生成AIを使った資料作成の社内ルール整備。会計の実務を知っている人が求められる領域です。この広がりはAI・マーケティング・セキュリティのお仕事のガイドで扱う案件の傾向からも読み取れます。

専門知識を持つ人が別分野で仕事を受ける例としては、校正技能検定を活かす在宅副業|校正・校閲の案件相場と始め方医療事務の在宅副業ガイド|レセプト業務・医療コーディングの始め方で扱っている領域も参考になります。どちらも、正確さを求められる書類仕事という点で会計と共通する部分があります。制度に関わる書類の周辺分野としては行政書士の資格ガイドが業務範囲の整理に役立ちます。資料作成のツールに触れておきたい場合はAdobe認定プロフェッショナル Adobe Expressのような資格もありますが、会計士の場合は専門分野の実績が優先されます。季節性の違う仕事を組み合わせたい場合、作曲・編曲・効果音・ジングルのお仕事のように会計と無関係な領域で受ける人もいます。

案件が途切れたときの対処にも触れておきます。専門職の依頼は、相手の事情で発生します。上場準備が始まった、決算体制の見直しが決まった、監査法人から指摘を受けた。こうした事情がなければ依頼は生まれません。反応がないことを自分の評価だと受け取ると、条件の悪い案件を受けてしまいます。待つ期間があることを前提に、収入の柱を複数持っておくほうが判断は安定します。

最後に、始める順序について整理しておきます。まず独立性と就業規則を確認し、次に狙う分類を1つ決め、その分類に合う場所で案件を探し、範囲と価格を明示した提案を出す。この順序を飛ばして案件探しから始めると、良い案件を見つけてから確認で止まるという事態になります。専門職の場合、確認に時間がかかるため、その間に案件は他の人に決まります。

もうひとつ、最初の1件が決まらないときに見直すべきは応募数ではありません。プロフィールと提案文の中身です。扱える業種、対応できる会計基準、稼働できる時期。この3つが書かれていないプロフィールは、依頼者から見て判断材料になりません。返事が来ない原因は、ほぼここにあります。

在宅でできる仕事があるかどうかではなく、どの分類の仕事を狙うかを決めることが先です。分類が決まれば、探す場所も、提案文に書く内容も、価格の付け方も自動的に決まります。

よくある質問

Q. 公認会計士の資格がなければ受けられない在宅案件はありますか?

監査証明業務は公認会計士法で公認会計士または監査法人の業務と定められていますが、個人が在宅で単独で引き受けられる形にはなりにくい領域です。在宅案件の多くは資格が必須ではなく、監査法人での実務経験が評価される支援業務です。個別の案件が独占業務に当たるかは所属先や協会に確認してください。

Q. 監査法人に勤めながら個人で案件を受けても問題ありませんか?

就業規則の確認に加えて、独立性の問題を先に確認する必要があります。勤務先が監査している企業やその関連会社から仕事を受けることには制限がかかる場合があります。監査法人には独立性に関する管理体制と事前確認の手続きがあるのが通常なので、受注前に所属先へ照会してください。

Q. 会計士が在宅で税務の仕事を受けられますか?

税理士法は税務代理や税務書類の作成を税理士の業務としており、税理士としての登録が必要になるのが原則です。記帳代行そのものは独占業務ではありませんが、申告書の作成まで含まれると扱いが変わります。募集要項の作業範囲を細かく読み、判断に迷う場合は確認してください。

Q. 在宅で会計の仕事を受けるとき、技術面で何が必要ですか?

財務データは機密性が高いため、依頼者が指定するファイル共有の仕組みに合わせられることが前提になります。会計ソフトへのアクセス方法も確認が要ります。クラウド会計なら権限付与で在宅作業が可能ですが、オンプレミス型だとリモートアクセスの可否が問題になります。

この記事について

@SOHO
編集部

監修:@SOHO編集部

2004年よりフリーランス・在宅ワーク向けサービスを20年運営。編集部が事実確認のうえ公開しています。

公開:2026年2月2日最終更新:2026年8月27日
朝比奈 蒼

この記事を書いた人

朝比奈 蒼@SOHO編集部

ITメディア編集者

IT系メディアで編集・ライティングを担当。クラウドソーシング業界の動向やサービス比較など、客観的な視点での記事を執筆しています。

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