公認会計士の最初の1件の取り方


この記事のポイント
- ✓公認会計士 副業 案件 取り方を
- ✓実績がないときの実績の作り方
- ✓条件の詰め方まで順に整理します
公認会計士の資格を持っているのに、副業の最初の1件が取れない。この状態で止まっている人は、思っているよりずっと多くいます。
まず、安心してください。原因は能力ではありません。ほとんどの場合、探す場所と、応募のときに渡している材料がずれているだけです。ここを直せば、動き始めます。
この記事では、最初の1件にたどり着くまでにやることを、順番に並べます。案件がある場所の分け方、応募の前に用意しておく3つの材料、提案文に何を書くか、実績がないときにどうするか、条件をどう詰めるか。全部、今日から手をつけられることです。
資格の取り方や試験の話は出てきません。既に持っている資格を、実際の仕事に換えるところだけを扱います。
最初の1件が取れない理由は3つに絞られる
相談を受けていて、繰り返し出てくる詰まり方が3つあります。
1つ目は、探す場所が1か所しかないこと。1つのサイトだけを見て、募集がないと感じている状態です。会計士向けの案件は、場所によって出方がまったく違います。
2つ目は、渡す材料が経歴だけになっていること。職務経歴を書いて応募している人は多いのですが、発注する側が知りたいのは経歴ではありません。この人に頼んだら何が出てくるのかです。
3つ目は、受ける範囲を決めていないこと。「会計まわりなら何でも」と書いてある応募は、選ぶ側から見ると判断ができません。何ができるか分からない人には、頼めないのです。
この3つは、どれも準備の問題です。能力の問題ではないので、順に直していけます。
探す前に、受ける仕事を1つに決める
いちばん最初にやるのが、これです。ここを飛ばすと、あとの全部が曖昧になります。
決め方は簡単で、本業でいちばん時間を使っている作業を1つ選びます。監査に関わっているなら手続きや調書に関する領域。事業会社の経理なら決算や開示。コンサルティングなら分析や計画づくり。
そのうえで、その領域で「外の会社が困っていそうなこと」を1つ書き出してください。決算の締めが遅い、開示資料の確認に人手が足りない、経理の手順が属人化している。こういう困りごとに対して、自分が何を渡せるかを1行にします。
この1行が、探すときの検索語になり、提案文の1行目になります。逆に、この1行がないまま募集を眺めても、どれに応募すべきか分かりません。
会計・税務分野と執筆分野の報酬水準の全体像は公認会計士,税理士の年収・単価相場と著述家,記者,編集者の年収・単価相場にまとまっています。どの領域から入るかを決めるとき、報酬の水準も判断材料の1つになります。
案件がある場所は4つに分けて考える
探す場所を4つに分けると、抜けがなくなります。
業務委託のマッチングサイト
在宅ワークや業務委託の案件を掲載しているサイトです。会計や経理の案件も一定数あり、記帳、資料作成、分析、執筆といった仕事が出ています。
このタイプの場所は、応募のハードルが低い代わりに、応募者も多くなります。募集内容をよく読んで、要件にきちんと答える応募をすれば、通過率は上がります。
相談や助言の形の案件がどう組まれているかはキャリア・副業・人生相談のお仕事に、企業向けの分析やマーケティング領域の案件についてはAI・マーケティング・セキュリティのお仕事に整理されています。自分の領域に近い案件がどういう形で募集されているかを、先に見ておいてください。
会計士向けの専門的なサービス
資格を前提とした案件を扱っているサービスもあります。
次におすすめなのが、公認会計士向けの専門プラットフォームやマッチングサービスの活用です。 こうしたサービスでは、公認会計士の資格や実務経験を活かせる案件が多数掲載されており、一般的な求人サイトよりも適した副業案件に出会える可能性が高くなります。 出典: jmsc.co.jp
つまり、一般向けのサイトと専門的なサービスの両方を見ておくと、案件の幅が広がります。専門的なサービスは案件の単価が高い傾向がある一方で、稼働時間の条件が厳しい案件も混じっています。募集を見るときは、単価だけでなく必要な稼働時間を必ず確認してください。
発注元への直接の打診
会計事務所、コンサルティング会社、出版社、教育事業者、経理代行の会社。こうした先に、直接連絡する方法です。
募集が出ていなくても、人手が足りていない会社はあります。問い合わせフォームから、自分ができることと稼働の条件を短く書いて送る。これで話が始まることは、実際にあります。
競合が少ないので、通れば条件も良くなりやすい経路です。ただし、返信が来ないことのほうが多いので、数を送る前提で考えてください。
既にある関係からの紹介
前職の同僚、同期、研修で一緒だった人、取引先。最初の1件がここから来る人は、かなりの割合を占めます。
やることは、副業を始めたことを伝えておくだけです。営業ではありません。「こういう仕事を受けられるようにした」と伝えておけば、その人が困ったときに思い出してもらえます。
この経路は、伝えていない限り絶対に発生しません。伝えるのに時間はかかりませんから、先にやっておいてください。
応募の前に用意する3点
材料は3つです。これが揃っていれば、どの経路でも使えます。
1つ目、経歴の要約
長い職務経歴書は要りません。10行程度で十分です。
書くのは、担当してきた業務の内容、扱ってきた業種や規模、使えるツール、そして資格の状況。ここで大事なのは、肩書きではなく「やってきた作業」を書くことです。
「監査業務に従事」ではなく、「製造業の連結決算に関する手続きを担当し、子会社数10社規模の連結を扱っていた」と書く。作業のレベルまで書かれていると、発注する側が仕事を任せる場面を想像できます。
2つ目、成果物のサンプル
これがいちばん効きます。そして、いちばん用意されていない材料でもあります。
執筆の仕事を受けたいなら、自分の得意な論点で3,000字ほどの記事を1本書く。分析の仕事を受けたいなら、公開されている決算資料を使って分析の資料を1本作る。経理支援なら、業務の手順書のひな型を1本作る。
守秘義務があるので、実務で作った資料はそのまま出せません。だからこそ、公開情報だけで作ったサンプルが必要になります。
資料の見た目にも少し気を配ってください。中身が良くても、読みにくい資料は最後まで見てもらえません。資料の作り方の基本はAdobe認定プロフェッショナル Adobe Expressの範囲が参考になります。
3つ目、稼働の条件
いつ、どれだけ動けるのかを、先に決めて書けるようにしておきます。
書くのは3点です。週に何時間出せるか。対応できる時間帯。連絡がつきにくくなる時期があるか。
会計士の場合、本業の繁忙期があります。これを隠さずに書いてください。隠して受けて、繁忙期に対応できなくなるほうが、はるかに大きな信用の損失になります。
動き出す前に、勤務先の規程だけは確認しておく
応募を始める前に、1つだけ済ませておくことがあります。勤務先の規程の確認です。
制度としては、副業を認める方向に環境は変わってきています。
働き方改革の一環で、厚生労働省作成の「モデル就業規則」から副業禁止規定が削除され、企業が副業を認める動きが進んでいます。 公認会計士も例外ではなく、監査法人や会計事務所、コンサルティングファーム、あるいは事業会社で勤務する公認会計士の多くが副業を始めています。 出典: jmsc.co.jp
つまり、副業をすること自体が例外的な行為ではなくなっています。ただし、勤務先の就業規則が自動的に変わるわけではありません。
見る箇所は3つです。副業に関する条項が禁止か許可制か届出制か。競業に関する制限があるか。勤務時間外の活動についての定めがあるか。
もう1つ、公認会計士に固有の確認事項があります。監査業務に関与している場合、独立性に関する規則と所属先の規程の両方が関わります。公認会計士法に監査等の制限に関する定めがあり、日本公認会計士協会の倫理に関する規則も定められています。副業の取引先が関与先の関係会社に当たる可能性もあるため、所属先の確認手続きに沿って照会してください。
この確認は、案件が決まってからでは間に合いません。応募を始める前に済ませておくと、あとで慌てずに済みます。
募集要項を読むときの4つの確認項目
募集を見るとき、全部を読む必要はありません。先に見るのは4つだけです。
1つ目が、資格が要件なのか歓迎なのかです。要件になっている案件は競合が絞られますが、登録の状況を確認されることがあります。歓迎の場合は、資格以外の要素でも評価されます。
2つ目が、報酬の決まり方です。時間あたりなのか、件数あたりなのか、月額の固定なのか。時間あたりの案件は、稼働時間の上限も確認します。上限があると、思っていたより金額が伸びないことがあります。
3つ目が、稼働時間帯の指定です。平日の日中に打ち合わせが入る案件は、本業を持っている人には難しくなります。オンラインで完結するか、時間帯の融通が利くかを見ます。
4つ目が、契約の期間です。単発なのか、継続なのか。継続の場合、途中で降りられるかどうかも確認しておきます。半年の契約を結んで、本業の繁忙期に対応できなくなるのが最も避けたい状態です。
この4つが自分の条件と合わない案件は、内容が魅力的でも応募しないでください。無理な条件で受けると、1件目で消耗します。
1件目の値付けをどうするか
最初の1件で、いくらで受けるかは悩みどころです。考え方を示しておきます。
まず、その仕事に何時間かかるかを見積もります。作業そのものだけでなく、打ち合わせ、資料の読み込み、確認のやり取り、修正の対応まで全部です。慣れていない分、見積もりの1.5倍かかると考えておくと、実態に近くなります。
次に、その時間に対して自分が最低限置きたい時間単価を決めます。この2つを掛けた金額が下限です。
提示された金額がこれを下回るときは、金額を上げてもらうか、作業の範囲を減らすかのどちらかです。ここで無条件に受けてしまうと、その金額が自分の基準として固定されます。1件目だからと安く受けた金額は、2件目でも引きずられます。
一方で、1件目は経験を得るために多少条件を譲るという判断もあります。その場合も、なぜ譲るのかを自分の中で明確にしておいてください。「相場が分からないから言われた金額で受ける」という状態だけは避けます。
そして、実際にかかった時間を必ず記録します。1件目の記録があれば、2件目からは根拠のある金額を提示できます。この記録が、値付けの唯一の材料になります。
応募のペースと時間の管理
最後に、進め方について。
応募は、まとめてやるより、週に決まった時間を確保するほうが続きます。週に2時間、応募のための時間を決めて、その中で募集を見て提案文を書く。この形にすると、忙しい週でも止まりません。
提案文は毎回ゼロから書かないでください。基本の型を1つ作っておき、募集ごとに1段落目と作業の範囲だけを書き換える。この方法なら、1件あたり20分程度で出せます。
応募した案件は、一覧にして記録します。応募日、募集内容、送った提案文、返信の有無、結果。10件たまると、どの種類の案件で返信が来やすいかが見えてきます。
返信が来ない期間が続くと、自分に価値がないように感じてしまう人がいます。そう感じたときは、応募の内容ではなく件数を見てください。3件しか送っていない状態で判断するのは早すぎます。
もう1つ、進めながら並行してやっておくとよいことがあります。サンプルを増やすことです。応募が通らない期間に、扱える論点を1つずつサンプルにしていく。3本たまれば、応募のときに募集内容に近いものを選んで出せるようになります。
焦らなくて大丈夫です。最初の1件までに数か月かかる人は珍しくありません。大事なのは、止まらないことだけです。
提案文に書く内容
材料が揃ったら、提案文を作ります。ここが最初の1件を左右します。
冒頭で、募集の要件に答える
いちばん多い失敗が、自己紹介から始めることです。読む側は多数の応募を見ているので、最初の数行で判断します。
1行目に書くのは、募集されている業務に対して自分が何を提供できるかです。「連結決算の月次の締めの支援を募集されているとのことで、製造業の連結の経験があり、この部分を担当できます」というように、募集の言葉をそのまま受けて答えます。
できることを、作業の単位で書く
「会計全般に対応できます」は、何も伝わりません。作業の単位に落とします。
たとえば、「子会社から集める報告パッケージの様式を作り、収集の進捗を管理し、連結の消去仕訳を作成するところまで対応できます」。ここまで書くと、任せられる範囲が明確になります。
範囲を狭く書くと仕事が減ると心配になりますが、実際は逆です。狭く具体的に書いた人のほうが選ばれます。
期間と稼働を、数字で書く
いつから、週に何時間、どのくらいの期間対応できるか。数字で書きます。
「週10時間、平日は21時以降と土日で対応します。5月と11月は本業の繁忙期のため稼働が半分になります」。ここまで書いてあると、発注する側は組みやすくなります。
書かないほうがよいこと
いくつかあります。
報酬への不満や希望額を最初に長く書くこと。前職や現職の内部の話に触れること。できないことの言い訳を先に書くこと。そして、資格の説明を長々と書くこと。
資格を持っていることは1行で足ります。発注する側は資格の中身を知りたいのではなく、その資格でどんな作業ができるかを知りたいのです。
提案文の組み立て方の例
型として示しておきます。実際の応募では、募集内容に合わせて言葉を入れ替えてください。
冒頭は、募集の要件への回答から。「〇〇の業務でお困りとのことで、△△の部分を担当できます」。
2段落目で、具体的な作業の範囲。「これまで□□業の企業で、××の作業を担当してきました。今回の募集ですと、以下の範囲が対応可能です」と書いて、作業を3つほど箇条書きにします。
3段落目で、稼働の条件。曜日、時間帯、週の稼働時間、繁忙期。
4段落目で、成果物のサンプルの案内。「参考として、〇〇について作成した資料をお送りできます」と書いて、添付するか、置いてある場所を示します。
最後に、確認したい点を2つほど。「進め方について、△△の点を確認させてください」。質問があると、返信が来やすくなります。
全体で600字から800字程度。長すぎると読まれません。
実績がないときの、実績の作り方
「実績がないから応募できない」という状態は、自分で抜け出せます。
前に書いたサンプルが、そのまま実績の代わりになります。加えて、次の3つも実績として使えます。
1つ目が、本業での担当業務です。守秘義務に触れない範囲で、業種、規模、担当した工程を書けば、経験として伝わります。固有名詞を出す必要はありません。
2つ目が、無報酬で受けた仕事です。知人の会社の資料を見た、勉強会で講師をした、業界誌に短いコラムを書いた。報酬の有無は関係なく、やったことは実績です。
3つ目が、自分で発信した内容です。会計の論点をまとめた記事を継続して出していれば、それ自体が力量の証明になります。
未経験の状態から案件を取っていく進め方はフリーランス 英語 案件 未経験 始め方!2026年最新の海外副業術にも整理されています。分野は違いますが、実績がない段階で何を材料にするかという考え方は共通しています。副業全体の進め方は副業 始め方ガイド!星野ゆいが教える失敗しない4ステップとおすすめが参考になります。
面談で聞かれることと、こちらから聞くこと
書類が通ると、面談やオンラインでの打ち合わせになります。
聞かれるのは、だいたい決まっています。担当してきた業務の内容。今回の業務にどう対応するか。稼働できる時間。本業との両立をどうするか。そして、いつから始められるか。
このうち、答えに詰まりやすいのが「本業との両立」です。ここは、繁忙期を明示して、その期間の稼働をどうするかまで答えてください。「調整します」では不安が残ります。
こちらから聞くべきことも決めておきます。業務の範囲はどこまでか。成果物の形式は何か。連絡の手段と頻度は。報酬の支払時期は。契約の期間と、終わり方は。
この5つを聞いておけば、始まってからの食い違いはほぼ防げます。聞くことで印象が悪くなることはありません。むしろ、確認する人のほうが信頼されます。
条件を詰めるときに決める5点
受けると決めたら、書面で決めておく事項があります。
1つ目が、業務の範囲です。何をやり、何をやらないか。曖昧なままだと、少しずつ範囲が広がります。
2つ目が、報酬と支払時期です。金額だけでなく、いつ支払われるかを確認します。フリーランスとして業務委託を受ける場合の取引条件については、いわゆるフリーランス保護新法によって、発注事業者に対する取引条件の明示義務や支払期日に関する定めが設けられています。制度の内容は公正取引委員会や厚生労働省の案内で確認できます。
3つ目が、修正や差し戻しの扱いです。何回まで、どこまでを含むか。
4つ目が、秘密保持です。会計士は本業でも守秘義務を負っているので、副業で知った情報との切り分けを意識しておく必要があります。
5つ目が、資格の表示です。氏名や資格を出すのか出さないのか。出す場合、どの範囲を確認したことになるのか。ここは公認会計士法の名称に関する定めや、税務に関わる場合は税理士法の業務の範囲が関係します。判断に迷う内容であれば、所属先や関係団体に確認してから受けてください。書類作成の代行に近い内容であれば、行政書士など他の資格の業務範囲との関係も確認が要ります。
1件目が終わったあとにやること
1件終わったら、次につなげる作業をします。ここをやるかどうかで、2件目までの時間が変わります。
まず、発注元に一言送ります。今回の進め方で改善できる点があれば教えてほしい、という趣旨です。返ってきた内容は、次の案件でそのまま使えます。
次に、記録を残します。かかった時間、実際の作業内容、つまずいた箇所、使ったツール。これが2件目の見積もりの根拠になります。1件目の時間を測っていないと、2件目の値付けができません。
そして、成果物のうち出せる部分を、サンプルとして整えます。発注元の許可を取ったうえで、公開できる形にしておく。これが次の応募で効きます。
断られたときの受け止め方
応募が通らないことは、必ずあります。そして、通らない理由の多くは、能力とは関係ありません。
稼働時間が合わなかった。既に他の人に決まっていた。予算が合わなかった。募集の内容が途中で変わった。こういう理由がほとんどです。
だから、断られた回数を数えないでください。数えるのは、応募した数と、そのうち返信が来た数です。返信が来る割合が低いなら、提案文の1行目を直します。面談まで進むのに決まらないなら、稼働の条件を見直します。どこで止まっているかが分かれば、直す場所も決まります。
作業量の多い案件から始めて、少しずつ専門性の高い案件に移っていく進め方もあります。データ入力のような作業系の在宅ワークの相場感はデータ入力・文字起こしの副業は稼げる?在宅ワークの始め方と相場にまとまっています。まず在宅で仕事を受ける流れそのものに慣れたい人には、この入り方もあります。
運営者として見てきた観察
フリーランスと在宅ワークの市場を20年見てきた立場から、最初の1件について気づいたことを書いておきます。
1件目にたどり着く人と、たどり着かない人の差は、準備の量ではありません。むしろ逆で、準備を続けている人ほど止まっています。完璧な材料を揃えてから応募しようとして、半年が過ぎる。この状態の人は、資格職に特に多く見られます。
たどり着く人は、1件目を「試し」だと考えています。報酬が低くてもいい、内容が地味でもいい、まず通してみる。1件通すと、契約書の読み方、納品の作法、連絡の間合いが分かります。これは、どれだけ準備しても手に入らないものです。
もうひとつ、続いている人の共通点があります。取引先の数を増やしていないことです。2社から3社に絞って、その中で守備範囲を広げている。仲介を挟む案件では報酬から手数料が引かれる仕組みが一般的で、年間で見ると無視できない差になります。手数料0%で発注者と直接やり取りできる経路を確保している人は、同じ稼働でも手取りが厚くなります。発注する側から見ても、同じ予算でより多く頼めることになる。金額の差そのものより、その分だけ関係が続きやすくなる点のほうが大きいというのが、長く見てきた実感です。
最初の1件は、資格の力だけでは取れません。取れるのは、何ができるかを具体的に示せた人です。既に持っている経験を、相手が判断できる形に翻訳する。やることはそれだけです。
よくある質問
Q. 公認会計士の副業案件は、どこで探せばよいですか?
探す場所を4つに分けてください。業務委託のマッチングサイト、資格を前提とした専門的なサービス、会計事務所や出版社などへの直接の打診、そして前職の同僚や取引先といった既にある関係です。1か所だけを見て募集がないと感じている人が多いのですが、場所によって案件の出方はまったく違います。直接の打診は競合が少ないので、返信率が低い前提で数を送るのが有効です。
Q. 実績がない状態でも応募できますか?
できます。公開情報だけで作ったサンプルを1本用意してください。執筆なら3,000字ほどの記事、分析なら公開されている決算資料を使った分析資料、経理支援なら業務手順書のひな型です。加えて、本業での担当業務を守秘義務に触れない範囲で書く、無報酬で受けた仕事を書く、自分で発信した内容を示す、という3つも実績として使えます。
Q. 提案文には何を書けばよいですか?
1行目に自己紹介ではなく、募集されている業務に対して自分が何を提供できるかを書きます。次に、できることを作業の単位で具体的に書く。次に、いつから週に何時間、どの時間帯に動けるかを数字で書き、本業の繁忙期も明示する。最後にサンプルの案内と確認したい点を2つほど添えます。全体で600字から800字程度にとどめてください。
Q. 条件を詰めるときに決めておくべきことは何ですか?
業務の範囲、報酬と支払時期、修正や差し戻しの扱い、秘密保持、資格の表示の5点です。支払期日については、フリーランス保護新法により発注事業者に取引条件の明示義務や支払期日に関する定めが設けられているため、公正取引委員会や厚生労働省の案内で内容を確認しておくと交渉しやすくなります。資格を表示する場合は関係する法令の定めもあわせて確認してください。
この記事について
編集部
監修:@SOHO編集部
2004年よりフリーランス・在宅ワーク向けサービスを20年運営。編集部が事実確認のうえ公開しています。

この記事を書いた人
中西 直美@SOHO編集部
産業カウンセラー・キャリアコンサルタント
大手人材会社でキャリアカウンセラーとして15年間従事した後、フリーランスの産業カウンセラーとして独立。在宅ワーカーのメンタルヘルスケアを専門に活動しています。
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