公認会計士の副業の始め方

朝比奈 蒼
朝比奈 蒼
公認会計士の副業の始め方

この記事のポイント

  • 公認会計士の資格を活かした副業を始める手順を
  • 請求と申告まで順番に整理しました
  • 契約条件の決め方を扱います

公認会計士の資格を活かして個人でも仕事を受けたい。そう考えたとき、何から手をつければよいのかで止まる人が多くいます。案件を探すのが先なのか、勤務先に話すのが先なのか、手続きは何か要るのか。順序を間違えると、良い案件を見つけてから確認で止まり、その間に他の人に決まってしまいます。

この記事では、始めるまでの手順を順番に並べます。確認すべきことから、業務の絞り込み、案件の探し方、提案の出し方、契約条件の決め方、請求と申告まで。試験や資格の取り方の話はしません。すでに資格を持っている人が、実際に最初の1件を受けるまでの道筋を扱います。

制度の側は追い風になっている

まず、環境を確認しておきます。

働き方改革の一環で、厚生労働省作成の「モデル就業規則」から副業禁止規定が削除され、企業が副業を認める動きが進んでいます。 公認会計士も例外ではなく、監査法人や会計事務所、コンサルティングファーム、あるいは事業会社で勤務する公認会計士の多くが副業を始めています。 出典: jmsc.co.jp

ただし、モデル就業規則が変わったことと、自分の勤務先の規程が変わっていることは別です。監査法人や会計事務所は、独自の判断で制限を残していることがあります。制度の流れが追い風であることと、自分が動けるかどうかは分けて考えてください。

手順1 独立性と就業規則を確認する

最初にやるのはこれです。案件を探す前に済ませます。

公認会計士には、他の職種にはない制約があります。公認会計士法は監査を行う対象との関係について規律を設けており、勤務先の監査法人が監査している企業やその関連会社から個人で仕事を受けることには制限がかかる場合があります。

この判断を自分ひとりで結論づけることはできません。監査法人には独立性に関する管理体制と事前確認の手続きがあるのが通常なので、まずその手続きを確認します。事業会社に勤めている場合も、自社の監査人や取引先との関係が問題になることがあります。立場によって見るべき点が違うため、一般論を自分に当てはめないでください。

あわせて就業規則を確認します。見るのは3か所です。副業が禁止か許可制か届出制か。競業避止の条項がどこまでを対象にしているか。秘密保持の範囲がどう定められているか。

許可制なら、申請の書き方で通りやすさが変わります。受ける業務を「会計関連の業務」ではなく「上場準備企業向けの内部統制文書の作成支援」といった粒度まで落とす。勤務先の顧客と重ならないことを業種や規模で示す。稼働時間の上限を自分から提示する。この3つが揃っていると、判断する側が承認しやすくなります。

手順2 登録の状態を確認する

公認会計士は日本公認会計士協会の名簿に登録されて活動します。この登録には区分があり、勤務先や活動の形態によって扱いが変わる部分があります。

自分の登録がどの区分になっていて、個人で業務を受ける場合に変更が必要かどうかは、協会や所属先に直接確認してください。この記事では断定しません。会計士としての業務を個人で行う場合の登録上の扱いは、資格そのものに関わる部分だからです。

また、税務を扱いたい場合は別の話になります。税理士法は税務代理や税務書類の作成を税理士の業務としており、税理士としての登録が必要になるのが原則です。会計の知識があるから税務も受けられるという理解で進めると、法令に触れる可能性があります。記帳代行そのものは独占業務ではありませんが、申告書の作成まで含まれると扱いが変わるため、案件ごとに作業範囲を確認する必要があります。

手順3 受ける業務を1つに絞る

確認が済んだら、次は業務の絞り込みです。何でもやりますという姿勢は、依頼者から見ると何ができるのか分からない状態と同じになります。

公認会計士の経験で受けられる仕事を並べると、内部統制の構築支援、決算業務の支援、開示書類の作成補助、月次決算の早期化支援、財務デューデリジェンスの補助、会計に関する記事や教材の作成、といったところに分かれます。

具体的な入り口については、次のように整理されています。

監査法人での経験を直接活かせる副業です。業務内容は非常勤監査や内部統制(J-SOX)の構築支援などです。公認会計士専門のエージェントへの登録や知人からの紹介で始められます。 出典: adv.freee.co.jp

選ぶ基準は3つです。勤務で最も多く手を動かしてきた領域であること。在宅で完結すること。納期を自分でコントロールできること。この3条件を満たすものが、最初の案件として成立しやすくなります。

手順4 稼働できる時期を決める

会計の仕事には季節性があります。監査法人に勤めていれば春から初夏に負荷が集中し、事業会社の経理でも決算期と申告期に山が来ます。

この時期に外部の案件を抱えると、どちらも中途半端になります。品質が落ちるのは、責任の重さから言って個人で受けた案件のほうです。信用を失うのは自分の名前のほうになります。

対策は、案件の種類を時期で分けることです。繁忙期には納期の縛りが緩い仕事を置きます。記事や教材の作成、分析資料の作成など、締切を自分で調整できるものが向いています。閑散期には、依頼者とのやり取りが発生する支援業務を入れます。

月額固定の契約を繁忙期にまたがって結ぶ場合は、稼働量の上限を契約に書いておきます。上限がないまま繁忙期に入ると、想定の2倍の作業を求められても断りにくくなります。

手順5 プロフィールを整える

依頼者が最初に見るのはプロフィールです。ここで判断できなければ、提案文は読まれません。書くべきなのは3項目です。

ひとつ目は、扱える業種です。製造業、小売、IT、金融、不動産。監査で担当してきた業種を明示します。「幅広い業種に対応」と書くと、依頼者は自分の会社が該当するか判断できません。

ふたつ目は、対応できる会計基準と業務領域です。日本基準のみか、国際財務報告基準の経験があるか。連結決算の経験があるか。内部統制の文書化まで手を動かせるか、レビューだけか。ここが具体的なほど、合う依頼者からの反応が増えます。

みっつ目は、稼働できる時期と時間です。勤務を続けながら受けるなら、繁忙期に動けないことを先に書いておきます。隠して受けて後から調整を求めるより、条件を示して判断してもらうほうが信頼されます。

実績として書けるものがない場合でも、示せるものはあります。担当してきた案件の企業名は出せませんが、業種と規模と業務種別なら開示できることが多い。「製造業の連結決算を年間5社程度」といった粒度なら、守秘義務に触れずに経験の厚みを伝えられます。

会計に関する解説を書いて発信するのも有効です。文章で説明できる人は報告書も読みやすいだろうと推測されるため、それ自体が品質の証明になります。文章を商品にする仕事の相場水準は著述家,記者,編集者の年収・単価相場で確認できます。

サンプルで品質を示す

実績の記載だけでは伝わりにくい場合、成果物のサンプルを用意する方法があります。実在の企業の資料は使えませんが、架空の会社を設定して業務記述書やフローチャートを1本作る、公開されている有価証券報告書を題材に分析資料を作る、といった形なら守秘義務に触れません。

依頼者が知りたいのは「この人は読みやすい成果物を出せるか」の一点です。会計の内容そのものより、資料の構成や図表の見せ方で判断されることが多い。結論を先に書く、根拠は後ろに置く、図表には必ず出典と前提を書く。この3点が守られているサンプルは、それだけで他と差がつきます。

手順6 案件を探す

探す場所は、狙う業務によって変わります。

専門職向けのマッチングサービスは、案件の質が揃いやすい一方で数は限られます。一般の業務委託サービスは、案件数が多い代わりに会計の専門案件は割合として少なくなります。知人や元同僚からの紹介は質が高いものの、相手の都合で発生するため時期を選べません。

現実的なのは、複数の経路を並行して動かす形です。紹介だけを当てにすると、いつまでも動き出せない状態が続きます。手順そのものを俯瞰したい場合は副業 始め方ガイド!星野ゆいが教える失敗しない4ステップとおすすめが全体像の整理に使えます。実績がない状態からの入り方についてはフリーランス 英語 案件 未経験 始め方!2026年最新の海外副業術も、分野は違いますが考え方として参考になります。

募集要項を読むときは、必須条件と歓迎条件の書き分けを見ます。「公認会計士資格必須」と書かれていれば資格保有者を指名している案件、「公認会計士歓迎」であれば経験を評価する案件です。成果物の指定も確認します。監査意見や監査報告書という言葉が出てくる案件は、独占業務に関わる可能性があるため慎重に判断してください。

契約条件では、仲介手数料の有無が手取りに直結します。同じ報酬額でも、手数料が引かれるかどうかで手元に残る額が変わります。専門性の高い仕事ほど単価が高くなるため、割合で引かれる手数料の影響も大きくなります。

手順7 提案を書く

提案文は、長さではなく構造で決まります。読む側は複数の提案を並べて比較しているため、必要な情報が同じ順序で出てくることが重要です。

最初に、依頼内容を自分の言葉で要約します。テンプレートを貼り付けただけの提案は、この1文がないためすぐ分かります。

次に、対応できる範囲と対象外を両方書きます。会計の仕事では、どこまでが支援でどこからが実施なのかが曖昧になりがちです。文書化の支援はするが統制の運用は依頼者側で行う、といった線引きを最初に示すと、後の認識のずれを防げます。

そして、工程と納期を数字で示します。どの作業に何日かかるかを分解すると、納期だけを書くより信頼されます。

最後に、価格の根拠を添えます。金額だけを書くと高いか安いかの判断しかされません。想定工数と単価の掛け算で示すと、比較の土俵が変わります。職種別の水準は公認会計士,税理士の年収・単価相場で確認できます。

手順8 契約条件を決める

初回の取引では、金額より条件のほうが後を左右します。決めておきたいのは5点です。

作業範囲を書面で確定します。口頭で決めた範囲は後から広がります。

修正対応の回数を決めます。報告書や資料には修正依頼がつきものです。何回までが料金に含まれるのかを最初に決めないと、無償対応が続きます。

秘密保持の取り決めを交わします。財務データを扱う以上、避けて通れません。勤務先がある状態で受けるなら、情報の管理方法を説明できることが自分の防御になります。

データの受け渡し方法を確認します。メール添付での送受信を禁じている企業も増えています。依頼者が指定する仕組みに合わせられるか、応募の段階で確認しておきます。

支払条件を決めます。支払サイト、振込手数料の負担、着手金の有無。初回で決めておけば、以降は同じ条件で進められます。

手順9 請求と申告を回す

案件が終わったら、請求と記録です。ここを仕組み化しておくと、件数が増えても回ります。

請求書には、インボイスの登録番号の有無で記載事項が変わります。課税売上高が1,000万円以下なら消費税の納税義務は原則ありませんが、依頼者が企業の場合は登録番号を求められることがあります。判断する時点で国税庁の案内を確認してください。制度の一次情報はhttps://www.nta.go.jp/にまとまっています。

申告については、年間の所得が20万円を超えれば確定申告の対象になり、それ以下でも住民税の申告義務は残ります。住民税の徴収方法は、業務委託で受けた報酬なら確定申告書で自分で納付を選べます。ただし自治体の運用によっては特別徴収に振り分けられることがあるため、申告した年の初夏に納付書が届いたかを確認してください。

事業として継続するなら、開業届を出しておくと選択肢が広がります。青色申告の適用、屋号での口座開設、小規模企業共済への加入。いずれも開業届が前提になります。事業を開始してから1か月以内に出す書類なので、先に手続きを済ませてから仕事を探す必要はありません。

案件ごとの記録も残します。業種、業務種別、工数、単価。この4項目を記録しておくと、次の見積もりの精度が上がります。何件こなしても工数の見積もりが安定しない人は、この記録を取っていないことが多い。

手順の全体像を一覧にする

ここまでの流れを一覧にします。順序に意味があるので、上から進めてください。

手順 やること 所要の目安 飛ばすとどうなるか
1 独立性と就業規則を確認する 数日から数週間 案件が決まってから止まる
2 登録の状態を確認する 数日 後から扱いの問題が出る
3 受ける業務を1つに絞る 1日 提案が的を外す
4 稼働できる時期を決める 1日 繁忙期に破綻する
5 プロフィールを整える 数日 応募しても返事が来ない
6 案件を探す 継続 紹介待ちで動けない
7 提案を書く 案件ごとに数時間 比較で落ちる
8 契約条件を決める 着手前 無償作業が発生する
9 請求と申告を回す 月次と年次 申告漏れや入金遅れ

手順1と手順2は時間がかかるため、業務の絞り込みと並行して進めても構いません。ただし、確認が終わる前に契約を結ぶことだけは避けてください。

つまずきやすいのはここ

始めた人がつまずく箇所は、おおむね決まっています。

ひとつ目は、工数の読み違いです。勤務であれば、案件の受付、資料の受け渡し、フォーマットの調整、請求処理は誰かがやってくれています。個人で受けると全部が自分の作業になります。実作業が4時間でも、周辺工程で2時間かかることは珍しくありません。3件も記録すれば自分の比率が見えるので、それを見積もりに織り込みます。

ふたつ目は、単価を下げすぎることです。最初の金額が以降の基準になり、値上げは値下げより何倍も難しくなります。単価を理由に選んだ依頼者は、次はより安いところへ移ります。関係が続かない相手に時間を使うより、適正価格で1件を取るほうが早く軌道に乗ります。

みっつ目は、確認を後回しにすることです。独立性の確認には時間がかかります。良い案件を見つけてから確認を始めると、その間に他の人に決まります。順序を守ってください。

よっつ目は、反応がないことを自分の評価だと受け取ることです。専門職の依頼は相手の事情で発生します。上場準備が始まった、決算体制の見直しが決まった、監査法人から指摘を受けた。こうした事情がなければ依頼は生まれません。待つ期間があることを前提に計画を立てるほうが、判断は安定します。

断るべき案件を先に決めておく

受ける条件より、受けない条件を先に決めておくほうが判断は速くなります。会計の仕事では、次の4つを除外リストに入れておくと迷いません。

勤務先が監査している企業とその関連会社。これは独立性の問題に直結するため、最初から候補に入れません。

勤務先が提供しているサービスと同じ内容の案件。競業避止の条項に触れる可能性があります。

作業範囲が定まらない案件。「まず現状を見てほしい」から始まって、いつの間にか業務全体の立て直しを求められるケースがあります。範囲を書面で確定できない相手とは契約しないという線を引いておきます。

繁忙期に納期が来る案件。前もって分かっているなら、その時期に着地する仕事は受けません。断る理由を毎回考えるのは負担になるため、先に決めておくほうが長続きします。

除外リストがあると、依頼が来たときの返答が速くなります。速い返答は、それ自体が信頼につながります。受けられない理由を明示して断ると、別の案件で声がかかることも珍しくありません。

現場を見てきて感じること

20年この市場を運営してきた立場から言えば、専門職で長く続いている人ほど、単発の作業を取ることより、依頼者との関係を作ることに時間を使っています。一度依頼した相手が期待どおりの品質で返してくれると分かれば、依頼者は次から相見積もりを取らなくなります。

中間マージンが乗らない手数料0%の直接取引では、依頼者は同じ予算でより多く頼めるようになり、受け手の手取りは厚くなります。この構造が効いてくるのは、単価が高く繰り返し発注が生まれる仕事です。会計の支援業務は、まさにその条件に当てはまります。

もうひとつ、運営者として見てきた限りで言えるのは、資格そのものより「何をどこまでやれるか」が明示されている人に依頼が集まるということです。公認会計士という肩書きだけでは、依頼者は何を頼めるのか判断できません。扱える業種、対応できる会計基準、稼働できる時期。この3つが書かれているだけで、問い合わせの質が変わります。

最初の3か月の使い方

期間を区切ると動きやすくなります。始めてからの3か月をどう配分するかの目安です。

1か月目は、手順1から手順5までを進めます。独立性と就業規則の確認、登録状態の確認、受ける業務の絞り込み、稼働時期の設定、プロフィールの整備。この段階で案件に応募しても、判断材料が揃っていないため通りません。確認に時間がかかる部分は先に動かし、待っている間にプロフィールとサンプルを作ります。

2か月目は、応募と発信を並行します。応募は数を打つより、合いそうな案件に丁寧な提案を出すほうが結果が出ます。週に2件から3件、募集内容を読み込んで書いた提案のほうが、10件のテンプレート提案より通ります。並行して、会計に関する解説を書き始めます。

3か月目に最初の1件が動き出せば、想定どおりです。ここで焦って条件の悪い案件を受けると、その単価と条件が自分の基準になります。決まらない場合は、応募数ではなくプロフィールと提案文の中身を見直してください。

なお、繁忙期をまたぐ場合はこの計画がそのまま後ろにずれます。決算期に3か月を設定しても、実質的に動ける時間がありません。閑散期の入口から始めるのが最も進みやすい形になります。

収入以外の目的で始める人もいる

始める理由についても触れておきます。

本記事では、公認会計士が副業を始める際の法的・倫理的な制約、キャリアプランに合わせた副業の選び方、具体的な始め方を解説します。副業を通じてキャリアを豊かにするヒントを見つけましょう。 出典: adv.freee.co.jp

キャリアの選択肢を広げる目的で始める人は実際に多く、この場合は最初の案件を単価ではなく継続性で選ぶことになります。独立してから顧客を探すより、勤務しているうちに関係を作っておくほうが移行は滑らかです。

キャリアそのものを扱う仕事もあります。専門職としての経験を、これから同じ道を進む人に伝える役割です。キャリア・副業・人生相談のお仕事のガイドでは、相談を受ける側の仕事について整理しています。

近年増えているのが、AIの業務活用に関する相談です。経理業務の自動化、監査手続へのデータ分析の導入、生成AIを使った資料作成の社内ルール整備。会計の実務を知っている人が求められる領域です。この広がりはAI・マーケティング・セキュリティのお仕事のガイドで扱う案件の傾向からも読み取れます。ツールの使い方から入りたい場合はAI 始め方ガイド!初心者が仕事や副業でAIを使いこなす5ステップが入口になります。

制度に関わる書類の周辺分野については行政書士の資格ガイドが業務範囲の整理に役立ちます。資料作成のツールに触れておきたい場合はAdobe認定プロフェッショナル Adobe Expressのような資格もありますが、会計士の場合は専門分野の実績が優先されます。季節性の違う仕事を組み合わせたい人の中には、作曲・編曲・効果音・ジングルのお仕事のように会計と無関係な領域で受けている例もあります。

始めたあとの広げ方についても、方向は決まっています。最初の1件が終わったら、納品時に次に頼めることを1行添えます。「今回は業務記述書の作成を担当しましたが、リスクコントロールマトリクスの整備まで広げる場合も対応できます」といった形です。売り込みではなく範囲の説明として書くと自然になります。

2件目以降は、同じ依頼者からの継続と、新しい依頼者の開拓を並行させます。継続だけに頼ると、その依頼者の事情が変わったときに収入がゼロになります。新規だけを追い続けると、毎回の営業に時間を取られます。片方に寄せないことが、長く続けるための条件になります。

始め方の要点は、順序を守ることに尽きます。確認を先に済ませ、業務を1つに絞り、稼働できる時期を決め、判断材料の揃ったプロフィールを用意する。ここまでできていれば、案件探しは作業になります。逆に、この準備なしに応募を重ねても、返事が来ない状態が続くだけです。

よくある質問

Q. 副業を始める前に最初にやるべきことは何ですか?

独立性の確認と就業規則の確認です。勤務先の監査法人が監査している企業やその関連会社から仕事を受けることには制限がかかる場合があります。監査法人には事前確認の手続きがあるのが通常なので、案件を探す前に所属先へ照会してください。確認には時間がかかるため、後回しにすると案件を逃します。

Q. 開業届はいつ出せばよいですか?

事業を開始してから1か月以内に出す書類なので、先に手続きを済ませてから仕事を探す必要はありません。最初の案件が動き出した段階で出せば足ります。青色申告の適用や屋号での口座開設、小規模企業共済への加入は開業届が前提になるため、継続の意思が固まったら早めに出しておくと選択肢が広がります。

Q. 最初の案件の単価はどう決めればよいですか?

勤務での時給を出発点にし、営業や契約、請求、税務といった勤務なら会社が担っている工程の分を上乗せします。安く受けて実績を作る発想は専門職では機能しにくく、最初の金額が以降の基準になります。値上げは値下げより難しいため、最初の設定は慎重に決めてください。

Q. 繁忙期と副業はどう両立させますか?

案件の種類を時期で分けます。繁忙期には記事や分析資料の作成など締切を自分で調整できる仕事を置き、閑散期に依頼者とのやり取りが発生する支援業務を入れます。月額固定の契約が繁忙期にまたがる場合は、稼働量の上限を契約に書いておくと想定を超える作業を断りやすくなります。

この記事について

@SOHO
編集部

監修:@SOHO編集部

2004年よりフリーランス・在宅ワーク向けサービスを20年運営。編集部が事実確認のうえ公開しています。

公開:2026年2月20日最終更新:2026年8月27日
朝比奈 蒼

この記事を書いた人

朝比奈 蒼@SOHO編集部

ITメディア編集者

IT系メディアで編集・ライティングを担当。クラウドソーシング業界の動向やサービス比較など、客観的な視点での記事を執筆しています。

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