freeeとマネーフォワードを比べる|個人と法人で答えが変わる

前田 壮一
前田 壮一
freeeとマネーフォワードを比べる|個人と法人で答えが変わる

この記事のポイント

  • freeeとマネーフォワードの比較は
  • 個人事業主か法人かで答えが変わります
  • 契約前に確かめるべき提供終了の告知まで

freeeとマネーフォワード、結局どちらがいいのか。この質問に一言で答えられないのには、はっきりした理由があります。個人事業主として使うのか、法人として使うのかで、比べるべき項目そのものが変わってしまうからです。

まず、安心してください。どちらを選んでも確定申告はできますし、銀行やカードの明細も自動で取り込めます。決定的に困る差はありません。差が出るのは、料金の決まり方と、電話で相談できるかどうかと、会計以外の業務をどこまで同じ契約に含めるかという3点です。

この記事では、公式サイトに書かれている内容だけを根拠に、個人と法人を分けて整理していきます。そして料金表を見る前に、必ず確かめてほしいことから始めます。

料金表より先に確かめる4つのこと

比較記事を読むとき、多くの方はいきなり料金表に目が行きます。私も以前はそうでした。ただ、これは順番として危ないんです。

確かめるべきは4つです。サービス自体が終わっていないか。新規の申し込みが止まっていないか。提携先や関連サービスが終わっていないか。そして、先の日付が決まっている値上げやプラン改定がないか。料金が変わらなくても、前提が壊れることはあります。

会計ソフト本体については、どちらも終了の告知はない

先に結論を書きます。freee会計(個人事業主向け・法人向けとも)と、マネーフォワード クラウド会計・クラウド確定申告について、サービス自体の提供終了や新規申し込みの受付停止を示す告知は、公式サイト上では確認できませんでした。両社とも料金ページに新規登録の導線が現在も設置されています。

先の日付が決まっている値上げの告知も、両社とも見当たりません。マネーフォワードの直近の料金改定は2025年6月1日実施分(ひとり法人プランの新設を含む)で、これはすでに現在の料金ページに反映済みです。

マネーフォワードで、終了予定が決まっている機能がある

ただし、ひとつ期限が決まっているものがあります。

マネーフォワード クラウド請求書の「受信」機能と「販売管理台帳」機能が、2026年10月頃に提供を終了すると告知されています。受信機能は見積書・納品書・請求書・領収書の受信ページのことで、代替としてクラウドBoxへの連携が案内されています。「提供終了後も、受領した帳票のPDFダウンロードは引き続きご利用いただけます」との記載もあります。販売管理台帳の代替となるCSVアップロードによる帳票作成機能は、2026年3月18日にリリース済みとされています。

これはクラウド会計・クラウド確定申告そのものではなく、クラウド請求書という別サービスの一部機能の終了です。ただ、請求書の受け取りをこの機能で回している場合は、切り替えの手間が発生します。導入を検討している段階なら、最初から代替側の運用で組んでおくのが安全です。

提携先のカード連携が、複数終了している

マネーフォワードでは、外部サービス側の終了に伴うデータ連携の終了が複数告知されています。MIXI M(2025年11月28日にサービス終了)、e-kenetカード(京阪カード、2026年8月12日告知)、JCBプリペイドカード(2026年7月30日告知)。いずれもクラウド会計・確定申告の利用者向けの案内です。

freee側も、過去に楽天銀行のAPI連携契約満了に伴う口座明細の自動取り込み停止(2022年2月)や、三菱UFJ銀行向け振込データ連携機能の提供終了(2022年9月)といった告知がありました。こちらはすべて数年前の出来事で、2026年9月時点で先の日付が決まっている告知ではありません。

言いたいのは、どちらが不誠実だという話ではありません。自動連携は相手方の都合で終わることがある、という当たり前の事実です。皆さんが日常的に使っている口座やカードが連携できるかどうかは、契約前に一覧で確認してください。ここは料金より重要です。

会計ソフト以外の個別サービスは、両社とも終了例がある

freeeでは、freee受発注が2024年10月31日に、freee補助金が2024年9月2日にサービスを終了しています。マネーフォワードでも、マネーフォワード クラウドStoreというアドオン的なサービスが2022年11月に新規申し込みを終了しています。

いずれも会計本体ではありません。ただ、「このソフトを入れれば周辺業務も全部まとまる」という前提で契約すると、周辺のほうが先に無くなることがある。この点は頭に置いておいてください。

個人事業主で比べる

ここから料金の話に入ります。まずは個人事業主向けです。

料金は、マネーフォワードのほうが低いところから始まる

両社とも税抜表記です。freeeの個人事業主向けページには「表示価格はすべて税抜きです」、マネーフォワードの個人向け料金ページには「表示価格はすべて税抜価格です」と明記されています。

freee会計(確定申告)の料金は次の通りです。

プラン 月払い 年払い
スターター 1,780円/月 980円/月(年額11,760円)
スタンダード 2,980円/月 1,980円/月(年額23,760円)
プレミアム 記載なし 3,316円/月(年額39,800円)
入力おまかせ 記載なし 4,150円/月(年額49,800円)

マネーフォワード クラウド確定申告の料金は次の通りです。

プラン 月払い 年払い
パーソナルミニ 1,280円/月 900円/月(年額10,800円)
パーソナル 1,680円/月 1,280円/月(年額15,360円)
パーソナルプラス 記載なし 2,980円/月(年額35,760円)

年払いの最安で見ると、マネーフォワードのパーソナルミニが900円、freeeのスターターが980円。差は月80円です。この差で決めるのは、正直あまり意味がありません。

意味があるのは、その下に付いている条件のほうです。

最安プランで「できないこと」が違う

マネーフォワードのパーソナルミニには「消費税申告は利用できません」という注記があります。レシート撮影も月15件までが無料で、16件目以降はプランのアップグレードが必要です。

freeeのスターターについては、公式ページで機能の段階が分かれていることは明記されていますが、消費税申告の可否について同様の明示的な注記は今回確認した範囲では見当たりませんでした。

インボイス制度に対応するために課税事業者を選んだ方は、消費税申告が必要になります。マネーフォワードでこれをやるなら、パーソナルプラン(年払い1,280円/月)以上が必要になるということです。最安プランどうしを比べても意味がないのは、こういう理由です。

無料で試せる期間が違う

freeeは「今なら30日間無料でお試し可能」「登録はメールアドレスのみ」「クレジットカードは登録不要」と記載されています。マネーフォワードは「1ヶ月無料のトライアル」で、「クレジットカードのご登録なしで」「無料のトライアル終了後、自動的に有料のプランに移行する(ご請求が発生する)ことはありません」「作成したデータはトライアル後も引き継がれる」と明記されています。

どちらも1か月程度で、カード登録が不要な点も共通しています。マネーフォワードの個人向けトライアルはパーソナルプラン相当の機能を試せるとされ、「無料のトライアル期間中は一部ご利用いただけない機能があります」との注記が付いています。

私が皆さんにおすすめしたいのは、両方を同じ月に試すことです。片方ずつ試すと、記憶が薄れて比べられません。実際に自分の口座を1つだけ連携して、1週間分の明細を仕訳してみる。それだけで、画面の考え方が自分に合うかどうかは分かります。

電話で相談できる条件が違う

ここは実務でいちばん効く差だと思います。

freeeの電話サポートは「一定プラン以上でご利用いただけます」と明記されていて、個人事業主向けではプレミアムプラン以上(プレミアム・入力おまかせ)で予約電話サポートが利用できるとされています。プレミアム以上では、混雑時にチャットが優先的につながることや、メールの「お急ぎ便」(1営業日での回答)も使えるとされています。

マネーフォワードの個人向けでは、電話サポートはパーソナルプラスプランのみに付く項目として料金ページに記載されています。パーソナルミニとパーソナルプランは「メール/チャットサポート(操作方法)」の記載で、電話サポートの記載はありません。しかも「『マネーフォワード クラウド確定申告』の操作方法が対象です。仕訳や税務のご相談および他サービスのご相談は承ることができません」という注記が付いています。

つまりどちらも、電話で相談したいなら年払いで月3,000円前後のプランが必要になるという構造です。そしてどちらの電話サポートも、対象は操作方法であって税務相談ではありません。ここを勘違いすると、契約してから落胆します。

法人で比べる

法人になると、比較の軸そのものが変わります。

課金の考え方が根本的に違う

freeeの法人向けは、基本料金がプランの機能段階(ひとり法人/スターター/スタンダード/アドバンス/エンタープライズ)で決まり、そこに従量課金が上乗せされる構造です。

上乗せされるのは3つです。経理・経営者相当のメンバー追加が1人あたり月額300円(スターター・スタンダードの年払い時、アドバンス以上は月額1,000円)、経費精算の利用が1人あたり月額300円(同、アドバンス以上は650円)、受発注書類の送付が1件あたり95円(全プラン)。一般従業員相当のメンバー招待は0円と記載されています。

マネーフォワードの法人向けは、利用人数でプランが分かれています。ひとり法人は1名まで、スモールビジネスは3名まで、ビジネスは無制限(ただし4名以上は1名あたり300円の従量課金)。

プラン 年払い 月払い 目安
ひとり法人 2,480円/月(年額29,760円) 3,980円/月 経営者1名
スモールビジネス 4,480円/月(年額53,760円) 5,980円/月 利用者3名以下
ビジネス 6,480円/月(年額77,760円) 7,980円/月 利用者4名以上

freee側の法人料金は次の通りです。

プラン 年払い 月払い
ひとり法人 2,980円/月(年額35,760円) 3,980円/月
スターター 5,480円/月(年額65,760円)+従量課金 7,280円/月+従量課金
スタンダード 8,980円/月(年額107,760円)+従量課金 11,980円/月+従量課金
アドバンス 最大25%割引と表示 39,780円/月+従量課金

初期導入費用と解約料は、freeeではいずれも0円と記載されています。マネーフォワードも「初期費用0円」と表記されています。

なお、freeeの法人向け料金は新設法人向けページに「表示価格はすべて税抜きです」との注記があります。中小企業向けページには同じプラン・金額が載っていますが、税表記の明示が本文中に見当たらないため、公式の表記としては分けて理解しておいてください。マネーフォワードの法人向け料金ページは「表示価格はすべて税抜価格です」と明記されています。

基本料金に含まれる範囲が違う

ここがマネーフォワード側のいちばん大きな主張です。

マネーフォワードの法人向け基本料金には、会計・財務管理のほか、請求書発行、請求書受領、経費精算、給与計算、勤怠管理、社会保険、年末調整、マイナンバー、労務・人事管理、電子契約・契約管理、デジタル保存を含む12サービスが含まれると記載されています。「クラウド会計を含む12サービスを、初期費用0円・月々2,480円〜利用できます」という表記です。

freeeは、会計とは別に人事労務や経費精算の料金が設定されています。freee人事労務はミニマム(年払い時1人あたり400円)、スターター(同600円)、スタンダード(同800円)、アドバンス(同1,100円)の4プランで、いずれも5名からの契約と記載されています。経費精算は前述の通り、会計の従量課金として1人あたり月額300円から650円が発生します。

ですから法人での比較は、会計の基本料金だけを並べても意味がありません。従業員が何人いて、そのうち何人が経費精算を使い、給与計算をどちらのソフトで回すのか。ここまで決めてから見積もらないと、実際の請求額とずれます。

会計ソフトの比較で実務家が繰り返し指摘しているのも、この点です。

この記事では、導入に失敗しないためのfreeeとマネーフォワードの機能面、料金面の比較、どんな方がそれぞれ向いているのかについて、利用しているスタッフの声、導入されたお客様との対話の中で感じたことをもとに実務家目線で解説したいと思います。 出典: accomp.jp

導入した後の運用まで見ている人ほど、料金表の一行目ではなく従量課金の条件を見ています。

仕訳数の上限がある場合がある

マネーフォワードのひとり法人プランには「1会計年度の仕訳数:500件まで」という上限が明記されています。新設法人1年目を想定したプランなので当然ではありますが、取引が増えてきたら上位プランへ移ることになります。年間500件は、月あたり40件強です。日々の入出金が多い業種なら、初年度のうちに超える可能性があります。

freeeのひとり法人プランには、従量課金なし・メンバー数1人という記載はありますが、仕訳数の上限についての記載は今回確認した範囲では見当たりませんでした。

法人向けの無料トライアル

freeeの法人向けは「無料で30日間試す」というボタン表記で、無料お試し期間は30日間です。マネーフォワードの法人向けトライアルは「ビジネスプラン相当の機能を1ヶ月無料でご利用いただけます」と記載されています。

法人の場合、トライアル中に必ず試してほしいのは、給与計算と経費精算の連携部分です。会計単体の使い勝手はどちらも大きく変わりません。差が出るのは、周辺業務とのつなぎ目のほうです。

機能面で、公式が何と書いているか

銀行・カードとの連携

freeeは「以下を始めとする1,000社以上の銀行・金融機関と接続が可能です」と記載しています。例として三菱UFJ銀行、みずほ銀行、三井住友銀行、GMOあおぞらネット銀行、楽天銀行、PayPay銀行などが挙げられています。同一ユーザーが登録できる口座数は最大20行までと記載されています。同期に対応していない金融機関でも、明細を手動でアップロードして取り込めるとされています。

マネーフォワードは「2,300社以上の金融関連サービスと連携可能」と記載しています。「AIが取引内容を解析し、勘定科目を自動提案します」「人工知能(AI)は登録した仕訳を学習し、自動提案する勘定科目の精度が向上していきます」との説明もあります。

数字だけ見るとマネーフォワードのほうが多いのですが、この2つは数え方の単位が違います。freeeは「銀行・金融機関」の社数、マネーフォワードは「金融関連サービス」の数で、電子マネーやプリペイドも含まれています。単純比較はできません。自分が使っている口座とカードが対応しているかを、それぞれの一覧で確認するのが確実です。

確定申告への対応

マネーフォワードは「白色申告・青色申告のどちらも対応しています」と明記し、青色申告決算書、収支内訳書、確定申告書第一表から第四表、医療費控除の明細書の自動作成に対応するとしています。

freeeも青色・白色の両方に対応し、「e-Taxで青色申告を行うと65万円の特別控除を受けられます」と記載しています。印刷して郵送する方法と、マイナンバーカードを使ったe-Tax電子申告の両方に対応するとされています。

ここで1点、注意していただきたいことがあります。freeeのスマートフォンアプリの紹介ページには「青色申告75万円控除もインボイスも完全対応」という表記があり、青色申告のページの「65万円」という数字と異なっています。どちらが正しいかをこちらで判断することはしません。ただ、控除額のような重要な数字は、ソフトの説明ページではなく国税庁の情報で確認する習慣を付けてください。これは皆さんの申告を守るための話です。

インボイス制度と電子帳簿保存法

freeeは、税区分、取引先の適格請求書発行事業者の項目、取引登録画面の適格チェックボックス、自動登録ルール、経費精算、支払依頼、振替伝票など、幅広い機能でインボイス対応を進めたと記載しています。領収書処理では、アップロードした書類をOCRで読み取り、Tから始まる13桁の登録番号を国税庁のデータと自動照合して適格請求書かどうかを判定するとされています。

マネーフォワードは電子帳簿保存法について「公益社団法人日本文書情報マネジメント協会(JIIMA)の認証を取得」と明記しています。「一貫してクラウド会計ソフトを使用して作成する場合は、紙帳簿の保管が不要になりました」との記載や、「仕訳履歴保存」「マスタ履歴保存」機能があるとの記載もあります。

なおマネーフォワードの制度解説ページには「本サポートサイトは、マネーフォワード クラウドの操作方法等の案内を目的としており、法律的またはその他アドバイスの提供を目的としたものではありません」という免責文言が付いています。制度の判断そのものは、ソフト会社ではなく税理士や税務署に確認するものだ、ということです。

スマートフォンアプリ

freeeはiOS版・Android版のアプリを提供し、「スマホアプリでレシートをかざすだけ。99.9%の精度で、AIが金額や日付を自動で読み取る」「マイナンバーカードをスマホに重ねるだけ。税務署に行かずに、自宅のソファから提出できます」と記載しています。

マネーフォワードもクラウド確定申告アプリを提供し、「仕訳入力から確定申告書の作成、提出が可能」としています。ただし「アプリでの電子申告には、マイナンバーカードとカード読み込みに対応したスマートフォンが必要」との注記があります。

顧問税理士がどちらを使っているか

最後にもうひとつ、料金表には載らない判断材料があります。顧問税理士や会計事務所がどちらを使っているかです。

同じソフトを使っていれば、データのやりとりが画面の共有だけで済みます。違うソフトだと、CSVで出して渡す、あるいは決算のときだけ別のソフトに入れ直すといった手間が毎回発生します。この手間は月額数百円の差より、はるかに大きいことがあります。

顧問契約をこれから結ぶなら、ソフトを決める前に候補の事務所に聞いてください。すでに顧問がいるなら、その事務所が対応している側を選ぶのがいちばん摩擦がありません。実際、両方の認定アドバイザーを持ち、導入前の比較相談から初期設定まで受けている事務所もあります。

リーパル会計事務所はfreeeとマネーフォワードクラウド、両方の認定アドバイザーです。導入前の比較相談から初期設定・自動仕訳(=銀行口座やクレジットカードの取引データから勘定科目を自動推定する機能)ルールの構築まで、月額1万円からの経理BPOパッケージに含めてサポートしています。 出典: leapal.jp

初期設定と自動仕訳のルール作りは、慣れていないと最初の1か月がまるごと消えます。ここを外部に任せるという選択肢があることは、知っておいて損はありません。

途中で乗り換えるときの手間も見ておく

会計ソフトは、一度入れたら数年は使います。それでも、事業の形が変わって乗り換えることはあります。

そのときに効いてくるのが、データの持ち出しやすさです。両社とも仕訳データのCSV出力には対応していますが、連携先の設定、自動仕訳のルール、取引先マスタといった「積み上げてきたもの」は基本的に移せません。乗り換えとは、この積み上げをゼロから作り直すことだと考えてください。

だからこそ最初の選択が重いのですが、逆に言えば、完璧に選ぼうとして半年悩むより、無料の期間に両方触って早く決めたほうが得です。積み上がる前なら、やり直しは軽く済みます。

結局、どちらを選べばいいのか

整理します。

個人事業主で、消費税申告が不要な段階なら、年払いの最安どうしで月80円しか違いません。画面の好みで決めて構いません。消費税申告が必要になるなら、マネーフォワードはパーソナルプラン以上が前提になります。電話で操作を聞きたいなら、freeeはプレミアム以上、マネーフォワードはパーソナルプラスです。

法人で、経営者ひとりなら、マネーフォワードのひとり法人プラン(年払い2,480円/月)のほうが安く見えます。ただし仕訳数が年500件までという上限があります。取引が多いなら、freeeのひとり法人プラン(年払い2,980円/月・従量課金なし)のほうが読みやすいかもしれません。

法人で人数が増えるなら、給与計算や経費精算をどちらで回すかを先に決めてください。会計だけで比べると、必ず判断を間違えます。

数字が読める人は、会計ソフト以外でも重宝される

在宅ワーク市場を20年見てきた立場から、ひとつ観察をお伝えします。

会計ソフトを自分で回している人は、仕事の受け方が変わります。見積もりを出すときに原価が頭に入っているので、安請け合いをしません。逆に、値付けを間違えて疲弊していく方は、たいてい月次の数字を締めていません。数字を締めるという行為は、税務のためだけのものではないんです。自分の仕事の値段を守るための作業でもあります。

もうひとつ。仲介手数料が乗らない直接の取引は、依頼する側にとっては同じ予算でより多く頼めるということであり、受ける側にとっては手数料0%の分だけ手取りが厚くなるということです。額面が同じでも手元に残る金額が違う。この差は、会計ソフトで自分の数字を見ている人ほど早く気づきます。

私自身の話をすると、独立した最初の年、経費のレシートを月末にまとめて処理していて何度も失敗しました。何に使ったか思い出せないレシートが山になるんです。銀行口座の自動連携を設定して、週に1回だけ画面を開くようにしてから、この問題は消えました。ソフトの機能そのものより、開く頻度を決めたことのほうが効いたと思っています。

会計まわりの知識は、そのまま仕事にもなります。記帳代行や月次のチェックといった仕事の内容は、経理・財務・帳簿・税務のお仕事にまとめられています。会計ソフトの導入支援や業務の自動化を提案する仕事に関心があるなら、AI・マーケティング・セキュリティのお仕事で扱われている案件の範囲も見てみてください。

報酬の水準を知りたい方は、職種別の統計を見るのが早いです。会計ソフトと連携する仕組みを作る開発の仕事についてはソフトウェア作成者の年収・単価相場、マニュアルや業務手順書を整える仕事については著述家,記者,編集者の年収・単価相場で、それぞれ年収と単価の分布が確認できます。

社内外に出す文書の作法を身につけたい方には、ビジネス文書検定の内容も参考になります。経理のやりとりは文書が基本なので、ここが整っているだけで信頼のされ方が変わります。

弥生も含めた3社の比較を見たい方は、フリーランス向け会計ソフト比較|freee・マネーフォワード・弥生を徹底比較【2026年版】も合わせてどうぞ。3社を横に並べると、freeeとマネーフォワードがどのあたりで似ているのかが逆に見えてきます。

急がなくて大丈夫です。無料の期間が両社にありますから、まずは1か月、同じ口座を連携して同じ月の明細を仕訳してみてください。答えはそこで出ます。

よくある質問

Q. freeeとマネーフォワードは、どちらが安いですか?

個人事業主の年払い最安どうしなら、マネーフォワードのパーソナルミニが900円/月、freeeのスターターが980円/月で、差は月80円です(いずれも税抜)。ただしパーソナルミニは消費税申告が使えません。法人は課金の軸が違い、freeeは機能段階+従量課金、マネーフォワードは利用人数で分かれるため、人数を決めてから見積もる必要があります。

Q. 無料で試せますか?

両方とも試せます。freeeは30日間の無料お試しで、登録はメールアドレスのみ、クレジットカードの登録は不要と記載されています。マネーフォワードは1ヶ月無料のトライアルで、カード登録なし、終了後に自動で有料へ移行しない、作成データは引き継がれると明記されています。同じ月に両方を試して比べるのがおすすめです。

Q. 電話でサポートを受けられますか?

どちらも上位プランのみです。freeeは個人事業主向けではプレミアムプラン以上で予約電話サポートが利用できます。マネーフォワードの個人向けは、電話サポートがパーソナルプラスプランのみに付く項目です。どちらも対象は操作方法で、仕訳や税務の相談は対象外と注記されています。税務の相談は税理士や税務署へ。

Q. 契約する前に確認しておくべきことは何ですか?

自分が使っている銀行口座とクレジットカードが連携できるかどうかです。マネーフォワードではMIXI M、e-kenetカード、JCBプリペイドカードとのデータ連携終了が告知されており、freeeでも過去に楽天銀行のAPI連携終了などがありました。自動連携は相手方の都合で終わることがあるため、対応一覧で事前に確認してください。

Q. 法人でマネーフォワードのひとり法人プランを選ぶときの注意点は?

1会計年度の仕訳数が500件までという上限が明記されています。年500件は月あたり40件強なので、日々の入出金が多い業種では初年度のうちに超える可能性があります。上限に近い運用が見込まれるなら、上位プランとの差額を先に計算しておくか、従量課金のないfreeeのひとり法人プランと比べてみてください。

この記事について

@SOHO
編集部

監修:@SOHO編集部

2004年よりフリーランス・在宅ワーク向けサービスを20年運営。編集部が事実確認のうえ公開しています。

公開:2026年8月11日最終更新:2026年9月3日
前田 壮一

この記事を書いた人

前田 壮一@SOHO編集部

元メーカー管理職・43歳でフリーランス転身

大手電機メーカーで品質管理を20年間担当した後、42歳でフリーランスに転身。中高年のキャリアチェンジや副業の始め方を、自身の経験をもとに発信しています。

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