ネットショップの手数料を比べる|引かれる項目を全部並べる


この記事のポイント
- ✓ネットショップ 手数料 比較で料率だけを見ると必ずずれます
- ✓初期費用から決済手数料
- ✓公式に書かれている項目を全部並べて実効の負担を出す方法を整理しました
ネットショップの手数料を比べようとして、料率の一覧表を見ながら混乱した経験はありませんか。まず、安心してください。混乱するのは当然です。サービスによって費用の名前が違い、片方にしかない項目があり、同じ名前でも発生する条件が違うからです。
料率だけを横に並べても答えが出ないのは、そこに理由があります。
ネットショップを運用するには、どのような料金がかかるでしょうか。諸経費についてその理由と内容を事前に理解しておくことで、サービスごとの料金を比較検討しやすくなります。実際の手数料の名称はサービスによって異なる場合がありますが、以下では一般的な名称でネットショップの運用費について、解説します。 出典: bindec.jp
名称が違うという指摘は、比較の核心を突いています。この記事では、代表的な4つのサービスについて、公式ページに書かれている費用の項目を残らず並べます。そのうえで、自分の店の実効の負担を出す手順まで整理します。数字は多く出ますが、順番に読めば必ず整理できます。
数字の前に、前提が変わっている箇所を押さえる
料率を比べる前に確認しておきたいことがあります。掲載されている数字が正しくても、そのプランに申し込めないことがあるからです。
STORESの公式のよくある質問には、複数の記事に共通して次の注意書きがあります。「STORESネットショップ ベーシックプランの新規受付は終了いたしました。2026年3月24日以降に有料プランをご利用いただく場合は、スタンダードプランへお申し込みください」。旧ベーシックプランは既存契約者だけが継続している状態で、公式の手数料の表にも列として残っているため、古い記事の金額をそのまま使うと見積もりが成立しません。
料率そのものの改定もありました。STORESの公式のお知らせによると、2026年8月3日午前0時以降の決済分から、キャリア決済の手数料率が変更されています。フリープランが5.5%から6.5%へ、スタンダードプランが3.6%から4.6%へ。キャリア決済以外の決済手段に変更はないと明記されています。
カラーミーショップでは、プラン自体が消えた前例があります。公式のお知らせによると、2024年9月30日をもってエコノミープランとスモールプランの提供が終了し、利用中のアカウントは契約更新時にレギュラープランへ自動で移行しました。エコノミープラン(12ヶ月契約2,567円)とスモールプラン(同3,007円)の利用者が、レギュラープラン(4,950円)へ移った形です。いずれも税込です。
Shopifyでも、Starterプラン、Liteプラン、Retailプランの3つについて、日本語ヘルプに「新規ストアではご利用いただけません」と明記されています。いま新規に申し込めるのは Basic、Grow、Advanced、Plus、Agentic の5つです。
BASEについては、機能単位の終了があります。「かんたん発送(ヤマト運輸連携) App」「かんたん発送(日本郵便連携) App」が2026年2月10日以降利用できなくなりました。ただし注文詳細ページの「かんたん発送」は引き続き使えると同じヘルプに書かれています。終わったのはAppという提供形態です。
引かれる項目は、大きく9種類ある
ここから本題です。ネットショップで引かれるお金には、公式ページの表記をたどると次の9種類があります。すべてのサービスに9つ全部があるわけではなく、あるかないかが分かれるところが比較の要点になります。
ひとつ、初期費用。ふたつ、月額。みっつ、決済手数料。よっつ、サービス利用料。いつつ、振込手数料。むっつ、事務手数料。ななつ、早期入金の手数料。やっつ、有料オプションやアプリの費用。ここのつ、購入者が負担する手数料。
順番に、4サービスを横に並べていきます。
初期費用
BASEは公式ヘルプに「ショップ開設にあたりまして、月額費用・初期費用はかかりません」と明記されています。
STORESはサービス紹介ページに「選べる2プラン、どちらも初期費用は0円」と記載があります。ただし料金ページ本体には「初期費用」という語の記載が確認できませんでした。
Shopifyは日本の料金ページのよくある質問に「どのプランでもセットアップ手数料はかかりません」とあります。
カラーミーショップだけ、初期費用が発生します。フリープランは0円ですが、レギュラープランとラージプランが3,300円、プレミアムプランが22,000円です。いずれも税込表記です。
月額
| サービス | 無料の階段 | 有料の階段 |
|---|---|---|
| BASE | スタンダードプラン 0円 | グロースプラン 月払い19,980円/年払い16,580円(1ヶ月あたり・税込) |
| STORES | フリープラン 0円 | スタンダードプラン 月契約3,960円/年契約の月払い3,300円/年一括39,600円(税込) |
| カラーミーショップ | フリープラン 0円 | レギュラー4,950円/ラージ9,595円/プレミアム35,640円から(税込) |
| Shopify | 通常のオンラインストア向けの無料プランは確認できず | Basic 年払い3,650円/Grow 10,100円/Advanced 44,000円/Plus 368,000円から |
ここに落とし穴がふたつあります。
ひとつは、BASEのグロースプランの「16,580円」が年払いを選んだ場合の1ヶ月あたりの金額だという点です。月払いは19,980円。年払いにすると「年間で40,780円(税込)お得」と公式ヘルプに書かれています。
もうひとつは、カラーミーショップのプレミアムプランの表記です。同じ料金ページの中で、カードの表示が「35,640円から」、比較表が「39,600円」となっています。ヘルプセンターでは契約期間別に12ヶ月35,640円、6ヶ月37,620円、3ヶ月39,600円と説明されており、一方で2024年8月のお知らせでは契約期間にかかわらず39,600円と書かれています。公式の中で数字が揃っていないので、見積もりを作るときは契約期間を指定して確認してください。
決済手数料
ここがいちばん注目される項目ですが、決済手段によって料率が変わる点を押さえないと比較になりません。
| サービス・プラン | 主要な決済手段 | 一部の決済手段 |
|---|---|---|
| BASE スタンダード | 3.6%+40円 | Amazon Pay・PayPal・PayPay は4.6%+40円 |
| BASE グロース | 2.9% | 同3.9% |
| STORES フリー | カード・コンビニ・銀行振込 5.5% | キャリア決済・楽天ペイ・PayPay・Amazon Pay・PayPal・後払い各種 6.5% |
| STORES スタンダード | 同 3.6% | 同 4.6% |
| カラーミー フリー | 6.6%+33円(税込) | Amazon Pay 6.5%+30円 |
| カラーミー 有料 | クレジットカード レギュラー3.4%から/ラージ3.19%から/プレミアム2.99%から | Amazon Pay 3.9%、PayPay 3.45%、楽天ペイ 月額2,200円+4% |
| Shopify | オンライン標準カード Basic 3.55%/Grow 3.4%/Advanced 3.25%(固定額はいずれも0円 JPY) | Amex・海外カード 3.9%/3.85%/3.8% |
ここで気づいてほしいのは、固定額の有無です。BASEのスタンダードプランには1注文あたり40円、カラーミーのフリープランには33円が乗ります。STORESとShopifyには固定額の加算がありません。商品単価が低い店ほど、この固定額が実効の負担を押し上げます。
端数の処理も違う
細かい話に見えますが、注文件数が多い店では効いてきます。
BASEの公式ヘルプは「小数点以下を四捨五入して計算されます」。STORESの公式は「小数点以下を繰り上げた金額を合計して算出されます」。STORESには公式の計算例もあり、オーダー1,890円×5.5%=103.95円が104円に、18,110円×5.5%=996.05円が997円になると示されています。
1件あたり数円の差ですが、月に数百件の注文がある店では見過ごせません。
サービス利用料という項目があるかどうか
これは4社で最も分かれる項目です。
BASEには「サービス利用料」があります。スタンダードプランが3%、グロースプランが0円。公式の説明は「各種機能やサポート体制の強化など、ショップ運営や販売支援のさらなる充実を目的に頂戴しております」というものです。決済手数料とは別に引かれるので、スタンダードプランの実効料率は合計6.6%+40円になります。
STORESには、この名称の費用項目が公式の料金ページにもよくある質問にも見当たりません。
カラーミーショップは「販売手数料」を0円と明記しています。
Shopifyには、性質が近い項目として「外部サービスの取引手数料」があります。Shopifyペイメント以外の決済を使った場合に、Basic 2%、Grow 1%、Advanced 0.6%、Plus 0.2% が加算されます。ただしヘルプには「Shopifyペイメントを使用する場合、以下の決済方法で処理される注文には、外部サービスの取引手数料は請求されません」として、Shopifyペイメント、Shop Pay、Shop Payの分割払い、PayPalエクスプレスチェックアウト、現金や代引きなどの手動の決済方法が挙げられています。
つまりShopifyの2%は、決済の構成次第でゼロにも2%にもなる項目です。比較表で一律に足してしまうと、実態とずれます。
振込手数料と事務手数料
売上を受け取るときにかかる費用です。ここは公式に書かれているかどうかから差が出ます。
BASEは「【振込手数料】一律250円」「【事務手数料】2万円未満の場合:500円 / 2万円以上の場合:0円」。2万円未満で振込申請をすると、合わせて750円が引かれます。
STORESは振込手数料が275円、事務手数料も275円です。ただし事務手数料は「入金額が10,000円未満でも振込」に設定していて、かつ入金額が10,000円未満のときにのみ発生します。「入金額が10,000円以上で振込」の設定なら発生しません。
同じ「事務手数料」という名前でも、BASEは申請金額で、STORESは振込設定で決まります。並べて「どちらも数百円」と読むと、実際の請求で食い違います。
カラーミーショップは、入金時にショップ側が負担する振込手数料の金額について公式ページに記載が見当たりませんでした。「事務手数料」という名目の費用も同様です。近い名目としては、カラーミーペイメントの口座振替決済における登録処理料110円/回、売上処理料132円/回、GMO後払いの請求書発行手数料239円/回(はがき)と277円/回(封書)が記載されています。
Shopifyも、Shopifyペイメントの売上入金にかかる振込手数料についての記載は確認できませんでした。関連する記載としては「日本のShopifyペイメントアカウントの最低支払額は5円です」というものがあります。
記載がないことと、かからないことは違います。断定を避けて、実際に契約する前に問い合わせて確認するのが確実です。
早く受け取りたいときの費用
どのサービスにも早期入金の仕組みがあり、いずれも有料です。
BASEには「お急ぎ振込」(申請金額の1.5%、最短翌営業日)と「最速振込」(3%、条件により最短当日)があります。どちらも振込手数料と事務手数料は別にかかり、初回の振込申請では使えません。また「一定の基準を満たしているショップに順次機能を解放しており、すべてのショップにてご利用いただけるとは限りません」とされています。
STORESの「スピードキャッシュ」は、初めて利用する場合は手数料が無料です。2回目以降はスタンダードプランが1.5%、フリープランが3.5%で、いずれも振込手数料275円が別にかかります。
カラーミーショップの「早期入金サービス」はオプション扱いで、月額費用2,200円に手数料0.5%です。契約すると入金が当月末日締め・翌月15日入金になります。
Shopifyには早期入金にあたる仕組みの記載が見当たりません。むしろ制約があり、「日本のShopifyペイメントアカウントでは、日次支払いは利用できません。週単位または月単位の支払いスケジュールを選択する必要があります」と明記されています。
有料のオプションとアプリ
月額と料率の外側にある費用です。ここは設計思想がはっきり分かれます。
BASEは、公式のオウンドメディアに「現在ある80種類以上の拡張機能のほぼすべてが、どちらのプランでも無料で使えます。現在、有料で利用できる拡張機能は2つのみです」と書かれています。有料は「BASEロゴ非表示」(月額500円)と「不正決済保証」(月額980円から)です。
カラーミーショップは、月額のオプションが多く用意されています。公式ヘルプに、常時SSL(独自ドメインの場合)1,100円/月、独自ドメイン取得オプション550円/月、FTPサービス550円/月、テンプレートプラス550円/月、メールマガジン330円/月、メールアドレス追加1件あたり550円/月、GoogleショッピングPro 5,500円/月と記載があります。ただし多くは有料プランでは標準機能として使えると注記されています。料金ページには、Instagramショッピング連携550円/月といった項目もあります。
Shopifyのアプリとテーマは米ドル建てです。アプリの掲載ページには「すべての料金はUSDで請求されます」と明記されており、Shopify Japanの公式のお知らせにも「これまでどおりドル建てで算出し、請求時に円建てに換算するため、為替レートによる変動が生じます」と書かれています。
STORESには、アプリストアから追加する形式の仕組みが公式サイト上に見当たりません。外部サービスとの連携機能が管理画面から設定でき、いずれもフリー・スタンダードの両プランで利用可能とされています。
購入者が負担する手数料
自分の店から引かれるわけではないのに、売れ行きに影響する項目です。
STORESは「コンビニ決済・キャリア決済は別途支払手数料300円(購入者負担)が発生いたします」「電子チケットの場合、別途チケット発券手数料2%(購入者負担)が発生いたします」と明記しています。
BASEの「かんたん海外販売」では、購入者が商品代金と送料に加えて代行手数料10%(下限500円、上限3,000円)と決済手数料2%から3%を負担します。
Shopifyについては「海外取引手数料は、越境での購入を行うお客様に対して銀行から請求されますが、マーチャントに請求されることはありません」と記載されています。
購入者の負担が増えれば、かご落ちが増えます。自分の店の負担だけを見て決めると、この影響を見落とします。
忘れやすい「別枠」の手数料
もうひとつ、プランの表に載っていない費用があります。
BASEには、PAY IDアプリ経由の注文にかかる手数料があります。公式ヘルプの記載は「『PAY IDアプリ』経由の注文には、ショップの料金プランとは異なる手数料が適用されます」。適用されるのは決済手数料3.6%+40円とサービス利用料5.9%で、掲載自体の費用は0円です。グロースプランに入っていても、この経路にはその料率が適用されません。掲載を止めた後も「最大31日間は、手数料が発生する可能性があります」と書かれています。
カラーミーショップには「月額最低手数料」という項目があります。公式の注記は「月額最低手数料は、その月の決済手数料が記載の金額よりも下回った場合のみお支払いいただく料金です」。コンビニ決済とネット銀行決済に1,100円が設定されています。売上が少ない月ほど、この下限が効いてきます。
さらにカラーミーは、決済手数料の支払先が別会社である点も明記されています。「『カラーミーペイメント』の料金は、カラーミーショップ(GMOペパボ株式会社)ではなく、GMOイプシロン株式会社へお支払いいただきます」。請求書が2通に分かれるということです。
Shopifyには、日本のチャージバック手数料1,300円という項目があります。「チャージバックの異議申し立てに勝訴した場合、手数料は返金されます」とされています。多通貨で売る場合は通貨両替手数料2%も加わります。
税表記が揃っていない点は、正直に書いておきます
比較表を作るときに必ずぶつかる問題があります。税抜か税込かの表記が、公式の中で揃っていません。
BASEはグロースプランの月額を「税込」と明記していますが、決済手数料、サービス利用料、振込手数料、事務手数料については税抜・税込の明記がありません。
STORESは月額料金を「(税込)」と明記していますが、決済手数料、振込手数料275円、事務手数料275円、スピードキャッシュ手数料については明記がありません。
カラーミーショップは各ページに「価格表記はすべて税込です」と記載していますが、フリープランの決済手数料だけは、比較表が「6.6% + 30円 〜」、よくある質問が「6.6%+33円」、ヘルプが「6.6%+30円(税抜)」と3通りの書き方になっています。
Shopifyは日本の料金ページに税抜・税込の表記が1か所もありません。日本語の利用規約には「料金には(中略)税金は含まれません」という記載があります。
つまり、4社の数字をひとつの表にきれいに並べることは、公式情報だけでは原理的にできません。それでも表を作るなら、片方だけ「税込」と注記するのが正確な書き方になります。
実効の手数料を出す4つのステップ
ここまでの項目を、自分の店の数字に落とします。
ひとつ目。月の注文件数と、1件あたりの平均単価を書き出します。売上総額ではなく件数から入るのが重要です。固定額の40円や33円、そして端数の繰り上げは、件数に比例するからです。
ふたつ目。決済手段の内訳を出します。カードが何割、コンビニ払いが何割、キャリア決済が何割か。4社とも決済手段で料率が変わるので、ここを平均で潰すと数字がずれます。
みっつ目。月額と決済手数料とサービス利用料を足します。BASEなら決済手数料とサービス利用料を別々に計算して合算。Shopifyなら外部決済を使うかどうかで取引手数料を加えるか決める。カラーミーなら月額最低手数料の下限を確認する。
よっつ目。受け取りにかかる費用を足します。振込の回数、金額、設定によって変わります。ここまで足して初めて「実効の手数料」が出ます。
無料プランから有料プランへ切り替える時期についても、目安があります。
初期費用を抑えたいならASP型の無料プラン(STORES ネットショップ, Shopifyなど)がおすすめですが、無料プランは手数料が高いため、月商10万円〜20万円を目安に低手数料の有料プランへ移行することが、利益を最大化する鍵です。開設の際は、費用、機能、難易度を比較し、ご自身のビジネスに最適なサービスを選びましょう。 出典: stores.fun
考え方としては妥当だと思います。ただ、切り替えの分岐点はサービスごとに違います。BASEについては公式に数字があり、グロースプランがお得になる月商の目安として料金改定後(2024年1月16日以降)で「約50万円/月」と示されています。改定前の目安は約17万円/月だったとも同じヘルプに書かれています。目安は動くということです。
自分で計算する場合は、月額の差を料率の差で割ってください。それが分岐点の月商になります。2つのサービスの機能面の違いをあわせて見たい方には、BASEとSTORESを比較|ネットショップ開設はどっちが正解?【2026年版】が参考になります。手数料の構造を読む練習という意味では、ココナラvsクラウドワークス|手数料・案件・使いやすさ比較【2026年版】のように、別の業種で同じ比較をしている記事を読むのも有効です。
売上金には期限があります
最後に、手数料ではないけれど手取りに直結する項目をひとつ。
BASEには「振込申請期限は、(中略)発送日を起算日として毎月末を締め日とします(締め月+6ヵ月後が振込申請期限です)。振込申請期限を過ぎた売上は失効となり、お引き出しいただけなくなりますのでご注意ください」という記載があります。
STORESにも「売上金が一定期間を過ぎても振込されない場合、自動的に失効します」とあり、2021年12月1日以降の取引はオーダー発生日から180日とされています。
特にBASEは申請しないと動かない仕組みなので、月に一度は残高を確認する習慣をつけてください。手数料を1ポイント削る努力より、失効を防ぐほうが金額的には大きいことがあります。
率の比較から、手取りの比較へ
ここからは、数字を出したあとの話です。
在宅ワークと業務委託の市場を20年運営してきた立場から言えることがあります。手数料の議論は率の話に見えて、実際には手取りの話です。そして、長く続く人ほど率ではなく手取りで判断しています。
中間に何も挟まらない直接の取引は、この構造をはっきりさせます。手数料0%という条件は、金額の話に見えて質の話です。同じ予算で依頼する側はより多く頼めるようになり、受ける側は同じ仕事で手元に残る額が厚くなる。差額が誰の取り分にもなっていないからです。運営者として見てきた限りでは、この構造に気づいた人ほど、単価の交渉ではなく取引の形そのものを見直しています。
ネットショップの手数料も同じです。6.6%と3.6%の差は、率で見れば3ポイントですが、粗利からそのまま引かれます。粗利率が3割の商品なら、3ポイントの差は利益のちょうど1割に当たります。率の小ささではなく、利益に対する比率で見てください。
私も独立した当初、費用の比較表を作ることに時間を使いました。ところが運用を始めてから効いてきたのは、表に無い費用でした。振込のたびに引かれる数百円、月額のオプション、そして自分の作業時間です。手数料を0.1ポイント削る工夫より、月に何時間を運営に使うかのほうが、結果的に大きく効きました。ここは正直に書いておきます。
開業前に何を決めておくべきかについて、こういう整理があります。
ネットショップ開業前に決めておく3つのポイント 手数料と集客コストの比較ができたら、次は実際の開業に進みます。手順を知っておくと、迷いなく動けます。3つのポイントを以下の順でおさえましょう。 出典: lineup.market
手数料の比較は、開業準備の一部でしかありません。比較が終わったら、次は運用の設計です。
商品登録、在庫の更新、発送の手配、問い合わせへの返信。これらはどのサービスを選んでも同じように発生します。無料プランでは在庫のCSV一括更新のような効率化の機能が使えないことがあり、そのぶん手作業が残ります。ここを外に出すという選択肢は、思っているより現実的です。EC運営の実務は、いま在宅の業務委託として一定の市場を持つ領域になっています。具体的な仕事の内容はEC運用代行・商品登録のお仕事の一覧が参考になりますし、集客や広告運用まで含めるならAI・マーケティング・セキュリティのお仕事も見てみてください。商品説明の文章を外注する場合の報酬水準の考え方は著述家,記者,編集者の年収・単価相場が目安になります。
手数料を削るか、時間を買うか。どちらが自分の店に効くかは、売上の規模で変わります。焦らなくて大丈夫です。まずは注文件数と単価を書き出すところから始めれば、この記事の表はすべて計算できます。
よくある質問
Q. 決済手数料が一番低いサービスを選べばいいですか?
それだけでは決まりません。BASEのスタンダードプランには決済手数料とは別にサービス利用料3%があり、実効では6.6%+1注文40円になります。Shopifyは外部の決済代行を使うと取引手数料が最大2%加算されます。カラーミーショップには月額最低手数料という下限もあります。項目を全部足してから比べてください。
Q. 「事務手数料」はどのサービスにもありますか?
BASEとSTORESにありますが、発生条件が違います。BASEは振込申請額が2万円未満のときに500円、STORESは「10,000円未満でも振込」の設定で入金額が10,000円未満のときに275円です。カラーミーショップとShopifyには、この名目の費用の記載が公式ページに見当たりませんでした。
Q. 振込手数料はいくらかかりますか?
BASEは一律250円、STORESは275円と公式に記載があります。カラーミーショップとShopifyについては、入金時にショップ側が負担する振込手数料の金額が公開資料では確認できませんでした。記載がないことと無料であることは違うので、契約前に確認することをおすすめします。
Q. 税抜と税込のどちらで比べればいいですか?
公式表記が揃っていないため、一律に揃えることはできません。月額料金はBASE、STORES、カラーミーショップが税込と明記していますが、決済手数料や振込手数料は多くが税抜・税込の明記なしです。Shopifyは日本の料金ページに税表記自体がありません。表を作るときは項目ごとに注記を分けてください。
Q. 無料プランから有料プランへ切り替える目安はありますか?
BASEは公式に目安を示していて、グロースプランがお得になる月商は2024年1月16日以降の料金で約50万円/月とされています(PAY IDアプリからの注文を除く)。他社に同様の公式の目安は見当たりませんが、月額の差を料率の差で割れば自分で分岐点を計算できます。
この記事について
編集部
監修:@SOHO編集部
2004年よりフリーランス・在宅ワーク向けサービスを20年運営。編集部が事実確認のうえ公開しています。

この記事を書いた人
前田 壮一@SOHO編集部
元メーカー管理職・43歳でフリーランス転身
大手電機メーカーで品質管理を20年間担当した後、42歳でフリーランスに転身。中高年のキャリアチェンジや副業の始め方を、自身の経験をもとに発信しています。
関連記事
カテゴリから探す

クラウドソーシング入門
クラウドソーシングの基礎知識・始め方・サイト比較

職種別ガイド
職種・スキル別の案件獲得方法と単価相場

副業・在宅ワーク
副業・在宅ワークの始め方と対象者別ガイド

フリーランス
フリーランスの独立・営業・実務ノウハウ

お金・税金
確定申告・節税・経費・ローンなどお金の知識

スキルアップ
プロフィール・提案文・単価交渉などのテクニック

AI活用
職種別にChatGPT・生成AIを活用して業務効率化・収益化するノウハウ

最新トレンド
市場動向・法改正・AIなど最新情報

発注者向けガイド
クラウドソーシングで外注・人材探しをする企業・個人向け

転職・キャリア
転職エージェント・転職サイト比較・キャリアチェンジ

看護師の転職・求人
看護師の転職・派遣・単発バイト・副業など働き方のガイド。診療や医学の情報は扱いません

薬剤師の転職・求人
薬剤師・登録販売者の転職・派遣・パートなど働き方のガイド。診療や医学の情報は扱いません

介護職の転職・求人
介護職・介護福祉士・ケアマネジャー・訪問介護員の転職・派遣・夜勤など働き方のガイド

保育士の転職・求人
保育士・保育補助・幼稚園教諭の転職・派遣・パートなど働き方のガイド

医療職の転職・求人
医師・産業医・リハビリ職・歯科衛生士・管理栄養士・医療事務の転職や働き方のガイド。診療や医学の情報は扱いません

保険
生命保険・医療保険・フリーランスの保険設計

採用・求人
無料求人掲載・採用コスト削減・人材募集の方法

オフィス・ワークスペース
バーチャルオフィス・コワーキング・レンタルオフィス

法律・士業
契約トラブル・士業独立開業・フリーランス新法

シニア・50代
シニア世代のキャリアチェンジ・副業・年金

セキュリティ
サイバーセキュリティ・脆弱性対策・情報保護

金融・フィンテック
暗号資産・決済・ブロックチェーン・金融テクノロジー

経営・ビジネス
経営戦略・ガバナンス・事業承継・知財

ガジェット・機材
フリーランスに役立つPC・デバイス・周辺機器

子育て×働き方
子育てと在宅ワークの両立・保育園・時間管理

補助金・助成金
個人事業主・フリーランスが使える公的補助金・助成金・給付金の申請ガイド

アウトソーシング・外注ガイド
SNS運用・経理・広告など、業務のアウトソーシング(外注)を検討する企業・個人向け。費用相場・依頼の流れ・失敗しない選び方







