訪問介護と訪問看護は何が違うのか|働く側から見て何が変わるのか


この記事のポイント
- ✓訪問介護と訪問看護の違いを
- ✓根拠法・人員配置・できる行為の線引き・1日の動き方まで働く側の視点で整理しました
- ✓医療保険と介護保険の使い分け
訪問介護と訪問看護の違いを調べている方の多くは、利用する側というより「どちらで働くか」を迷っている段階だと思います。求人サイトで両方の募集を並べて見ると、どちらも「利用者宅を訪問して支援します」と書いてあって、違いが読み取れない。これ、知らない人が本当に多いんです。
結論から言うと、この2つは根拠になる法律が違い、仕事が始まる合図が違い、現場で許されている行為の範囲が違います。訪問看護は医師の指示書がなければ1件も動けませんが、訪問介護はケアマネジャーが作ったケアプランで動きます。つまり、誰の指示で動くのかという出発点から別物なんです。この記事では、制度の線引きだけでなく、その線引きが現場の1日をどう変えているのかまで整理します。
根拠になる法律が違うので、仕事の始まり方が違う
まず制度を整理します。訪問介護は介護保険法に定められた居宅サービスです。要介護1から要介護5の認定を受けた方が対象で、ケアマネジャーが作成したケアプランに位置づけられて初めてサービスが動きます。要支援1・要支援2の方については、市町村が実施する介護予防・日常生活支援総合事業に移行しています。
訪問看護は少し複雑です。介護保険法の居宅サービスとしての訪問看護と、健康保険法に基づく医療保険の訪問看護の2本立てになっています。どちらの保険を使うかは利用者の状態で決まり、事業所側はそれに合わせて請求を切り替えます。
そして決定的な違いがここです。訪問看護は、主治医が発行する訪問看護指示書がなければ開始できません。指示書には有効期間があり、原則6か月以内で医師が定めます。期限が切れれば訪問できなくなるので、更新のタイミングを管理するのは事業所の仕事です。つまり、訪問看護は医療の枠組みの中にあるサービスなんです。
対して訪問介護には医師の指示書という概念がありません。ケアプランに「週3回、身体介護30分以上1時間未満」と位置づけられれば、その範囲で訪問します。指示を出すのはケアマネジャーであり、医師ではありません。
この違いは、現場の日々に直結します。訪問看護の職員は、医師と常に情報をやり取りする立場に置かれます。状態が変わればすぐ報告し、必要なら指示の変更を受ける。訪問介護の職員は、ケアマネジャーとサービス提供責任者を通じて情報を回します。同じ在宅の現場にいながら、報告の宛先が違うわけです。
もう1つ、契約上の位置づけも違います。どちらも利用者と事業所が契約を結びますが、訪問看護は医療的な判断を含むサービスなので、事故が起きたときの責任の重さが変わります。医行為に関する過失は、介護事故とは別の水準で評価されます。※実際に事故が起きた場合の法的責任の判断は個別性が高いので、必ず弁護士や所属法人の顧問に相談してください。
在宅で療養を続ける体制は、この2つを組み合わせて作られます。ただし組み合わせても支えきれない局面があることも、現場では共有されています。
訪問看護や訪問介護を組み合わせることで在宅療養は可能ですが、24時間の見守りが必要な場合や、ご家族の介護負担が限界を超えそうな場合は、施設入居も有力な選択肢となります。 出典: cuc-hospice.com
働く側から見ると、この限界の見極めも業務のうちです。家族が限界に近づいているサインを最初に見つけるのは、週に何度も家に入っている訪問の職員だからです。
人員配置の基準を並べると、職場の性格が見えてくる
法律が求める人員配置を比べると、両者の違いがはっきりします。
訪問介護事業所は、訪問介護員等を常勤換算で2.5人以上配置する必要があります。訪問介護員として働くには、介護職員初任者研修以上の修了が必要です。加えてサービス提供責任者を置かなければならず、利用者40人につき1人以上が基準です。サービス提供責任者になるには、介護福祉士または実務者研修修了者であることが求められます。管理者は常勤で専従、資格要件はありません。
訪問看護ステーションは、保健師、看護師、准看護師を常勤換算で2.5人以上配置します。そのうち1人は常勤でなければなりません。理学療法士、作業療法士、言語聴覚士を配置することもできます。管理者は保健師または看護師で、常勤であることが求められます。
数字だけ見ると似ていますが、中身がまったく違います。訪問介護の職員は無資格では働けませんが、初任者研修は130時間の研修で取得できます。訪問看護の職員は国家資格である看護師免許が前提です。参入のハードルが根本的に違うということです。
働く形態にも差があります。訪問介護には登録ヘルパーという働き方が広く定着していて、空いている時間だけ契約して訪問するスタイルが選べます。時給制で、1件いくらの単価設定になっていることが多い。訪問看護にも非常勤の働き方はありますが、登録ヘルパーほど細切れの契約は一般的ではありません。
もう1つ、訪問看護ステーションにはリハビリ専門職が在籍していることがあります。看護師ではなく理学療法士が訪問して、機能訓練を行う。これは制度上「訪問看護」として位置づけられているサービスで、利用者から見れば看護師が来る日とリハビリ職が来る日がある形になります。求人を見るときに「訪問看護ステーションの理学療法士募集」が出てくるのはこのためです。
訪問介護でできること、できないことの線引きが一番の悩みになる
訪問介護の業務は、身体介護と生活援助の2つに分かれます。
身体介護は、食事介助、入浴介助、清拭、排せつ介助、更衣、体位変換、移乗・移動の介助、服薬介助、通院の付き添いなどです。利用者の身体に直接触れる支援がここに入ります。
生活援助は、調理、掃除、洗濯、買い物、薬の受け取りなど、日常生活を回すための家事支援です。
問題はこの生活援助のほうです。介護保険で認められる生活援助には明確な制限があり、認められないものが列挙されています。同居している家族の分の調理や洗濯はできません。来客への応対もできません。草むしり、ペットの世話、家具の移動、大掃除、窓拭き、正月やお盆の特別な料理の準備。これらはすべて対象外です。
つまり、利用者本人の日常生活の維持に直接必要なことだけが給付の対象なんです。ここが現場で一番トラブルになります。
匿名化した実例を挙げます。ある訪問介護員の方が、利用者から「ついでに庭の草を抜いておいて」と頼まれて応じてしまった。その後、同居の息子さんから「うちの母は掃除も頼んでいるのに、なぜ庭だけやって部屋はやらないのか」と苦情が入り、事業所が説明に追われた。善意で応じた1回が、事業所全体の信頼問題に発展したケースです。
こういうケース、実は本当に多い。だからこそ、断り方を含めて事前に訓練しておく必要があります。断ること自体は冷たい対応ではなく、制度を守る行為です。ここを曖昧にしたままだと、後から報酬返還を求められる事態にもなり得ます。
もう1つ、医行為の線引きがあります。訪問介護員は原則として医行為を行えません。ただし例外があり、体温測定、血圧測定、パルスオキシメーターの装着、軽微な切り傷の処置、一定の条件下での服薬介助、爪切りなどは医行為に当たらないとされています。さらに、喀痰吸引と経管栄養については、認定特定行為業務従事者の研修を修了し、都道府県の認定を受ければ実施できます。
この認定を持っているかどうかで、訪問できる利用者の範囲が変わります。求人票に「喀痰吸引等研修修了者優遇」と書かれている事業所は、医療的ケアが必要な利用者を受けているということです。
訪問看護は、1人で医療判断をする現場である
訪問看護が担う業務は、医療処置が中心です。
具体的には、バイタルサインの観察と病状のアセスメント、点滴や注射の管理、褥瘡の処置と予防、カテーテルやストーマの管理、在宅酸素療法の管理、人工呼吸器の管理、インスリン注射の管理と指導、服薬管理、疼痛コントロール、そして看取りです。
加えて、家族への指導が大きな比重を占めます。医療的ケアを家族が引き継げるように教える。これは病院の看護とは性質が違う仕事です。
働く側にとって最も大きな違いは、その場に自分1人しかいないことです。病院なら隣に先輩看護師がいて、すぐ医師を呼べます。在宅では、玄関を入った瞬間から判断はすべて自分です。状態が悪ければ、その場で主治医に連絡し、救急搬送の判断をする。この重さが、訪問看護に移った看護師が最初に直面する壁です。
私が相談を受けた中に、病棟から訪問看護に移った看護師の方が「判断が怖くて夜眠れなくなった」というケースがありました。結局その方は、同行訪問の期間を延ばしてもらい、オンコールの担当を半年間外してもらうことで乗り切りました。※この種の配慮は法律上の義務ではなく事業所の裁量なので、入職前に相談できる相手がいるかどうかを確認しておくべきです。
もう1つ、訪問看護には24時間対応体制加算という仕組みがあります。事業所が24時間の連絡体制を整え、必要に応じて緊急訪問を行う体制です。この加算を取っている事業所では、看護師が輪番でオンコールの携帯を持ちます。夜間に電話が鳴れば対応し、必要なら出動します。
オンコールの実態は事業所によって大きく違います。月4回程度の当番で済むところもあれば、人数が少なくて月10回を超えるところもある。手当も1回あたり1,000円台から5,000円台まで幅があります。訪問看護の求人を見るときに、給与の額面より先に確認すべきはここです。
1日の動き方が違う。直行直帰とオンコールという2つの軸
訪問介護の1日を追います。事業所に集合して申し送りを受けてから出る形と、自宅から直接1件目に向かう直行直帰の形があります。登録ヘルパーは直行直帰が中心です。
1件あたりの時間は、身体介護なら20分から60分、生活援助なら20分から45分が標準的な区分です。常勤の訪問介護員なら1日5件から8件を回ります。移動は自転車、原付、自動車。都市部では自転車が中心で、地方では車が前提になります。
朝は起床介助と朝食の支援、昼は食事と服薬、夕方は夕食と就寝の準備。訪問の時間帯が朝と夕方に集中するので、日中に空き時間ができる働き方になりがちです。この空き時間を無給の待機にされていないかは、労働条件として確認すべき点です。移動時間と待機時間の賃金の扱いは、労働基準法上たびたび問題になってきた論点です。法律はあなたの味方ですから、契約書の記載を必ず確認してください。
訪問看護の1日は、事業所に集合してから出るのが一般的です。朝のカンファレンスで前日の状況と当日の予定を共有し、記録や物品を準備して出発します。1件あたり30分から90分、1日4件から6件が標準です。訪問介護より1件が長く、件数は少なくなります。
訪問の合間に、医師への報告、ケアマネジャーへの連絡、訪問看護報告書の作成が入ります。夕方に事業所へ戻って記録を仕上げる形が多く、書類の量は訪問介護よりかなり多い。訪問看護計画書と訪問看護報告書を月単位で作成し、主治医に提出する義務があるためです。
つまり、訪問介護は移動と現場作業の比重が高く、訪問看護は記録と連携の比重が高い。同じ「訪問」でも、1日の時間配分がまったく違います。
介護保険か医療保険かで、現場の段取りが変わる
訪問看護で働くなら避けて通れないのが、保険の使い分けです。
原則は、要介護認定を受けている方は介護保険が優先されます。ただし例外があり、厚生労働大臣が定める疾病等に該当する方、急性増悪などで特別訪問看護指示書が出た方、精神科訪問看護の対象となる方は医療保険が適用されます。
この違いは請求だけの話ではありません。訪問できる回数が変わります。医療保険の訪問看護は原則として週3回までという制限がありますが、上記の例外に該当すれば回数制限が外れます。介護保険では回数の上限はありませんが、区分支給限度基準額の枠内に収める必要があります。
現場でどうなるかというと、同じ利用者でも状態の変化で保険が切り替わることがあります。特別訪問看護指示書が出れば、その期間は医療保険で毎日訪問する。指示期間が終われば介護保険に戻る。この切り替えを間違えると請求が通らず、事業所が損をします。
訪問介護にはこの複雑さがありません。介護保険一本で、要支援の方は総合事業。障害福祉サービスの居宅介護を併せて提供している事業所なら障害者総合支援法も関わりますが、医療保険が混ざることはありません。
制度の詳細や最新の改定内容は、厚生労働省のサイトで一次情報を確認するのが確実です。報酬改定のたびに加算の要件が変わるので、面接前に直近の改定内容を押さえておくと、事業所側の説明も理解しやすくなります。
同じ法人が両方を持っている職場では、何が起きているか
求人を探していると、同じ法人が訪問介護事業所と訪問看護ステーションを併設しているケースによく当たります。デイサービスや居宅介護支援事業所まで含めて、在宅サービスを一体で運営している法人です。こうした職場の中で何が起きているのかを知っておくと、求人票の読み方が変わります。
まず良い面から書きます。情報の流れが速い。同じ利用者に訪問介護と訪問看護の両方が入っている場合、状態の変化が事業所内の会話で共有されます。訪問介護員が「今日は食事量が半分だった」と気づいたとき、廊下ですれ違った看護師にその場で伝えられる。別法人だと電話や連絡ノートを介すことになるので、この差は小さくありません。
看取りの局面では特に効きます。在宅での看取りは、訪問看護が医療を担い、訪問介護が生活を支え、家族が中心にいる形で進みます。この3者の呼吸が合っているかどうかで、家族の負担がまったく変わる。併設事業所はここが強みになります。
一方で、働く側が注意すべき点もあります。法人内の異動があり得るということです。訪問介護で採用されたのに、人手が足りないという理由でデイサービスの応援に回される。あるいはサービス提供責任者になった途端、居宅介護支援事業所のケアマネジャーとの調整役を全部背負わされる。多角化している法人ほど、業務の境目が曖昧になりがちです。
ここは契約の問題として確認してください。労働条件通知書に記載される業務内容が「介護業務全般」とだけ書かれている場合、法人は幅広い配置転換を予定していると読むのが自然です。訪問だけをやりたいのであれば、面接の段階で「訪問以外の業務に入る可能性はありますか」と直接聞いてください。※口頭の説明だけでは後から争いになりやすいので、重要な条件は書面で残してもらうのが確実です。
もう1つ、訪問看護ステーションが単独で運営されているケースにも触れておきます。看護師が数人で独立して立ち上げた小規模ステーションは全国的に増えています。意思決定が速く、現場の意見が通りやすい反面、人数が少ないのでオンコールの負担が集中します。管理者が現場に出ている事業所では、管理業務と訪問の両方を回すことになるので、時間外が読みにくくなる傾向があります。
これ、知らない人が本当に多いんですが、事業所の規模は求人票の給与欄より働き方への影響が大きい要素です。常勤換算の人数は情報公表システムで確認できるので、応募前に必ず調べてください。
資格・給与・キャリアの伸び方を比べる
給与水準は、訪問看護のほうが高く出ます。看護師免許が前提の職種であること、オンコール手当が加わること、医療的な責任を負うことが理由です。
訪問介護の常勤職員は、地域差が大きいものの、介護施設の日勤職員と同程度の水準に収まることが多い。夜勤手当がない分、施設の夜勤ありポジションより月収は下がります。ただしサービス提供責任者になると手当が付き、管理者になればさらに上がります。
登録ヘルパーは時給制で、身体介護と生活援助で単価が分かれているのが一般的です。身体介護のほうが高く設定されます。移動時間分の賃金が別途支払われるか、1件あたりの単価に含まれているかは事業所によって扱いが違うので、必ず確認してください。
キャリアの伸び方も違います。訪問介護は、初任者研修から実務者研修、介護福祉士、サービス提供責任者、管理者、さらにケアマネジャーへという道筋が比較的はっきりしています。資格を積み上げるほど役割が広がる構造です。
訪問看護は、看護師免許が入口の時点で揃っているので、その先は専門性の深さで差がつきます。緩和ケア、認知症ケア、皮膚・排泄ケアといった分野の認定資格、あるいは管理者として事業所を運営する道。機能強化型訪問看護ステーションの要件を満たす事業所では、より重度の利用者を受けるため求められる水準も上がります。
書類の多さという点では、どちらも記録の技術が効きます。個別の支援内容を事実として書き、評価を分けて記述する。この基本は報告書一般に共通するもので、文書の組み立て方を体系的に学べるビジネス文書検定の学習範囲は、訪問看護報告書やサービス提供記録にそのまま応用できます。記録が苦手だと感じている方ほど、こうした基本形から入り直すと楽になります。
求人票のどこを見れば、その事業所の実態が分かるか
訪問介護の求人で確認すべき点を挙げます。
雇用形態が常勤か登録ヘルパーかは最初に見ます。登録ヘルパーなら、移動時間の賃金、キャンセル時の補償、直行直帰の可否、最低保証件数の有無。この4つを契約書で確認してください。ここが曖昧な契約は後でもめます。
次に、サービス提供責任者の人数と利用者数の比です。基準は利用者40人に1人ですが、基準ギリギリだとサービス提供責任者が訪問にも入る前提の体制になります。求人が「サ責候補」となっている場合は、将来的にその負荷がかかると考えてください。
移動手段も重要です。自転車なのか、事業所が車を貸すのか、自家用車を使うのか。自家用車を使う場合、ガソリン代の支給基準と、事故が起きたときの保険の扱いを必ず確認します。※自家用車の業務使用は保険の適用範囲が問題になりやすい論点です。
訪問看護の求人では、まずオンコールの回数と手当。次に24時間対応体制加算を取っているかどうか。そして機能強化型の届出があるかどうかです。機能強化型は重症度の高い利用者を一定数受け入れている事業所で、看取りの件数も多くなります。やりがいは大きい反面、負荷も上がります。
もう1つ、リハビリ職の在籍比率を見てください。看護師よりリハビリ職の訪問件数が多い事業所は、事業所の性格が機能訓練寄りになります。医療的ケアを中心にやりたい方には合わないかもしれません。
そして同行訪問の期間です。単独訪問を始めるまでに何件同行するのか。ここを明示できる事業所は教育体制が整っています。「人による」「すぐ慣れます」としか答えられない事業所は、率直に言って危ういと考えたほうがいい。
面接では、直近1年の退職者数を聞くことを勧めます。答えにくい質問ですが、答え方そのものに事業所の姿勢が出ます。
在宅の現場で身につく力を、外の仕事にどう接続するか
20年この市場を見てきた立場から言えば、在宅の現場で働く人の収入の組み立て方が、この数年で明らかに変わりました。1つの事業所の給与だけに頼るのではなく、現場を続けながら、そこで培った力を別の形で使う人が増えています。
理由ははっきりしています。介護保険も医療保険も報酬が制度で決まるので、個人の努力で給与が大きく動く構造ではありません。一方で、在宅の現場で身につく力には転用性があります。1人で状況を把握して判断する力、家族に噛み砕いて説明する力、多職種の間を調整する力。どれも外の仕事で通用します。
運営者として見てきた限りで言えば、長く続く人ほど「単発の作業を数多くこなす」のではなく、「この人に任せると楽だ」と思われる関係づくりに時間を使っています。訪問の現場でも同じで、報告が的確な職員のところには医師もケアマネジャーも遠慮なく相談を持ちかけます。それが評価につながり、処遇に反映される。遠回りに見えて、これが一番早い道です。
中間業者を挟まない直接取引の仕事は、同じ予算でも依頼者はより多く頼めて、受け手の手取りが厚くなります。金額の多寡より、この構造のほうが長期では効いてきます。訪問記録や報告書を書き続けてきた方が文章の仕事に移る例は実際に多く、文章を扱う職種の収入水準を知っておくと判断の材料になります。厚生労働省の職業情報をもとに整理した著述家,記者,編集者の年収・単価相場が比較に使えます。
在宅分野でも業務効率化の相談は増えています。記録システムの導入、訪問ルートの組み直し、請求業務の自動化。現場を知っている人がその橋渡しをする需要があり、どんな相談が発生してどんな役割が求められるのかはAIコンサル・業務活用支援のお仕事の解説が具体的です。
多職種のカンファレンスがオンラインで行われる場面も増えました。ツールごとの音声品質や録画の扱いを整理したZoom・Teams・Google Meetを比較|フリーランスの打ち合わせに最適なのは?【2026年版】を読んでおくと、事業所から設定を頼まれたときに慌てずに済みます。
最後にもう一度整理します。訪問介護と訪問看護の違いは、条文を覚える話ではありません。医師の指示書で動くのか、ケアプランで動くのか。医行為ができるのか、できないのか。この2点が、あなたが1人で背負う判断の重さと、日々の時間配分を決めています。求人票では給与の額面より先に、オンコールの回数、移動手段、同行訪問の期間を確認してください。制度は複雑ですが、複雑だからこそ、読み解けば入る前に分かることが多い。法律はあなたの味方です。
よくある質問
Q. 訪問介護と訪問看護は、資格の面でどう違いますか?
訪問介護員として働くには介護職員初任者研修以上の修了が必要で、無資格では訪問できません。サービス提供責任者になるには介護福祉士または実務者研修修了が求められます。訪問看護は保健師、看護師、准看護師の免許が前提で、管理者は保健師または看護師でなければなりません。参入のハードルが根本的に異なります。
Q. 訪問介護員が喀痰吸引をすることはできますか?
認定特定行為業務従事者の研修を修了し、都道府県の認定を受けていれば、喀痰吸引と経管栄養を実施できます。研修を受けていない場合は実施できません。求人票に「喀痰吸引等研修修了者優遇」とある事業所は、医療的ケアが必要な利用者を受け入れている事業所だと読み取れます。
Q. 訪問看護のオンコールはどのくらいの頻度でありますか?
24時間対応体制加算を取得している事業所では看護師が輪番で担当します。人員に余裕がある事業所なら月4回程度、人数が少ない事業所では月10回を超えることもあります。手当も1回あたり1,000円台から5,000円台まで幅があるため、求人を比べるときは給与の額面より先にオンコールの回数と手当を確認してください。
Q. 生活援助でやってはいけないことには何がありますか?
同居家族の分の調理や洗濯、来客への応対、草むしり、ペットの世話、家具の移動、大掃除、窓拭き、正月やお盆の特別な料理の準備などは介護保険の対象外です。利用者本人の日常生活の維持に直接必要なことだけが給付対象になります。善意で応じると後から報酬返還を求められる可能性があるため、断り方も含めて事前に確認しておいてください。
この記事について
編集部
監修:@SOHO編集部
2004年よりフリーランス・在宅ワーク向けサービスを20年運営。編集部が事実確認のうえ公開しています。

この記事を書いた人
長谷川 奈津@SOHO編集部
行政書士・元企業法務
企業法務で数多くのフリーランス契約を扱った経験を活かし、フリーランス向けの法律・契約・権利に関する記事を執筆。「法律はあなたの味方です」がモットー。
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