キャリアコンサルタントの最初の1件の取り方


この記事のポイント
- ✓キャリアコンサルタント 副業 案件 取り方を
- ✓最初の1件に絞って解説します
- ✓案件が出てくる場所の分け方
資格の登録証が届いて、名刺も作った。それなのに、案件がひとつも来ない。このご相談は本当に多いんです。試験には受かったのに、仕事の取り方だけは誰も教えてくれなかった。そういう状態で立ち止まっている方が、資格取得者のなかにかなりの割合でいます。
大丈夫です。最初の1件が取れないのは、実力が足りないからではありません。ほとんどの場合、順番が違うだけです。応募先を探す前に決めておくことがあり、提案文に書くべき要素が決まっていて、実績ゼロの状態でも書ける材料が手元にある。その三つを揃えないまま応募すると、何件出しても返信が来ないという現象が起きます。
この記事では、最初の1件を取るまでにやることだけを扱います。独立の是非や年収の話は入れません。今日、机の前で手を動かせることに絞って、順番に見ていきます。
最初の1件で試されているのは技能ではない
発注する側の視点に立つと、選考で見ているものがはっきりします。相談スキルそのものは、実は書類の段階ではほとんど判定できません。面談の巧拙は文章から読み取れないからです。では何を見ているかというと、「この人に任せて、こちらの手間が増えないか」です。
具体的には三つ。連絡が返ってくるか。こちらが説明していない前提を汲んでくれるか。トラブルになりそうな場面で先に確認してくれるか。これは相談の技能とは別の、仕事のしかたの話です。だから、実務経験ゼロの人でも、書き方ひとつで通ります。逆に、経験が長くても提案文が雑だと落ちます。
もう一つ知っておいてほしいのは、最初の1件の壁は制度側の事情でかなり低くなっているということです。オンライン面談が当たり前になったことで、対面前提だったころには存在しなかった小さな案件が生まれました。
本業を続けながらキャリアコンサルタント資格を活かす方法として、副業という働き方もあります。オンライン面談の普及により、場所や時間の制約が少なくなり、週1日や土日のみ、在宅で完結できる案件なども増えて、柔軟な働き方で実務経験を積むことが可能です。 出典: corp.kakedas.com
週1日、土日だけ、平日の夜だけ。この単位で切り出された仕事が増えたことは、資格を取ったばかりの人にとって追い風です。まとまった稼働を確保できないから応募できない、という理由で止まっているなら、その前提はもう古くなっています。
案件が出てくる場所を四つに分けて考える
「案件の探し方」を検索すると、サービス名の羅列が出てきます。ただ、名前を並べても、自分がどこに応募すべきかは決まりません。出てくる場所を性質で四つに分けると、自分の状況で狙うべき場所が見えます。
企業や学校からの受託
企業の研修、大学のキャリアセンター、高校の進路指導、就労支援機関の相談員。ここは1件あたりの規模が大きく、単価も安定しています。ただし、多くは実務経験を求めます。最初の1件としては通りにくい場所ですが、後述する「経験の書き直し」ができれば、隣接領域の経験で入れることがあります。
募集は、機関の採用ページ、ハローワークの求人、業界団体のメーリングリストに出ます。表に出ない紹介経由も多いので、養成講習で同期になった人とのつながりは切らないほうがいいです。
相談マッチングサービス
キャリア相談を必要とする個人と、相談者を結ぶサービスがいくつか動いています。ここは登録のハードルが比較的低く、面談の件数を積むには向いています。一方で、手数料が引かれる分、時間あたりの手取りは下がります。
最初の1件としては現実的な選択肢です。件数をこなして面談の型を作り、記録の書き方を固める場所と考えるといいでしょう。
記事では、副業キャリアコンサルタントの収入目安、始め方、案件の探し方、メリット・デメリットまで詳しく解説します。実際にキャリアコンサルタント向けマッチングサービス「Kakedas」を通じて副業を実践しているキャリアコンサルタントの事例も紹介しますので、キャリアコンサルタントとして副業を始めたい方はぜひ参考にしてください。 出典: corp.kakedas.com
人材会社からの業務委託
転職エージェントや人材紹介会社が、面談の一部を外部のキャリアコンサルタントに委託することがあります。件数単位での契約が多く、1件あたり3,000円から1万円程度の水準で提示されるのが一般的です。
注意点があります。この形態は、面談の目的が相談者の自己理解ではなく、求人への応募につながるかどうかに置かれている場合があります。自分が担うのはどこまでなのか、報酬は誰の何に対して支払われるのかを、契約前に確認してください。求人のあっせんまで踏み込む業務なら、職業安定法上の許可を持つ事業者の指揮のもとで動く形になっているかを見ておく必要があります。
個人からの直接依頼
SNSやブログを見た人から直接依頼が来る形です。単価も内容も自由に設計できますが、集客が自分の仕事になります。最初の1件をここで取ろうとすると、発信の蓄積が必要になるので時間がかかります。
ただし、二件目以降の再現性はここがいちばん高い。1件目を別の場所で取りつつ、並行して発信を始めておくのが現実的な順番です。
在宅で受けられる相談系の仕事がどんな形で募集されているかは、キャリア・副業・人生相談のお仕事に職種の切り口ごとにまとまっています。求められる稼働時間や進め方の相場感をつかんでから応募先を選ぶと、時間の使い方の見積もりを外しません。
応募する前に決める三つのこと
ここを飛ばして応募すると、提案文が「何でもやります」になります。何でもやりますと書かれた提案文は、発注側から見ると判断材料がゼロなので、読まれずに終わります。決めるのは次の三つです。
誰を相手にするか
「若手の転職相談」では広すぎます。もう一段絞ってください。絞り方のコツは、資格ではなく前職から取ることです。看護の現場にいたなら医療職の離職相談、営業職が長かったなら未経験から営業に移る人の相談、子育てで一度離職した経験があるなら復職相談。相談者の言葉が説明なしで通じる領域を選びます。
この一段が入るだけで、提案文の説得力が変わります。相談者側も「この人なら事情が分かっている」と感じたところにお金を払います。
どんな形で提供するか
1回60分の単発面談なのか、3回で一区切りにするのか。書類の添削まで含むのか、面談だけなのか。記録は渡すのか渡さないのか。ここを決めておかないと、当日その場で決めることになり、稼働時間が読めなくなります。
初心者ほど、単発の60分から始めるのをおすすめします。複数回のプログラムは、途中で相談者の状況が変わったときの調整が難しく、慣れないうちは負担が大きくなります。
いくらで受けるか
個人向けの相談は、1回5,000円から2万円程度の幅で提示されるのが一般的です。企業や学校からの受託は、1コマ単位や日額で示されることが多く、拘束時間と準備時間の両方を計算に入れる必要があります。
最初は低めに設定したくなりますが、無料に近い水準にすると別の問題が起きます。相談者側の本気度が下がり、キャンセルや遅刻が増え、結果として自分の時間だけが消えます。低く始めるとしても、金額をゼロにはしないほうがいいというのが実務での知恵です。
近い職種の報酬水準を確認しておきたいなら、著述家,記者,編集者の年収・単価相場のような統計ベースのページが目安になります。相談業務そのものの統計は多くありませんが、専門性で受ける仕事の水準を知っておくと、自分の提示額が浮いていないか判断できます。
提案文に書く六つの要素
ここが、この記事の中心です。提案文は自己紹介文ではありません。相手の課題に対する回答です。次の六つを、この順番で書いてください。
冒頭の一文で、応募理由を具体に落とす
「貴社の理念に共感しました」は書かないでください。読み飛ばされます。代わりに、募集要項のどの記述に反応したのかを書きます。「募集要項にある、内定辞退後の学生へのフォロー面談という部分を読んで応募しました」のように、相手が自分で書いた言葉を引くのが効きます。
相手の課題を、自分の言葉で言い換える
募集要項に書かれている課題を、そのままではなく一段深く言い換えます。「離職率が高い」と書かれていたら、「入社前の想定と配属後の業務内容の間にずれが残ったまま数か月が過ぎている状態ではないか」といった形です。ここで外しても構いません。仮説を出すこと自体が、読んでいる証拠になります。
自分が扱える範囲を、できないことも含めて書く
これが最も効く要素です。「何でもできます」ではなく、「30代の技術職の方の相談は前職の経験から具体的に話せます。一方、新卒の就職活動そのものの支援は経験が浅いため、実施するなら事前に貴校の過去の相談記録を共有いただきたいです」のように、できる範囲とできない範囲を分けて書きます。
発注側は、できないことを先に言う人を信頼します。あとで「実はできません」と言われるのがいちばん困るからです。
進め方を、時間の単位で書く
面談の構成を具体的に書きます。「初回60分のうち、最初の15分で現状の整理、次の30分で本人の言葉の掘り下げ、最後の15分で次回までの行動の確認」といった粒度です。書けるということは、頭の中に手順があるということなので、実務経験の代わりになります。
条件を、こちらから提示する
稼働可能な曜日と時間帯、対応できる件数、使えるオンライン会議ツール、記録の提出形式。ここを相手に聞かせない。先に出しておくと、条件が合わなければ早い段階で分かるので、お互いに無駄がありません。
締めは、次のアクションを一つだけ
「ご検討よろしくお願いします」で終わらず、「まずは1件、試しにお任せいただく形でも問題ありません」のように、相手が返信しやすい選択肢を一つ置きます。相手の判断のコストを下げるのが目的です。
実績ゼロをどう埋めるか
「実務経験なし」と書くと落ちる。でも嘘は書けない。ここで多くの人が止まります。埋め方は三つあります。
養成課程のロールプレイを、書ける形に変える
養成講習や試験対策で、必ず何十回もロールプレイをしているはずです。あれは実務ではありませんが、面談の経験ではあります。「養成課程および試験準備の過程で、40代の転職相談を想定したロールプレイを30件以上実施しています」と書くのは、事実の記述であって誇張ではありません。
大事なのは、件数だけでなく「何を学んだか」を一行添えることです。「傾聴の途中で助言に切り替えてしまう癖があり、意識的に問いに戻す練習を重ねました」といった記述は、自分の弱点を把握している人だという情報になります。
無償のモニター面談を設計して受ける
知人や、SNSで募った相手に、無償または低額で面談を受けてもらう方法です。効果はありますが、設計を間違えると意味のない時間になります。守ってほしいのは三つ。
一つ、必ず記録を残す。相談者の同意を得たうえで、日付、テーマ、進め方、自分が気づいたことを書きます。二つ、感想をもらう。「話しやすかったか」「持ち帰れるものがあったか」を短くでも文章でもらってください。三つ、件数の上限を先に決める。5件なら5件と決めて、そこで有償に切り替えます。無償を続けると、有償に移るタイミングを永遠に逃します。
前職の経験を、相談の経験として書き直す
管理職として部下の面談をしていた。採用の一次面接を担当していた。後輩の育成計画を作っていた。新人の受け入れ担当だった。これらは全部、キャリア支援の経験です。履歴書に書くときは職務として書きますが、提案文では「面談の経験」として書き直してください。
「営業部で課長として、年2回の目標面談を8年間、延べ100件以上担当しました。異動希望や離職の相談を受ける立場だったため、本人が言葉にしにくい部分をどう扱うかは経験があります」。これで実績欄は埋まります。
1件目を2件目につなげる動き
1件目が取れたあと、そこで終わってしまう人と、続く人の差ははっきりしています。差がつくのは面談の中身ではなく、面談のあとの動きです。
面談が終わったら、記録を整えて発注側に提出します。フォーマットが指定されていなければ、自分で用意します。相談日時、テーマ、話された内容の要約、次回までの本人の行動、こちらが観察した点。A4で1枚に収まる分量で十分です。
この記録を出すかどうかで、次の依頼が来る確率がかなり変わります。発注側にとって、外部に委託した面談の中身は見えません。見えないものにお金を払い続けるのは不安なので、見える形にしてくれる人に仕事が集まります。
もう一つ、案件が終わったときに「次に似た案件があればお声がけください」と一言添えることです。当たり前に見えますが、これを書かない人がとても多い。発注側は、その人が継続を望んでいるかどうかを知りません。
面談の記録や資料をまとめる作業が負担になるようなら、AIツールで要約の下書きを作る手もあります。企業側がどんなAI活用の課題を抱えているかは、AI・マーケティング・セキュリティのお仕事に出ている募集内容から傾向がつかめます。人事領域のAI導入支援に相談業務が接続する場面は、これから増えていく方向です。
契約と記録の扱いで気をつけること
最初の1件でこそ、契約書の確認を省略しないでください。口頭の合意だけで進めると、面談時間の数え方、キャンセル時の扱い、記録の所有権で必ず食い違いが出ます。
確認する項目は五つです。1件あたりの面談時間と、超過した場合の扱い。実施回数と期間。報酬額と支払期日。相談者のキャンセルや無断欠席のときの報酬。そして、面談記録を誰が保有し、どこまで共有するか。
最後の項目がとくに大事です。企業から受託した面談で、相談者が「これは会社に伝わりますか」と聞いてくることがあります。そのときに答えられないと、相談そのものが成立しません。契約段階で共有範囲を決め、面談の冒頭で相談者にも伝えるのが正しい順番です。
登録を受けたキャリアコンサルタントには、職業能力開発促進法にもとづく守秘義務があります。この義務は登録をやめたあとも及ぶ性質のもので、事例として発信する場合も特定できない形にする配慮が要ります。資格の位置づけや更新の仕組みを確認したい場合はキャリアコンサルタントにまとまっています。契約書のひな型に不安があるなら、行政書士のような専門家に一度見てもらうのも手です。
動き出す前に決める、撤退しない仕組み
最初の1件が取れるまでの期間は、人によって差があります。数週間で決まる人もいれば、半年かかる人もいます。ここで折れないために、先に仕組みを作っておいてください。
応募の数を目標にしないこと。「週に5件応募する」を目標にすると、雑な提案文が量産されます。代わりに「週に1件、提案文をゼロから書く」を目標にします。使い回しをやめて、募集要項を読み込んで書く。時間はかかりますが、通る確率が違います。
落ちた理由を推測しないこと。返信がないのは、たいてい実力の問題ではなく、条件が合わなかったか、先に決まったかです。そこを掘っても何も出てきません。掘るなら、提案文の「相手の課題を言い換えた部分」が的外れだったかどうかだけを見直します。
そして、期限を決めておくこと。「3か月応募して1件も決まらなければ、応募先の種類を変える」というルールを先に作ります。同じ場所に出し続けて疲弊するのが、いちばん避けたい状態です。
応募先の種類ごとに提案文を書き分ける
同じ提案文を四つの入口に使い回すと、どこにも刺さりません。読む人の立場がちがうからです。書き分けの軸だけ押さえておけば、本文の大半は共通で使えます。
企業や学校に出すときは、読むのが人事担当者や進路指導の先生であることを前提にします。この人たちは、外部に委託した面談の中身が見えないことを不安に思っています。だから、記録の提出形式と、共有してよい範囲の線引きを先に書きます。「面談後3日以内に、A4で1枚の記録を提出します。相談者本人の同意が取れた範囲のみ記載し、それ以外は件数と傾向のみお伝えします」。この一段落があるかないかで、返信率が変わります。
マッチングサービスに登録するときは、読むのは相談者本人です。ここでは肩書ではなく、相談者が自分の状況を重ねられる言葉を並べます。「異動の希望を上司に伝えられないまま2年が過ぎている」「資格を取ったのに使い道が見えない」。相談の型を並べるより、相談者が自分の言葉で検索しそうな悩みを書くほうが選ばれます。
人材会社からの業務委託に応募するときは、読むのは事業の運営担当者です。ここでいちばん見られているのは、稼働の安定性です。週に何件まで受けられるか、直前のキャンセルにどこまで対応できるか、記録の提出が遅れない体制かを具体的に書きます。面談の巧拙より、シフトが埋まることのほうが優先されます。
個人からの直接依頼に備えるときは、提案文ではなく紹介ページを作ることになります。載せるのは、対象、提供形態、時間、料金、キャンセル規定の五つ。この五つが書いていないページは、問い合わせの前に読者が離脱します。
面談の前日までにそろえる四つの準備
案件が決まったあと、初回の面談までに用意しておくものがあります。慣れないうちは、当日の朝に慌てる原因が毎回同じところにあります。
一つめは、通信と機材の確認です。オンライン会議ツールは、発注側が指定する場合と、こちらが用意する場合があります。相談者側がアプリのインストールを必要としない形にできるか、音声だけに切り替えられるかを確認しておきます。相談の場では、顔を出したくないという方が一定数います。
二つめは、面談の枠組みの説明文です。冒頭で伝える内容を、あらかじめ文章にしておきます。今日の時間、扱う範囲、記録の共有先、途中で話したくない話題が出たら止めてよいこと。これを毎回同じ言葉で伝えられると、進行が安定します。
三つめは、記録の様式です。面談中にメモを取る欄と、終了後に整理する欄を分けた様式を一つ作っておきます。面談しながら完成形を書こうとすると、話を聞く集中が落ちます。
四つめは、扱わない領域を決めておくことです。医療的な判断が必要な相談、法的な紛争が絡む相談、金銭の貸借に関する相談は、キャリア相談の範囲を超えます。その場で「この部分は専門の窓口を案内します」と言えるよう、公的な相談先を二つか三つ調べておいてください。これは相談者を守るためであり、自分を守るためでもあります。
初回面談の直後にやる15分
面談が終わった直後の15分が、実は一番価値のある時間です。記憶が新しいうちに、三つだけ書き留めます。相談者が使った印象的な言葉をそのまま一つ。自分が話しすぎたと感じた場面。そして、次に同じ相談が来たら変えたい進め方。
この三つを毎回残していくと、10件を過ぎたあたりで自分の傾向が見えてきます。多いのは、沈黙を待てずに助言へ切り替えてしまう癖と、時間配分が後半に寄って行動の確認が駆け足になる癖です。どちらも、気づいていれば次から直せます。逆に、記録を残さないまま件数だけ増やすと、同じ癖を何十回も繰り返すことになります。
面談後の整理をあとで思い出そうとしても、細部は半日で消えます。次の予定を入れるときは、面談枠の直後に15分の空きを必ず作っておいてください。
相談者から届く感想の読み方
面談後に感想をもらえたら、褒め言葉より「どこが役に立ったか」の具体に注目してください。話しやすかったという言葉は、うれしいものですが改善には使えません。役に立ったのが問いだったのか、情報だったのか、整理の仕方だったのか。そこが分かると、自分の提供価値の言語化が進み、次の提案文に書ける材料が増えます。
運営者として見てきたこと
在宅ワークの市場を20年見てきた立場から言うと、最初の1件で止まる人と、そこを越える人の違いは、準備の量ではありません。準備を「どこまでで切り上げるか」を決めているかどうかです。
止まる人は、もっと勉強してから、もっと事例を集めてから、と準備の側に戻り続けます。越える人は、いまの手持ちで書ける提案文を書いて出し、返ってきた反応で直します。相談業務は、相手がいないと磨けない技能なので、机の上で完成させることが構造的にできません。
長く続いている人に共通しているのは、面談そのものより「この人に任せると自分の手間が減る」という関係を作っていることです。日程調整の返信が早い、記録が読みやすい、想定外のことが起きたら先に連絡が来る。相談の技能で選ばれているというより、仕事のしかたで選ばれています。技能の差は面談を重ねれば縮まりますが、この部分は最初の1件から出せます。
もう一つ、手取りの話をしておきます。相談1回の報酬はもともと大きな金額ではないので、仲介の手数料が20%引かれると、月の稼働1件分がそのまま消える計算になります。額面が同じでも、直接取引なら依頼者は同じ予算でより多くの回数を頼めるし、受け手の手元には厚く残る。手数料0%で受けられる経路をひとつ持っておくことの意味は、金額そのものより、続けられる単価で受け続けられるという質のほうにあります。
最初の1件は、通過点です。そこで完璧な面談をする必要はありません。時間どおりに始めて、話を聞いて、記録を出して、次につながる一言を添える。それができれば十分です。
よくある質問
Q. 実務経験がなくても案件に応募してよいのですか?
応募して構いません。書類の段階で見られているのは面談技能そのものではなく、連絡の確実さや進め方の具体性です。養成課程のロールプレイの件数と学び、前職での部下面談や採用面接の経験を面談経験として書き直せば、実績欄は埋まります。
Q. 最初の1件はどこで探すのが現実的ですか?
相談マッチングサービスや人材会社からの業務委託が入りやすい入口です。企業や学校からの受託は単価が安定する一方で実務経験を求められることが多く、個人からの直接依頼は集客の蓄積に時間がかかります。1件目は入りやすい場所で取り、並行して発信を始める順番が現実的です。
Q. 無償のモニター面談は受けたほうがよいですか?
件数の上限を先に決めるなら有効です。5件なら5件と決めて記録と感想を必ず残し、そこで有償へ切り替えます。上限を決めずに続けると有償に移る機会を逃し、時間だけが消えます。無料ではなく低額から始めるという選択も検討に値します。
Q. 面談が終わったあと、次の依頼につなげるには何をすればよいですか?
記録を整えて提出することです。相談日時、テーマ、内容の要約、本人の次の行動、観察した点をA4で1枚にまとめます。外部委託の面談は発注側から中身が見えないため、見える形にする人に仕事が集まります。あわせて継続の意思を一言添えてください。
この記事について
編集部
監修:@SOHO編集部
2004年よりフリーランス・在宅ワーク向けサービスを20年運営。編集部が事実確認のうえ公開しています。

この記事を書いた人
中西 直美@SOHO編集部
産業カウンセラー・キャリアコンサルタント
大手人材会社でキャリアカウンセラーとして15年間従事した後、フリーランスの産業カウンセラーとして独立。在宅ワーカーのメンタルヘルスケアを専門に活動しています。
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