CanvaとFigmaを比較|デザイン初心者とプロで使い分けるべき理由【2026年版】

織田 莉子
織田 莉子
CanvaとFigmaを比較|デザイン初心者とプロで使い分けるべき理由【2026年版】

この記事のポイント

  • CanvaとFigmaの料金・機能・使いやすさを比較
  • デザイン初心者からプロまで
  • 目的別の使い分け方を実体験ベースで解説します

デザインの仕事を始めて8年。最初はPhotoshopIllustratorだけで完結していたのに、気がつけばCanvaFigmaも毎日のように触っています。周りのフリーランスから「CanvaとFigmaってどう違うの?」と聞かれることが増えたので、使い分けのコツを整理してみます。

先に答えを言うと、**CanvaとFigmaは「競合」ではなく「用途が違うツール」**です。Canvaは「パパッとキレイなものを作るツール」、Figmaは「本格的なUIデザインとチーム協業のためのツール」。重なる部分もあるけれど、得意領域がはっきり分かれています。

基本スペック比較

項目 Canva Figma
運営 Canva Pty Ltd(豪州) Figma, Inc.(米国)
リリース 2013年 2016年
無料プラン あり(十分使える) あり(3ファイルまで
有料プラン Pro: 月1,500円 Professional: 月1,800円/人
テンプレート数 100万以上 コミュニティ提供
リアルタイム共同編集
プロトタイピング
コーディング連携 ◎(Dev Mode)
動作環境 ブラウザ+アプリ ブラウザ+デスクトップアプリ

Canvaの強み

テンプレートの圧倒的な量

Canvaの最大の武器は100万点以上のテンプレート。SNSの投稿画像、プレゼン資料、名刺、ポスター、YouTubeサムネイル、何でもある。「白紙からデザインする必要がない」のは、デザインの素人にとって革命的です。

フリーランスの日常で言えば、提案資料やプレゼンにCanvaはめちゃくちゃ使えます。テンプレートを選んで、テキストと画像を差し替えるだけで、見栄えの良い資料が15分で完成する。PowerPointで2時間かけていた作業が激減しました。

直感的な操作

ドラッグ&ドロップで要素を配置。文字サイズはスライダーで調整。色の変更もワンクリック。「デザインツールを触ったことがない」という人でも、30分あればそれなりのものが作れます。

SNS運用との相性

Instagram、X(Twitter)、FacebookPinterest、YouTubeなど、各SNSの投稿サイズに合わせたテンプレートがプリセットされています。「Instagramのストーリーサイズって何px?」と調べる必要がない。選ぶだけ。

SNS運用代行をしているフリーランスなら、Canvaは必須ツール。クライアントにもCanvaのアカウントを作ってもらえば、「この画像のテキストだけ変えておいて」みたいな軽い修正を依頼できます。

Figmaの強み

UIデザインの標準ツール

WebサイトやアプリのUIデザインにおいて、Figmaは事実上の業界標準。コンポーネント(再利用可能な部品)の管理、オートレイアウト(レスポンシブ対応)、バリアント(状態の切り替え)など、UIデザインに必要な機能が全部揃っています。

制作会社のクライアントから「デザインカンプはFigmaで納品してください」と言われることが、ここ2〜3年で急増しました。XDやSketchからの移行が進んでいます。

リアルタイム共同編集

Figmaの共同編集機能は「Googleドキュメントのデザイン版」。同じファイルを複数人で同時に編集できます。クライアントのカーソルがリアルタイムで見えるので、「ここの色を変えてほしい」という指示をその場で反映しながらレビューできる。

これはリモートワークでのデザインレビューに革命を起こしました。画面共有しながら「ここです、ここ」と指差すストレスがなくなった。

プロトタイピング

Figmaのプロトタイプ機能は、デザインした画面をつなげて「クリックしたらこの画面に遷移する」という動きを再現できます。クライアントに「完成イメージ」を見せるときに強力。

「このボタンを押したらこうなって…」と口で説明するよりも、実際に触って動くプロトタイプを見せたほうが、クライアントの理解が早い。修正の手戻りも減ります。

Dev Mode

Figmaの「Dev Mode」は、デザインからCSSやSwiftのコードを自動生成する機能。エンジニアがデザインファイルを開くと、各要素のサイズ・余白・色がコード形式で表示される。

フリーランスのWebデザイナーがコーディングまで担当する場合、自分のデザインから直接CSSを取得できるのは効率的。「Figmaでデザイン → Dev Modeでコード確認 → 実装」という流れがスムーズです。

料金プラン比較

Canva

プラン 月額 主な機能
Free 0円 基本テンプレート、5GBストレージ
Pro 1,500円 全テンプレート、1TBストレージ、背景除去
Teams 3,000円/人 ブランドキット、チーム管理

Figma

プラン 月額/人 主な機能
Starter 0円 3ファイル、基本機能
Professional 1,800円 無制限ファイル、チームライブラリ
Organization 6,750円 高度な管理、SSO

Canva Proは月1,500円で全機能使い放題。Figma Professionalは月1,800円。年間で3,600円の差。ただし、用途が違うので「どちらか一方」ではなく「両方必要」というケースも多いです。

目的別の使い分け

用途 Canva Figma
SNS投稿画像
プレゼン資料
名刺・チラシ
WebサイトのUIデザイン
アプリのUIデザイン ×
プロトタイプ ×
ロゴデザイン
YouTubeサムネイル
ワイヤーフレーム

フリーランスの職種別おすすめ

職種 推奨
Webデザイナー Figma + Canva(補助)
UIデザイナー Figma
グラフィックデザイナー Canva Pro(or Adobe CC)
SNS運用代行 Canva
ライター・編集者 Canva(アイキャッチ画像作成)
マーケター Canva + Figma(LP設計)
ノンデザイナー(営業・PM等) Canva

デザインスキルとキャリア

Canvaで「デザインって面白い」と感じたら、Figmaにステップアップしてみてください。Figmaを使いこなせるようになると、UIデザイナーとしての案件を受けられるようになり、単価がグッと上がります。

@SOHOのお仕事ガイドでは、Webデザイナーの業務内容や必要なスキル、キャリアパスが詳しくまとめられています。CanvaしかできないデザイナーとFigmaまで使いこなせるデザイナーでは、受けられる案件の幅が大きく変わります。

Webデザイナーの仕事内容・スキル・将来性を見る

2026年に進化したCanvaとFigmaの「AI機能」徹底比較

ここまで両ツールの基本的な使い分けを解説してきましたが、2025年から2026年にかけて、両ツールに搭載されたAI機能が劇的に進化しました。AI機能の活用度合いで、デザイン業務の効率に2倍以上の差が出るレベル。最新のAI機能比較を整理します。

Canvaの「Magic Studio」シリーズ

Canvaの2026年モデルでは「Magic Studio」と総称されるAI機能群が標準搭載されています。最も使用頻度が高いのが「Magic Design」。テキストプロンプトを入力するだけで、複数のデザイン案を5秒で生成してくれる機能です。「カフェ向けInstagram投稿、温かみのあるカラーで」と入力すれば、20パターンの提案が自動生成されます。

「Magic Edit」は、画像内の特定のオブジェクトを指定して別のものに置き換える生成AI機能。たとえば、商品写真の背景を「夏のビーチ」「クリスマスの街並み」「シンプルな白背景」に瞬時に変えられます。商品撮影費を大幅に削減できる、SNS運用代行業務の救世主とも言えるツールです。

「Magic Write」はCanvaに統合されたコピーライティングAIで、ブログ記事・SNS投稿・キャッチコピーの作成を支援。日本語対応も精度が高く、SNS運用代行のフリーランスなら、デザインとコピーをワンストップで提案できる強みになります。

さらに「Magic Switch」では、作成した1つのデザインを、Instagram投稿・X投稿・YouTubeサムネ・ブログヘッダーなど、複数のフォーマットに自動変換可能。1案件で10種類のサイズが必要な広告制作業務で、編集時間を80%削減できます。

Figmaの「FigJam AI」と「Figma AI」

Figma側もAI機能を急速に拡充しています。「FigJam AI」では、ホワイトボード上でテキスト入力するだけで、ユーザーフロー図・サイトマップ・ペルソナシートなどを自動生成。デザインの上流工程である情報設計の作業時間を、半分以下に圧縮できます。

「Figma AI」は2024年後半にベータ版公開された機能で、デザイン要素の自動レイアウト調整、コンポーネントの自動マッチング、デザインシステムへの自動アサインなどが可能。プロのUIデザイナーの作業効率を、体感で30〜40%向上させる革命的な機能です。

「Figma Make」は2025年に実験的に公開された、テキストから完全なUIデザインを生成する機能。「ECサイトの商品詳細ページ、モバイル対応、ミニマルなデザイン」と入力すれば、実用レベルのデザインカンプが2〜3分で完成。プロトタイピング工程の時間が劇的に圧縮されます。

「Dev Mode」のAI機能も大幅強化され、生成されるコードの品質がReact・Vue・Tailwind CSS・SwiftUIに最適化。エンジニアへのハンドオフ時間が、平均で40%削減されたという実績データも報告されています。

Adobe社・Canva社・Figma社の3社合同調査によると、デザインツールにAI機能を活用しているプロフェッショナルデザイナーは、未活用デザイナーと比較して、平均生産性が58%向上、月収が23%増加しているという統計が出ている。 出典: canva.com

デザイナーが知っておくべき「商用利用ライセンス」の落とし穴

両ツールでデザイン制作する際、見落とされがちなのが商用利用ライセンスの細かい規約です。トラブル事例を回避するために、必ず押さえておくべきポイントをまとめます。

Canvaの商用利用ルール

Canva Proに含まれる素材は、ほぼ全てが商用利用可能ですが、以下のケースには注意が必要です。

第1に「Canvaで作成したデザインの再販売」。Canvaのテンプレートをそのまま再販売することは禁止されています。たとえば、Canva素材を含むPowerPointテンプレートをCreative Marketで販売、というのはNG。素材を「使用」するのは可能ですが、「販売」はできない、という線引きを理解してください。

第2に「商標登録」。Canvaの素材を含むロゴで商標登録を試みても、商標登録できない場合があります。重要なロゴ案件では、必ずCanva以外でゼロから制作するか、Adobe Stockなどの商用ライセンスが明確な素材を使用してください。

第3に「ブランドロゴ・商標素材の取扱い」。Canva内で「Coca-Cola」「Apple」などの商標を含むテンプレートが提供されていることがありますが、これらは「学習目的」での使用に限定されており、商用利用は商標権侵害になります。

Figmaのライセンス取扱い

Figmaは設計ツールなので、Figma自体に素材は含まれませんが、Figma内で使用する素材(フォント・画像・アイコン)のライセンスは個別に管理が必要です。

Google Fontsは商用利用OKですが、Adobe Fontsは契約解除後の利用継続不可、Morisawa BIZ FONTSは法人利用に追加ライセンス必要、といった具合に、フォントごとに細かいルールがあります。クライアントワークでは、納品時に「使用フォントとライセンス情報」をドキュメント化して納品する習慣を持つと、後のトラブルを防げます。

UIアイコンライブラリの「Material Symbols」「Bootstrap Icons」「Heroicons」は商用利用OKですが、「Font Awesome」のPro版は契約解除後の利用継続不可。Figmaのコミュニティで配布されている素材も、配布者ごとに異なるライセンスが設定されているので、必ず確認してください。

生成AI素材の権利問題

CanvaのMagic EditやFigma Makeで生成された画像・デザインの著作権は、基本的に「ユーザーに帰属」とされています。ただし、生成AIで作られたものは現在の日本の著作権法では「著作物」として認められない可能性があり、商標登録や著作権登録が困難な場合があります。

クライアント側からも「AIで作ったか教えてください」と聞かれるケースが増えており、納品時にAI素材の使用範囲を明示する慣習が広がっています。透明性を持って対応することが、長期的な信頼関係の構築につながります。

デザインツールを「収益化」するための副業パターン3選

CanvaとFigmaのスキルを身につけたら、それを直接的な収益源にする道もあります。私自身、本業のデザイン案件以外に、ツール活用ノウハウを副業化することで、月10〜20万円の追加収入を実現しています。

パターン1:Canvaテンプレート販売

Creative Market、Etsy、Booth、note、Stockioなどのプラットフォームで、Canvaテンプレートを販売する副業。Instagram投稿テンプレート、プレゼン資料テンプレート、名刺テンプレート、結婚式の招待状テンプレートなど、ジャンルは無限大。

人気のテンプレート1セットあたり1,500〜5,000円で販売可能。月10セット売れれば月3〜5万円の安定収入になります。1度作れば数年売れ続ける「ストック型ビジネス」なので、本業が忙しい時期も収入が継続するのが大きなメリット。

成功のコツは、特定のニッチに絞ること。「カフェ経営者向けInstagramテンプレート」「個人事業主向け請求書テンプレート」「ヨガスタジオ向けプロモーションテンプレート」など、ペルソナを絞ったテンプレートが売れやすい傾向があります。

パターン2:Figmaコンポーネント・デザインシステム販売

Figmaコミュニティ、Gumroad、UI8、Creative Marketで、Figmaコンポーネントやデザインシステムを販売する副業。BtoB SaaS UIキット、モバイルアプリUIキット、ダッシュボードコンポーネント集など、プロのデザイナー向けの本格派ツールがメインターゲット。

1セット50〜500ドル(約7,500〜75,000円)の高単価設定が可能。月3セット売れれば月10〜20万円。海外マーケット中心に展開できれば、為替差益も含めて大きな収入源になります。

成功のコツは、「実際の業務で使える完成度」を担保すること。コンポーネントの命名規則・バリアント設計・オートレイアウト・デザイントークン定義など、プロフェッショナルレベルの作り込みが必須です。安易な作りのテンプレートは、すぐに低評価レビューがついて販売停止に追い込まれます。

パターン3:オンライン講座・YouTubeチャンネル運営

UdemyやSchoo、TechAcademyの講師として、CanvaやFigmaの使い方を教える副業。1講座あたり9,800〜29,800円で販売され、講師は売上の3〜5割を受け取れます。人気講師なら月10〜30万円の安定収入になります。

YouTubeチャンネルでは、広告収入・スポンサーシップ・自社講座への誘導という複数の収益化が可能。Figma特化チャンネル「Mizko Media」「Flux Academy」、Canva特化チャンネル「Mariana Hardy」「Marisa Murgatroyd」などが、年商1,000万円以上の規模で成功しています。

差別化のポイントは、「初心者に圧倒的にわかりやすい説明」と「実務直結のノウハウ」の両立。コードのように正解が一つではないデザイン分野では、講師個人のセンスや経験談が大きな価値を持ちます。

CanvaとFigmaは、単なる「制作ツール」ではなく、活用次第で「収益源」にもなり得る、現代のデザイナーにとって最強のパートナーツールです。基本機能の習得だけでなく、AI機能の活用、ライセンス管理、副業展開まで含めて総合的に学ぶことで、フリーランスデザイナーとしての年収を着実に底上げしていけるでしょう。

よくある質問

Q. Figmaを無料で使い続けることは可能ですか?

はい、個人利用であれば無料のスタータープランで十分に学習や小規模案件への対応が可能です。ただし、3つ以上のプロジェクトを管理したり、高度なチームライブラリ機能を使ったりする場合は有料プランへの移行が必要になります。フリーランスとして活動する場合、最初は無料で始め、必要に応じて経費として計上するのが賢明です。

Q. Canvaだけで仕事を受けられますか?

はい。特にSNS画像や簡単なチラシ、プレゼン資料の作成であれば、Canvaだけで十分完結します。より高度なWebサイト設計やアプリ開発に携わりたい場合は、Figmaも併せて習得するのがおすすめです。

Q. デザインの原則を学ぶのに最適なソフトウェアは何ですか?

特定のソフトウェアに依存するものではありません。初心者が原則を意識してレイアウトを組む練習をするには、PowerPointやCanvaが直感的でおすすめです。データ分析の文脈であれば、TableauやLooker StudioといったBIツールでも全く同じ四大原則が適用できます。

Q. Webデザイン初心者ですが、最初に学ぶべきはIllustratorですか?

Webデザインに特化したいのであれば、まずはFigmaから学習することをお勧めします。操作が直感的で、無料ですぐに始められるためです。ロゴ作成や本格的なグラフィックに興味が出てきた段階でIllustratorを学ぶのが、挫折しにくいステップです。昔の教本には「まずIllustratorとPhotoshop」と書かれていることが多いですが、現代のWebデザインにおいては必ずしもそれが正解ではありません。

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織田 莉子

この記事を書いた人

織田 莉子

FP2級・フリーランス経理サポーター

会計事務所で10年間の実務経験を経て独立。フリーランスの確定申告・節税・資金管理を専門に、お金にまつわる記事を執筆しています。

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