バナー制作を独学で覚える練習法と、最初の依頼を受けるまでの準備


この記事のポイント
- ✓バナー制作を独学で覚えたい人に向けて
- ✓レイアウトと文字と色の基本
- ✓模写と架空の依頼を使った練習法
バナー制作は、Webデザインの中でも独学で始めやすい分野です。1枚の画像の中で完結するので、Webサイト全体を作るより覚えることが少なく、練習の成果も目で見て確かめやすいからです。在宅でできる副業として、バナー制作から始める人も増えています。
一方で、独学ならではのつまずきもあります。何から練習すればよいか分からない、作ったバナーが素人っぽく見える理由が分からない、練習は続けているのに仕事を受ける段階に進めない。この記事では、バナー制作を独学で覚えるための練習法を、道具の選び方から、レイアウトや文字や色の基本、模写と架空の依頼を使った練習、作品集の作り方、最初の依頼を受けるまでの準備まで、順を追って説明します。仕事として受ける前に知っておきたい、広告の表示の決まりや、フォントと画像の利用の条件にも触れます。
バナー制作の仕事とは
バナーとは、Webサイトや広告、SNSで使われる、文字と画像を組み合わせた横長や正方形の画像のことです。商品の宣伝、キャンペーンの告知、記事への誘導など、見た人に「押してみよう」「見てみよう」と思わせることが役目です。
バナーの使われ方は、大きく次のように分けられます。
- 広告のバナー:Webサイトやアプリの広告の枠に表示され、広告を出す側のページへ誘導する
- サイト内のバナー:自社のWebサイトの中で、キャンペーンや新商品のページへ誘導する
- SNSの投稿の画像:Instagram や X などに投稿する、告知や宣伝のための画像
- ネットショップの画像:商品の一覧や特集のページに表示する、セールや特集の画像
どの場合も、バナーは「見た人に行動してもらう」ための画像です。ここが、作り手が自由に表現する作品とは違うところです。バナー制作を独学で覚えるときは、きれいな画像を作ることより、伝えたいことを一目で伝え、見た人を動かす画像を作ることを目標にします。
バナー制作の仕事が独学に向いている理由
バナー制作が独学に向いている理由は、作るものの大きさが小さく、1枚ごとに練習を完結できることです。Webサイトの制作のように、多くのページの構成やプログラムを考える必要がなく、1日1枚のペースで練習を積み重ねられます。作ったバナーを並べれば、そのまま作品集になります。
また、バナーの需要は、企業の広告からネットショップ、個人の事業者のSNSまで幅広く、小さな依頼から実績を積みやすいことも利点です。
独学に必要な道具
バナー制作に必要な道具は、パソコンと、画像を作るためのソフトです。
デザインのソフト
バナーを作るソフトには、いくつかの選択肢があります。
| ソフト | 特徴 | 向いている人 |
|---|---|---|
| Photoshop | 写真の加工と合成に強い。仕事の現場で広く使われている | 写真を多く使うバナーを作りたい人、仕事として受けたい人 |
| Illustrator | 図形や文字の配置に強く、拡大しても線がぼやけない | 図形や文字が中心のバナーを作りたい人 |
| Figma | Webのデザインの現場で広く使われ、ブラウザで動く | Webサイトのデザインまで広げたい人 |
| Canva | テンプレートが豊富で、操作が簡単 | まず形にしてみたい人、SNSの画像を作りたい人 |
仕事として受けることを目指すなら、依頼主から元のデータの納品を求められることを考えて、Photoshop や Illustrator、Figma のように現場で使われているソフトを覚えておくと安心です。料金や無料で使える範囲は各社が改定することがあるので、使い始める前に公式のページで今日時点の内容を確かめてください。
パソコンと画面
バナーの制作には、ソフトが快適に動くパソコンが必要です。色を正確に見るためには、画面の色の表示がおかしくないことも大切です。バナーはスマートフォンで見られることが多いので、作ったバナーを自分のスマートフォンに送って、実際の大きさでどう見えるかを確かめる習慣を付けておくとよいです。
バナー制作の基本を押さえる
独学で最初に身につけたいのは、レイアウト、文字、色の3つの基本です。この3つには、それぞれ決まった考え方があり、才能より知識と練習で身につけられます。
レイアウトの基本
レイアウトとは、文字や画像をどこに配置するかを決めることです。バナーのレイアウトで大切なのは、次の4つの考え方です。
- 近づける:関係のあるものは近くに、関係のないものは離して配置する
- そろえる:文字や画像の端を、見えない線にそろえて配置する
- 繰り返す:同じ種類の情報には、同じ色や形を使う
- 強弱を付ける:一番伝えたいことを大きく、補足は小さくする
素人っぽく見えるバナーの多くは、要素の端がそろっていない、すべての文字が同じくらいの大きさで何を伝えたいかが分からない、といった理由で読みにくくなっています。余白も大切です。要素を詰め込みすぎると、どこを見ればよいか分からなくなります。余白は「何もない場所」ではなく、伝えたいことを目立たせるための場所です。
文字の基本
バナーの文字で大切なのは、一瞬で読めることです。広告のバナーは、見た人が数秒で通り過ぎるので、長い文章は読まれません。伝えたいことを短い言葉にまとめ、一番伝えたい言葉を一番大きくします。
文字のデザイン(フォント)の選び方も、バナーの印象を大きく左右します。信頼感を出したい金融や医療の広告には落ち着いたフォント、楽しさを出したいイベントの告知には丸みのあるフォント、というように、伝えたい雰囲気に合わせて選びます。1枚のバナーに使うフォントは、2種類程度に抑えるとまとまりが出ます。
色の基本
色は、バナーの印象を決める要素です。使う色の数を絞り、ベースの色、メインの色、目立たせたいところに使う色の3つ程度で組み立てると、まとまりのあるバナーになります。依頼主の会社や商品に決まった色(ブランドの色)がある場合は、その色を中心に組み立てます。
背景の色と文字の色の明るさの差が小さいと、文字が読みにくくなります。特に、写真の上に文字を載せるときは、文字の後ろに帯を敷く、写真を暗くするなどして、文字がはっきり読めるようにします。
バナーの大きさとファイルの形式
バナーは、表示する場所ごとに大きさが決まっています。大きさは「横500ピクセル、縦500ピクセル」のように、画面の点の数(ピクセル)で指定されます。広告の枠、Webサイトの決まった場所、SNSの投稿など、表示する場所によって縦横の比率が違うので、依頼を受けるときは必ず大きさを確かめます。同じ内容のバナーを、正方形、横長、縦長の複数の大きさで作ってほしいと頼まれることもよくあります。
大きさが変わると作り方も変わる
同じ内容でも、横長のバナーと縦長のバナーでは、文字と画像の配置を変える必要があります。横長のバナーは、左に画像、右に文字のように横に並べる配置が向いています。縦長のバナーは、上から下へ視線が流れるので、上に見出し、中央に画像、下にボタンのように積み上げる配置が向いています。複数の大きさを作るときは、1つを作ってから単純に縮めたり伸ばしたりするのではなく、大きさごとに配置を組み直します。
ファイルの形式と容量
バナーの画像のファイルの形式は、写真を多く使うならJPEG、文字や図形が中心で背景を透明にしたいならPNGがよく使われます。広告の枠によっては、ファイルの容量(データの大きさ)に上限が決められていることがあり、上限を超えると登録できません。書き出すときに画質と容量の釣り合いを調整して、上限に収めます。
書き出したあとは、実際の大きさで表示して、文字がつぶれていないか、写真が荒れていないかを確かめます。作業の画面では拡大して作っていることが多いので、実際の大きさで見ると、小さな文字が読めないことに気づくことがあります。
スマートフォンで見られることを前提に作る
今、多くのバナーはスマートフォンの画面で見られています。パソコンの大きな画面で作っていると気づきにくいのが、スマートフォンでの見え方です。
スマートフォンでは、バナーは小さく表示され、見る人は指で画面を流しながら一瞬だけ目に留めます。そのため、次の点に気をつけます。
- 文字を大きく、少なくする。小さな画面で読める大きさにする
- 一番伝えたいことを、画面を流す途中でも目に入る位置に配置する
- 細い線や小さな飾りは、つぶれて見えなくなるので使いすぎない
- 明るさの差をはっきりさせ、屋外の明るい場所でも見えるようにする
作ったバナーは、必ず自分のスマートフォンに送って、実際の大きさで見て確かめます。少し離して見る、画面を流しながら見る、といった確かめ方をすると、見る人の目線に近い状態で判断できます。
独学の練習法1:模写
バナー制作の独学で、最も効果があると言われる練習が「模写」です。模写とは、上手なバナーをそっくりそのまま自分で作ってみる練習のことです。
模写の進め方
- 自分が作りたい分野の、上手だと感じるバナーを1枚選ぶ
- 同じ大きさのキャンバスを用意する
- 文字の大きさ、位置、余白、色を、できるだけ同じになるように作る
- 元のバナーと並べて見比べ、違うところを直す
- 最後に、なぜこの配置なのか、なぜこの色なのかを自分の言葉で書き出す
模写で大切なのは、5つ目の「なぜ」を考えることです。手を動かすだけでなく、上手なバナーがどんな考え方で作られているかを読み取ることで、自分でゼロから作るときの引き出しが増えます。
模写の作品の扱い
模写は練習のための方法で、模写した作品を自分の作品として公開したり、作品集に入れたりしてはいけません。元のバナーには作った人や企業の権利があり、そっくりの作品を公開すると、権利を侵すおそれがあります。模写した作品は、自分の練習の記録として手元に残すだけにします。
独学の練習法2:架空の依頼で作る
模写である程度の引き出しができたら、次は「架空の依頼」でゼロから作る練習に進みます。架空の依頼とは、実在しない依頼の条件を自分で決めて、その条件に沿ってバナーを作る練習のことです。
架空の依頼の作り方
架空の依頼には、実際の依頼と同じ項目を入れます。
- 何のためのバナーか(キャンペーンの告知、新商品の宣伝など)
- どこに表示するか(Webサイト、SNS、広告の枠)
- 大きさ(縦と横のピクセル数)
- 誰に見てほしいか(年代、性別、興味)
- 入れる文字(見出し、補足の文章、ボタンの文字)
- 伝えたい雰囲気(高級感、親しみやすさ、急いで行動してほしいなど)
たとえば、次のような依頼の条件を作って練習する方法が、練習の題材として紹介されています。
【特典】❶通常料金より10%OFF❷貸切風呂 利用無料(要予約)❸○×美術館ペアチケットプレゼント----------------------------------バナー設置場所:旅館公式サイトのTOPページ(予約の導線に近い所)対象:Web予約・カップル限定ターゲット:30〜40代 カップル1泊2食付の通常料金:大人一人12,000円〜バナーサイズ:W500×H500px 出典: note.com
このように、表示する場所、見てほしい人、伝える特典、大きさまで決まっていると、実際の依頼に近い条件で練習できます。
1つの依頼で複数の案を作る
架空の依頼の練習では、1つの条件で2案から3案を作るのがおすすめです。実際の仕事では、依頼主に複数の案を見せて選んでもらうことがよくあります。同じ条件で、写真を大きく使う案、文字を中心にした案、色を変えた案のように方向を変えて作ると、提案の幅が広がります。
架空の依頼の作品は作品集に使える
架空の依頼で作ったバナーは、自分でゼロから作った作品なので、作品集に入れられます。ただし、実在する企業や商品の名前、ロゴを勝手に使うと、実際の依頼で作ったものと誤解されるおそれがあります。架空の依頼であることが分かるように、架空の店名や商品名を使い、作品集でも「練習で作ったもの」と明記しておきます。
独学の練習法3:作ったものを見てもらう
独学の弱点は、自分の作ったものの良し悪しを判断しにくいことです。上達を早めるには、作ったものを人に見てもらう機会を作ります。
身近な人に見てもらうときは、「どう思う?」と聞くのではなく、「3秒見て、何のバナーか分かった?」「一番目に入ったのはどこ?」と具体的に聞くと、役に立つ答えが返ってきます。作り手が伝えたかったことと、見た人が受け取ったことが一致しているかを確かめるのが目的です。
SNSで作品を公開して、反応を見る方法もあります。デザインの勉強をしている人どうしで作品を見せ合う場もあります。ただし、反応の数だけで良し悪しを判断せず、依頼主の目的を果たせるバナーになっているかを基準に振り返ります。
1日の練習の組み立て方
本業や家事の合間に独学で進める人は、1日の練習を短い時間で組み立てると続けやすくなります。たとえば、平日は1日1時間を目安に、次のように組み立てます。
- 15分:上手なバナーを集めて、配置や色の工夫を観察する
- 30分:模写か、架空の依頼のバナーを作る
- 15分:作ったものを振り返り、気づいたことを記録する
週末にまとまった時間が取れる日は、架空の依頼で複数の案を作る、作品集を整理する、といった時間のかかる作業に充てます。毎日少しずつでも手を動かし続けることが、独学で上達するための一番の近道です。
上手なバナーの集め方
上手なバナーを集めるには、日頃から目にする広告やWebサイトのバナーを意識して見る習慣が役立ちます。良いと感じたバナーは、画面の写しを保存して、分野ごとに整理しておきます。保存したバナーは、自分の練習の参考にするためのもので、公開や配布はしません。集めたバナーが増えてくると、分野ごとに使われやすい配置や色の傾向が見えてきます。
生成AIとの付き合い方
画像を作るAIや、デザインのソフトに組み込まれたAIの機能が広がり、バナー制作の作業の進め方も変わりつつあります。背景を広げる、不要なものを消す、写真の雰囲気を変えるといった作業は、AIの機能を使うと短い時間でできるようになりました。
一方で、仕事でAIを使うときには気をつけることがあります。1つは、依頼主がAIで作った画像の使用を認めているかです。企業によっては、広告にAIで作った画像を使わない方針を決めているところもあります。AIを使う場合は、使う範囲を依頼主に伝え、了解を得ておくと安心です。
もう1つは、AIで作った画像が、他人の作品や実在の人物、商標に似てしまう場合があることです。広告に使う画像は多くの人の目に触れるので、似ているものがないかを確かめる手間を惜しまないようにします。
AIは作業を早くする道具ですが、何を伝えるバナーにするかを考え、レイアウトや文字や色を組み立てる力は、作り手の側に必要です。基本の力がある人ほど、AIの機能を使って仕事の幅を広げられます。独学の段階では、まずAIに頼らずに基本を身につけ、そのうえで作業を早くするための道具としてAIを取り入れる順番がおすすめです。
練習の段階ごとの目標
独学は、自分で目標を決めないと、何となく続けて終わってしまいがちです。練習を段階に分けて、それぞれの目標を決めておくと、進み具合を確かめながら続けられます。
| 段階 | やること | 次に進む目安 |
|---|---|---|
| 1. 道具に慣れる | ソフトの基本の操作を覚え、簡単なバナーを作る | 文字と画像を思った位置に配置できる |
| 2. 模写で学ぶ | 上手なバナーを模写し、配置と色の理由を書き出す | 10点ほどの模写で、よく使われる配置が分かる |
| 3. 架空の依頼で作る | 依頼の条件を自分で決め、2案から3案を作る | 条件に合わせて案の方向を変えられる |
| 4. 作品集をまとめる | 分野をそろえて5点から10点を選び、理由を添える | 人に見せて、何のバナーかが伝わる |
| 5. 小さな依頼に応募する | 条件を確かめて応募し、納品まで経験する | 依頼主とのやり取りの流れが分かる |
段階を進む速さは、練習に使える時間によって人それぞれです。大切なのは、段階を飛ばさないことと、作品集が完璧になるまで応募を待たないことです。5つ目の段階で得た経験は、作品集の見直しや、次の応募の文面にそのまま生かせます。
仕事として受ける前に知っておきたい決まり
バナーを仕事として受けるようになると、デザインの技術とは別に、守らなければならない決まりがあります。
広告の表示の決まり
広告のバナーは、景品表示法という法律の決まりを守る必要があります。景品表示法は、商品やサービスの品質や価格について、実際より良く見せるうその表示や、大げさな表示を禁止する法律です。「No.1」「最安」「効果抜群」のような言葉を、根拠なく使うことはできません。
また、2023年10月1日からは、広告であることを隠して宣伝する、いわゆるステルスマーケティングも景品表示法の違反となりました。消費者庁は次のように説明しています。
広告であるにもかかわらず、広告であることを隠すことがいわゆる「ステルスマーケティング」です。 出典: 消費者庁 ステルスマーケティングに関する景品表示法の規制
表示の内容に責任を持つのは広告を出す依頼主ですが、作り手も、依頼された文言に根拠があるかを依頼主に確かめる姿勢を持っておくと、トラブルを防げます。表示の決まりの全体は、消費者庁の景品表示法のページで確かめられます。
フォントと画像の利用の条件
バナーに使うフォントや写真、イラストには、それぞれ利用の条件(ライセンス)があります。無料で使えるフォントでも、商用利用が認められていないもの、ロゴへの使用が禁止されているものがあります。素材サイトの写真やイラストも、サイトごとに使ってよい範囲が決まっています。
仕事で使う場合は、依頼主の商用の目的で使ってよいかを、フォントや素材の利用の条件で必ず確かめます。依頼主から提供された写真を使う場合も、その写真を広告に使ってよいかを依頼主に確かめておくと安心です。
作品集の作り方
最初の依頼を受けるために欠かせないのが、作品集(ポートフォリオ)です。依頼主は、作品集を見て「この人に頼んだら、どんなバナーができるか」を判断します。
作品集に入れるもの
作品集には、次のものを入れます。
- 架空の依頼で作ったバナー(5点から10点程度)
- それぞれのバナーの依頼の条件(目的、見てほしい人、大きさ)
- そのデザインにした理由(なぜこの配置、なぜこの色か)
- 使ったソフト
大切なのは、完成したバナーだけでなく、そのデザインにした理由を書くことです。依頼主は、作り手が目的を理解して作っているかを見ています。理由を言葉で説明できる人は、依頼主の要望を聞いてそれを形にできる人だと受け取られます。
分野をそろえる
作品集には、得意な分野や、受けたい分野のバナーを中心に入れます。たとえば、美容の分野の依頼を受けたいなら、美容の商品やサロンの架空の依頼で作ったバナーを多めに入れます。いろいろな分野を少しずつ入れるより、分野をそろえたほうが、その分野の依頼主の目に留まりやすくなります。作品集の構成の作り方は、文章の仕事の例ですが、Webライターのポートフォリオの作り方|案件獲得率が上がるテンプレート付き【2026年版】で見せ方の工夫が紹介されていて、バナーの作品集にも応用できます。
最初の依頼を受けるまでの準備
作品集ができたら、最初の依頼を受けるための準備を進めます。
依頼を受けるときに確かめること
依頼を受ける前に、依頼主と次の点を確かめます。
- バナーの目的と、表示する場所
- 大きさとファイルの形式(画像の形式、元のデータの納品が必要か)
- 入れる文字と、使う写真やロゴ(依頼主が用意するか、作り手が用意するか)
- 案の数と、修正の回数の上限
- 納期
- 報酬と、支払いの時期
特に、修正の回数の上限は、最初に決めておかないと、修正が何度も続いて作業の時間が膨らむ原因になります。「2回まで修正を受け、3回目以降は別料金」のように、具体的に決めておきます。
報酬の決め方
バナー制作の報酬は、1枚あたりの金額で決めることが多く、大きさの種類を増やす、写真の加工が多い、急ぎの納期、といった条件で上がります。最初は、作業にかかる時間を見積もって、時間あたりの収入がいくらになるかを計算してから金額を決めます。デザインの仕事の相場の目安は、デザイナーの年収・単価相場で職種ごとに整理されているので、自分の金額を決める参考になります。
依頼主とのやり取りで気をつけること
依頼主の多くは、デザインの専門家ではありません。「おしゃれな感じで」「目立つように」といった、あいまいな要望を受けることもあります。そうしたときは、参考になるバナーを見せてもらう、2案から3案を作って選んでもらう、といった方法で、依頼主の頭の中にあるイメージを具体的にしていきます。
案を見せるときは、なぜこのデザインにしたのかを短く添えます。「若い女性に向けて、やわらかい色と丸みのある文字を使いました」のように説明すると、依頼主が判断しやすくなり、修正の方向も決めやすくなります。
連絡の取り方も、最初に決めておくと安心です。メール、チャット、ビデオ会議のどれでやり取りするか、返事はどのくらいの時間で返すか、平日の何時から何時までなら連絡が取れるかを伝えておくと、依頼主が不安になりません。在宅で本業や家事と両立しながら受ける場合は、すぐに返事ができない時間帯を正直に伝えておくほうが、信頼につながります。
納品のときに気をつけること
依頼を受けて作ったバナーを納品するときにも、気をつけることがあります。納品の段階で慌てないよう、流れを知っておきます。
まず、納品の前に、依頼の条件と照らし合わせて最終の確認をします。大きさ、ファイルの形式、容量、入れた文字の誤字や脱字、価格や日付などの数字が正しいかを、1つずつ確かめます。特に数字や日付の誤りは、広告として出てしまうと依頼主に大きな迷惑がかかるので、依頼主から受け取った原稿と見比べて確かめます。
次に、納品するファイルの名前を分かりやすく付けます。「キャンペーン名_大きさ_日付」のように、依頼主が見て何のファイルか分かる名前にしておくと、依頼主の側での管理が楽になります。元のデータの納品を求められている場合は、使ったフォントや素材の情報も添えておくと、依頼主が後で修正するときに困りません。
納品したあとは、依頼主から受け取りの確認をもらいます。修正の依頼があった場合は、最初に決めた回数の範囲かを確かめて対応します。納品したデータと、やり取りの記録は、一定の期間保存しておくと、後から同じ種類のバナーを頼まれたときに役立ちます。
会社員が副業で受けるときの注意
会社員がバナー制作を副業として受ける場合は、勤め先の就業規則で副業が認められているかを確かめてから始めます。届け出や許可が必要な会社もあります。本業でデザインや広告に関わっている人は、本業の取引先と競合しないか、本業で知った情報を使っていないかにも気をつけます。
副業で受けた報酬は、一般に事業所得か雑所得として扱われます。会社員の場合、給与以外の所得(報酬から必要な経費を差し引いた額)の合計が20万円を超えると、所得税の確定申告が必要です。20万円以下でも住民税の申告は別に必要になることがあります。デザインのソフトの利用料や、練習のための素材の購入費など、仕事に使った費用は経費になる場合があるので、領収書を保存しておきます。個別の扱いは収入の状況によって変わるので、税務署や住所地の市区町村で確かめてください。
独学でつまずきやすいところ
独学でバナー制作を覚える人がつまずきやすいところと、その対処を整理します。
- ソフトの操作を覚えることに時間を使いすぎる。操作は作りながら覚え、デザインの基本の学習と並行して進める
- 情報を詰め込みすぎる。伝えたいことを1つに絞り、残りは小さくするか省く
- 自分の好みで作ってしまう。見てほしい人の好みに合わせて作る
- 練習ばかりで仕事に進めない。作品集が5点から10点そろったら、小さな依頼に応募してみる
特に最後の点は、独学の人が陥りやすいところです。完璧な作品集ができるまで待っていると、いつまでも仕事に進めません。小さな依頼でも、実際に依頼主とやり取りして納品する経験は、練習では得られない学びになります。
運営者として見てきた、最初の依頼を勝ち取る人の共通点
在宅ワークとフリーランスの仲介を2004年から続けてきた運営者として見てきた限りでは、未経験から最初の依頼を勝ち取る人には共通点があります。それは、応募の文面で「依頼主の目的を理解していること」を示していることです。デザインの腕前を見せるだけでなく、「このバナーで、誰に、何をしてほしいか」を自分の言葉で書き、そのためにどんなデザインを考えているかを短く添えている人は、実績が少なくても選ばれやすい傾向があります。
もう1つの共通点は、依頼主と直接やり取りして、目的や修正の範囲を最初に確かめていることです。仲介の手数料が差し引かれない形で直接取引できると、同じ報酬でも手元に残る金額が厚くなり、依頼する側も同じ予算で多くのバナーを頼めます。手数料0%で直接取引できる在宅ワークの求人サイトなら、こうした双方が得をする関係を作りやすくなります。
バナー制作は、広告やマーケティングの仕事の入り口にもなります。広告の効果を高めるための分析や運用の仕事に広げたい人は、AI・マーケティング・セキュリティのお仕事で、マーケティングの分野にどんな仕事があるかを確かめられます。デザインは才能ではなく、基本と練習で身につけられる技術です。今日から1日1枚、模写から始めてみてください。
よくある質問
Q. バナー制作は未経験から独学で身につけられますか?
身につけられます。バナーは1枚の画像の中で完結するので、Webサイト全体を作るより覚えることが少なく、1日1枚のペースで練習を積み重ねられます。レイアウト、文字、色の基本には決まった考え方があるので、才能より知識と練習で上達します。模写で引き出しを増やし、架空の依頼でゼロから作る練習に進むのが効果的です。
Q. バナー制作の独学にはどのソフトを使えばよいですか?
仕事として受けることを目指すなら、Photoshop、Illustrator、Figmaのように仕事の現場で使われているソフトを覚えておくと安心です。依頼主から元のデータの納品を求められることがあるためです。まず形にしてみたい人やSNSの画像を作りたい人は、テンプレートが豊富なCanvaから始める方法もあります。料金は公式のページで確かめてください。
Q. 模写した作品を作品集に入れてもよいですか?
入れてはいけません。模写は上手なバナーの考え方を学ぶための練習で、元のバナーには作った人や企業の権利があります。そっくりの作品を公開すると権利を侵すおそれがあります。作品集には、架空の依頼の条件を自分で決めてゼロから作ったバナーを入れ、練習で作ったものであることを明記します。
Q. 最初の依頼を受けるときに決めておくことは何ですか?
バナーの目的と表示する場所、大きさとファイルの形式、入れる文字と使う写真やロゴ、案の数と修正の回数の上限、納期、報酬と支払いの時期を決めておきます。特に修正の回数の上限は、最初に決めておかないと作業の時間が膨らむ原因になります。2回まで修正を受け、3回目以降は別料金のように具体的に決めておくと安心です。
この記事について
編集部
監修:@SOHO編集部
2004年よりフリーランス・在宅ワーク向けサービスを運営。生成AIで作成した下書きを、一次情報と照らし合わせて確認したうえで公開しています。

この記事を書いた人
@SOHO編集部
フリーランス・在宅ワークの専門メディア
@SOHOは2004年から続く、日本のフリーランス・在宅ワーク向け案件サイトです。記事は生成AIで下書きを作り、数値・固有名・出典を一次情報と照らし合わせる確認の手順を経て公開しています。
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