アラビア語の単価の相場


この記事のポイント
- ✓アラビア語の翻訳・通訳の単価の相場を
- ✓分野別の差という三つの軸で整理しました
- ✓ミニマムチャージの考え方
結論を先に書きます。アラビア語の翻訳単価は、一つの数字では表せません。文字数で計算するのかワード数で計算するのか、方向がどちらか、分野が何か、そしてミニマムチャージが設定されているか。この四つで金額が変わります。相場を知りたいという方が求めているのは、たいてい「自分の案件はいくらが妥当か」という判断基準のほうです。この記事では、公開されている料金の実例を出発点に、単価がどう決まるのかを分解し、自分の案件に当てはめて計算できるところまで持っていきます。
単価の計算方法は二通りある
まず、計算の土台を押さえておきます。同じ案件でも、どちらの数え方をするかで金額が変わります。
アラビア語翻訳を外注する際は、「日本語1文字あたりの単価」あるいは「アラビア語1ワードあたりの単価」で翻訳料金を算出します。 出典: crowdworks.jp
日本語からアラビア語に訳す場合は、日本語の文字数を数えるのが一般的です。アラビア語から日本語に訳す場合は、アラビア語のワード数を数えます。つまり、原文の側を数えるのが基本です。
なぜ原文を数えるのかというと、訳す前に金額が確定するからです。訳文の側を数える方式にすると、訳した後でないと金額が決まらず、しかも訳し方によって分量が変わってしまいます。冗長に訳せば報酬が増えるという設計は、双方にとって望ましくありません。
ここで注意すべき点が一つあります。日本語とアラビア語では、同じ内容を表すのに必要な分量が違います。日本語400文字は、アラビア語ではおおむね180ワード前後になります。つまり日本語1文字とアラビア語1ワードでは、後者のほうが情報量が多い。単価がアラビア語のワード単価のほうが高く設定されているのは、この換算比が理由です。
公開されている相場の数字
具体的な金額を見ていきます。
【翻訳依頼時の料金相場】 ※原稿用紙1枚(400文字/180ワード)の料金相場◆一般文書(手紙、書籍、パンフレットなど)日本語→アラビア語の翻訳:4,000~5,000円アラビア語→日本語の翻訳:3,500~4,500円 出典: crowdworks.jp
この数字を分解します。原稿用紙1枚が日本語400文字、アラビア語180ワードという前提です。
日本語からアラビア語への一般文書が4,000円から5,000円。これを文字単価に直すと、日本語1文字あたり10円から12.5円になります。
アラビア語から日本語への一般文書が3,500円から4,500円。ワード単価に直すと、1ワードあたり19円から25円です。
この二つを比べると、日本語からアラビア語への方向のほうが高く設定されていることが分かります。理由は単純で、日本語からアラビア語へ自然に書ける人のほうが、逆方向より少ないからです。母語に訳すほうが品質が安定するという原則があり、アラビア語を母語とする人材の希少性がそのまま価格に出ています。
発注側の料金表と受注側の手取りは別物
ここで、正直なところを書いておきます。上に挙げた金額は、翻訳を発注する側から見た料金相場です。翻訳会社を経由して受注する場合、実際に翻訳者が受け取る額はこれより低くなります。
一方、個人が直接受注する場合は、これとは別の水準になります。クラウドソーシングのサービスで自分の料金を公開している翻訳者を見ると、日本語原文1文字あたり6円前後、アラビア語原文1単語あたり12円前後を基準にし、納期や分量、分野の難易度によって上下させるという提示の仕方が見られます。
数字で言えば、日本語原文1文字6円、アラビア語原文1単語12円。先ほどの発注側の相場と比べると、おおむね半分程度です。
この差が何を意味しているかというと、間に入る事業者の取り分です。翻訳会社は、翻訳者への支払いに加えて、営業、進行管理、品質確認、請求処理を行います。その費用が上乗せされて発注側の料金になります。
したがって、受注する側が見るべき数字は、発注側の相場ではなく、実際に自分が受け取る額です。相場表を見て「アラビア語は1文字10円もらえる」と考えると、実際の提示額とのずれに戸惑うことになります。
ミニマムチャージという概念
単価だけを見ていると見落とすのが、最低受注金額の設定です。
また、ミニマムチャージ(依頼の分量にかかわらずかかる最低料金)の有無によって料金が変わる場合もあります。通常であれば、文字単価20円で400文字のアラビア語翻訳を依頼すると翻訳費用は8,000円です。しかし、ミニマムチャージを1万円に設定している依頼先の場合、上記の条件で翻訳を依頼するとミニマムチャージが適用されるため、翻訳費用は1万円となります。 出典: crowdworks.jp
この考え方は、受注する側こそ持っておくべきものです。
翻訳の作業は、文字数に比例しない部分が必ずあります。依頼内容の確認、用語の調査、ファイルの受け渡し、納品と請求の処理。これらは100文字の案件でも10,000文字の案件でも、ほぼ同じ手間がかかります。
したがって、小さな案件を文字単価だけで受けると確実に赤字になります。50文字のキャッチコピーを文字単価6円で受けると300円ですが、やり取りを含めた実作業は1時間を超えることがあります。
最低受注金額を設定してください。個人で受ける場合、3,000円から5,000円を下限に置いている人が多い印象です。この設定があると、小口の依頼を断る必要がなくなります。断らずに、適正な額で受けられるようになるという意味です。
分野による単価の差
同じアラビア語でも、扱う文書の種類で単価は大きく動きます。
上振れする分野
医療、医薬、法律、契約、金融、技術仕様書。これらは、語学力に加えて分野の知識が要ります。誤訳が実害に直結するため、責任も重い。一般文書の1.5倍から2倍の単価が設定されることがあります。
特許文書はさらに特殊です。独特の文体と構成があり、扱える人が限られるため単価が高く設定されます。特許分野の翻訳がどういう仕事なのかはフリーランスの特許翻訳|高単価ニッチ翻訳の始め方や特許翻訳のフリーランス|単価相場・必要スキル・案件獲得法【2026年版】に整理されていて、言語が違っても構造は共通しているため、単価を上げる方向性を考える材料になります。
下振れする分野
観光案内、飲食店のメニュー、一般的な会社案内、SNSの短文。分量が多く、内容が平易で、代替できる人が比較的多い領域です。ただし、量がまとまるため、継続案件としては悪くありません。
別の料金体系になるもの
映像の字幕は、文字数ではなく尺で計算されることが一般的です。1分あたりいくら、という形です。字幕には文字数の制限があり、話者の口の動きや画面の切り替わりに合わせる作業が加わるため、翻訳とは別のスキルになります。映像翻訳の実務がどう組み立てられているかは映像翻訳・字幕・通訳のお仕事にまとまっています。
通訳は時間で計算します。半日、一日という単位が基本で、拘束時間に対して支払われます。移動時間や準備時間をどう扱うかは、契約前に必ず決めておく項目です。
時間単価で考え直す
文字単価やワード単価は、比較しやすい反面、実態を映しません。最終的には時間単価に直して判断すべきです。
計算はこうです。まず、自分が1時間に何文字処理できるかを測ります。日本語からアラビア語への翻訳で、一般的な文書なら1時間あたり600文字から1,000文字が一つの目安です。専門文書ならこれより落ちます。
この数字に文字単価を掛けると、時間単価が出ます。文字単価6円で800文字処理できるなら、時給換算で4,800円です。ここから、やり取りや調査の時間を差し引いて実質を見ます。
この計算をしていない人は、単価の高い案件を受けたつもりで、実は時給が下がっているという事態に気づけません。逆に、単価が低く見える案件でも、定型的で処理が速いものは時間単価が高くなることがあります。数字で比べてください。
言語や文章を扱う職種の年収水準を横断的に把握しておくと、自分の時間単価が妥当かを判断しやすくなります。著述家,記者,編集者の年収・単価相場には、文章を扱う職種の分布がまとまっています。
見積もりを立てる手順
実際に見積もりを出す場面での手順を、順を追って書きます。
第一段階として原文を確認する
分量だけを聞いて金額を答えるのは危険です。必ず原文を見せてもらってください。同じ1,000文字でも、内容によって所要時間は倍以上違います。
見るべきは、専門用語の密度、固有名詞の量、参照資料の有無、原文の日本語が整理されているかどうか。特に最後の点は重要です。日本語の原文が曖昧だと、訳す前に意味を確定する作業が発生します。
第二段階として作業範囲を確定する
翻訳のみなのか、ネイティブによる確認まで含むのか、レイアウトへの流し込みまでやるのか。修正対応は何回まで含むのか。この四点を文章で確認します。
修正回数を決めていないと、際限なく続きます。2回までを含み、それ以降は別途とするのが一般的な線です。
第三段階として納期から逆算する
納期が短い案件には、割増を設定してよい根拠があります。他の予定を動かす必要が出るからです。通常納期の1.2倍から1.5倍の設定は、業界として珍しいものではありません。
逆に、納期に余裕がある案件は、他の仕事の合間に処理できるため、単価を少し下げても採算が合います。この調整ができると、受注の幅が広がります。
第四段階として金額の内訳を示す
「一式でいくら」ではなく、内訳を出してください。翻訳の単価と分量、確認作業の費用、特急料金の有無。内訳があると、発注側は社内で説明ができます。説明できる見積もりは通りやすい。これは金額の多寡とは別の話です。
単価が上がるのはどういうときか
同じ人が同じ言語を扱っていても、単価が動く要因があります。三つ挙げます。
一つ目は、代わりがいない状態を作れているかどうかです。分野の知識、特定地域の口語、既存の用語集を把握していること。これらが揃うと、他の人に切り替えるコストが発生します。切り替えコストが高い相手には、値下げを求めにくくなります。
二つ目は、納品物に判断の説明が付いているかどうかです。訳文だけを出す人と、迷った箇所と根拠を添える人では、発注側の安心感が違います。発注側はアラビア語を読めないため、判断できるのは説明の部分だけです。ここが評価の実体になっています。
三つ目は、取引先の数です。ここが最も効きます。取引先が一社しかない状態では、条件を下げられても飲むしかありません。三社あれば、断るという選択肢が生まれます。単価交渉の力は、話し方の技術ではなく、断れる状態を作れているかどうかで決まります。
単価を下げないための考え方
ここからは、少し踏み込んだ話をします。正直なところ、語学の仕事は値崩れしやすい構造にあります。
相見積もりの土俵に乗らない
複数の相手から見積もりを取って、最も安いところに出すという発注の仕方があります。この土俵に乗ると、価格だけで比較されます。
比較されないためには、価格以外の判断材料を提示する必要があります。分野の知識、対応できる地域、納品物に添える説明、公開後の確認まで含めた対応。これらが差になります。
値下げ要求への応答
値下げを求められたとき、額をそのまま下げるのは最後の手段です。先に検討すべきなのは、範囲を調整することです。
確認作業を外す、納期を延ばす、修正回数を減らす、分量を分割する。範囲を減らして額を下げるのであれば、時間単価は維持できます。額だけを下げると、次の依頼もその額が基準になります。
継続案件での単価の扱い
同じ取引先から継続して受けるようになると、作業は速くなります。用語に慣れ、文体が固まり、確認事項が減るからです。
この速くなった分を、単価の値下げに使わないでください。速くなったのは自分の努力の結果であり、値下げの理由ではありません。速くなった分は、受注できる件数を増やす余地として使うのが合理的です。
資格や証明は単価に影響するか
翻訳の資格が単価に直結するかというと、実務案件では限定的です。判断されるのはサンプルと納品物であり、資格の出番は入口に限られます。
ただし、公的機関や大きな組織が関わる案件では、書類上の説明材料として機能します。翻訳に関する認定を持っている場合は提示する価値があり、JTF翻訳品質認証のような品質に関する枠組みを知っておくと、発注側が何を基準に品質を見ているかが理解できます。他言語の検定制度、たとえば中国語検定(中検)1級のような体系を見ておくと、アラビア語に統一的な基準が整備されていないことの意味も分かってきます。
アラビア語には、日本国内で広く通用する統一的な検定がありません。これは弱点であると同時に、自分で定義できる余地でもあります。「何ができるか」を文書の種類で示せる人が、その定義で評価されます。
法令に関わる範囲は断定しない
一点、注意すべきことがあります。行政手続きに関わる書類、たとえば在留資格の申請書類や許認可に関する書類の扱いです。
言葉を訳す行為と、申請書類を作成したり手続きを代行したりする行為は、法律上は別のものとして扱われます。後者については、行政書士法などで有資格者に限定される場合があります。単価の話とは別に、そもそも受けてよい範囲なのかを確認する必要があります。
境界は依頼の内容によって変わるため、自分で判断せず、法令の規定を確認したうえで、必要であれば専門家に確認してください。
無料で使えるものと使えないもの
単価を考えるうえで、機械翻訳の存在は避けて通れません。
無料で使える機械翻訳は、アラビア語と日本語の組み合わせでも一定の水準に達しています。発注側がそれを知ったうえで依頼してくる以上、「訳せること」だけでは単価の根拠になりません。
では何が根拠になるかというと、機械が出力したものを判定する能力です。文法的には正しいが文体が合っていない、地域の読者には通じない、規制に触れる表現になっている。こうした判断は、いまのところ人にしかできません。
したがって、機械翻訳の後処理を依頼された場合、単価の考え方が変わります。ライトな修正で済むのか、実質的に訳し直しなのか。後者であれば、通常の翻訳と同じ単価を提示すべきです。機械翻訳を通しているという理由だけで単価を下げる根拠にはなりません。
なお、翻訳支援ツールを使うと、過去に訳した文の再利用ができます。同じ表現が繰り返される文書では、作業量が大きく減ります。この効率化の恩恵をどちらが取るかは交渉事項です。一致率に応じた単価表を提示されることもあり、その内容は必ず確認してください。
多言語の翻訳がどういう体系で扱われているかは英語・多言語翻訳のお仕事にまとまっていて、言語ごとの単価差がどう生じるのかを理解する材料になります。また、文章を書く技術そのものを見直したい場合は翻訳・ライティングレッスンのお仕事のような、教える側の視点で整理された内容が参考になります。他言語での単価交渉の実例としては中国語翻訳の副業ガイド|需要が高いジャンルと単価の目安も、考え方がそのまま応用できます。
通訳の単価はどう決まるか
翻訳と通訳では、料金の考え方が根本的に違います。翻訳は成果物に対して払われますが、通訳は時間に対して払われます。
基本の単位は、半日と一日です。半日はおおむね3時間から4時間、一日は7時間から8時間を指します。1時間だけという依頼でも、半日分が請求されるのが通常です。移動と準備が発生する以上、実際の稼働は1時間では収まらないからです。
通訳の形態によっても金額が変わります。話者が話し終えてから訳す逐次通訳と、話しながら同時に訳す同時通訳では、負荷がまったく違います。同時通訳は集中力の消耗が激しく、長時間になると複数名で交代する体制が前提になります。
オンラインでの通訳は在宅で受けられるため、副業として選びやすい形です。ただし、回線の安定性と音声環境が品質を左右します。相手の声が聞き取れなければ訳せません。機材への投資は、この仕事では経費として合理的な判断になります。
事前資料の有無も、実は金額に関わります。専門的な内容の通訳で資料が事前に出ない場合、準備ができないまま臨むことになり、品質のリスクが上がります。資料が出ないことを理由に、割増を提示することは不当ではありません。
案件を三つの型で計算してみる
考え方を実際の計算に落としてみます。
型その一、まとまった分量の文書翻訳
日本語8,000文字の会社案内をアラビア語に訳す案件を想定します。文字単価6円で計算すると48,000円。処理速度が1時間あたり800文字なら作業は10時間、確認と調整を含めて13時間とすると、時間単価は3,700円前後になります。妥当な水準です。
型その二、小口の反復案件
商品説明を1件あたり300文字で30件という案件です。総量は9,000文字で、単価計算上は先ほどと同じに見えます。しかし、実際には件ごとに商品情報を確認する手間が加わるため、所要時間は伸びます。
こうした案件では、ひな型を先に作ることで作業量が変わります。共通部分を固定し、商品固有の情報だけを差し替える形にすれば、後半の処理は大きく速くなります。単価が同じでも、進め方で時間単価が変わる典型例です。
型その三、分量が少なく判断が重い案件
商品名やキャッチコピーを5案作るという依頼です。文字数はごくわずかですが、候補を出し、文化的な適否を確認し、根拠を説明する作業が発生します。文字単価では成立しません。
この型は、最低受注金額または一式での見積もりで受けるべきものです。10,000円から30,000円という設定は、作業内容から見て不当ではありません。
支払い条件と請求で注意すること
単価が決まっても、支払いの条件を確認していなければ意味がありません。
まず、支払期日です。納品の翌月末なのか、検収後30日なのか。検収という条件が付いている場合、いつ検収されるのかを確認してください。検収の期限が定められていないと、支払いが無期限に延びます。
次に、源泉徴収の有無です。翻訳の報酬は源泉徴収の対象となる場合があり、その場合は提示額と振込額が異なります。事前に知っていれば混乱しません。
三つ目に、修正対応の扱いです。納品後の修正が何回まで無償なのか、期限はいつまでか。期限を定めていないと、数か月後に修正依頼が来ることがあります。
四つ目に、キャンセルの条件です。着手後に案件が中止になった場合、進捗分の請求ができるかどうか。長期の案件では、この条項の有無が大きな差になります。
請求書の発行が必要な場合、事業者の指定する形式があればそれに従います。指定がなければ、発行日、宛名、件名、数量と単価、小計、消費税、合計、振込先、支払期日を記載した形が標準です。取引先が増えると、月末に何件分の請求が必要かを把握するだけでも手間になります。案件を受けた時点で請求予定を一覧に加えておくと、漏れが防げます。
運営者として見てきた単価の実態
在宅ワークと業務委託の市場を長く運営してきた立場から、単価について三つ申し上げます。
一つ目は、単価表の数字と実際の手取りは違うということです。同じ「1文字10円」でも、間に何社入っているかで手元に残る額が変わります。相場を調べるとき、その数字が発注側から見た額なのか、受注側が受け取る額なのかを確認しないと、判断を誤ります。
二つ目は、単価が高い人ほど、価格以外の話をしているという点です。長く続いている方は、見積もりの説明に時間をかけます。なぜこの金額なのか、何が含まれていて何が含まれていないのか。この説明ができる人は、値下げ交渉の対象になりにくい。逆に、金額だけを提示する人は、金額だけで比較されます。
三つ目は、手取りの構造です。翻訳の仕事は、依頼者と受け手のあいだに複数の会社が入る形が長く続いてきました。間に入る会社が増えるほど、依頼者が払った金額と受け手が受け取る金額の差は開きます。中間のマージンが乗らない直接の取引では、同じ予算で依頼者はより多くの分量を頼めますし、受け手の手取りは厚くなります。手数料0%という形が意味を持つのは、金額の大小ではなく、同じ仕事をして手元に残る量が違うという質の部分です。
アラビア語の翻訳ができる人材は、国内では明らかに不足しています。不足している側にいる人が、相場表の平均に自分を合わせにいく理由はありません。何ができて、どこまでを含み、なぜその額なのか。この三つを説明できる状態を作ることが、単価を守るいちばん確かな方法です。
単価の相場は、調べて終わりにするものではありません。自分の処理速度、扱える分野、抱えている取引先の数によって、同じ相場表の中で立てる位置が変わります。半年に一度、自分の実績を並べ直して、いま提示している額が実態に合っているかを見直してください。作業が速くなり、扱える分野が広がっているなら、その分は次の見積もりに反映させてよいものです。据え置いたままにしていると、実力と報酬の差だけが開いていきます。
よくある質問
Q. アラビア語の翻訳単価はいくらが相場ですか?
発注側から見た一般文書の相場は、原稿用紙1枚(日本語400文字、アラビア語180ワード)あたり、日本語からアラビア語で4,000円から5,000円、逆方向で3,500円から4,500円です。個人が直接受注する場合の提示額は、日本語原文1文字6円、アラビア語原文1単語12円あたりが目安になります。
Q. なぜ日本語からアラビア語への翻訳のほうが高いのですか?
アラビア語を母語とし、自然なアラビア語を書ける人材のほうが、逆方向より少ないためです。翻訳は母語に訳すほうが品質が安定するという原則があり、その希少性が価格に反映されています。方向によって単価が違うのは、アラビア語に限らず多くの言語で見られる構造です。
Q. 小さな案件はどう見積もればよいですか?
文字単価だけで計算すると赤字になります。依頼内容の確認、用語調査、ファイルの受け渡し、請求処理は分量にかかわらず同じ手間がかかるためです。最低受注金額を3,000円から5,000円あたりに設定し、それを下回る分量の依頼には最低額を適用する形にしてください。
Q. 機械翻訳の後処理を頼まれた場合、単価は下げるべきですか?
修正の量によります。軽微な調整で済むなら通常より低い設定でも成立しますが、実質的に訳し直しになる場合は通常の翻訳と同じ単価を提示すべきです。機械翻訳を通しているという理由だけで単価を下げる根拠にはなりません。受注前に必ずサンプルで修正量を確認してください。
この記事について
編集部
監修:@SOHO編集部
2004年よりフリーランス・在宅ワーク向けサービスを20年運営。編集部が事実確認のうえ公開しています。

この記事を書いた人
朝比奈 蒼@SOHO編集部
ITメディア編集者
IT系メディアで編集・ライティングを担当。クラウドソーシング業界の動向やサービス比較など、客観的な視点での記事を執筆しています。
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