アプリ開発を独学で始める道筋と、個人で受けられる小さな案件の見つけ方

@SOHO編集部
@SOHO編集部
アプリ開発を独学で始める道筋と、個人で受けられる小さな案件の見つけ方

この記事のポイント

  • ✓アプリ開発を独学で始める道筋を
  • ✓作るアプリの種類の決め方
  • ✓挫折しないコツまで整理しました

アプリ開発を独学で始めたいと思っても、プログラミング言語の種類も教材の数も多く、どこから手を付ければよいかで迷う人がほとんどです。結論から言えば、アプリ開発の独学は「作るアプリの種類を1つに決める」「小さなアプリを最後まで作りきる」「作ったものを人に見せる」の3つを順番に進めれば、仕事につながる力まで届きます。

この記事では、アプリ開発を独学で始める道筋を、アプリの種類の決め方、必要な機材と費用、学ぶ順番、挫折しないためのコツまで順に説明します。後半では、学んだ力を使って個人で受けられる小さな案件の種類と、その見つけ方、受けるときに確かめることを扱います。

アプリ開発は独学でできるのか

アプリ開発に必要な道具の多くは、無料で手に入ります。iPhoneのアプリを作るXcode、Androidのアプリを作るAndroid Studioはどちらも無料で、公式のドキュメントやチュートリアルも誰でも読めます。学ぶための環境だけを見れば、独学でアプリを作れる条件はそろっています。

必要な学習時間の目安

一方で、時間はそれなりにかかります。独学のアプリ開発について解説している記事では、最初の実用的なアプリを作れるまでの時間が次のように示されています。

プログラム言語を学んで、電卓やToDoリストなど、最初の実用的なアプリを作れるようになるまでに必要な時間はおおよそ300時間程度とされています。1日3時間勉強するとしても最低でも3カ月程度の学習が必要です。 出典: saas.n-works.link

300時間はあくまで目安で、以前に別の言語を学んだことがあるか、1日にどれだけ時間を取れるかで大きく変わります。会社員が平日に1時間、休日に3時間ずつ学ぶなら、1週間で11時間ほどになり、300時間に届くまでに半年以上かかる計算です。最初からこの長さを見込んでおくと、1か月たっても思うように作れないときに、焦って投げ出さずに済みます。

独学のよい点と難しい点

観点 独学のよい点 独学の難しい点
費用 無料の教材と道具で始められる 有料の教材を買いすぎると高くつく
時間 自分の都合で進められる 締め切りが無く、後回しになりやすい
内容 作りたいものに絞って学べる 何を学ぶべきかの判断を自分でする
相談 調べる力が身につく エラーで止まったとき聞ける人がいない

独学の難しさの多くは、技術そのものより「止まったときにどうするか」にあります。この記事の後半で、止まったときの抜け出し方も説明します。

最初に作るアプリの種類を1つに決める

アプリと一口に言っても、作り方は種類によって違います。最初に種類を決めないまま学び始めると、iPhoneの教材とWebの教材を行き来して、どちらも中途半端になります。

アプリの4つの種類

種類 動く場所 主な言語と道具 必要な機材
iPhoneアプリ iPhone、iPad Swift、Xcode Mac
Androidアプリ Androidのスマートフォン Kotlin、Android Studio Windows、Mac、Linuxのいずれか
Webアプリ ブラウザ HTML、CSS、JavaScriptなど どのパソコンでもよい
両方で動くアプリ iPhoneとAndroid FlutterやReact Nativeなど iPhone向けに出すならMac

迷ったときの決め方

手元にあるスマートフォンに合わせて選ぶのが、最も続けやすい決め方です。iPhoneを使っているならiPhoneアプリ、Androidを使っているならAndroidアプリを選べば、作ったアプリを毎日自分で使って確かめられます。

ただし、iPhoneアプリを作るのに使うXcodeはMacで動くアプリなので、Windowsのパソコンしか持っていない場合は、まずAndroidアプリかWebアプリから始めるのが現実的です。仕事につなげたい気持ちが強いなら、案件の数が多いWebアプリから入る道もあります。Webアプリで身につけたプログラミングの考え方は、あとからスマートフォンのアプリに移るときにも役立ちます。

「両方で動くアプリ」から始めるべきか

1つの書き方でiPhoneとAndroidの両方に対応できる仕組みは便利ですが、最初の1本には向かない面もあります。うまく動かないとき、原因が自分のコードにあるのか、仕組みそのものにあるのか、iPhoneやAndroidの側にあるのかを切り分ける必要があり、初めての人には判断が難しいからです。最初はどちらか一方の公式の道具で1本作りきり、仕組みが分かってから両方で動く形に移るほうが、遠回りに見えて確実です。

必要な機材と費用

アプリ開発を独学で始めるのに必要なのは、パソコンと、作ったアプリを試すスマートフォンです。学ぶ段階では、ほとんどお金はかかりません。

パソコンの選び方

iPhoneアプリを作るならMacが必要です。Xcodeは容量が大きく、動かすと処理の負担も大きいため、メモリと保存容量には余裕のある機種を選びます。AndroidアプリやWebアプリなら、普段使っているWindowsのパソコンで始められます。Android Studioも動かすと重くなるので、古いパソコンで動作が遅いと感じたら、メモリの増設や買い替えを検討します。

公開するときにかかる費用

学ぶ段階では無料ですが、作ったアプリをストアで公開するときには登録の費用がかかります。

ストア 費用 出典
App Store(iPhone) Apple Developer Programの年間メンバーシップ 99ドル Apple Developer
Google Play(Android) 1回限りの登録料 US$25 Play Console ヘルプ

AppleのApple Developer Programのページによると、無料のApple Developerアカウントでも、Xcodeを使って自分のデバイスでアプリをテストすることはできます。ストアで配信するときに有料のメンバーシップが必要になる、という順番なので、学ぶ段階で急いで登録する必要はありません。

Google Playは、Play Console ヘルプのデベロッパーアカウントの登録のページで1回限りの登録料(US$25)と案内されています。2023年11月13日以降に個人のアカウントを作った開発者がアプリを公開するには、特定のテストの要件を満たす必要があるとも書かれているので、公開を予定している人は、登録の前に要件の中身を確かめておきます。

教材の費用

教材は、公式のドキュメントと無料のチュートリアルから始めれば費用はかかりません。有料の書籍やオンライン講座は、無料の教材で分からないところが出てきてから、その部分を補うものを選ぶと、買いすぎを防げます。最初に何冊もまとめて買うと、1冊目を読み終える前に興味が移ってしまうことがよくあります。

独学でアプリ開発を学ぶ順番

アプリの種類が決まったら、次の順番で学びます。どの種類のアプリでも、大きな流れは同じです。

ステップ1:言語の基本を学ぶ

最初に、選んだ言語の基本を学びます。変数(値を入れておく箱)、条件分岐(もし〜ならこうする)、繰り返し、関数(処理のまとまりに名前を付けたもの)といった、どの言語にも共通する考え方です。ここでは完璧に覚えようとせず、1周して「こういうものがある」と分かれば次に進みます。分からないところは、アプリを作りながら何度も戻ってくることになります。

ステップ2:公式のチュートリアルで1本作る

次に、公式のチュートリアルに沿って、見本どおりのアプリを1本作ります。Appleも Googleも、初めての人向けに手順を追って作れる教材を用意しています。この段階の目的は、開発の道具の使い方と、アプリが画面に表示されるまでの流れを体で覚えることです。見本どおりに作るだけでも、エラーが出て止まる場面が必ずあります。そのエラーを1つずつ解決する経験が、独学の力になります。

ステップ3:見本を少しずつ変える

見本どおりに動いたら、少しずつ手を加えます。ボタンの色を変える、表示する文字を変える、項目を1つ追加する、といった小さな変更です。見本のコードのどこを変えると何が変わるのかが分かってくると、自分で作るときの手がかりになります。

ステップ4:自分のアプリを1本作りきる

最後に、自分で考えたアプリを1本作ります。最初の1本は、機能を思い切り絞ります。メモ、やることリスト、家計簿、計算機のように、1つの画面か2つの画面で完結するものが目安です。大きなアプリを途中で投げ出すより、小さなアプリを最後まで作りきるほうが、はるかに多くのことを学べます。

ステップ やること 終わりの目安
1 言語の基本を1周する 変数、条件分岐、繰り返し、関数の意味が分かる
2 公式のチュートリアルで1本作る 見本どおりのアプリが自分の端末で動く
3 見本を少しずつ変える 変えたい場所のコードを自分で探せる
4 自分のアプリを1本作りきる 自分で決めた機能が全部動く

最初の1本に向いている題材

「自分のアプリを1本作りきる」段階で、題材選びに迷う人は多くいます。最初の1本は、作る範囲がはっきりしていて、自分が毎日使うものを選ぶと続きます。題材ごとに、学べることと難しさを整理します。

題材 学べること 難しさ
やることリスト 入力、一覧の表示、保存、削除 低い
計算機・単位の換算 ボタンの操作、計算、表示の更新 低い
家計簿 日付の扱い、合計の計算、保存 中くらい
習慣の記録 カレンダー表示、通知 中くらい
天気の表示 外部のサービスから情報を取る 中くらい
写真の整理 端末の写真へのアクセス、権限 高い

機能を絞る

題材を決めたら、最初に作る機能を3つ程度に絞ります。やることリストなら「追加する」「一覧で見る」「終わったものを消す」の3つです。「期限を付ける」「並べ替える」「ほかの人と共有する」といった機能は、3つが動いてから足していきます。最初から全部を作ろうとすると、どこかでつまずいたときに全体が止まってしまいます。

自分の困りごとから選ぶ

題材は、教材の例をそのまま作るより、自分の生活や仕事の小さな困りごとから選ぶほうが、作りきる力が湧きます。毎朝確かめている情報を1画面にまとめる、家族の買い物の記録を残す、といった身近なものです。自分の困りごとを自分で解決した経験は、あとで依頼主の困りごとを聞き取るときにも生きてきます。

アプリ開発で必要になる3つの仕組み

アプリを作り進めると、画面の見た目だけでなく、裏側の仕組みも必要になってきます。最初から全部を学ぶ必要はありませんが、名前と役割を知っておくと、作りたいアプリに何が必要かを判断できます。

画面を作る仕組み

ボタンや入力欄、一覧などを画面に並べ、押されたときの動きを決める部分です。アプリ開発の学習の多くは、まずここから始まります。iPhoneならSwiftUI、AndroidならJetpack Composeのように、それぞれに画面を作るための仕組みが用意されています。

データを保存する仕組み

メモの内容や設定のように、アプリを閉じても残しておきたい情報を保存する部分です。端末の中に保存する方法と、インターネットの向こうのサーバーに保存する方法があります。最初の1本は、端末の中に保存する方法で十分です。

サーバーとやり取りする仕組み

天気の情報を取ってくる、ほかの人と情報を共有する、といった機能には、インターネットを通じてサーバーとやり取りする仕組みが必要です。外部のサービスが用意している窓口(APIと呼ばれます)を使うと、自分でサーバーを作らなくても情報を取得できます。ここまで扱えるようになると、作れるアプリの幅が一気に広がります。

学ぶ時間を確保する1週間の組み立て方

独学で最も足りなくなるのは時間です。仕事や家事の合間に学ぶ人は、1週間の中でいつ学ぶかを先に決めておくと、気分に左右されずに続けられます。会社員の場合の組み立ての例を示します。

曜日 時間 やること
月〜金 朝または夜に1時間 教材を読み進める、前日のエラーを調べる
土 3時間 自分のアプリを作り進める
日 2時間 1週間の振り返り、作ったものの記録、次の週の目標決め

平日は短い時間で区切れる作業、休日はまとまった時間が必要な作業、と分けるのがこつです。平日の1時間で新しい機能を作り始めると、途中で時間切れになり、翌日は思い出すところから始めることになります。平日は教材の1節を読む、エラーを1つ調べる、といった1時間で終わる作業にあて、作る作業は休日にまとめます。

週ごとの目標は小さくする

週の目標は「ボタンを押すと一覧に追加される」のように、1つの動きが確かめられる大きさにします。「家計簿アプリを完成させる」のような大きな目標は、何週間たっても達成できず、気持ちが続きません。小さな目標を毎週達成していくと、数か月後には1本のアプリができあがっています。

挫折しないための5つのコツ

独学でアプリ開発を学ぶ人の多くが、途中で止まってしまいます。止まる原因はたいてい決まっているので、先に手を打っておきます。

コツ1:エラーの文章をそのまま検索する

エラーが出たら、表示された英語の文章をそのまま検索します。同じエラーに出会った人が、解決の方法を書き残していることがほとんどです。検索するときは、使っている言語や道具の名前を一緒に入れると、答えにたどり着きやすくなります。

コツ2:30分止まったら別の手を試す

1つのエラーで何時間も止まると、気持ちが折れます。30分調べて解決しなければ、いったんその部分を飛ばして先に進む、別の書き方を試す、翌日に回す、と決めておきます。時間をおいて見直すと、あっさり原因が見つかることも少なくありません。

コツ3:毎日少しでも触る

週末にまとめて8時間学ぶより、毎日1時間ずつ学ぶほうが、前回の内容を忘れずに続けられます。時間が取れない日でも、コードを開いて1行だけ直す、という小さな習慣が、学ぶ流れを途切れさせません。

コツ4:作ったものを記録に残す

学んだことや解決したエラーを、短いメモで残しておきます。同じエラーに再び出会ったときに見返せるだけでなく、あとで作品を人に見せるときに、どんな工夫をしたかを説明する材料にもなります。

コツ5:聞ける場所を持っておく

独学でも、困ったときに質問できる場所があると止まりにくくなります。プログラミングの質問サイトや、学習者が集まる場、勉強会などです。質問するときは、何をしたいのか、何を試したのか、どんなエラーが出たのかを書くと、答えてもらいやすくなります。

1本目のあとに身につけたい3つのこと

最初のアプリを作りきったら、仕事で必要になる周辺の力を少しずつ身につけていきます。アプリの機能を増やすことよりも、次の3つを先に押さえておくと、依頼を受けたときに困りません。

変更の履歴を残す仕組み

コードを書き換えるたびに、どこをいつ変えたのかを記録しておく仕組みがあります。Gitと呼ばれる道具が広く使われていて、変更の前の状態に戻したり、複数の人で同じコードを扱ったりできます。仕事でコードを受け渡すときには、ほぼ必ず求められるので、1本目のアプリから使い始めておくと、自然に身につきます。

動作を確かめる習慣

作った機能が正しく動くかを、決まった手順で確かめる習慣をつけます。最初は、確かめる操作の一覧を紙やメモに書き、修正のたびに上から順に試すだけで十分です。慣れてきたら、確かめる作業をコードで自動にする方法も学びます。不具合を依頼主より先に見つけられることは、仕事の信頼に直結します。

他人のコードを読む力

仕事では、ゼロから作るより、すでにあるコードを直したり機能を足したりする場面のほうが多くあります。公開されているサンプルコードや、学習者が公開しているアプリのコードを読み、どこで何をしているのかを追う練習をしておくと、既存のアプリの修正のような小さな案件に対応しやすくなります。

独学とスクールのどちらを選ぶか

独学で進めるか、プログラミングスクールに通うかで迷う人もいます。どちらにも向き不向きがあり、どちらが正しいということはありません。

独学が向いている人

自分で調べて解決することに抵抗がなく、毎日少しずつでも時間を確保できる人は、独学で十分に進められます。作りたいアプリがはっきりしている人も、必要なことだけを選んで学べる独学が向いています。費用をかけずに始められるので、まず自分に向いているかを確かめたい段階でも、独学から入るのが手堅い方法です。

スクールが向いている人

締め切りがないと後回しにしてしまう人や、止まったときにすぐ質問できる環境がほしい人には、スクールの仕組みが助けになります。ただし、スクールは費用がかかり、通えば必ず仕事につながるわけではありません。料金や受講の条件、学べる内容は学校ごとに違うので、申し込む前に公式の案内で確かめ、無料の説明会や体験があれば先に受けて、自分に合うかを判断します。

途中で切り替えてもよい

最初の1〜2か月を独学で進め、基本が分かったところで、止まりやすい部分だけをオンライン講座で補う、という組み合わせ方もあります。会社員なら、勤め先の研修の制度や、国の教育訓練給付の対象になっている講座があるかを調べてみる価値もあります。対象になる講座や条件は講座ごとに決まっているので、ハローワークや講座の案内で確かめます。

AIの道具を学習に使うときの注意

最近は、AIに質問したり、コードの書き方を提案してもらったりしながら学ぶ人が増えています。うまく使えば独学の大きな助けになりますが、使い方を誤ると、力が身につかないまま先に進んでしまいます。

説明を求める使い方をする

AIにコードを丸ごと書いてもらうと、アプリは動いても、なぜ動くのかが分からないままになります。学ぶ段階では、自分で書いたコードのどこが間違っているのかを聞く、エラーの意味を説明してもらう、といった使い方が効果的です。答えをもらったら、その内容を自分の言葉で説明できるかを確かめます。

答えをそのまま信じない

AIの答えには、古い書き方や、実際には動かないコードが混ざることがあります。提案されたコードは必ず自分の環境で動かして確かめ、公式のドキュメントと食い違う部分がないかを見ます。特に、開発の道具や言語は更新が速いので、公式の情報で裏付けを取る習慣をつけておきます。

仕事では依頼主の決まりに従う

仕事として受けるときは、AIの道具を使ってよいか、使うならどんな情報を入力してよいかを、依頼主の決まりに合わせます。依頼主から預かったコードや情報を、無断で外部のサービスに入力しないことは、信頼を守るうえで欠かせません。

作ったアプリを人に見せる

アプリを1本作りきったら、人に見せられる形にします。作ったものを見せられることは、仕事を受けるときの一番の材料になります。

作品の見せ方

ストアで公開するのが最も分かりやすい見せ方ですが、前の節で触れたとおり費用や要件があります。公開しなくても、画面の録画やスクリーンショットに、作った理由、使った言語と道具、工夫した点、苦労した点を添えてまとめれば、十分に作品として見せられます。ソースコードを公開するサービスにコードを載せておけば、書き方そのものを見てもらうこともできます。

作品の説明に書くこと

項目 書く内容
何のアプリか 誰の、どんな困りごとを解決するか
使ったもの 言語、道具、外部のサービス
作るのにかかった時間 おおよその時間と期間
工夫した点 自分で考えて実装した部分
これから直したい点 分かっている課題

「これから直したい点」まで書いておくと、自分の作ったものを客観的に見られる人だと伝わります。完璧に見せようとするより、どこまでできて、どこから先が課題なのかを正直に書くほうが、依頼する側は安心します。作品の見せ方の考え方は、文章の仕事について書かれたWebライターのポートフォリオの作り方も参考になります。

個人で受けられる小さなアプリ開発の案件

独学で1本作りきった段階から、いきなり大きなアプリの開発を1人で受けるのは難しいのが実情です。最初は、範囲がはっきりした小さな案件から経験を積みます。

受けやすい小さな案件の種類

案件の種類 内容の例 求められる力
既存のアプリの小さな修正 文言の変更、表示の崩れの修正 コードを読む力、開発の道具を扱う力
業務を楽にする小さな道具 表計算の作業の自動化、社内向けの入力画面 依頼主の作業を聞き取る力
試作品づくり アイデアを確かめるための簡単なアプリ 短い期間で動く形にする力
テストと不具合の報告 アプリを操作して不具合を記録する 手順を正確に書く力

特に、会社の中の決まった作業を楽にする小さな道具は、小さな会社や個人の事業者から頼まれることが多い分野です。大きなアプリでなくても、「毎日30分かかっていた転記の作業がボタン1つで終わる」といった道具は、依頼主にとって価値が大きく、受ける側にとっても範囲がはっきりしていて取り組みやすい仕事です。

見た目を整える力も評価される

小さな案件では、動くことに加えて、画面が見やすく操作に迷わないことも評価されます。ボタンの大きさや文字の読みやすさ、色の使い方といった基本を押さえておくと、同じ機能でも依頼主の受け取り方が変わります。画面の設計を専門にする人もいるので、デザインの仕事の水準が気になる人はデザイナーの年収・単価相場で、デザインの仕事がどう評価されているかを見ておくと、自分が伸ばす力を選ぶときの参考になります。

案件の見つけ方

小さな案件は、次のような場所で見つけられます。

  1. 在宅ワークや業務委託の求人を扱うサイトで、アプリ開発や業務の自動化の募集を探す
  2. 知人や以前の職場など、仕事ぶりを知っている人に、作れるものを伝えておく
  3. 作品の説明を公開し、同じ困りごとを持つ人から声がかかるのを待つ

最初の数件は、知っている人からの依頼のほうが進めやすい傾向があります。依頼主が何に困っているのかを聞き取りやすく、途中で相談もしやすいからです。アプリ開発の仕事にどんな種類があり、どんな力が求められるのかは、アプリケーション開発のお仕事で詳しく紹介しています。

案件を受ける前に確かめること

小さな案件でも、始める前に決めておかないと、あとで依頼主との間で食い違いが起きます。受ける前に確かめたいことを整理します。

作る範囲を書面で決める

どの機能を作り、どの機能は作らないのかを、書面やメールで決めておきます。「ついでにこれも」と範囲が広がり続けると、受けた金額に見合わない作業量になります。範囲の外の依頼が来たら、追加の作業として別に見積もるのが基本です。

納品の形と確認の方法を決める

何をもって完成とするのかを決めます。アプリのファイルを渡すのか、ストアでの公開までを含むのか、ソースコードも渡すのかで、作業の量が変わります。依頼主が完成を確認する期間と、確認のあとの修正を何回まで受けるかも決めておくと、終わりの見えない修正を防げます。

作業時間を見積もってから金額を決める

金額の話をする前に、作業にかかる時間を見積もります。作る機能を1つずつ書き出し、それぞれにかかる時間の予想を付けて合計します。独学から仕事を始めたばかりの頃は、見積もりが実際より短くなりがちです。調べ物やエラーの解決、依頼主とのやり取り、修正の時間まで含めると、最初に予想した時間の1.5倍から2倍かかることも珍しくありません。見積もりには余裕を持たせ、それでも足りなくなったときにどうするかも、あらかじめ依頼主と話しておきます。

公開したあとの面倒を誰が見るか

アプリは、公開したあともOSの更新に合わせた修正が必要になることがあります。公開後の不具合の対応や更新を引き続き受けるのか、受けるならどんな条件にするのかを、最初に話しておきます。

会社員の副業なら就業規則を確かめる

会社に勤めながら副業として受ける場合は、勤め先の就業規則で副業が認められているか、届け出が必要かを確かめます。同じ業界の仕事を受けると、競業として禁止されている場合もあります。副業の扱いは会社ごとに違うので、規則の文面と、必要なら人事の窓口で確かめてから受けます。

在宅でアプリ開発の仕事を続けている人に共通すること

在宅ワークとフリーランスの仲介に長く関わってきた運営者として見てきた限りでは、独学からアプリ開発の仕事を続けられるようになった人には共通点があります。最初から大きなアプリを作ろうとせず、小さなものを何本も作りきっていること、そして、依頼主の困りごとを聞き取ってから作り始めることです。技術の高さより、相手が本当に必要としているものを小さく作って早く見せる姿勢が、次の依頼につながっています。

依頼する側と受ける側が直接つながる仕事では、仲介のマージンが乗らない手数料0%の形なら、同じ予算で依頼主はより多くの機能を頼め、受け手の手取りも厚くなります。小さな案件を丁寧に積み重ねて信頼を得ることが、そのまま長く続く関係の土台になります。

AIを使って業務を楽にする道具を作る仕事も増えています。AIの活用を支援する仕事はAIコンサル・業務活用支援のお仕事で紹介しています。ネットワークの知識まで広げてインフラの仕事にも関わりたい人は、CCNA(シスコ技術者認定)で試験の内容と仕事での使い道を確かめておくと、学ぶ範囲を広げるときの目印になります。

よくある質問

Q. アプリ開発は独学でどれくらいの期間で身につきますか?

最初の実用的なアプリを作れるまでに、おおよそ300時間が目安とされています。1日3時間学んでも3か月ほどかかり、平日1時間と休日3時間のペースなら半年以上を見込みます。以前に別の言語を学んだ経験があるかどうかでも変わるので、目安として受け止めてください。

Q. iPhoneアプリを作るにはMacが必要ですか?

必要です。iPhoneアプリを作る道具のXcodeはMacで動くアプリだからです。Windowsのパソコンしかない場合は、AndroidアプリかWebアプリから始めるのが現実的です。無料のApple Developerアカウントでも、Xcodeで自分のデバイスにアプリを入れて試すことはできます。

Q. アプリをストアで公開するのにお金はかかりますか?

かかります。App Storeで配信するにはApple Developer Programの年間メンバーシップ(99ドル)、Google Playでは1回限りの登録料(US$25)が必要です。Google Playは個人のアカウントで公開するときにテストの要件もあるので、登録の前に公式の案内で確かめておきます。

Q. 独学のあと、最初に受けやすい仕事は何ですか?

既存のアプリの小さな修正、業務を楽にする小さな道具づくり、試作品づくり、テストと不具合の報告などが受けやすい仕事です。範囲がはっきりしていて、1人で最後まで責任を持てる大きさの案件から経験を積むと、次の依頼につながりやすくなります。

この記事について

@SOHO
編集部

監修:@SOHO編集部

2004年よりフリーランス・在宅ワーク向けサービスを運営。生成AIで作成した下書きを、一次情報と照らし合わせて確認したうえで公開しています。

公開:2026年10月12日最終更新:2026年10月15日
@SOHO編集部

この記事を書いた人

@SOHO編集部

フリーランス・在宅ワークの専門メディア

@SOHOは2004年から続く、日本のフリーランス・在宅ワーク向け案件サイトです。記事は生成AIで下書きを作り、数値・固有名・出典を一次情報と照らし合わせる確認の手順を経て公開しています。

@SOHOで仕事を探してみませんか?

手数料0%・登録無料のクラウドソーシング。フリーランスの方も企業の方も、今すぐ始められます。

関連記事

カテゴリから探す

クラウドソーシング入門

クラウドソーシング入門

クラウドソーシングの基礎知識・始め方・サイト比較

職種別ガイド

職種別ガイド

職種・スキル別の案件獲得方法と単価相場

副業・在宅ワーク

副業・在宅ワーク

副業・在宅ワークの始め方と対象者別ガイド

フリーランス

フリーランス

フリーランスの独立・営業・実務ノウハウ

お金・税金

お金・税金

確定申告・節税・経費・ローンなどお金の知識

比較・ランキング

比較・ランキング

サービス比較・おすすめランキング

AI活用

AI活用

職種別にChatGPT・生成AIを活用して業務効率化・収益化するノウハウ

最新トレンド

最新トレンド

市場動向・法改正・AIなど最新情報

発注者向けガイド

発注者向けガイド

クラウドソーシングで外注・人材探しをする企業・個人向け

転職・キャリア

転職・キャリア

転職エージェント・転職サイト比較・キャリアチェンジ

看護師の転職・求人

看護師の転職・求人

看護師の転職・派遣・単発バイト・副業など働き方のガイド。診療や医学の情報は扱いません

薬剤師の転職・求人

薬剤師の転職・求人

薬剤師・登録販売者の転職・派遣・パートなど働き方のガイド。診療や医学の情報は扱いません

介護職の転職・求人

介護職の転職・求人

介護職・介護福祉士・ケアマネジャー・訪問介護員の転職・派遣・夜勤など働き方のガイド

保育士の転職・求人

保育士の転職・求人

保育士・保育補助・幼稚園教諭の転職・派遣・パートなど働き方のガイド

医療職の転職・求人

医療職の転職・求人

医師・産業医・リハビリ職・歯科衛生士・管理栄養士・医療事務の転職や働き方のガイド。診療や医学の情報は扱いません

保険

保険

生命保険・医療保険・フリーランスの保険設計

採用・求人

採用・求人

無料求人掲載・採用コスト削減・人材募集の方法

オフィス・ワークスペース

オフィス・ワークスペース

バーチャルオフィス・コワーキング・レンタルオフィス

法律・士業

法律・士業

契約トラブル・士業独立開業・フリーランス新法

シニア・50代

シニア・50代

シニア世代のキャリアチェンジ・副業・年金

セキュリティ

セキュリティ

サイバーセキュリティ・脆弱性対策・情報保護

金融・フィンテック

金融・フィンテック

暗号資産・決済・ブロックチェーン・金融テクノロジー

経営・ビジネス

経営・ビジネス

経営戦略・ガバナンス・事業承継・知財

ガジェット・機材

ガジェット・機材

フリーランスに役立つPC・デバイス・周辺機器

子育て×働き方

子育て×働き方

子育てと在宅ワークの両立・保育園・時間管理

補助金・助成金

補助金・助成金

個人事業主・フリーランスが使える公的補助金・助成金・給付金の申請ガイド

アウトソーシング・外注ガイド

アウトソーシング・外注ガイド

SNS運用・経理・広告など、業務のアウトソーシング(外注)を検討する企業・個人向け。費用相場・依頼の流れ・失敗しない選び方