経理代行サービスの費用相場|月次でいくら?料金プランの選び方を解説 2026

朝比奈 蒼
朝比奈 蒼
経理代行サービスの費用相場|月次でいくら?料金プランの選び方を解説 2026

この記事のポイント

  • 経理代行サービスの費用相場を発注者目線で徹底解説
  • 記帳・給与・決算など業務別の月額料金
  • 仲介と直接依頼のコスト差

経理代行の費用は「月額いくらか」だけでは判断できません。結論から言うと、記帳代行だけなら月5,000円前後から、給与計算や決算までまとめて任せると月3万円〜10万円が相場です。ただし、この金額の幅は「仕訳の件数」「業務範囲」「依頼先の種類」で大きく動きます。この記事では、経理代行を初めて外注しようとしている個人事業主や中小企業の担当者に向けて、費用の内訳・料金プランの選び方・見積もりで確認すべき項目を、意思決定できる粒度で整理していきます。

経理を自分で抱え込むと、本業に使えるはずの時間が毎月確実に削られます。とはいえ、正社員を1人雇えば社会保険料込みで月30万円以上のコストがかかる。その中間解として経理代行が選ばれているわけですが、「相場がわからないまま高い契約をしてしまった」という失敗も少なくありません。まずは市場全体の動向から見ていきます。

経理代行の費用相場|まず全体像を4区分で把握する

経理代行の費用を理解するうえで、最初に押さえておきたいのが「どこまでの業務を任せるか」で金額が階段状に変わるという構造です。経理業務は大きく分けて、記帳(仕訳入力)、支払い・請求管理、給与計算、決算・年次業務の4区分に整理できます。この区分ごとに費用相場が異なり、依頼範囲が広がるほど月額が積み上がっていきます。

全体像をざっくり示すと、記帳代行のみなら月5,000円2万円、記帳に加えて請求・支払い管理まで含めると月3万円5万円、さらに給与計算や年末調整、決算補助まで一括で任せると月5万円15万円という水準に落ち着きます。これはあくまで中小企業・個人事業主を想定した目安であり、取引量が多い企業ではさらに上振れします。

正直なところ、多くの経理代行サービスが「月額○円〜」という最低価格だけを大きく打ち出しているのは、発注者にとってやや不親切だと感じます。実際の請求額は仕訳件数や業務範囲で決まるため、最低価格だけを見て契約すると「思っていたより高い」という事態になりがちです。費用を正しく見積もるには、まず自社がどの区分の業務をどれだけ抱えているかを棚卸しすることが出発点になります。

記帳代行の費用相場

記帳代行は、領収書・請求書・通帳のデータをもとに、会計ソフトへ仕訳を入力していく業務です。経理代行のなかでも最も基本的でニーズが高く、費用も比較的わかりやすいのが特徴です。料金は「仕訳の件数」に連動する従量制が主流で、月間の仕訳件数によって段階的に金額が上がります。

具体的な相場としては、月間100仕訳までなら月1万円前後、200仕訳までで月1.5万円2万円500仕訳を超えると月3万円以上が一般的な水準です。1仕訳あたりの単価に換算すると50円100円程度が目安になります。個人事業主で取引が少ない場合は、月5,000円台のプランで収まるケースも珍しくありません。

注意したいのは、「仕訳件数」の数え方が業者によって異なる点です。銀行取引の1行を1仕訳と数える場合もあれば、複合仕訳を複数件としてカウントする場合もあります。同じ取引量でも数え方次第で請求額が変わるため、見積もり時には「何をもって1仕訳とするか」を必ず確認してください。ここを曖昧にしたまま契約すると、後から請求額が想定を上回る原因になります。

給与計算・支払い代行の費用相場

給与計算の代行は、従業員の勤怠データをもとに給与・賞与を計算し、社会保険料や源泉所得税を差し引いた支給額を算出する業務です。料金は「従業員数」に応じた従量制が基本で、基本料金に1人あたりの単価を加算する形が多く見られます。

相場としては、基本料金が月1万円前後、これに従業員1人あたり500円1,000円が加算されるイメージです。従業員10人規模なら月1.5万円2万円程度に収まります。年末調整は通常のプランとは別料金となることが多く、1人あたり1,500円3,000円の追加費用が発生するのが一般的です。

支払い代行(振込データの作成や請求書の発行)については、記帳とセットで提供されることが多く、単独で明確な相場が示されにくい領域です。振込件数や請求書発行枚数に応じて加算されるケースが多いため、自社の月間取引件数を把握したうえで見積もりを取ることをおすすめします。給与情報は個人情報の中でも特に機微なデータなので、委託先のセキュリティ体制やNDA(秘密保持契約)の締結有無も確認しておくべきポイントです。

決算・年次業務の費用相場

決算業務は、1年間の会計データを集計し、決算書・申告書を作成する年次のまとめ作業です。ここで重要な注意点があります。決算書の作成補助まではできても、税務申告書の作成・提出や税務相談は税理士の独占業務であり、税理士資格のない代行業者が行うと税理士法違反になります。この線引きは発注者側もしっかり理解しておく必要があります。

費用相場としては、決算のみをスポットで依頼する場合、個人事業主の確定申告で5万円10万円、法人の決算・申告で10万円25万円が目安です。月次の顧問契約に決算費用が含まれる場合と、決算だけ別途「決算料」として月額の4ヶ月〜6ヶ月分が加算される場合があるため、年間トータルのコストで比較することが欠かせません。

決算と申告をワンストップで任せたい場合は、税理士または税理士事務所への依頼が必要になります。税理士に月次の記帳から決算・申告まで一括で依頼した場合の相場については、フリーランスの税理士費用の相場2026|月額1万円以下のサービス比較で月額料金の水準やサービスの選び方を詳しく比較しているので、税務申告まで見据えている方はあわせて確認してください。

経理代行に依頼できる業務内容の全体マップ

費用を判断する前提として、そもそも経理代行にどこまで任せられるのかを整理しておきましょう。依頼できる業務範囲を把握しておくと、「必要な業務だけを選んで無駄な費用を払わない」という判断ができるようになります。

経理代行で対応できる代表的な業務は、次のように整理できます。記帳・仕訳入力、請求書の作成と発行、入金消込、経費精算、支払い管理と振込データ作成、給与計算、社会保険の手続き補助、年末調整、月次試算表の作成、決算書作成の補助といった具合です。このうち、記帳と請求まわりが最も需要が高く、多くのサービスが基本メニューとして提供しています。

一方で、依頼できない業務もあります。前述の通り、税務申告書の作成・提出、税務相談は税理士の独占業務です。また、社会保険や労働保険の申請書類の作成・提出代行は社会保険労務士の独占業務にあたります。経理代行業者ができるのはあくまで「補助」までで、専門資格が必要な最終手続きは有資格者に依頼する必要がある。この区別を理解しておかないと、「頼んだつもりができていなかった」というトラブルにつながります。

自社の経理業務を棚卸しする際は、月次で発生する定型業務(記帳・請求・支払い)と、年次でまとめて発生する業務(決算・年末調整)を分けて考えると整理しやすくなります。定型業務は月額の継続契約、年次業務はスポット契約という形で使い分けることで、費用を最適化できるケースも多くあります。

料金体系の3型|基本料金制・従量課金制・パック料金制

経理代行の料金体系は、大きく3つのタイプに分けられます。この違いを理解しておくと、自社の取引量に合ったプランを選びやすくなり、結果的に費用を抑えられます。それぞれの特徴と、どんな事業者に向いているかを見ていきます。

1つ目は基本料金制です。あらかじめ決められた業務範囲に対して定額の月額料金を設定する方式で、毎月の支出が読みやすいのが最大のメリットです。取引量が安定している事業者に向いています。ただし、契約範囲を超える業務が発生すると追加料金がかかるため、繁忙期に取引が増える業種では割高になることがあります。

2つ目は従量課金制です。仕訳件数や従業員数など、実際の作業量に応じて料金が変動する方式です。取引が少ない月は安く済むため、スタートアップや取引量に波がある事業者に向いています。一方で、繁忙期には請求額が跳ね上がるため、年間の総額が読みにくいという弱点があります。この点について、業務量が増えても料金が固定される契約形態を評価する声もあります。

経理代行サービスの費用は非公開となっており、企業の必要性に応じて柔軟にカスタマイズする形式となっています。また、最低契約期間には縛りがなく、作業内容が増加しても料金は変動しないため、毎月発生するコストを把握しやすくなります。

3つ目はパック料金制です。記帳・請求・給与計算などをセットにして、一定の業務量までを定額で提供する方式です。個別に依頼するより割安に設定されていることが多く、複数の業務をまとめて任せたい事業者に向いています。ただし、使わない業務までパックに含まれていると割高になるため、自社が本当に必要とする業務が過不足なく含まれているかを見極める必要があります。

どの料金体系が最適かは、自社の取引量の安定性と業務範囲によって変わります。取引量が読みやすいなら基本料金制、変動が大きいなら従量課金制、複数業務をまとめたいならパック料金制という選び方が、費用対効果を高める基本方針になります。

費用を左右する5つの要素

「同じ経理代行なのに、なぜ見積もり額がこれほど違うのか」と疑問に思う方は多いはずです。料金差の正体を理解しておくと、見積もりを正しく読み解けるようになります。経理代行の費用を左右する主な要素は、次の5つに整理できます。

第1に、仕訳・取引の件数です。これが最も直接的に料金を動かす要素で、件数が増えれば作業量も増えるため、料金は比例的に上がります。第2に、業務範囲の広さです。記帳のみか、給与計算や決算まで含むかで金額は大きく変わります。第3に、会計ソフトの指定有無です。委託先が使い慣れたソフトを使えるか、自社指定のソフトに合わせてもらうかで工数が変わります。

第4に、データの受け渡し方法です。領収書を紙で郵送するのか、クラウド会計と連携してデータで渡すのかで、委託先の入力工数が変わり、料金にも反映されます。近年はクラウド会計ソフトとの連携で自動仕訳が進み、費用を抑えられる傾向があります。会計ソフト各社もこの領域に力を入れており、freeeマネーフォワードといったクラウド会計は、経理代行との相性という観点でも選択肢に入ってきます。第5に、対応スピードや専任担当者の有無です。月次決算を早期に締めたい、専任担当者に相談したいといった要望があると、その分の付加価値として料金が上がります。

これら5要素のうち、発注者側でコントロールできるものもあります。たとえば、証憑をクラウドで整理して渡す、会計ソフトを委託先の推奨に合わせるといった工夫で、工数を減らし費用を抑えられる余地があります。見積もりを取る前に、自社でできる準備を整えておくことが、コスト最適化の第一歩です。

正社員雇用・派遣との総コスト比較

経理代行の費用が高いか安いかは、単体の金額だけでは判断できません。比較すべきは「経理担当者を自社で抱えた場合の総コスト」です。ここを押さえておかないと、経理代行の本当の費用対効果は見えてきません。

経理担当の正社員を1人雇用する場合、給与だけでなく社会保険料の会社負担分、賞与、交通費、採用コスト、教育コスト、業務に使うシステムや机などの間接費まで含める必要があります。月給25万円の経理担当者を雇うと、社会保険料の会社負担(給与の約15%)や賞与を含めた実質的な人件費は年間400万円前後に達します。月換算では33万円を超える計算です。

これに対して経理代行なら、業務範囲を絞れば月3万円10万円程度で同等の実務をカバーできます。さらに、正社員には避けられない「退職リスク」と「属人化リスク」がありません。経理担当者が突然退職して業務が止まる、その人しか処理方法を知らないといった問題は、中小企業でよく起こるトラブルです。代行サービスなら組織として対応するため、担当者の退職で業務が止まる心配が小さくなります。

派遣社員という選択肢もあります。経理派遣の時給相場は1,500円2,500円程度で、フルタイムで週5日働いてもらうと月25万円前後になります。派遣は自社に常駐して柔軟に動いてもらえる利点がありますが、コストは代行より高くつくのが一般的です。「毎日発生する経理業務があり、常駐が必要」なら派遣、「定型業務を効率よく外に出したい」なら代行、という使い分けが現実的です。経理担当者の給与水準をより詳しく知りたい場合は、事務・管理系の職種相場を著述家,記者,編集者の年収・単価相場のような職種別データと同様に、公的統計をもとに把握しておくと交渉材料になります。

経理代行の主な依頼先|4種類の特徴とコスト差

経理代行をどこに頼むかで、費用も対応範囲も変わります。依頼先は大きく4種類に分けられ、それぞれにコスト構造の違いがあります。ここを理解することが、費用を抑える最大のポイントになります。

第1に、経理代行専門会社(BPO事業者)です。組織として体制が整っており、業務範囲が広く、担当者の交代や増員にも柔軟に対応できます。品質が安定している反面、営業コストや管理費が料金に上乗せされるため、費用は比較的高めです。第2に、税理士・会計事務所です。記帳から決算・税務申告までワンストップで任せられるのが最大の強みですが、月次顧問料に加えて決算料が別途かかり、トータルコストは高くなりがちです。税務まで一括で任せたい企業に向いています。

第3に、クラウド型の経理代行サービスです。オンラインで完結し、システム化により比較的安価に提供されるのが特徴です。標準化されたメニューが中心なので、イレギュラーな対応には向きませんが、定型業務を安く任せたい事業者には有力な選択肢です。第4に、フリーランス・個人の経理代行者です。ここが費用面で最も注目すべき依頼先です。

フリーランスへ直接依頼する最大のメリットは、中間マージンがないことです。代理店や仲介会社を経由すると、その会社の営業費・管理費・利益が料金に上乗せされます。一般に仲介手数料は20%30%程度が料金に含まれるとされ、同じ実務を同じ人が担当しても、直接契約なら中間コストが乗らない分だけ安く依頼できる可能性があります。経理経験者や簿記有資格者のフリーランスは多く、記帳や月次業務であれば十分な品質で対応できる人材が揃っています。実際、著述家,記者,編集者の年収・単価相場のような専門職と同様に、経理分野でも実務経験豊富な個人が業務委託で活躍しています。

ただし、フリーランスへの直接依頼にはデメリットもあります。個人であるため、体調不良や繁忙で対応が滞るリスク、業務が属人化するリスクがあります。これを避けるには、複数人が登録している在宅ワーク仲介サイトを使い、万一のときに別の担当へ切り替えられる状態にしておく、業務の手順書を残してもらうといった対策が有効です。品質と安さのバランスを取るなら、信頼できる個人を業務委託マッチングサービスで探し、直接契約する形が費用対効果に優れています。

経理を外注するメリット4つ

費用を判断するには、支払う金額に対して得られる価値を明確にしておく必要があります。経理代行を利用するメリットを、発注者の視点で4つに整理します。

第1のメリットは、コア業務に時間を集中できることです。経理は重要ですが、直接売上を生む業務ではありません。中小企業の経営者や個人事業主が経理に月20時間を費やしているなら、それを外注して本業に振り向けるだけで、事業の成長スピードが変わります。時間はお金で買えないコストだと考えれば、経理代行への支出は投資に近い性格を持ちます。

第2のメリットは、専門性による正確性の向上です。経理知識が不十分なまま自己流で処理すると、勘定科目の誤りや計上漏れが発生し、決算や税務申告の段階で問題が表面化します。経理の専門家に任せれば、正確な帳簿が維持され、資金繰りの把握や経営判断の精度も上がります。第3のメリットは、コストの変動費化です。正社員なら固定費として毎月一定の人件費がかかりますが、代行なら業務量に応じて調整でき、繁忙期・閑散期の波にも対応しやすくなります。

第4のメリットは、属人化の解消と業務の標準化です。社内で1人の担当者に経理が集中していると、その人が休んだり退職したりすると業務が止まります。外注化すれば業務手順が整理・標準化され、特定の人に依存しない体制が作れます。これは事業の継続性という観点で見逃せない価値です。国も中小企業のバックオフィス効率化を後押ししており、業務のデジタル化・外部化に関する情報発信も活発です。

経理を外注するデメリット3つと対策

フェアに書くなら、経理代行にはデメリットもあります。これを理解せず契約すると「思っていたのと違う」となりかねません。3つの注意点と、その対策を示します。

第1のデメリットは、社内に経理ノウハウが蓄積されにくいことです。すべてを外注すると、自社の数字を自分で把握する力が育ちません。対策としては、月次試算表を必ず提出してもらい、経営者自身が数字を読む習慣をつけること。丸投げではなく「委託しつつ把握する」姿勢が重要です。第2のデメリットは、コミュニケーションコストです。証憑の受け渡しや不明点の確認など、委託先とのやり取りには一定の手間がかかります。クラウド会計を使ってデータ連携を効率化する、連絡窓口を一本化するといった工夫で、この負担は軽減できます。

第3のデメリットは、情報漏えいのリスクです。経理データには売上・取引先・給与といった機密情報が含まれます。委託先のセキュリティ体制が甘いと、情報漏えいのリスクを抱えることになります。対策として、契約前にNDA(秘密保持契約)を締結し、データの管理方法・アクセス権限・再委託の有無を確認することが不可欠です。信頼できる依頼先を選ぶことがすべての前提になります。この点について、依頼先選びの重要性は業界の共通見解です。

経理代行を依頼できる業者は数多くありますが、サービスの品質については実際に契約をしてみなければわからない場合がほとんどです。依頼先を選定する際には、サービスの提供実績、口コミやレビューなども確認しておくとよいでしょう。

デメリットはいずれも、事前の確認と契約設計で大きく軽減できます。「安いから」「有名だから」という理由だけで決めず、自社のリスク許容度に合った依頼先を選ぶことが、後悔しない外注の条件です。

経理代行サービスを選ぶ際の5つのポイント

費用相場を理解したら、次は「どこに頼むか」の判断基準です。価格だけで選ぶと失敗しやすい領域なので、費用以外も含めた5つのポイントで比較してください。

第1のポイントは、料金体系の透明性です。「月額○円〜」という表示だけでなく、追加料金が発生する条件、仕訳件数の数え方、決算料の有無まで明示されているかを確認します。見積もりの内訳が曖昧な業者は、後から請求額が膨らむリスクがあります。第2のポイントは、対応できる業務範囲です。自社が必要とする業務(記帳・給与・決算など)を過不足なくカバーしているか、将来的に事業が拡大したときに範囲を広げられるかを見ます。

第3のポイントは、使用する会計ソフトへの対応です。自社で使っている、あるいは使いたいクラウド会計ソフトに対応しているかは重要です。ソフトが合わないと、データ移行や二重入力の手間が発生します。第4のポイントは、セキュリティ体制と実績です。NDAの締結、データ管理方法、同業種での対応実績、口コミやレビューを確認します。第5のポイントは、担当者とのコミュニケーションの取りやすさです。質問への回答スピード、専任担当の有無、連絡手段(チャット・メール・電話)の使い勝手は、日々の業務のストレスに直結します。

これら5つを踏まえたうえで、必ず複数社から相見積もりを取ってください。同じ業務内容でも見積もり額は大きく異なります。1社だけの見積もりで決めると、相場観がないまま高い契約をしてしまうリスクがある。最低でも3社は比較して、料金・範囲・対応の総合バランスで選ぶのが鉄則です。

見積もり比較で必ず確認すべき5項目

相見積もりを取るとき、金額だけを並べて比較するのは危険です。「安い見積もり」が実は必要な業務を含んでいなかった、という失敗はよくあります。見積もりを正しく比較するために、次の5項目を必ずチェックしてください。

まず、業務範囲が同一条件になっているか。A社は記帳のみ、B社は記帳+請求まで、という異なる条件の見積もりを金額だけで比べても意味がありません。次に、仕訳件数の前提が揃っているか。各社に自社の実際の月間取引件数を伝え、同じ件数で見積もってもらいます。3つ目に、追加料金の発生条件。件数超過時の単価、決算料、年末調整費用など、基本料金に含まれない項目を洗い出します。

4つ目に、契約期間と解約条件。最低契約期間の縛りや、解約時の違約金の有無を確認します。5つ目に、初期費用の有無。導入時のセットアップ費用や会計ソフトの初期設定費用がかかる場合があります。これら5項目を揃えたうえで比較すれば、「表面の月額は安いが、必要な業務を足すと結局高い」といった見落としを防げます。見積書は必ず書面で受け取り、口頭の約束は残さないことも大切です。

私が経理代行の外注で失敗した話

ここで、私自身が編集の仕事で独立した際に、経理代行を初めて外注したときの体験を書いておきます。発注者としての生々しい失敗談なので、これから外注する方の参考になればと思います。

独立当初、経理の知識がほとんどなかった私は、とにかく安く済ませたい一心で、料金表の「月額5,000円〜」という表示だけを見て1社に決めました。ところが、これが記帳の基本料金だけで、請求書の発行や振込データの作成は別料金、月次試算表の作成も追加、という構造でした。実際に必要な業務を全部足すと、月2万円近くになった。安さに釣られて、業務範囲の確認を怠ったのが失敗の原因です。

もう1つの反省は、相見積もりを取らなかったことです。最初の1社を「まあこんなものだろう」と契約したのですが、後から知人に紹介された個人のフリーランスに聞いてみると、同じ業務範囲で月1.2万円で対応してくれるとのことでした。仲介会社を経由していた分、中間マージンが乗っていたわけです。結局、その個人の方に業務委託で直接お願いする形に切り替え、費用を4割近く圧縮できました。この経験から学んだのは、「表示価格ではなく、自社に必要な業務の総額で比較する」「必ず複数の選択肢を、仲介経由と直接依頼の両方で比較する」という2点です。

外注に慣れていないうちは、こうした見落としが起きがちです。だからこそ、この記事で繰り返し「業務範囲を揃えて相見積もりを取る」「直接依頼のコストメリットを検討する」と書いています。同じ失敗を避けてもらえれば、経理代行はコストパフォーマンスの高い選択になります。

独自データで見る経理代行の費用判断|直接依頼という選択肢

ここまで費用相場と選び方を見てきましたが、最後に、発注者が費用を抑えるうえで見逃せない「直接依頼」という選択肢について、実務データの観点から掘り下げます。

在宅ワークやフリーランス向けの求人・業務委託市場のデータを見ると、経理・会計分野の業務委託は安定した需要があり、簿記2級以上の資格を持つ経理経験者が数多く登録しています。こうした人材に直接依頼する場合、記帳代行であれば月1万円1.5万円、月次業務を含めても月2万円3万円程度で対応できるケースが多く、BPO専門会社に依頼する場合と比べて30%前後のコスト差が生まれることも珍しくありません。この差の正体が、仲介会社を通さないことで生じる中間マージンゼロの効果です。

もちろん、直接依頼にはマッチングの手間や、個人ゆえの継続性リスクがあります。しかし、業務委託マッチングサービスを使えば、複数の候補者のスキルや実績、料金を比較して選べます。契約や報酬のやり取りをプラットフォーム上で管理できるサービスなら、個人契約の不安も軽減できます。経理業務を任せられる人材を探すなら、AIコンサル・業務活用支援のお仕事のようなバックオフィス系の業務カテゴリから、経理・事務のスキルを持つ人材を探すのが実務的な入り口になります。あわせて、AI・マーケティング・セキュリティのお仕事アプリケーション開発のお仕事といったカテゴリでも、経理と周辺業務を兼務できる人材が見つかることがあります。

費用を抑えつつ品質を担保するための現実的な進め方はこうです。まず自社の経理業務を棚卸しし、月次の定型業務と年次のスポット業務に分ける。月次業務はコストの安いクラウド型サービスかフリーランスへの直接依頼で回し、決算・税務申告は税理士にスポットで依頼する。この「業務を分けて、それぞれ最適な依頼先に振り分ける」設計が、総コストを最も抑えます。個人事業主が法人化を検討する段階になると経理の複雑さが増すため、法人化 マイクロ法人設立の完全ガイド!メリット・費用・注意点もあわせて読んでおくと、経理体制の全体設計がしやすくなります。また、拠点コストを抑えたい個人事業主はフリーランスにおすすめのバーチャルオフィス|選び方・費用・活用法で固定費全体の見直しも検討するとよいでしょう。

経理代行の費用は、単に「月いくら」ではなく「自社に必要な業務を、どの依頼先に、いくらで振り分けるか」という設計の問題です。相場を理解し、業務範囲を揃えて相見積もりを取り、仲介経由と直接依頼のコスト差を意識する。この3ステップを踏めば、無駄なコストを払わず、本業に集中できる経理体制が手に入ります。経理という「守り」のコストを最適化することは、事業の「攻め」に使えるリソースを増やすことに直結します。

よくある質問

Q. 経理代行の費用は月額でいくらが相場ですか?

業務範囲によって変わります。記帳代行のみなら月5,000円〜2万円、記帳に請求・支払い管理を加えると月3万円〜5万円、給与計算や決算補助まで一括で任せると月5万円〜15万円が目安です。仕訳件数や従業員数に応じて変動するため、自社の取引量を把握したうえで見積もりを取ることをおすすめします。

Q. 経理代行と正社員雇用ではどちらが安いですか?

多くの場合、経理代行の方が総コストを抑えられます。月給25万円の経理担当者を雇うと社会保険料や賞与を含め実質的に年間400万円前後かかりますが、経理代行なら業務範囲を絞れば月3万円〜10万円程度で同等の実務をカバーできます。退職リスクや属人化リスクを避けられる点もメリットです。

Q. 仲介会社とフリーランスへの直接依頼で費用はどのくらい違いますか?

一般に仲介会社を経由すると営業費や管理費として20%〜30%程度が料金に上乗せされます。同じ実務でも、経理経験者のフリーランスへ直接依頼すれば中間マージンが乗らない分だけ安くなり、30%前後のコスト差が生まれることも珍しくありません。継続性リスクは複数候補者を比較できるマッチングサービスの利用で軽減できます。

Q. 経理代行に税務申告まで依頼できますか?

税務申告書の作成・提出や税務相談は税理士の独占業務であり、税理士資格のない代行業者が行うと税理士法違反になります。経理代行業者ができるのは決算書作成の補助までです。記帳から決算・申告までワンストップで任せたい場合は、税理士または税理士事務所への依頼が必要になります。

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監修:@SOHO編集部

2004年よりフリーランス・在宅ワーク向けサービスを20年運営。編集部が事実確認のうえ公開しています。

公開:2026年4月16日最終更新:2026年7月8日
朝比奈 蒼

この記事を書いた人

朝比奈 蒼@SOHO編集部

ITメディア編集者

IT系メディアで編集・ライティングを担当。クラウドソーシング業界の動向やサービス比較など、客観的な視点での記事を執筆しています。

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