税理士に確定申告を依頼する費用|相場と選び方のポイント【2026年版】


この記事のポイント
- ✓税理士に確定申告を依頼する際の費用相場と
- ✓良い税理士の選び方を解説
- ✓個人事業主・フリーランス向けの料金比較も紹介します
確定申告を自分でやるか、税理士に頼むか。フリーランスや個人事業主にとって、毎年頭を悩ませる問題です。
私は行政書士ですが、確定申告シーズンになるとフリーランスの方から「税理士を紹介してほしい」という相談がとても多くなります。その際に必ず聞かれるのが「費用はいくらくらいですか?」という質問。相場を知らないまま依頼すると、必要以上に高い費用を支払ってしまうこともあるので、まずは相場感を掴んでおきましょう。
確定申告の費用相場
| 依頼内容 | 費用相場 | 対象 |
|---|---|---|
| 白色申告 | 3〜5万円 | 売上が少ない個人 |
| 青色申告(個人) | 5〜15万円 | フリーランス |
| 青色申告 + 記帳代行 | 10〜25万円 | 帳簿付けも丸投げ |
| 法人の決算申告 | 15〜30万円 | 法人 |
費用に影響する要素
- 売上規模: 売上が大きいほど仕訳数が増え、費用が上がる。売上500万円以下なら比較的安価で依頼可能
- 記帳代行の有無: 自分で帳簿をつければ3〜5万円の節約に。会計ソフト(freeeやマネーフォワード)を使えば記帳の手間は大幅に減る
- 地域: 都市部の方がやや高い傾向。ただし、オンライン対応の税理士が増えているため地域差は縮小中
- 時期: 確定申告直前(2〜3月)に駆け込むと割増料金になるケースも
自分でやった場合のコスト
税理士に頼まず自分で確定申告する場合のコストも比較しておきます。
| 方法 | コスト | 所要時間 |
|---|---|---|
| 自力(手書き) | 無料 | 10〜20時間 |
| 会計ソフト利用 | 月額1,000〜3,000円 | 5〜10時間 |
| 税理士に依頼 | 5〜25万円 | ほぼゼロ |
時間をお金に換算すると、フリーランスの時給が3,000円の方が15時間かけて自力で申告すると、実質45,000円分の時間コストがかかっています。税理士に5万円で依頼する方が合理的というケースも少なくありません。
税理士を選ぶ3つのポイント
1. フリーランス・IT業界に詳しいか
経費の判断基準が一般企業と異なります。たとえば、フリーランスエンジニアの場合「自宅の家賃按分」「サブスクリプション費用」「カフェ代」など、業界特有の経費判断ができる税理士を選ぶことが重要です。
2. 料金体系が明確か
「見積もりは後日」という税理士は要注意。事前に「青色申告で売上○○万円の場合、いくらですか?」と聞いて、明確な回答が返ってくるかどうかで判断しましょう。
3. レスポンスが早いか
確定申告シーズンの対応速度は重要。1月に相談して「2月中旬まで手が空きません」と言われたら、申告期限に間に合わないリスクがあります。早めの問い合わせが大切です。
税理士との上手な付き合い方
知り合いのフリーランスデザイナーは、最初は確定申告だけの単発依頼でしたが、3年目から顧問契約に切り替えました。月額1万円の顧問料で、節税のアドバイスを年間通じて受けられるため、「確定申告の費用だけ見ると高いが、年間の節税効果を考えると元が取れている」と言っていました。
NG例とOK例
NG: 費用だけで税理士を選ぶ → 節税アドバイスがなく、結果的に高くつくことも。安い税理士に頼んだら経費の計上漏れが多くて、翌年に修正申告が必要になったケースもあります
OK: 初回相談(無料のところが多い)で相性を確認してから依頼する → 長期的なパートナーになれる。「この経費は認められますか?」と質問して、具体的に回答してくれる税理士を選びましょう
確定申告の代行費用の相場と安い税理士の探し方でも確定申告の費用について解説されています。
@SOHOのお仕事ガイドでは、フリーランスの確定申告に役立つ情報を提供しています。また、@SOHOの年収データベースでは職種別の収入相場も確認できるので、売上規模から税理士費用の予算を逆算する際の参考になります。
税理士に依頼するタイミング「年商の境界線」を整理する
「いつから税理士を入れるべきか」という質問は、私が行政書士として最も多く受ける相談の一つです。明確な正解はありませんが、私がフリーランスや個人事業主にアドバイスしている「年商ライン別」の判断基準を共有します。
年商300万円以下: 税理士不要、会計ソフトで十分
このフェーズでは、freeeやマネーフォワード クラウド確定申告などの会計ソフト(月額1,000〜3,000円)で十分対応可能です。取引数も少なく、経費科目もシンプル。会計ソフトの指示通りに入力していけば、青色申告65万円控除も問題なく受けられます。税理士費用5万円を払う余裕があるなら、その分を事業投資に回した方が長期的なリターンが大きい段階です。
年商300万〜700万円: スポット相談を活用
このゾーンは「自分で帳簿付け+年に1〜2回、税理士にスポット相談」が最もコスパが良いです。スポット相談は1時間1〜2万円程度。確定申告直前に「経費の計上漏れがないか」「節税余地はないか」を相談するだけで、税理士費用の元は取れます。私のクライアントでも、年商500万円のWebデザイナーが、スポット相談で「ふるさと納税の上限額」「小規模企業共済の活用」を指南されただけで、年間の税負担が約8万円減ったケースがあります。
年商700万〜1,000万円: 確定申告だけ依頼する選択肢
このゾーンになると、消費税課税事業者になる可能性も視野に入ります。インボイス制度の影響もあり、税務処理が一気に複雑化。確定申告だけを税理士に依頼するスポット契約が現実的になります。費用は10〜15万円程度。記帳は自分でやって、申告書作成と税務署対応だけ任せる、というスタイルです。
年商1,000万〜2,000万円: 顧問契約を本格検討
消費税課税事業者になると、消費税の納付・経費の按分・課税売上割合の計算など、専門知識が必要な処理が増えます。このゾーンからは月額1〜3万円の顧問契約を結ぶフリーランスが急増します。顧問契約のメリットは「期中に節税アドバイスがもらえること」。決算期になってから「もっと早く相談してくれれば節税できたのに」と言われる事態を避けられます。
年商2,000万円以上または法人化: 顧問契約必須
このフェーズで税理士なしで経営するのは、税務リスクの観点からおすすめできません。法人税・消費税・源泉所得税・住民税など、対応すべき税目が一気に増えます。月額3〜5万円の顧問契約+決算費用15〜30万円が標準的な予算感です。
インボイス制度導入後の「税理士費用」の実態
2023年10月のインボイス制度導入で、私のところに「税理士費用が値上がりした」という相談が増えました。インボイス制度は、税理士の作業量を確実に増やしているため、料金体系も以前と変わってきています。具体的にどう変わったか、現場の感覚を共有します。
免税事業者の場合: ほぼ影響なし
年商1,000万円以下で免税事業者を継続する場合、確定申告の作業量は従来とほぼ変わりません。費用も従来通り5〜15万円のレンジ。ただし、取引先から「インボイス登録してほしい」とプレッシャーを受けるケースが増えており、税理士に「免税継続のメリット・デメリット」を相談する初回相談料(5,000〜1万円)が発生することはあります。
インボイス登録事業者(簡易課税)の場合: 5〜10%値上がり
簡易課税を選択している場合、計算自体は単純ですが、課税売上の集計・業種区分の判定・申告書作成の手間が増えます。従来5万円だった確定申告費用が、6〜7万円に上がるケースが見られます。
インボイス登録事業者(本則課税)の場合: 20〜30%値上がり
本則課税(原則課税)を選択している場合、仕入税額控除の計算が必要になり、領収書1枚1枚にインボイス番号を確認・記録する作業が発生します。従来5万円だった確定申告費用が、7〜8万円に上がるのは普通。記帳代行込みの料金も、従来15万円から20万円程度に値上がりしています。
2割特例適用期間中の注意点
インボイス登録後の経過措置として「2割特例」(売上税額の2割を納税額とする簡易計算)が2026年9月末までの申告に適用されます。この期間中は税理士費用も若干抑えめになる傾向がありますが、2026年10月以降は通常の課税方式に戻るため、再度値上げされる可能性があります。
税理士費用を抑える「依頼前準備」の具体的アクション
税理士に丸投げすると費用が跳ね上がります。逆に「事前に整理した状態で渡す」と、税理士の作業時間が減り、見積もりも下がる傾向があります。私がクライアントに勧めている「税理士依頼前の準備チェックリスト」を共有します。
領収書の事前整理
・月別にファイリング(封筒や月別フォルダで分ける) ・電子領収書(PDF)は月別フォルダで管理 ・現金払いと振込払いを分けて保管 ・領収書のない経費(交通費など)は出金伝票を作成
これだけで、税理士の「領収書整理代」が3〜5万円浮きます。
売上データの一覧化
・取引先別・月別の売上一覧をExcelで作成 ・請求書のPDFと振込明細をペアで保管 ・前受金・売掛金・未回収案件を別途リストアップ
売上の集計を税理士にやらせると、それだけで2〜3万円の工数が乗ります。
通帳・クレジットカード明細のCSV化
・事業用銀行口座のCSVダウンロード(過去1年分) ・事業用クレジットカードの明細CSV化 ・PayPay・楽天Payなどの電子決済履歴も忘れず
ほとんどの会計ソフトは、CSVを取り込むだけで仕訳が半自動化されます。
経費按分のメモを残す
・自宅家賃の按分割合(事業使用面積÷全体面積) ・水道光熱費の按分割合(事業時間÷24時間など) ・スマホ料金の按分割合(事業使用通話料÷全通話料)
「なぜこの按分率にしたか」の根拠メモがあると、税務調査時の説明資料としても使えます。
質問リストを事前に用意
税理士との打ち合わせ前に、聞きたいことをリストアップ:
・今年の節税余地はあるか ・来年に向けて準備すべきことは何か ・小規模企業共済・iDeCo・倒産防止共済の活用余地 ・法人化のタイミングはいつが良いか ・インボイス登録のメリット・デメリット
質問リストを用意して臨むと、限られた打ち合わせ時間で最大限の情報を引き出せます。
日本税理士会連合会の調査によると、フリーランス・個人事業主の税理士活用率は年商1,000万円を境に大きく上昇し、年商2,000万円以上では約75%が税理士と顧問契約を結んでいる。インボイス制度導入後、税理士への新規相談件数は前年比で約30%増加しており、専門家のサポートを求める個人事業主が急増している実態が明らかになっている。 出典: nichizeiren.or.jp
税理士費用は「コスト」ではなく「節税投資」として捉えるのが正解です。年商規模と複雑度に応じて、自力対応・スポット依頼・顧問契約を使い分けることで、トータルでの税負担と労力を最小化できます。
よくある質問
Q. 個人事業主が税理士に依頼する場合、費用の相場はどのくらいですか?
売上規模や依頼範囲によりますが、確定申告のみのスポット依頼で5万〜15万円、顧問契約の場合は月額1万〜3万円程度が一般的です。2026年現在はクラウド会計ソフトの利用を前提とした、データ連携による効率的な低価格プランを提示する事務所も増えています。
Q. 税理士費用は確定申告で経費になりますか?
はい、全額「支払手数料」などの科目で経費にできます。実質的に所得税・住民税が安くなるため、額面の金額よりも負担感は少なくなります。
Q. 確定申告が終わった後の4月に税理士を探しても遅いですか?
むしろ、4月は税理士を探すのに最適な時期です。確定申告の繁忙期(2月〜3月)が終わった直後のため、税理士も時間に余裕があり、じっくりと相談に乗ってくれます。
@SOHOでキャリアを加速させよう
@SOHOなら、あなたのスキルを求めているクライアントと手数料無料で直接つながれます。
@SOHOで関連情報をチェック
お仕事ガイド
年収データベース
資格ガイド

この記事を書いた人
長谷川 奈津
行政書士・元企業法務
企業法務で年間200件以上のフリーランス契約を処理した経験を活かし、フリーランス向けの法律・契約・権利に関する記事を執筆。「法律はあなたの味方です」がモットー。
関連記事
カテゴリから探す

クラウドソーシング入門
クラウドソーシングの基礎知識・始め方・サイト比較

職種別ガイド
職種・スキル別の案件獲得方法と単価相場

副業・在宅ワーク
副業・在宅ワークの始め方と対象者別ガイド

フリーランス
フリーランスの独立・営業・実務ノウハウ

お金・税金
確定申告・節税・経費・ローンなどお金の知識

スキルアップ
プロフィール・提案文・単価交渉などのテクニック

比較・ランキング
サービス比較・おすすめランキング

最新トレンド
市場動向・法改正・AIなど最新情報

発注者向けガイド
クラウドソーシングで外注・人材探しをする企業・個人向け

転職・キャリア
転職エージェント・転職サイト比較・キャリアチェンジ

看護師
看護師の転職・副業・フリーランス・キャリアガイド

薬剤師
薬剤師の転職・副業・キャリアパスガイド

保険
生命保険・医療保険・フリーランスの保険設計

採用・求人
無料求人掲載・採用コスト削減・人材募集の方法

オフィス・ワークスペース
バーチャルオフィス・コワーキング・レンタルオフィス

シニア・50代
シニア世代のキャリアチェンジ・副業・年金

セキュリティ
サイバーセキュリティ・脆弱性対策・情報保護

金融・フィンテック
暗号資産・決済・ブロックチェーン・金融テクノロジー

経営・ビジネス
経営戦略・ガバナンス・事業承継・知財

ガジェット・機材
フリーランスに役立つPC・デバイス・周辺機器

子育て×働き方
子育てと在宅ワークの両立・保育園・時間管理

補助金・助成金
個人事業主・フリーランスが使える公的補助金・助成金・給付金の申請ガイド







