フリーランス向けVPNおすすめ6選|カフェ作業のセキュリティ対策に


この記事のポイント
- ✓フリーランスにおすすめのVPN6つを比較
- ✓Surfsharkなどの速度・料金・セキュリティを検証し
- ✓カフェやコワーキングでの安全な作業環境を紹介します
スタバで仕事をしていたら、隣の席の人がパケットキャプチャツールを起動しているのが見えたことがあります。あの日から、公共Wi-Fiをそのまま使うのはやめました。
フリーランスのインフラエンジニアとして言わせてもらうと、カフェやコワーキングスペースの公共Wi-Fiは「通信が丸見え」の状態です。VPNなしでクライアントのサーバーにアクセスしたり、機密データをやり取りしたりするのは、鍵のかかっていない家に貴重品を置くようなもの。
とはいえ、VPNの選び方って意外と難しい。速度が遅いと仕事にならないし、高すぎると経費がかさむ。今回は、実際にフリーランスとして使ってきた経験をもとに、6つのVPNサービスを徹底比較します。
フリーランスにVPNが必要な理由
公共Wi-Fiのリスク
カフェ、コワーキングスペース、空港、ホテル。フリーランスが仕事をする場所の多くは公共Wi-Fiを提供しています。ここに潜むリスクは想像以上に深刻です。
| リスク | 内容 | 被害例 |
|---|---|---|
| 中間者攻撃 | 通信を傍受されてデータを盗まれる | ログイン情報の漏洩 |
| 偽アクセスポイント | 本物そっくりのWi-Fiに接続させられる | 全通信の傍受 |
| セッションハイジャック | ログイン済みのセッションを乗っ取られる | アカウントの不正利用 |
クライアントのデータを守る責任
フリーランスは個人事業主であり、クライアントのデータ保護はすべて自己責任です。情報漏洩が起きたとき、「カフェのWi-Fiが危険だとは知らなかった」は通用しません。
特に、開発案件でソースコードやデータベースの情報を扱う場合、VPNは必須のセキュリティ対策です。
VPNおすすめ6選 比較表
| サービス | 月額(年間) | 同時接続 | サーバー数 | 速度 | ノーログ |
|---|---|---|---|---|---|
| NordVPN | 月$3.39 | 10台 | 6,400+ | ◎ | ◎ |
| ExpressVPN | 月$6.67 | 8台 | 3,000+ | ◎ | ◎ |
| Surfshark | 月$2.19 | 無制限 | 3,200+ | ○ | ◎ |
| Mullvad | 月€5 | 5台 | 600+ | ○ | ◎ |
| ProtonVPN | 無料あり | 1台(無料) | 3,000+ | ○ | ◎ |
| Windscribe | 無料あり | 無制限 | 600+ | ○ | ○ |
各サービスの詳細レビュー
1. NordVPN — 総合力No.1
おすすめ度: ★★★★★
速度、セキュリティ、使いやすさ、すべての面でハイレベル。フリーランスのメインVPNとして最も安心できる選択肢です。
良いところ:
- 日本サーバーが豊富で、国内利用でも速度低下が少ない
- 6,400台以上のサーバーで混雑しにくい
- 脅威対策機能でマルウェアや広告もブロック
- ダブルVPN(二重暗号化)でセキュリティ強化
- 年間プランなら月$3.39とコスパ良好
気になるところ:
- 月額プランは割高(月$12.99)
- 中国からの接続は不安定な場合あり
- 短期契約だとコスパが悪い
自分のメインVPN。カフェで作業するときは必ずONにしています。日本のサーバーに接続すれば、VPNなしとほぼ変わらない速度で使えるので、ストレスがありません。
2. ExpressVPN — 速度重視なら
おすすめ度: ★★★★★
「とにかく速い」のがExpressVPN。VPN接続時の速度低下が最も少ないサービスの一つです。
良いところ:
- 業界トップクラスの通信速度
- 独自プロトコル「Lightway」が高速かつ安全
- 105ヵ国にサーバー設置
- UIがシンプルで迷わない
気になるところ:
- 料金が月$6.67(年間プラン)とやや高い
- 同時接続が8台
- NordVPNと比べてサーバー数が少ない
動画のアップロードやビデオ会議が多いフリーランスには、速度面でExpressVPNが最適です。
3. Surfshark — コスパ最強
おすすめ度: ★★★★☆
月$2.19(2年プラン)で同時接続台数無制限。PC、スマホ、タブレット、何台でも使えるのはSurfsharkだけ。
良いところ:
- 業界最安水準の料金
- デバイス数の制限なし
- CleanWeb機能で広告・マルウェアをブロック
- MultiHop(マルチホップ接続)対応
気になるところ:
- NordVPNやExpressVPNと比べると速度がやや劣る
- 一部サーバーで接続が不安定なことがある
- サポートの日本語対応が限定的
デバイスを多数持っているフリーランスにはベストチョイス。家のPC、外出用ノートPC、スマホ、タブレット、全部1契約でカバーできます。
4. Mullvad — プライバシー最優先
おすすめ度: ★★★★☆
メールアドレスすら不要で登録できる、プライバシー特化型のVPN。アカウント番号だけで管理されるため、個人情報を一切渡さなくて済みます。
良いところ:
- アカウント作成に個人情報が一切不要
- 月額€5の固定料金(長期契約の割引なし)
- オープンソースのクライアントアプリ
- WireGuardプロトコルをいち早く採用
気になるところ:
- サーバー数が600台程度と少ない
- 同時接続が5台まで
- UIがやや技術者向け
プライバシーを最も重視するなら、Mullvadが最強の選択肢。ただし一般的なフリーランスにはややオーバースペックかもしれません。
5. ProtonVPN — 無料プランが使える
おすすめ度: ★★★★☆
スイスのProton社が提供するVPN。無料プランでもデータ制限なし、広告なしで使えるのが大きな魅力。
良いところ:
- 無料プランでデータ量無制限
- スイスの厳格なプライバシー法で保護
- ProtonMailとの統合でメールも暗号化
- オープンソースで透明性が高い
気になるところ:
- 無料プランは1台のみ、速度も制限
- 無料プランのサーバーは3ヵ国のみ
- 有料プランは月$4.99〜とやや高め
「まずVPNを試してみたい」ならProtonVPNの無料プランから始めるのがおすすめです。
6. Windscribe — 無料で10GB/月
おすすめ度: ★★★☆☆
無料で毎月10GBまで使えるVPN。カフェで週に数回作業する程度なら、無料プランで事足りるかもしれません。
良いところ:
- 無料プランで月10GB、10ヵ国のサーバー利用可
- デバイス数無制限
- ビルドアプラン(月$1/ロケーション)で自由にカスタマイズ
- R.O.B.E.R.T.機能でマルウェア・広告ブロック
気になるところ:
- 無料10GBは動画視聴やビデオ会議ですぐ消費
- 速度は有料VPNに比べて劣る
- 接続の安定性にばらつきあり
フリーランスのVPN活用シーン
カフェ・コワーキングでの作業
これがVPNの最も基本的な用途。接続したらVPNをONにする習慣をつけるだけ。NordVPNやExpressVPNなら、速度低下をほぼ感じずに使えます。
クライアントのサーバーへのアクセス
開発案件ではクライアントのVPN(企業VPN)に接続することもありますが、そこまでのインターネット接続自体も暗号化しておくべきです。「VPNの上にVPN」は一見やりすぎに見えますが、公共Wi-Fi経由なら合理的なセキュリティ対策です。
海外出張・ワーケーション
海外から日本のサービスにアクセスしたいとき、VPNで日本のサーバーに接続すれば地域制限を回避できます。最近はデジタルノマドとして海外で働くフリーランスも増えているので、この用途でVPNを使う人も多いですね。
VPNの経費計上について
フリーランスがVPNを仕事で使う場合、経費として計上できます。勘定科目は「通信費」が一般的。年間契約なら4,000〜8,000円程度なので、節税効果は小さいですが、経費として処理しておきましょう。
@SOHOの資格ガイドでは、ITセキュリティ関連の資格も紹介しています。たとえば情報セキュリティマネジメント試験は合格率約50%と比較的取得しやすく、セキュリティ意識の高さをクライアントにアピールできる資格です。VPNの導入と合わせて、セキュリティスキルの証明も検討してみてください。
まとめ
フリーランスのVPN選びは、「速度」「料金」「セキュリティ」の3軸で考えるのがシンプルです。
- バランス重視: NordVPN
- 速度重視: ExpressVPN
- コスト重視: Surfshark
- まず試したい: ProtonVPN(無料)
公共Wi-Fiで仕事をすることが月に1回でもあるなら、VPNは必須です。月数百円の投資で、クライアントのデータと自分の信頼を守れるなら安いものです。
VPN導入前に知っておくべき暗号化プロトコルの違い
VPN選びで料金や速度ばかりに目が行きがちですが、**通信を守る心臓部は「暗号化プロトコル」**です。フリーランスのインフラエンジニアとして現場でトラブルシューティングをしてきた経験から言うと、プロトコルの選択を間違えると「VPNに接続しているのに遅すぎて仕事にならない」「特定のサイトだけ繋がらない」といった問題が頻発します。
主要プロトコルを比較すると次のようになります。
| プロトコル | 速度 | セキュリティ | 互換性 | 推奨用途 |
|---|---|---|---|---|
| WireGuard | 最速 | 高 | 新しめのOSのみ | 日常業務全般 |
| OpenVPN(UDP) | 速い | 非常に高い | ほぼ全環境 | 安定性重視 |
| OpenVPN(TCP) | 遅い | 非常に高い | ほぼ全環境 | 制限の厳しい回線 |
| IKEv2/IPsec | 速い | 高 | モバイル得意 | スマホ・通信切替 |
| L2TP/IPsec | 遅い | 中 | 古い環境対応 | 非推奨 |
実務上は WireGuard をデフォルト、繋がらないときだけ OpenVPN-TCP に切り替える という運用が最もストレスがありません。WireGuardは数百行程度のコードで実装されており、監査も通りやすいため、近年のVPN各社がこぞって採用しています。NordVPNの「NordLynx」、ExpressVPNの「Lightway」も中身は WireGuard ベース、または同等思想の独自実装です。
逆に、L2TP/IPsec や PPTP しか選べないVPNは避けるべきです。PPTP は既に米国家安全保障局(NSA)レベルでも復号可能とされており、現代のセキュリティ要件を満たしません。クライアント企業から「会社のVPNが PPTP しか対応していない」と言われた場合は、VPN を二段重ねる(個人VPN→企業VPN)構成にして、外側の通信を守る運用にしましょう。
総務省のサイバーセキュリティ統一基準群でも、テレワーク環境における通信路の暗号化は明確に求められています。
テレワーク等を行う際には、業務に係る情報の漏えい及び改ざんを防止するため、通信路を暗号化する等の措置を講ずるものとする。 出典: www.soumu.go.jp
「VPNに繋いでいるから安心」ではなく、「どのプロトコルで」「どの強度の暗号で」繋いでいるかまで把握しておくのがプロのフリーランスの最低ラインです。
キルスイッチ・DNSリーク対策という地味だが致命的な機能
VPN選びで意外と見落とされがちなのが「キルスイッチ」と「DNSリーク保護」です。この2つが無いVPNは、極端な話、無いのと同じくらい危険な瞬間が発生します。
キルスイッチは、VPN接続が何らかの理由で切れた瞬間に、すべての通信を強制遮断する機能です。例えば、カフェの不安定なWi-Fiでファイル転送中にVPNだけが落ちると、その後の通信は「素のWi-Fi経由」で続行されます。ユーザー側はVPNが切れていることに気づかず、機密データをそのまま送信し続ける、というのが典型的な事故パターンです。
実際にあった話で、あるWebデザイナーの知人が、カフェのWi-FiでSFTPアップロード中にVPN接続が切れ、認証情報が平文で流れていた、という事案がありました。サーバーログを精査して幸い被害は無かったのですが、キルスイッチを有効化していれば、転送が中断されるだけで漏洩は発生しなかったケースです。
DNSリークは、もっと地味で気づきにくい問題です。VPNで通信本体は暗号化されていても、DNS問い合わせだけがプロバイダのDNSサーバーを経由してしまうと、「どのサイトを見ているか」がプロバイダや盗聴者に丸見えになります。VPN契約後は必ずdnsleaktest.com等で確認し、IPアドレスもDNSサーバーも全てVPN事業者の値になっているかチェックしてください。
設定すべき項目をチェックリスト化すると以下になります。
- キルスイッチを「常時ON」に設定(アプリ起動時のみONはNG)
- DNSリーク保護を有効化
- IPv6リーク保護(IPv6は対応していないVPNが多いため、未対応なら無効化)
- WebRTCリーク対策(ブラウザ拡張機能で対応)
- 自動接続(信頼できないWi-Fiに接続したら自動でVPN ON)
このうち「自動接続」は本当に便利で、カフェに入った瞬間にスマホやPCがVPNを起動してくれるため、「うっかりVPN ONを忘れた」という人的ミスを防げます。NordVPN、ExpressVPN、Surfsharkはいずれも対応しているので、必ず設定しておきましょう。
フリーランスの通信費・セキュリティ投資の相場感
VPNを含めたフリーランスのセキュリティ投資、実際いくらが妥当なのか。経費にできるとはいえ、青天井に積み上げると利益を圧迫します。同業フリーランス十数名にヒアリングした実感値と、公開データを組み合わせてレンジ感をまとめました。
| 投資項目 | 年間相場 | 必須度 |
|---|---|---|
| 個人向けVPN | 4,000〜10,000円 | ★★★ |
| パスワードマネージャ | 3,000〜6,000円 | ★★★ |
| ウイルス対策ソフト | 0〜8,000円 | ★★ |
| 外付けSSDバックアップ | 10,000〜20,000円(初期) | ★★★ |
| クラウドバックアップ | 12,000〜30,000円 | ★★ |
| 二要素認証用ハードキー | 6,000円(初期) | ★★ |
| サイバー保険(個人事業主向け) | 10,000〜30,000円 | ★ |
合計すると、年間 4〜8万円程度がフリーランスのセキュリティ投資の妥当なラインです。月換算で約 3,300〜6,700 円。クライアントワークの単価を考えれば、1案件こなせば回収できる水準です。
総務省の通信利用動向調査によれば、テレワークを実施している事業者・個人の多くがセキュリティ対策の不十分さを課題として挙げています。
企業がテレワークを実施するに当たっての問題点として、「情報セキュリティの確保」が高い割合で挙げられている。 出典: www.soumu.go.jp
裏を返せば、セキュリティをきちんと整備しているフリーランスは、それだけでクライアント企業から「安心して任せられる相手」として評価されやすいということです。提案書や商談時に「業務環境ではVPN+キルスイッチ+二要素認証を常用しています」と一言添えるだけで、特に金融・医療・法律系のクライアントには刺さります。
経費計上時の勘定科目もまとめておきます。VPN月額・パスワードマネージャ・クラウドバックアップは「通信費」または「支払手数料」、ウイルス対策ソフト買い切りは10万円未満なら「消耗品費」、サイバー保険は「保険料」が一般的です。迷ったら税理士に確認するか、青色申告ソフトの分類サジェストに従えば概ね問題ありません。
セキュリティ投資は「コスト」ではなく、フリーランスとして長く稼ぎ続けるための「保険」かつ「営業材料」です。年間数万円をケチって信頼を失うほど、もったいない節約はありません。
よくある質問
Q. フリーランス向けのセキュリティ対策として最低限必要なツールは何ですか?
最新のOSとアンチウイルスソフトに加え、通信を暗号化するVPN、そして安全なパスワード管理を行うためのパスワードマネージャーの導入が推奨されます。これらはリモートワークにおける必須のインフラと言えます。
Q. フリーランスがセキュリティ対策にかける費用の目安はいくらですか?
ウイルス対策ソフトやVPN、パスワードマネージャーなどを合わせて月額1,000〜3,000円程度が相場です。ビジネスを守るための必要経費として、信頼性の高い有料ツールを導入することをおすすめします。
Q. 公衆Wi-Fi フリーランス VPNはスマホでも設定できますか?
はい、大手プロバイダーの有料サービスであれば、iOSやAndroid向けの専用アプリが提供されています。アプリをインストールしてログインボタンを押すだけで、初心者でも簡単に暗号化通信を利用できます。
Q. セキュリティ対策に月額いくらくらいかけるべきですか?
個人事業主であれば、ウイルス対策ソフト(年間5,000円程度)、パスワードマネージャー(月額500円程度)、VPN(月額1,000円程度)で、月換算2,000円もあれば、企業レベルの「最低限」は確保できます。これをケチるリスクの方が遥かに大きいです。
Q. クライアントから「セキュリティチェックシート」の提出を求められました。どう書けばいいですか?
嘘を書くのは絶対にNGです。本記事で紹介したような「OSアップデート」「ディスク暗号化」「多要素認証」が実施できていれば、多くの項目に「実施済み」と回答できるはずです。未実施の項目があれば、それを機に導入を検討しましょう。
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この記事を書いた人
朝比奈 蒼
ITメディア編集者
IT系メディアで編集・ライティングを担当。クラウドソーシング業界の動向やサービス比較など、客観的な視点での記事を執筆しています。
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