SNS運用代行の収入・単価相場|月いくら稼げるかリアルに解説

榊原 隼人
榊原 隼人
SNS運用代行の収入・単価相場|月いくら稼げるかリアルに解説

この記事のポイント

  • SNS運用代行の収入を業務内容別に解説
  • 月いくら稼げるかのリアルなシミュレーション
  • 副業からフリーランスまでの収入推移を具体的に紹介します

SNS運用代行は「楽に稼げそう」なイメージで参入する人が多い。実態はかなり違う。クライアントのアカウントを預かり、毎日投稿し、コメントに返信し、数字で成果を示す。地味で泥臭い仕事だ。

僕はエンジニアだからSNS運用の実務はやらないが、フリーランスとしてスタートアップに参画する中で、SNS運用代行者と何度も協働してきた。その中で見えてきた「稼げる人と稼げない人の差」を、データと合わせて解説する。

SNS運用代行の収入相場

業務範囲別の月額相場

業務範囲 月額相場(フリーランス) 月額相場(法人)
投稿代行のみ(月10〜15投稿) 3〜8万円 10万円以下
投稿+コメント返信 5〜15万円 10〜20万円
投稿+コメント+分析レポート 10〜25万円 20〜30万円
企画+投稿+分析+広告運用 20〜40万円 30〜50万円
戦略設計+全体運用+コンサル 30〜60万円 50万円以上

フリーランスの場合、投稿代行だけなら月3〜8万円が相場。これだけでは生活できない。戦略設計やコンサルティングまで巻き取ることで、初めてまとまった収入になる。

プラットフォーム別の単価傾向

SNS 運用代行の需要 単価傾向
Instagram 非常に高い 中〜高
X(旧Twitter) 高い 低〜中
TikTok 急増中 中〜高
YouTube 高い 高い(編集込み)
LINE公式 中程度 中程度

TikTokの運用代行は需要が急増しているが、「バズらせ方」を理解している人材が少ないため、実績があれば月単価30万円以上も狙える。

ぶっちゃけ、「SNS運用で月50万円稼げる」みたいな広告は大半が誇大。15年のキャリアがある人ですら、この仕事の厳しさを認めている。安易な期待は捨てた方がいい。

月収シミュレーション

副業の場合(月20〜30時間)

クライアント数 業務内容 月収
1アカウント 投稿代行のみ 3〜5万円
2アカウント 投稿+コメント返信 6〜12万円
3アカウント 投稿+コメント返信 9〜18万円

副業で月10万円を超えるには、2〜3アカウントの運用が必要。1アカウントあたり月10〜15時間の作業を想定すると、3アカウントで30〜45時間。本業との両立は正直きつい。

フリーランスの場合(月100〜160時間)

パターン クライアント構成 月収
初級 投稿代行3社 10〜20万円
中級 運用全般2社+投稿代行2社 25〜45万円
上級 コンサル1社+運用全般2社 40〜70万円
トップ 戦略設計2社+コンサル 60〜120万円

僕が一緒に仕事をしたSNS運用のフリーランスは、SaaS企業3社のInstagram運用を月35万円で受けていた。投稿企画、撮影ディレクション、分析レポートまで込みの価格。彼女いわく「投稿を作る時間より、分析と改善提案に時間をかけている」とのこと。数字で成果を示せる人が、結局一番稼いでいる。

SNS運用代行で収入を上げる方法

1. 「投稿代行」から「コンサル」に格上げする

投稿代行だけでは時給換算で1,000〜1,500円程度。戦略設計やコンサルティングができれば、時給換算で5,000〜10,000円に跳ね上がる。

具体的には、以下のスキルを身につけること。

  • KPI設計(フォロワー数、エンゲージメント率、CV率)
  • 競合分析
  • 広告運用(Meta広告、TikTok広告)
  • レポーティング(Google AnalyticsやMeta Business Suiteのデータ活用)

2. 特定業界に特化する

「飲食店のInstagram専門」「美容クリニックのTikTok専門」など、特定業界に特化すると、その業界内での紹介が増える。僕の知人は「不動産会社のInstagram運用」に特化して、月5社の運用を受けている。1社あたり月15万円で、月収75万円。

3. 成果報酬型を取り入れる

固定報酬+成果報酬のハイブリッド型にすると、うまくいけば大幅な収入アップが狙える。たとえば「月額固定10万円+CV1件あたり3,000円」のような設計だ。ただし、成果が出なかったときの固定報酬が低すぎると生活が苦しくなるから、バランスが重要。

4. 実績をポートフォリオ化する

「3ヶ月でフォロワー1万人増」「エンゲージメント率を2倍に改善」といった数字の実績は、次の案件獲得に直結する。クライアントの許可を取った上で、ビフォー・アフターの数字をポートフォリオにまとめること。

5. 手数料を最適化する

クラウドソーシング経由で案件を取ると、手数料で月3〜6万円が消える。@SOHOなら手数料0%で、クライアントとの直接取引が可能だ。

SNS運用代行をフリーランスに依頼する場合、月額費用の相場は2万円〜10万円前後が目安です。法人の運用代行会社と比べるとコストを抑えられるため、中小企業からの需要が増えています。

— 出典: ランサーズ「SNS運用代行の費用相場」

SNS運用代行を始めるために必要なもの

項目 必要度 補足
自分のSNSアカウント(実績用) 必須 最低1つは伸ばした実績が必要
Canva(有料版推奨) 必須 投稿画像の作成に必須
分析ツール 推奨 Meta Business Suite(無料)で十分
動画編集スキル 推奨 TikTok/Reels対応なら必須
広告運用の知識 あると強い Meta広告の基礎は覚えておきたい

SNS運用代行のリアルな1日のスケジュール

僕がスタートアップで見てきたSNS運用代行者のリアルな1日を紹介する。彼女はInstagram2アカウント+TikTok1アカウントの運用を月額計40万円で受けている。

時間 作業内容
9:00〜10:00 コメント・DM返信、エンゲージメント確認
10:00〜12:00 投稿コンテンツの企画・制作(Canva、CapCut)
13:00〜14:00 競合アカウントの分析、トレンドチェック
14:00〜15:30 クライアントとの打ち合わせ(週2回)
15:30〜17:00 月次レポート作成、広告運用の調整

合計約7時間。月22日稼働で月154時間。月額40万円なら時給換算で約2,600円。SNS運用代行としては上位の時給だ。ポイントは「投稿を作る時間」より「分析と改善提案の時間」が多いこと。投稿代行だけの人とは仕事の質が根本的に違う。

出典・参考データ

出典 内容
ランサーズ SNS運用代行の費用相場 フリーランスへの依頼費用
Web幹事 SNS運用代行のおすすめ 法人向け費用相場
レバテックフリーランス SNS運用代行の副業ガイド
マーケドリブン 媒体別の価格比較

SNS運用代行で稼げない人がハマる4つの落とし穴

SNS運用代行で月10万円すら稼げない人には共通パターンがある。スタートアップで複数のSNS運用担当者と協働してきた経験から、典型的な失敗例を挙げる。

1. 「投稿すること」がゴールになっている

稼げない人ほど「今月20投稿しました」と作業量を報告する。クライアントが知りたいのはそこじゃない。フォロワーが何人増えたか、エンゲージメント率が改善したか、問い合わせ件数が増えたか。数字で語れない人は、3ヶ月で契約を切られる。投稿カレンダーを埋めることに必死で、KPI設計を後回しにしている人は要注意だ。

2. 「自分のSNS」を伸ばしていない

「他人のアカウントは運用できるが、自分のアカウントはフォロワー300人」というケース。これは致命的で、新規クライアント獲得時に必ず聞かれる「あなたのアカウントを見せてください」で詰む。最低でも自分のInstagramまたはXで1万フォロワー、できれば特定ジャンルで5,000フォロワーの実績は欲しい。営業ツールとして機能するアカウントを持っていない時点で、価格交渉でも常に買い叩かれる。

3. クライアント選定を間違える

「とにかく案件が欲しい」と単価2万円の案件を5件抱えると、地獄を見る。クライアントの数だけ打ち合わせ・チャット対応・修正依頼が発生し、月100時間を超えても月収10万円にしかならない。月単価10万円以上のクライアント3社の方が、結果的に楽で稼げる。

4. 撮影・編集を自分で抱え込む

投稿画像・動画を全部自分で作ると、時給換算が一気に下がる。動画編集は1本3,000〜5,000円で外注し、自分は企画と分析に時間を使う方が時給は上がる。中級者以上のSNS運用代行者は、ほぼ全員が撮影・編集を切り出している。

税金・社会保険のリアル — 額面と手取りのギャップ

「月収40万円」と聞くと余裕があるように感じるが、フリーランスの場合は税金と社会保険で大きく削られる。月40万円(年収480万円)の場合の手取りを試算する。

項目 年額 月額換算
額面年収 480万円 40万円
国民健康保険 約45万円 約3.7万円
国民年金 約20万円 約1.7万円
所得税 約20万円 約1.7万円
住民税 約25万円 約2.1万円
個人事業税 0円(業種次第) 0円
手取り 約370万円 約30.8万円

※経費を年間80万円計上、青色申告特別控除65万円適用の前提で概算

額面40万円でも手取りは約31万円。会社員時代の感覚で生活費を組むと、確定申告のタイミングで資金ショートする人が後を絶たない。SNS運用代行は経費が少ない職種(パソコン・通信費・サブスク程度)なので、節税余地が限定的なのも特徴だ。

国民年金保険料は厚生労働省の告示で毎年改定される。

令和7年度における国民年金保険料の額は、月額17,510円となります。なお、令和8年度の国民年金保険料の額は、月額17,920円となります。 出典: mhlw.go.jp

夫婦2人分なら月3.5万円が固定で出ていく。会社員時代は厚生年金で会社が半額負担していた分が、まるごと自己負担になる現実を理解しておくこと。

加えて、国民健康保険は前年所得ベースで計算されるため、独立1年目より2年目の方が一気に重くなる。1年目で稼いだ分の3割は「翌年の税金・保険料用に貯金しておく」運用が安全だ。これを怠ると、2年目の6月(住民税通知が届くタイミング)に資金繰りが崩壊する。

契約書とトラブル回避 — 報酬未払いを防ぐ実務

SNS運用代行で意外と多いのが「報酬未払い」「契約途中での一方的解除」「成果物の権利トラブル」だ。中小企業庁の調査でも、フリーランスの取引トラブルは恒常的に発生している。

発注事業者からフリーランスへの取引について、書面等による取引条件の明示や、報酬支払期日(成果物受領後60日以内)の設定、買いたたきや受領拒否などの行為の禁止等を定めています。 出典: chusho.meti.go.jp

2024年11月から施行されたフリーランス保護新法により、発注側は契約条件の書面明示が義務化された。逆に言えば、契約書がない取引は法律違反であり、トラブル時に強く出られる根拠になる。

契約書に必ず入れるべき項目

項目 具体例
業務範囲 「月15投稿の企画・制作・投稿」など具体的に
報酬・支払期日 月末締め翌月末払いなど明記
契約期間・解約条件 「解約は1ヶ月前通告」を必ず入れる
アカウント権限の扱い クライアントのID/パスワードの管理方法
著作権・成果物の権利 投稿コンテンツの著作権帰属を明記
守秘義務 クライアントの売上データ等の取扱
損害賠償の上限 月額報酬の3ヶ月分などに上限設定

特に重要なのは「解約条件」と「損害賠償の上限」。SNS運用は炎上リスクがある仕事で、「不適切投稿で売上が下がった」と賠償請求されるケースが実際にある。上限を設定していないと、月単価10万円の仕事で数百万円の損害賠償を負う可能性がある。

アカウントの管理権限も要注意だ。クライアントのSNSアカウントに自分の個人メールでログインしている状態は危険。Meta Business SuiteやBufferなど、権限管理ができるツールを使い、退任時にスムーズに引き渡せる体制を作っておくこと。

トラブルが起きた際は、まず公正取引委員会のフリーランス相談窓口や、中小企業庁の下請かけこみ寺に相談できる。泣き寝入りせず、第三者を入れて解決する道筋を知っておくだけで精神的負担はかなり減る。

よくある質問

Q. 未経験からフリーランスになったばかりでもバリューベースの価格設定は可能ですか?

未経験の場合、過去の実績で価値を証明するのが難しいため、最初は相場に合わせた時間単価や固定報酬で案件を獲得し、信頼と実績を積むことが優先です。しかし、小さくても「クライアントの売上に貢献した」という実績ができれば、次の案件から徐々にバリューベースでの提案に移行していくことが可能です。

Q. まだフリーランス1年目ですが、値上げ交渉をしてもいいのでしょうか?

期間よりも「成果」が重要です。1年目であっても、当初の契約時よりも明らかにスキルのレベルが上がり、提供価値が増しているなら、改定を打診する権利があります。まずは、現在の単価が自分の稼働時間や経費に見合っているか、損益分岐点を計算してみ てください。

Q. フリーランスと副業はどちらが稼げますか?

本業の収入を維持しつつ副業で稼ぐほうがリスクは少ないですが、年収の上限は限られます。副業で月10〜20万円(年間120〜240万円)を超えるのは時間的に難しいため、本格的に稼ぎたい場合はフリーランスとして独立するほうが年収の天井は高くなります。副業の確定申告については副業の確定申告完全ガイドで解説しています。

Q. フリーランスの手取りは会社員時代より増えますか?

売上が同じであれば、手取りは減る可能性が高いです。会社員は社会保険料の半分を企業が負担しているため、フリーランスが同じ手取りを維持するには、会社員時代の給与の1.5倍〜2倍の売上を目指すのが一般的です。ただし、節税対策や経費計上の工夫次第で、自由に使えるお金を増やすことは十分に可能です。

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榊原 隼人

この記事を書いた人

榊原 隼人

フルスタックエンジニア・テックライター

SIerで8年間システム開発に携わった後、フリーランスエンジニアに転身。React/Next.js/Pythonを中心に開発案件をこなしながら、技術系の記事を執筆しています。

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