VBAで副業を受ける|業務効率化の依頼の探し方と見積もりの考え方

朝比奈 蒼
朝比奈 蒼
VBAで副業を受ける|業務効率化の依頼の探し方と見積もりの考え方

この記事のポイント

  • ✓探し方の順に整理しました
  • ✓初心者が受けやすい依頼の見分け方
  • ✓土日だけの稼働で成立する条件

VBAで副業ができるのか。結論から言うと、できます。しかも、プログラミングの副業の中では入り口が広い領域です。理由は単純で、Excelを業務の中心に据えている会社が今も膨大にあり、その中に「手作業で毎月何時間も潰している業務」が眠っているからです。

ただし、単価の幅がとても大きいという特徴があります。数千円で終わる依頼から、月額で数十万円になる継続案件まで、同じ「VBA案件」という名前で並んでいます。この差はスキルの差だけでなく、依頼の切り出し方と見積もりの立て方で生まれます。

この記事では、実際に流通している依頼の中身、単価の相場、見積もりで外さないための考え方、案件の探し方、そして他のツールとの比較までを順に整理します。初心者がどこから入るべきかも書きます。

VBAの副業案件はどれくらい流通しているのか

まず市場の規模感です。案件の量を確かめる一番簡単な方法は、仲介サイトの検索結果の件数を見ることです。

ネットで最短即日発注ができるランサーズなら、Excelマクロ作成・VBA開発の仕事が12,953件。Excelマクロ作成・VBA開発の仕事情報の検索から納品、報酬の受け取りまで、すべてランサーズで完結します。時間や場所にとらわれず、在宅や副業で理想的な働き方を実現可能です。 出典: lancers.jp

1つのサイトで12,953件という数字が出ています。ここで冷静に読んでほしいのは、この件数は累計の掲載数であって、今この瞬間に募集中の件数ではないという点です。それでも、継続的に依頼が発生している領域だという判断材料にはなります。

需要が絶えない理由は、VBAが置き換えられていないからです。会社の基幹システムを入れ替えるのは大きな投資で、意思決定に時間がかかります。一方、Excelの中で回っている業務は、担当者の判断で改善できます。予算の規模が小さく、決裁が軽い。だから依頼が出やすい。

正直なところ、この構造は「技術的に最新の仕事をしたい人」には物足りなく映るはずです。新しい言語や基盤を触る仕事と比べれば、地味です。ただ、副業として見たときの評価軸は別です。依頼の発生頻度が高く、成果が数値で示しやすく、稼働時間が読める。この3点で、VBAは副業に向いています。

単価の相場。幅が大きい理由を分解する

単価の話をします。上限側の数字は次のように語られています。

「VBAを使った副業で稼げる?」と疑問をお持ちの方もいるでしょう。 初心者向けの副業案件は単価が低めですが、高いレベルが求められる業務であれば月額100万円以上を稼げる可能性もあります。 出典: freelance-hub.jp

月額100万円という数字は、週5日の稼働で、業務の要件定義から設計まで担う役割を想定したものです。副業でこの水準を狙うのは現実的ではありません。この点をはっきり書かない記事が多いので、ここは正直に書きます。

副業で受ける場合の相場を、依頼の型ごとに分けて整理します。

既存マクロの修正やエラー対応は、1件あたり5,000円から2万円程度が多い帯です。作業時間は2時間から5時間ほど。

ゼロから作る集計や転記の自動化は、1件3万円から15万円程度。処理する帳票の種類と分岐の数で大きく動きます。

業務全体の設計を含む改修は、20万円以上の規模になることもあります。ここまで来ると、プログラムを書く時間より、業務の聞き取りと仕様の整理に時間を使います。

時間単価に換算すると、2,000円から6,000円あたりに収まる案件が中心です。エンジニア職全体の単価分布はソフトウェア作成者の年収・単価相場で確認できます。自分の位置を知っておくと、安く引き受けすぎるのを防げます。

単価が伸びない人と伸びる人の差は、技術力より「業務を理解して提案できるか」に出ます。言われた通りに作る人は作業単価のまま。業務の流れを聞いて「その工程はそもそも不要ではないか」と言える人は、相談料の水準に移ります。

実際に来る依頼の中身。5つの型がある

流通している依頼を型に分けます。自分が受けられるものを見極めるのに使ってください。

1つ目は、転記と集計の自動化です。複数のファイルから数値を集めて1枚にまとめる。毎月の定例作業として発生していることが多く、依頼者の時間削減効果がはっきりします。副業の入り口として最も多い型です。

2つ目は、帳票の自動作成です。請求書、納品書、報告書を、一覧のデータから一括で作る。印刷やPDF出力まで含めることが多いです。

3つ目は、データの整形とチェックです。表記のゆれを揃える、重複を検出する、入力漏れを警告する。地味ですが需要が高い。ミスが直接的な損失につながる業務なので、依頼者の動機が強いです。

4つ目は、既存マクロの引き継ぎと修繕です。作った人が退職して誰も触れない、というケース。コードを読む力が要求されますが、単価は作る仕事より高くなる傾向があります。読める人が少ないからです。

5つ目は、他システムとの連携です。Web上のデータを取得する、メールを自動送信する、別のアプリを操作する。責任範囲が広がるので、契約の書き方に注意が必要です。

初心者が狙うべきは1つ目と3つ目です。仕様が明確で、成果の検証がしやすく、失敗しても影響が限定されます。4つ目と5つ目は、事故が起きたときの復旧が難しいので、慣れてから受けてください。

見積もりの考え方。ここで赤字になる人が多い

見積もりの話をします。VBAの副業で失敗する原因の大半は、技術ではなく見積もりです。

まず、作業時間の見積もりを3つに分けてください。コードを書く時間、テストする時間、やり取りする時間。初心者はコードを書く時間だけを数えます。実際には、テストとやり取りで同じくらいの時間を使います。

具体的には、コードを書く時間を1としたとき、テストに0.5、やり取りに0.5を足す。合計で2倍です。この比率で見積もれば、大きく外しません。

次に、仕様の確定度合いを確認します。「今のファイルと同じ形式で出力してほしい」という依頼なら仕様は明確です。「見やすくまとめてほしい」という依頼は仕様が決まっていません。後者を固定金額で受けると、修正が無限に続きます。

対策は2段階に分けることです。最初に現状の確認と仕様の整理だけを有償で行う。金額は5,000円から2万円程度。その結果を見て、開発の見積もりを出す。依頼者にとっても予算が読めるので、この提案は嫌がられません。

そして、修正の回数を契約に書いてください。「納品後の修正は2回まで、それ以降は別途見積もり」と明記する。書いていないと、善意で応じ続けて時間単価が半分になります。

もう1つ。データの用途を必ず聞いてください。同じ集計表でも、社内の確認用と、取引先に出す請求の根拠では、要求される精度が違います。後者ならテストの工数を厚く取る必要があります。ここを聞かずに受けて、後から精度の不足を指摘されるのはよくある話です。

案件の探し方。4つの経路を比較する

探し方を比較します。それぞれに向く案件が違います。

仲介サイトは、件数が多く初めての1件を得やすい経路です。一方で、価格の競争が起きやすく、手数料も差し引かれます。実績がゼロの段階では選びにくい選択肢ではありますが、最初の数件で評価を作る場所としては機能します。

業務委託のマッチングサービスや在宅ワークの求人サイトは、継続を前提にした依頼が出やすい経路です。単発の価格競争より、業務を任せられる相手を探している依頼者が集まります。稼働時間の相談もしやすい。

エージェント経由は単価が高い反面、週3日以上の稼働を求められることが多く、本業を持つ段階では選択肢が狭くなります。

そして紹介です。実務では、この経路が最も単価が高くなります。前の職場、取引先、知人の会社。既に信頼があるので、価格の交渉が発生しません。VBAの依頼は社内の困りごとから生まれるので、身近な人から出てくる可能性が高い領域です。

副業の全体の進め方と、本業との並行の順序については副業 メリット: 収入アップ、スキルアップ、そして心の余裕を手に入れる方法に整理があります。働き方そのものを相談する側の仕事に興味があるならキャリア・副業・人生相談のお仕事も見てみてください。

稼働の形について、こういう条件の案件も存在します。

VBAの副業のなかには、土日のみを稼働時間に設定している案件もあります。 副業を始めてまもない人の場合、本業との両立に苦労することがあります。平日に本業の仕事をしている人にとって、土日のみ稼働するという条件は両立しやすさにつながります。 出典: freelance-hub.jp

土日のみという条件が成立するのは、成果物で区切れる依頼だからです。逆に、平日日中の問い合わせ対応が必要な依頼では成立しません。募集文を読むとき、稼働の時間帯が指定されているかを先に確認してください。

初心者が身につける順番と、資格の使い方

スキルの話をします。何から学ぶか、という質問への答えは明確です。

最初に覚えるのは、セルの読み書き、繰り返し、条件分岐、そして別ファイルを開いて閉じる処理です。この4つで、転記と集計の依頼の大半は書けます。配列やクラスは後回しで構いません。

次に、エラー処理です。ファイルがない、シート名が違う、想定外の文字が入っている。実務のデータは必ず汚れています。止まったときに何が起きたかを利用者に伝える仕組みを入れられるかどうかで、納品物の評価が変わります。

そして、コードの読みやすさです。他人が引き継げる形で書く。変数名を意味のあるものにする、処理ごとに手続きを分ける、コメントを残す。引き継ぎの案件で稼げるのは、この力がある人です。

資格については、必須ではありません。ただ、実務経験を外から確かめる手段がない段階では、話を聞いてもらうきっかけになります。試験の範囲と学習の順番はVBAエキスパートにまとまっています。事務職の方が単価を上げる過程での位置づけはVBAエキスパートで事務系副業の単価アップ|Excel自動化案件の始め方に具体的な流れが書かれています。

編集部が取材で見てきた失敗を1つ挙げます。話を伺ったVBA案件の中に、納品後に「動きません」と言われて、原因がExcelのバージョン違いだったというものがありました。作った側の環境では動くのに、依頼者の環境では動かない。これは技術の問題ではなく、事前確認の抜けです。受注時にバージョンと拡張子、ファイルの保存場所の形式を聞く。この3点を最初に確認するだけで、この種のトラブルは消えます。

他のツールとの比較。VBAを選ぶ意味はあるのか

公平に比較します。業務の自動化には、他の選択肢があります。

表計算ソフトの標準機能や、クラウド型の自動化ツールを使えば、コードを書かずに同じことができる場合があります。導入の手間が小さく、担当者が自分で直せるという利点もあります。

Pythonを使えば、データ処理の幅は広がります。外部のライブラリが豊富で、大量のデータも扱いやすい。単価の面でも有利です。

では、なぜVBAの依頼が残るのか。理由は3つあります。

第一に、既存の資産です。すでに動いているマクロが社内にあり、それを直したい依頼が絶えません。作り直すより直すほうが安い。

第二に、環境の制約です。会社のパソコンに新しいソフトを入れられない、外部のサービスにデータを出せない。こういう制約の下では、Excelの中で完結する方法しか選べません。

第三に、利用者の慣れです。担当者がExcelの画面から操作できることに価値があります。別のツールに移すと、使い方の教育が必要になる。

つまり、VBAは「制約の中で動かす技術」として需要があります。この位置づけを理解しておくと、依頼者への提案の仕方が変わります。新しいツールを勧めるべき場面と、Excelの中に留めるべき場面を見分けられる人が、継続して指名されます。

生成AIの普及で、コードを書く作業そのものは速くなりました。ただ、業務の要件を聞き出して仕様に落とす部分は残っています。この周辺の仕事の広がりはAI・マーケティング・セキュリティのお仕事を見ると具体的につかめます。

契約と税金で外さないための注意点

注意点を整理します。金額の話より、こちらのほうが後で効きます。

まず、勤め先の就業規則を確認してください。副業が許可制なら申請してから始める。競業避止の条項があるなら、本業と同業の企業の依頼は避ける必要があるかもしれません。

次に、契約書または発注書を取ることです。作業の範囲、納期、報酬、修正回数、支払期日の5点は必ず書面に残してください。VBAの依頼は個人事業主や小さな会社からの発注が多く、口約束で進みがちです。そこが危ない。

そして、データの取り扱いです。依頼者から受け取ったファイルには、顧客名や取引額が入っていることがあります。作業が終わったら削除する、私用のクラウドに置かない、という運用を決めておいてください。ここを軽く扱うと、一度の事故で信用が消えます。

税金の話もしておきます。給与以外の所得が年間20万円を超えると確定申告が必要です。所得は売上から経費を引いた金額なので、売上だけで判断しないこと。20万円以下の場合でも住民税の申告は必要です。制度の詳細は国税庁の案内で確認できます。実務の手順は副業 確定申告 売上管理 スプレッドシート!2026年最新の時短術にまとまっているので、最初の入金がある前に一度読んでおくと後が楽です。

月3万円を受けたときに手元に残る額を試算する

金額の話を、税と手数料を引いた実額まで出しておきます。数字が具体的だと、受ける量の判断がしやすくなります。

前提は、月に1件、3万円の依頼を受けて年間36万円の売上。経費は技術書と検証用の環境、通信費の業務分を合わせて年6万円とします。この場合の所得は36万円から6万円を引いた30万円です。

まず申告の要否です。給与を1か所から受けていて全額が源泉徴収されている会社員の場合、給与所得と退職所得を除く所得の合計が20万円を超えると確定申告が必要になります。この例は30万円なので該当します。売上の36万円ではなく、経費を引いた30万円で判定する点に注意してください。

次に税額です。所得税の速算表では、課税される所得金額が1,000円から1,949,000円までの部分の税率は5パーセント、控除額は0円とされています。本業の課税所得がこの帯に収まっている人なら、増えた30万円にかかる所得税は1万5,000円です。これに復興特別所得税が基準所得税額の2.1パーセント分だけ加わります。なお令和9年1月1日以後に生ずる所得については、復興特別所得税の税率が1.1パーセントに引き下げられ、防衛特別所得税が併せて源泉徴収される仕組みに変わります。税率の区分は国税庁タックスアンサー No.2260に速算表の形で載っています。

住民税は所得割がおおむね所得の1割で、この例なら3万円前後になります。ただし税率や均等割は自治体ごとに決まるので、住んでいる市区町村の案内で確かめてください。

ここまでを足すと、年36万円の売上から経費6万円と税4万5,000円ほどが出て、手元に残るのは25万円台という計算になります。月あたり2万1,000円ほどです。

さらに、仲介の手数料が20パーセント引かれる経路で受けていた場合は、年36万円から7万2,000円が消えます。税と合わせて11万7,000円。同じ働き方をしていて、手取りが18万円台まで下がります。手数料がかからない経路で受けるかどうかは、この1行の差として効いてきます。

ただし実際の税額は本業の課税所得の帯や各種の控除で変わります。扶養の判定や副業の可否も、金額や勤め先の規則で結論が動きます。自分の場合の金額は税務署か勤め先に確認してください。

帳簿と確定申告で、どの科目にいくら書くか

申告の作業そのものは、記録があれば難しくありません。逆に記録がないと、3月に領収書の山を前にして半日が消えます。

記録する項目は4つだけです。日付、相手の名前、内容、金額。表計算ソフトの1行に収まります。

売上は売上高として記録します。入金された日ではなく、納品して請求できる状態になった日で計上するのが原則です。12月に納品して1月に入金された案件は、前年の売上になります。この1点を知らずに入金日で並べると、年をまたぐ案件で金額がずれます。

経費の書き方を具体例で出します。技術書を3,000円で買ったなら新聞図書費に3,000円。オンライン講座の受講料1万2,000円は研修費。作業用のモニターを2万円で買ったなら消耗品費。ソフトの月額利用料は通信費や支払手数料など、自分で決めた科目に入れます。科目名の正解を探すより、同じ性質の支出を毎回同じ科目に入れ続けることが大事です。

自宅の通信費や電気代は、業務に使った割合の分だけを経費にします。按分の根拠を残しておくのがこつです。たとえば月5,000円の回線で、副業の作業が週8時間、生活全体での使用が週56時間なら、その比率で計算した金額を通信費に入れて、算出の考え方をメモに残す。この一手間があると、後で聞かれたときに説明できます。

青色申告を選ぶ場合、所得金額から55万円を引ける青色申告特別控除があります。要件は事業所得または不動産所得を生ずべき事業を営んでいること、複式簿記で記帳していること、貸借対照表と損益計算書を添付して翌年3月15日の申告期限までに提出することです。これに加えて申告書などをe-Taxで送信するか、仕訳帳と総勘定元帳を優良な電子帳簿の要件で保存すると65万円になります。要件を満たさない場合は10万円です。

ただし、副業の収入が事業所得と雑所得のどちらに当たるかは、規模や継続性の実態で判断が分かれます。青色申告特別控除は事業所得が前提なので、自分の場合にどちらになるかは税務署に確認してから決めてください。ここを自己判断で決めると、後から所得区分ごと否認されることがあります。

受注前に確認する7つの項目

受ける前に聞いておくべきことを、そのまま使える形で並べます。ここを聞かずに着手すると、あとで必ず手戻りが出ます。

1つ目は、Excelのバージョンと拡張子です。会社の環境が古いと使えない機能があります。拡張子がマクロを保存できない形式のままだという場合もあります。

2つ目は、ファイルの置き場所です。共有フォルダか、クラウドの同期フォルダか、個人のパソコンの中か。同期フォルダはファイルのロックで挙動が変わることがあり、想定外の不具合の原因になります。

3つ目は、実際のデータの現物です。サンプルではなく、実務で使っている1か月分をもらってください。表記のゆれ、空行、結合されたセル、全角と半角の混在。この汚れが工数を決めます。

4つ目は、利用者の人数と技術の習熟度です。作った人以外が使うなら、操作の説明とエラー時の案内が必要になります。

5つ目は、処理するデータの量です。1,000行と50万行では作り方が変わります。後から量が増えると分かっているなら、最初から対応しておく必要があります。

6つ目は、納品物の用途です。社内の確認用か、取引先に出す資料か。後者ならテストの工数を厚く取ります。

7つ目は、既存のマクロの有無です。すでにあるなら、その中身を見せてもらってから見積もる。読めない状態のコードが出てくることもあり、その場合は調査の工数を別に立てます。

この7つを最初のやり取りで聞くと、依頼者から「よく分かっている人だ」という評価を得られます。質問の質は、実力の証明になります。

実務で起きやすいトラブル3つ

最後に、起きやすいトラブルを挙げておきます。どれも事前の一手で防げます。

1つ目は、環境の違いによる動作不良です。作った側では動くのに、依頼者の環境では止まる。原因はバージョン、参照設定、フォントや区切り文字の設定などです。防ぎ方は、納品前に依頼者の環境で一緒に動かす時間を取ることです。30分の画面共有で、この種の問題はほぼ消えます。

2つ目は、元データの形が変わることです。運用が始まってから、依頼者側の帳票の列が追加される。これで止まります。防ぎ方は、列を名前で探す作り方にすること、そして「元データの形式が変わった場合の改修は別途」と契約に書いておくことです。

3つ目は、納品後の問い合わせが続くことです。小さな質問が週に何度も来て、無償の対応が積み上がる。これは悪意ではなく、区切りが決まっていないだけです。防ぎ方は、納品時に保守の扱いを決めることです。「納品後1か月は不具合の修正を無償、それ以降と機能追加は別途見積もり」と伝えておく。この一文があるかどうかで、実質の時間単価が変わります。

トラブルが起きたときは、原因の切り分けを先に共有してください。何が起きて、どこまで分かっていて、いつまでに直すか。この3点を早く出す人は、不具合があっても信用を落としません。

市場を長く見てきた立場からの観察

20年この市場を見てきた立場から言うと、VBAの副業で長く続く人には共通点があります。納品物の外側にある「説明」に手を抜かないことです。

具体的には、簡単な操作手順書を付ける。どこを変えれば設定を直せるかをコメントに書く。次に困りそうな箇所を先に伝える。この3つをやる人は、半年後に別の依頼が来ます。逆に、動くものだけを渡す人は1件で終わります。依頼者はプログラムが欲しいのではなく、業務が楽になった状態が欲しいからです。

運営者として見てきた限りでは、続く人ほど単発の作業ではなく「この人に任せると楽だ」という関係づくりに時間を使っています。VBAの依頼は1件が小さいので、毎回新規で集客していると、営業の時間だけで消耗します。同じ相手から2件目3件目が来る状態を作ると、説明の手間が消えて実質の時間単価が上がります。

中間に業者が何段も入る取引では、依頼者が払った金額と受け手に届く金額の差が大きくなります。手数料が乗らない直接の取引なら、同じ予算で依頼者はより多くを頼めて、受け手の手取りは厚くなる。手数料0%の仕組みが効くのは金額の大小ではなく、この手取りの質の部分です。1件3万円の依頼で手数料が20%引かれると6,000円が消えます。件数を積む働き方では、この差が年間で大きくなります。

職種データから読む、VBA副業の伸ばし方

在宅ワークの職種ごとの募集を眺めていると、業務効率化の依頼には特徴があります。求められているのは「コードを書く人」ではなく「業務を整理できる人」だという点です。募集文に、現状の作業手順と困っている点が長く書かれている依頼は、この種類です。

この傾向は、伸ばし方の方向も示しています。技術を深める道と、業務の理解を広げる道の2つがあり、副業として単価を上げやすいのは後者です。具体的には、経理、人事、在庫管理、営業の数値管理といった業務領域の知識を1つ深く持つ。同じVBAの技術でも、業務の言葉で話せる人は見積もりの段階で信頼されます。

書いて伝える力も単価に効きます。手順書や仕様書の質が高い人は、同じ作業でも高い報酬で継続します。文章で対価を得る仕事の相場は著述家,記者,編集者の年収・単価相場にまとまっていますが、技術者が書く文書はこの領域と重なる部分があり、両方できる人は市場で少ないです。

最初の一歩の順番を書いておきます。まず、自分の職場で今やっている手作業を1つ自動化する。次に、その内容を守秘に触れない形で「何を何時間から何分に短縮したか」という形にまとめる。そして、その1件を実績として小さな依頼を1件受ける。

金額の目標は最初の3か月は立てないでください。目標は「1件を納期どおりに終える」だけでいい。1件終えると、見積もりの精度と自分が出せる稼働時間が実測でわかります。その数字が出てから受ける量を決める。この順番を守った人が、1年後も続けています。

よくある質問

Q. VBAの副業は初心者でも受けられますか?

受けられます。ただし依頼の型を選んでください。複数ファイルからの転記と集計、データの整形やチェックのように仕様が明確で検証しやすいものが向きます。逆に既存マクロの引き継ぎや他システムとの連携は、事故が起きたときの復旧が難しいため慣れてから受けてください。学ぶ順番はセルの読み書き、繰り返し、条件分岐、ファイル操作の4つが先です。

Q. VBA案件の単価相場はどのくらいですか?

既存マクロの修正やエラー対応は1件5,000円から2万円程度、集計や転記の自動化をゼロから作る場合は3万円から15万円程度、業務設計を含む改修では20万円以上になることもあります。時間単価に換算すると2,000円から6,000円あたりが中心です。月額100万円という水準は週5日稼働で要件定義まで担う役割の話で、副業の相場ではありません。

Q. 見積もりで赤字にならないコツはありますか?

作業時間をコードを書く時間、テストする時間、やり取りする時間の3つに分けて数えてください。コードを書く時間を1とすると合計は2倍になります。仕様が曖昧な依頼は、現状確認と仕様整理だけを先に有償で行い、その結果で開発の見積もりを出す2段階に分けます。修正回数の上限も契約に明記してください。

Q. 土日だけの稼働でVBAの副業は成立しますか?

成立します。成果物で区切れる依頼であれば、土日のみを稼働時間に設定した案件も存在します。一方で平日日中の問い合わせ対応が必要な依頼では成立しません。募集文を読む段階で稼働の時間帯が指定されているかを確認し、指定がなければ応募時に自分の稼働可能な時間帯を明記して提案してください。

この記事について

@SOHO
編集部

監修:@SOHO編集部

2004年よりフリーランス・在宅ワーク向けサービスを20年運営。編集部が事実確認のうえ公開しています。

公開:2026年7月17日最終更新:2026年9月21日
朝比奈 蒼

この記事を書いた人

朝比奈 蒼@SOHO編集部

ITメディア編集者

IT系メディアで編集・ライティングを担当。クラウドソーシング業界の動向やサービス比較など、客観的な視点での記事を執筆しています。

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