自分で青色申告は難しくない!会計ソフトを活用して税理士費用を節約


この記事のポイント
- ✓自分で青色申告する手順を
- ✓会計ソフトの活用法とあわせて解説
- ✓freee・マネーフォワード・弥生会計の選び方から確定申告書の作成・e-Tax提出までを実体験ベースでまとめました
フリーランスや副業で収入が増えてくると、避けて通れないのが確定申告です。なかでも青色申告は「難しそう」「税理士に頼むしかない」と思われがちですが、クラウド会計ソフトが普及した今、自分で青色申告するハードルは大きく下がっています。本記事では、会計知識ゼロの人が青色申告を自力で終わらせるまでの手順を、会計ソフトの選び方を含めて実務的に整理します。
青色申告と白色申告の違い
確定申告には青色申告と白色申告の2種類があります。青色申告には最大65万円の特別控除があり、節税メリットが圧倒的に大きいのが特徴です。
青色申告のメリット
- 青色申告特別控除: 複式簿記+e-Tax申告で最大65万円、単式簿記で10万円
- 赤字の繰越控除: 3年間、翌年以降の黒字と相殺可能
- 青色事業専従者給与: 家族への給与を経費にできる
- 30万円未満の資産の一括経費化: 通常減価償却する資産を即時経費化
白色申告のメリット
- 帳簿付けが単式簿記で済む(簡単)
- 事前の承認申請が不要
現在はクラウド会計ソフトで複式簿記を自動化できるため、青色申告の手間は白色とほぼ同じまで縮まっています。65万円の控除を捨てる合理的な理由はほぼありません。
青色申告者は、正規の簿記の原則(一般的には複式簿記)により記帳している場合、青色申告特別控除として最高55万円を差し引くことができ、e-Taxによる申告等の要件を満たせばさらに10万円(最高65万円)の控除を受けられる。
青色申告を始める事前準備
青色申告を受けるには、事前に税務署への届出が必要です。
1. 開業届の提出
「個人事業の開業・廃業等届出書」を開業から1ヶ月以内に税務署に提出します。e-Taxで自宅から完結でき、費用は無料です。会社員が副業で開業する場合も同じ手続きで問題ありません。会社バレが心配な人は開業届会社にバレるって本当?副業フリーランスが知るべき住民税の対策を参照してください。
2. 青色申告承認申請書の提出
開業から2ヶ月以内、または青色申告したい年の3月15日までに「青色申告承認申請書」を提出します。提出が遅れるとその年分は白色申告になるため、開業届と同時に出すのが定番です。
3. マイナンバーカードの取得
e-Tax申告で65万円控除を取るには、マイナンバーカードによる電子署名が必要です(もしくは税務署発行のID・パスワード方式)。未取得なら早めに申請しておきましょう。
クラウド会計ソフトの選び方
自分で青色申告する上で、会計ソフトは必須です。代表的な3サービスを比較します。
freee会計
帳簿の知識がほぼゼロでも使える「質問に答えるだけ」のUIが特徴。月額1,480円〜(スタンダード年払い)。銀行口座・クレジットカード連携が強力で、仕訳の自動化レベルが最も高いです。初心者向き。
マネーフォワード クラウド確定申告
既存の簿記知識がある人に向いています。他のマネーフォワード家計簿サービスとの連携が強く、個人の家計と事業を分けて管理したい人に好評です。月額1,280円〜(パーソナル年払い)。
やよいの青色申告 オンライン
老舗の弥生シリーズのクラウド版。初年度無料キャンペーンが有名で、2年目以降は月額880円〜(ベーシック年払い)と最安水準。サポートの充実度が評価されています。
選び方の目安
- 簿記知識ゼロ、副業で月10万円規模なら freee
- 既に家計簿アプリを使っている・簿記の基礎を知っているなら マネーフォワード
- 初年度無料で試したい・コスト重視なら やよいの青色申告オンライン
どのソフトも基本機能は同じ品質です。無料体験期間で実際に使ってみてから決めるのが一番確実です。
日常の記帳を「自動化」する仕組み
自分で青色申告を完結させるコツは、日々の記帳を自動化することです。
1. 銀行口座・クレジットカードの連携
会計ソフトに事業用口座・クレジットカードを連携させると、入出金が自動で取り込まれ、仕訳候補が提案されます。事業専用の口座とカードを分けるのが効率化の最重要ポイントです。
2. レシートのスマホ撮影
freeeやマネーフォワードはスマホアプリでレシートを撮影すれば、OCRで日付・金額・店名を自動入力できます。現金払いの経費もストレスなく記帳できます。
3. 請求書発行機能の活用
請求書を会計ソフト内で発行すれば、売上も自動で仕訳されます。請求→入金まで一気通貫で記帳の漏れが防げます。
4. 家事按分の設定
自宅で作業している場合、家賃・光熱費・通信費の一部を家事按分で経費にできます。「事業使用割合」を設定すれば自動で按分された金額が経費として計上されます。
よく経費にできるもの・できないもの
副業・フリーランスで経費になる項目を整理します。
経費にできるもの
- PC・スマホ・周辺機器(10万円未満は一括経費、30万円未満は青色申告の特例で一括経費化)
- 通信費(インターネット・携帯)の事業按分
- 書籍・オンライン講座などの学習費
- ソフトウェア・SaaSの月額利用料
- 取引先との打ち合わせ食事代・会議室費
- 業務用の家賃・水道光熱費の事業按分
- 業務に関連する交通費
- 業務用の消耗品(文房具・プリンター用紙等)
経費にできないもの
- 自分の給与(個人事業主は経費にできない)
- 個人的な食事・衣服費
- 家族旅行・個人の娯楽費
- 事業と無関係な書籍・DVD
グレーゾーンの扱い
カフェでの作業代・書籍代などは「事業との関連性」を説明できれば経費に計上可能です。税務調査対策として、レシートに用途をメモしておくと安心です。
確定申告書の作成と提出
帳簿ができたら、確定申告書を作成して提出します。
1. 会計ソフトで確定申告書を作成
freee・マネーフォワード・弥生会計とも、日々の記帳データから青色申告決算書・確定申告書を自動生成できます。画面の指示に従って入力するだけで、B票・第二表・青色申告決算書(損益計算書・貸借対照表)まで完成します。
2. e-Taxで電子申告
マイナンバーカードとICカードリーダー(またはスマホ認証)を使って、オンライン提出。65万円控除はe-Tax申告が必須条件です。
3. 提出期限
確定申告期間は毎年2月16日〜3月15日。e-Taxなら24時間受付で、深夜や土日でも提出可能です。
4. 税金の納付・還付
所得税の納付は銀行・コンビニ・口座振替・ダイレクト納付・クレジットカード納付など多様な方法があります。還付がある場合は申告から1〜1.5ヶ月後に指定口座に振り込まれます。
税理士に頼むべきタイミング
自分で青色申告できるとはいえ、税理士が必要になるケースもあります。
税理士を頼むのが合理的なケース
- 売上が1,000万円を超えて消費税の課税事業者になった
- 法人化を検討している
- 国外取引・不動産収入・株式譲渡など複雑な収入がある
- 税務調査の対応が必要になった
自分でやった方がいいケース
- 売上1,000万円以下のフリーランス・副業
- 取引先が国内個人・法人のみ
- 経費の種類が単純
税理士費用は年間10〜30万円が相場です。自分で申告できる規模のうちは、その費用を事業投資に回す方が合理的です。
スキルアップで単価と売上を伸ばす
青色申告で節税した分を、スキルアップに投資するとさらに所得が伸びます。
スキル別の単価相場
ソフトウェア作成者の年収・単価相場、著述家,記者,編集者の年収・単価相場を参考に、自分の時給換算を把握して単価交渉の基準にしましょう。
成長分野での経験
AIコンサル・業務活用支援のお仕事・AI・マーケティング・セキュリティのお仕事・アプリケーション開発のお仕事などAI・IT分野は単価が上がりやすい領域です。
資格取得
ビジネス文書検定やCCNA(シスコ技術者認定)など、汎用資格を持つことで信頼度と単価が上がります。
案件獲得チャネル
クラウドソーシングの案件を探すから始めて、継続案件を育てるのが定番。初めて案件を受ける際の契約書知識は秘密保持契約とは?フリーランスが案件受注前に確認すべき3つの注意点でまとめています。
公的機関・関連参考情報
本記事の内容に関連する公的機関や信頼できる情報源は以下の通りです。最新情報は公式サイトで確認してください。
まとめ
自分で青色申告は決して難しくありません。開業届+青色申告承認申請書の提出、クラウド会計ソフトの導入、日常の仕訳自動化、e-Taxでの提出。この4ステップで65万円の特別控除が取れます。税理士費用を年間10〜30万円節約できるうえ、会計の基本を自分で把握できるメリットも大きいです。副業で月10万円以上の収入が安定してきたら、白色より青色、税理士より自分、を選ぶ方が合理的。会計ソフトを使いこなす習慣を早めに作り、その分の時間とコストを本業や副業のスキルアップに回しましょう。
よくある質問
Q. 簿記の知識がなくても青色申告できますか?
できます。freee・マネーフォワードなどのクラウド会計ソフトは、簿記の知識がなくても「質問に答える形式」で仕訳が完成するUIを提供しています。必要な知識は経費にできる項目の判断と家事按分の考え方くらいで、あとはソフトが計算してくれます。
Q. 青色申告特別控除は必ず65万円取れますか?
複式簿記での記帳とe-Tax申告の両方を満たすと65万円控除です。e-Tax申告ではなく紙で提出すると55万円に減額されます。単式簿記(簡易簿記)の場合は10万円控除です。会計ソフトを使えば複式簿記は自動なので、e-Tax申告と合わせて65万円を取るのが標準です。
Q. 開業届を出していない年は青色申告できませんか?
青色申告承認申請書を提出していない年は青色申告できません。開業届と青色申告承認申請書は別の書類で、後者を提出してはじめて青色申告が適用されます。開業から2ヶ月以内、または青色申告したい年の3月15日までに提出する必要があります。
Q. 会計ソフトの無料プランで足りますか?
売上が少ない段階では無料プランでも最低限の帳簿付けは可能ですが、青色申告決算書の作成には有料プランが必要なサービスが多いです。年間1万円前後の投資で、年間10〜30万円の税理士費用を節約できると考えると、有料プランが合理的な選択です。
Q. 副業で青色申告する場合、本業の年末調整と別に申告するのですか?
副業分を含めた所得全体について確定申告する形になります。本業で年末調整された給与も、確定申告書に給与所得として記入します。本業の源泉徴収票を1月頃に受け取ったら、確定申告書作成時にその内容を入力する流れです。年末調整と確定申告の両方で控除を重複申告しないよう注意しましょう。

この記事を書いた人
前田 壮一
元メーカー管理職・43歳でフリーランス転身
大手電機メーカーで品質管理を20年間担当した後、42歳でフリーランスに転身。中高年のキャリアチェンジや副業の始め方を、自身の経験をもとに発信しています。
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