看護師平均年収2026年最新データ!年齢・都道府県・施設形態別の格差を暴露

中西 直美
中西 直美
看護師平均年収2026年最新データ!年齢・都道府県・施設形態別の格差を暴露

この記事のポイント

  • 看護師平均年収の2026年最新データを徹底解説
  • 年齢別・都道府県別・施設形態別の格差
  • 年収アップの具体的な方法まで

「看護師の年収って、世間で言われているほど高くないですよね…?」というご相談、私のところにとても多く寄せられます。夜勤に追われて家には寝に帰るだけ、給与明細を見ても「これだけ働いてこの額?」と肩を落とす方。あなたは一人じゃありません。「看護師平均年収」と検索された背景には、きっと「自分の給料は適正なのか」「他の職場に移ったらもっともらえるのか」「このまま続けて将来の見通しが立つのか」という、切実な迷いがあるはずです。

この記事では、厚生労働省や民間調査の客観的なデータをもとに、看護師の年収を「年齢」「地域」「施設」「夜勤の有無」など、複数の切り口でできる限り丁寧にひもときます。読み終わるころには、ご自身の年収が市場の中でどのあたりに位置しているのか、そして今後どんな選択肢があるのかが、すっと整理されているはずです。大丈夫、データはちゃんと味方になってくれます。

看護師平均年収のマクロ視点|2026年の最新相場

まずは全体像から押さえましょう。厚生労働省「令和7年賃金構造基本統計調査」をベースにした最新の集計では、看護師(正看護師)の平均年収は約524万円、平均月収は約36万円、平均年齢は42.1歳とされています。額面ベースですので、ここから税金や社会保険料が引かれた手取りは、年間およそ394万〜420万円、月の手取りは26万〜28万円が一般的な水準です。

厚生労働省の「令和7年賃金構造基本統計調査」によると、看護師の平均年収は524万7200円(平均年齢42.1歳)です。

国税庁の民間給与実態統計調査による日本全体の平均年収は約460万円ですので、数字だけ見ると看護師は約60万円ほど高水準です。ただし、ここには大きな落とし穴があります。それは「夜勤手当」「特殊勤務手当」「時間外手当」が年収を底上げしている構造です。基本給だけを比べると、同年代の事務職や教員と大差ない、もしくは下回るケースも珍しくありません。

私のところには「夜勤を外したら手取りが7万円下がりました」というご相談も少なくありません。看護師の年収は「夜勤と残業で作られている」面が確かにあり、そこに身体的な負担が乗っていることは、客観データを見ただけでは伝わらない部分です。年収の数字だけを比べて「高い・安い」と判断するのではなく、内訳のどこから来ているお金なのかを見ることが、納得感のあるキャリア選択につながります。

なお、「看護師の平均年収500万円超え」という話は数年前からあまり変動していません。診療報酬の改定や処遇改善加算で名目年収は少しずつ上がっていますが、物価上昇や社会保険料の負担増を加味すると、実質的な手取りはむしろ厳しくなったと感じる方も多いはずです。「自分の感覚が間違っているのでは」と不安になっている方、その感覚は数字の上でも裏付けられていますので、安心してください。

看護師平均年収の内訳|基本給・賞与・各種手当の中身

年収524万円という数字を、もう少し細かく分解してみましょう。一般的な内訳は次のような構成になります。

項目 年間目安 月換算 構成比
基本給 約290万円 約24万円 約55%
夜勤手当 約45万円 約3.7万円 約9%
各種手当(住宅・通勤・職務等) 約50万円 約4.2万円 約10%
時間外・休日手当 約45万円 約3.7万円 約8%
賞与(ボーナス) 約90万円 約17%
合計 約520万円 約36万円 100%

※施設や地域、夜勤回数によって変動します

注目していただきたいのは、基本給は年収の55%程度にとどまり、残り45%は手当と賞与で構成されているという点です。賞与は基本給連動が一般的ですので、基本給の低い職場は、結局のところ年収も伸び悩みます。

夜勤手当は、二交替制で1回あたり10,000〜13,000円、三交替制で深夜勤4,500〜6,000円・準夜勤3,500〜5,000円が相場です。月に夜勤4回入ると、二交替制で月4〜5万円、年間で50万〜60万円程度の差が出ます。逆に言えば、夜勤に入れる回数が減るタイミング(妊娠・子育て・体調変化・年齢)で、年収は確実に下がる構造になっています。

時間外手当については、現場の実感として「実労働時間より少なめに申請している」というケースが残念ながら少なくありません。「サービス残業」が常態化しやすい職場ほど、額面年収と実労働時間の乖離が大きくなります。年収を比較するときは、月の所定外労働時間が何時間ぶら下がっているのかも同時に見るようにすると、誤差の少ない比較ができます。

賞与は、医療機関の経営状況や設置主体によって大きく異なります。国公立病院や大学病院は4.0〜4.5カ月分が一般的ですが、民間中小病院では2.5〜3.5カ月分にとどまることもあります。賞与1カ月分の差は、基本給24万円のケースで年間24万円の年収差として効いてきますので、転職時の比較項目として軽視できません。

年代別の看護師平均年収|20代から60代までの推移

次に、年齢ごとの推移を見ていきましょう。看護師の年収カーブには、他職種と少し違う特徴があります。

年代 平均年収の目安 特徴
20〜24歳 約440万円 新人〜2年目。夜勤に入り始めて急上昇
25〜29歳 約480万円 主力世代。夜勤回数も多い
30〜34歳 約500万円 プリセプター・リーダー業務
35〜39歳 約520万円 主任クラスへの登用が始まる
40〜44歳 約540万円 中堅。役職手当の比重が増す
45〜49歳 約560万円 師長候補。管理職転換期
50〜54歳 約580万円 年収ピーク。管理職割合が高い
55〜59歳 約570万円 微減。役職定年の影響も
60〜64歳 約430万円 再雇用・継続雇用で大きく下がる

看護師の平均年収は20代前半の約440万円からスタートして、50代前半の約580万円でピークとなっています。

注目したいのは、20代と50代の差が約140万円と、一般的な企業と比べると意外と差が小さいことです。製造業や金融業では、20代と50代でしばしば年収が2倍近く開きますが、看護師の場合は資格職ゆえに新人の段階から比較的高めにスタートし、その後は緩やかに伸びていく形になります。

「30代になっても給料があまり伸びない」と感じる方は、それはあなたのキャリア選択が悪いわけではなく、看護師の給与構造そのものがそうなっている、ということです。基本給は年功的に少しずつ上がりますが、大幅な年収アップを狙うためには、役職に就く・専門資格を取る・施設を移る・働き方を変える、のいずれかが必要になります。

60代で年収が大きく下がるのは、定年後の再雇用契約に切り替わるためです。とはいえ、看護師は60歳以降も働き続けられる現場が圧倒的に多く、訪問看護や健診センター、介護施設などで第二のキャリアを築く方も増えています。「働き続けられる」という点では、他の職種と比べてかなり恵まれた職業と言えます。

都道府県別の看護師平均年収|地域差はどれくらいあるのか

地域による格差も、看護師年収を語るうえで外せないテーマです。同じ「看護師」でも、勤務地によって年収は最大100万円以上変わります。

地域区分 平均年収の目安 傾向
首都圏(東京・神奈川・千葉・埼玉) 約540〜560万円 大学病院・大規模病院が集中
関西圏(大阪・京都・兵庫) 約510〜540万円 民間中堅病院が多い
中京圏(愛知・岐阜・三重) 約510〜530万円 製造業圏で給与水準も中位
政令市・県庁所在地 約500〜530万円 地方の中心都市は安定
地方郡部・町村部 約430〜480万円 中小病院・介護施設中心

東京都・神奈川県は全国でも上位常連で、平均年収550万円超のエリアが多くあります。一方、四国や九州の一部、東北の郡部では、平均が450万円前後にとどまる地域もあります。同じ業務内容、同じ夜勤回数でも、これだけ違うわけです。

ただし、額面の高い地域は家賃や生活費も高くなります。東京で年収560万円、地方で年収460万円であっても、家賃差で年100万円以上違うことは珍しくありません。「可処分所得」で比較すると、地方の方が手元に残るお金は多くなるケースもあります。

「年収を上げたいから都心に移る」という選択は確かに有力ですが、生活コストとセットで考えないと意外と手元には残らないものです。同じ理由で、転職サイトの「平均年収◯万円」という数字は地域差を平均で薄めていますので、自分の住むエリア・通える範囲のリアルな相場を、複数の求人を見て肌感覚でつかむことをおすすめします。

地域別の市場感覚は、看護師に限った話ではありません。例えばソフトウェア作成者の年収・単価相場を眺めてみると、IT系も首都圏と地方では大きな差があることが分かります。職種を問わず、年収を語るうえで「地域」は無視できない変数です。

施設形態別の看護師平均年収|どこで働くかで給料はこんなに違う

「同じ看護師なのに、なんであの人の方が年収が高いの?」というご相談、本当に多いです。これは多くの場合、施設形態の違いに起因しています。

施設形態 年収の目安 特徴
大学病院 約530〜600万円 基本給高め・賞与厚め・教育充実
公立病院(市立・県立) 約530〜620万円 公務員待遇・退職金充実・夜勤多め
国立病院機構 約510〜580万円 安定。準公務員的待遇
大規模民間病院(500床以上) 約500〜570万円 救急・専門医療で手当多い
中小民間病院 約450〜510万円 賞与は施設の経営に依存
クリニック・診療所 約400〜470万円 夜勤なし・残業少・年収は低め
訪問看護ステーション 約450〜550万円 オンコール手当でブースト可
介護施設・老健 約430〜490万円 医療行為少なく身体負担小
健診センター・人間ドック 約400〜460万円 日勤のみ・暦通り休めるが年収低め
産業看護師(企業内) 約450〜600万円 求人少だが日勤・土日休で人気

「年収だけで見ると公立病院・大学病院が強い」のは確かです。ただし、これはあくまで「夜勤あり・残業あり」が前提の数字であり、ライフステージによっては身体が悲鳴を上げるバランスにもなります。

逆に「クリニック・健診センター・産業看護師」は、年収こそ落ちるものの、夜勤なし・カレンダー通りの休みが取れる職場が多く、子育て世代や体力的に夜勤が辛くなってきた方の受け皿になっています。「年収100万円下がるけれど、家族との時間と健康が戻ってきた」という選択は、決して負けの選択ではありません。

訪問看護は、ここ数年で給与水準が上がっている領域です。オンコール手当が1回3,000〜5,000円、対応に出た場合の出動手当が別途5,000〜10,000円つくところもあり、夜勤がない代わりにオンコールで稼ぐスタイルが成立します。在宅医療の市場が伸びている領域ですので、今後も給与水準は緩やかに上昇していくと見られます。

産業看護師(企業内の保健師・看護師)は、日勤・土日祝休みで年収500万円超を狙える稀少なポジションです。求人数が極端に少ないこと、産業保健の知識や保健師資格が求められるケースが多いことから、希望者は多いのに席は限られているのが現状です。長期的に狙うなら、保健師資格の取得や産業保健領域の経験を意識的に積んでいくことが必要になります。

夜勤手当の現実|看護師平均年収を支える「身体を売る」収入源

ここからは少し踏み込んで、夜勤手当の実態について書きます。私のところに来るご相談で、感情の起伏がいちばん大きいのが、この夜勤の話題です。

二交替制の夜勤は、16時間〜17時間の長時間勤務です。1回入ると11,000円前後の手当がつきますが、これを時給換算すると700円弱にしかなりません。基本給を時給換算した分(1,500円前後)と合算すれば「夜勤の方が時給は高い」という建前にはなりますが、生活リズムが壊れる代償としては、決して割の良い対価とは言えません。

三交替制は、深夜勤・準夜勤を組み合わせる方式です。深夜勤手当が5,000円、準夜勤が4,000円程度。月に深夜4回・準夜4回入ると、夜勤手当だけで月3万6,000円ほどが乗ります。ただし、生活リズムは二交替制以上に乱れやすく、慢性疲労や不眠を訴える方が後を絶ちません。

看護師は「年収が高い」というイメージを持たれがちですが、実際の年収・給料はどのくらいなのでしょうか?「看護師の給料」をまるごと解説します!

実は、私のところに駆け込んでくる看護師さんの多くが、最初に話してくれる悩みは「お金」ではありません。「眠れないんです」「夜勤明けの帰り道、信号が赤か青か分からなくなることがあります」「子どもの行事の前日に夜勤が入って毎回泣いている」。お金の話の奥に、健康と生活の話が必ずあります。

年収を維持するために夜勤を続けるのか、年収を一段落として日勤に切り替えるのか。この判断は、計算機を叩いて決められるものではありません。ご自身の体調、家族との関係、5年後・10年後にどう働いていたいか。そういう個別の事情の中で、データを「材料」として使ってほしいのです。

私自身、産業カウンセラーとしてフリーランスになる前は、組織の中で深夜まで働く生活を10年以上続けていました。「年収が下がるくらいなら倒れたほうがマシ」と思っていた時期もあります。倒れて初めて、年収より大切なものに気づきました。看護師さんの夜勤も、ぜひご自身の身体の声と一度向き合ってから判断してほしいと、強く思います。

看護師平均年収を上げるための具体的な方法

ここからは、年収を上げたい方に向けて、現実的に有効な選択肢を整理します。

1. 専門資格・認定資格を取る

専門看護師(CNS)、認定看護師、特定行為研修修了者などの上位資格を取ると、資格手当として月10,000〜30,000円、年間で12万〜36万円の年収アップが見込めます。さらに、これらの資格保有者は、転職市場での評価が一段上がりますので、転職時の交渉力も上がります。

認定看護師は19分野(感染管理、緩和ケア、皮膚・排泄ケア、糖尿病看護など)に分かれており、自身の興味と勤務先の需要が合致する分野を選ぶのがポイントです。専門看護師は大学院修士課程の修了が必要で、ハードルは高めですが、取得後のキャリアの幅は大きく広がります。

2. 役職に就く・管理職を目指す

主任、副師長、師長、看護部長と階段を上がっていくと、役職手当が積み上がっていきます。師長クラスで年収600万〜700万円、看護部長で700万〜900万円が一般的な相場です。ただし、夜勤を外れて日勤管理業務に移行することも多く、夜勤手当が消える分、額面が思ったほど跳ねないケースもあります。

3. 高年収の施設に転職する

同じ看護師でも、施設を変えるだけで年収が50万〜100万円変わることは普通にあります。特に、中小民間病院から大学病院や公立病院に移れた場合、賞与の月数差だけで年収50万円が乗ることも珍しくありません。

ただし、転職には移動コストとリスクが伴います。「給与」「夜勤回数」「教育体制」「人間関係」「通勤距離」のうち、何を優先するのかを事前に整理しておくと、転職後の後悔が減ります。

4. 派遣・応援・スポット夜勤

常勤としての年収を維持しつつ、副業として単発の夜勤やイベント救護に入る選択もあります。スポット夜勤は1回25,000〜35,000円と、常勤の夜勤手当より高い設定が一般的です。ただし、勤務先の就業規則で副業が禁止されていないかは必ず確認してください。

5. 給与水準の高い地域に移る

すでに見たように、首都圏と地方郡部では年収が100万円以上違うこともあります。家賃などの生活コストとセットで考える必要はあるものの、独身や転居可能な状況であれば、エリアを変えるだけで年収アップする選択肢は十分に有効です。

6. 看護師以外の収入源を持つ(在宅副業)

近年、看護師さんの中で増えているのが、看護師の知識を活かした在宅副業です。医療系記事の執筆、看護学生向け教材の制作、医療系SaaSのアドバイザリー、健康相談チャットボットの監修など、夜勤明けや非番の日に取り組めるリモートワークの選択肢は年々広がっています。

例えば、医療経験を活かした記事執筆は1文字2〜5円の単価で受注しやすく、月10時間程度の作業で月数万円の副収入になります。詳しくは著述家,記者,編集者の年収・単価相場でライティング全般の相場が確認できますので、参考にしてください。

文章を書くお仕事に取り組まれる場合、ビジネス文書の基礎力があると単価交渉でも有利になります。文書作成スキルを体系的に整理する目的でビジネス文書検定を学ぶ方もいます。

副業に集中する時間を確保したい方には、在宅ワークの集中力アップ|ポモドーロ以外に効く7つのテクニックで紹介されている集中術が役立ちます。短時間で密度を上げる工夫を取り入れると、夜勤明けでも無理なく副業時間を捻出できます。

また、副業を始める前に「在宅でどんな仕事があるのか」を眺めておきたい方には、在宅ワークの求人の探し方5選|初心者でも安心な方法と注意点を徹底解説が入口になります。夜勤シフトを抱える看護師さんの場合、求人を吟味する時間自体が貴重ですので、効率的な探し方を押さえておくと安心です。

看護師の年収は本当に高いのか|他職種との比較で見えてくる真実

「看護師は給料が高い」という世間のイメージは、いまも根強く残っています。実際にどうなのか、他職種と並べてみましょう。

職種 平均年収の目安 平均年齢
看護師 約524万円 約42歳
准看護師 約430万円 約49歳
保健師 約490万円 約40歳
助産師 約580万円 約39歳
薬剤師 約580万円 約41歳
理学療法士 約430万円 約34歳
作業療法士 約430万円 約34歳
臨床検査技師 約480万円 約40歳
医療事務 約340万円 約38歳
介護福祉士 約370万円 約44歳
一般事務(女性) 約340万円 約43歳
大学卒新入社員(全産業) 約240万円 約23歳

看護師は確かに、医療系の中でも上位グループに入ります。ただし、これは「夜勤と残業を含めた年収」であり、純粋な基本給ベースで並べると、薬剤師や臨床検査技師との差はぐっと縮まります。

令和6年の看護師平均年収は519万円であり、一般的に年収1,000万円を超えるのはかなり難しいと言えます。

看護師の生涯年収は、22歳から60歳まで働いた場合で約2億2,000万円と試算されます。大卒の女性平均がおよそ2億円弱、大卒の男性平均が2億7,000万円ほどですので、女性正社員の中ではかなり上位、男性平均には届かないという位置にいることが分かります。

「割に合わない」と感じる看護師さんが多いのは、年収の絶対額の問題というより、責任の重さ・労働時間・心理的負荷・キャリアの中断リスクなど、複合的な要因が背景にあります。年収という1つの指標だけで「割に合うかどうか」を判断するのは、実はとても難しいテーマです。

看護師から異なるキャリアへ|離職時に検討すべき選択肢

「もう看護師を続けるのは限界かもしれない」というご相談も、年々増えています。看護師資格は強力な武器ですが、夜勤や責任の重さで体力的・精神的に限界を感じる時期は、誰にでも訪れる可能性があります。

完全に看護師を辞める前に、検討の余地があるのが「資格と経験を活かした働き方の変更」です。

  • 訪問看護:夜勤なし、利用者と1対1で関わる、医療と生活の両面に深く関わる
  • 健診センター:日勤のみ、暦通り休める、緊急対応が少ない
  • 治験コーディネーター(CRC):医療知識を活かしてオフィスワークに移行
  • 産業看護師:企業の健康管理室、保健指導、メンタルヘルス対応
  • 医療系ライター・編集者:在宅で看護師知識を文章化する仕事
  • 看護学校教員:臨床経験を後進指導に還元

加えて、フルタイムの会社員的な看護師勤務を一旦離れて、フリーランス的な働き方に切り替えるという選択肢も、いまの時代は現実的になってきました。例えば、医療AIスタートアップのアドバイザリーや、看護師向け教育コンテンツの制作、医療系プロダクトのレビュー業務など、医療知識をベースにしたコンサル的な業務は、AI関連分野での需要が伸びています。

たとえば、AIコンサル・業務活用支援のお仕事では、業務プロセスや専門知識を持つ人材が、企業のAI導入を伴走する案件が増えています。医療現場でのオペレーション設計や、業務の言語化スキルは、こうした分野でも十分に活かせます。さらに広い視野で見たい方には、AI・マーケティング・セキュリティのお仕事もチェックしておくと、領域横断のキャリアパスが見えてきます。

「自分は医療しか分からない」と感じている方ほど、実は外の世界から見れば「医療×●●」という掛け算のレア人材です。看護師の経験は、業種を変えてもしっかり評価されますので、安心してキャリアの幅を広げる選択肢を検討してください。

在宅勤務に移行する場合、生活リズムを整える工夫も大切です。在宅ワーク主婦の1日のタイムスケジュール公開では、家事と仕事のバランスを取りながら稼ぐ方の1日が紹介されています。看護師の不規則な勤務から在宅勤務に移行するときの参考に、ぜひ目を通してみてください。

看護師年収のよくある誤解とその修正

最後に、看護師の年収まわりでよく耳にする誤解を、データで修正しておきます。

誤解1:看護師は誰でも年収500万円超え

実際には、新人看護師の年収は350万〜400万円程度からスタートし、夜勤回数が増える2〜3年目で450万〜480万円に到達するのが一般的な流れです。1年目から500万円超えするのは、一部の大学病院や大規模公立病院に限られます。

誤解2:夜勤を増やせば青天井に稼げる

夜勤回数には、労働基準法および「看護師の夜勤・交代制勤務に関するガイドライン」による上限の目安があります。月8回以内が推奨されており、これを超える夜勤は身体・精神に深刻な負担を与えます。年収アップを夜勤回数だけで実現するのは、健康面・法令面ともに難しい構造です。

誤解3:地方の方が看護師は不足しているから給与が高い

実際は逆のケースが大半です。地方は中小病院や介護施設が多く、診療報酬の構造上、給与原資が限られています。「人手不足だから給与が高い」という単純な構図にはなっておらず、需給バランス以上に「設置主体」と「診療報酬の入り方」が年収を決めています。

誤解4:転職を繰り返すと給料が上がる

これも単純化しすぎたイメージです。看護師の場合、転職は同水準の施設間では年収が大きく動きません。年収アップする転職は「下位施設→上位施設」「日勤のみ→夜勤あり」「無資格→専門資格保有」のように、何かしらの条件変化を伴う転職です。漫然と職場を変えるだけでは、年収はほぼ横ばいになります。

誤解5:男性看護師の方が稼げる

確かに、男性看護師の平均年収は女性看護師より約20万〜40万円高い傾向があります。ただし、これは「男性の方が夜勤回数が多い」「ICUや精神科病棟など加算手当の多い部署に配属されやすい」といった構造的な背景による差であり、同条件で比較すれば男女差はほぼ縮まります。

アプリケーション開発のお仕事のようなIT領域でも同じ構造があり、年収差は「性別」ではなく「職務内容」「経験年数」「専門性」で決まるのが基本です。看護師の世界も例外ではありません。

  • 医療系記事のライティング(1文字2〜5円)
  • 医療系SaaSのカスタマーサクセス・アドバイザリー
  • オンライン健康相談・チャットボット監修
  • 医療事務代行(請求業務・カルテ確認業務)
  • 看護学生向け教材・問題集の編集
  • 医療系セミナーの企画運営サポート

特に「医療×文章」の領域は、AIによる執筆支援ツールが普及した現在も、医療知識を持つ人間による事実確認・監修ニーズは衰えていません。むしろ、生成AIの誤情報リスクが社会的に問題視される中で、医療系コンテンツの監修者としての看護師の市場価値は上昇しています。

また、これらの仕事は時間的拘束が少なく、夜勤の合間や休日に取り組めることが大きな特徴です。本業の看護師としての年収を維持しながら、年収全体を底上げする手段として、副業・複業の選択肢を検討する看護師さんは確実に増えています。

長期的に見ると、医療×ITの掛け算ができる人材は、医療現場の業務効率化・電子カルテ運用・診療支援AIの導入支援など、企業側からの需要が今後さらに増えると見られています。看護師としての臨床知識を、現場の中だけでなく、医療業界全体に還元する働き方は、これからの数年で確実に存在感を増していくはずです。

「夜勤で身体を削って年収を維持する」モデル一辺倒だった看護師のキャリアが、「臨床×知識資産×リモート」という新しい組み合わせで再構築されつつあります。年収524万円という数字を、ご自身の働き方の出発点として、どう積み上げていくか。複数の選択肢の中から、ご自身の心と身体が一番納得するものを選んでいただければと思います。

公的機関・関連参考情報

本記事の内容に関連する公的機関や信頼できる情報源は以下の通りです。最新情報は公式サイトで確認してください。

よくある質問

Q. 看護師として給与をさらに上げるための具体的な方法はありますか?

認定看護師や専門看護師などの資格取得による手当アップのほか、夜勤回数を増やす、あるいは都市部の大規模病院や救急医療センターへの転職が有効です。また、特定の地域で短期間働く「トラベルナース」は高単価な案件が多く、月収50万円以上を狙える場合もあります。自分のライフスタイルに合わせて、最も稼げるフェーズや施設形態を戦略的に選ぶのがコツです。

Q. 看護師免許を持っているだけで単価は上がりますか?

上がりますが、免許のみより「免許+経験+発信力」が揃っている方が単価は跳ね上がります。SNSやブログで医療情報を発信している看護師の方が、発注者からの信頼を得やすく、文字単価3円以上の案件にアクセスできる可能性が高いです。

Q. 病院勤務しながら在宅副業はできますか?

業務委託型なら労働時間通算の対象外のため、本業の就業規則で副業が認められていれば問題なく両立可能です。夜勤明けの休日や夜間時間を活用する方が多いです。ただし守秘義務違反にあたる情報発信は厳禁です。

Q. 病院を辞めて在宅副業だけで生活できますか?

単発案件だけでは収入が不安定ですが、継続案件を3〜4件持ち、月30万円以上の売上を安定させれば十分可能です。ただし国民健康保険・国民年金への切り替え、有給や退職金制度がないこと、事業所得の確定申告など、会社員から個人事業主への移行で対応すべき事項は多いため、計画的に移行することをおすすめします。

Q. 本業の病院にバレずに副業することは可能ですか?

住民税の徴収方法を「普通徴収(自分で納付)」に変更することで、会社に副業収入を把握されにくくすることは可能です。しかし、就業規則で副業が禁止されている場合はリスクが伴うため、事前に勤務先の規定を確認することを強く推奨します。

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中西 直美

この記事を書いた人

中西 直美

産業カウンセラー・キャリアコンサルタント

大手人材会社でキャリアカウンセラーとして15年間従事した後、フリーランスの産業カウンセラーとして独立。在宅ワーカーのメンタルヘルスケアを専門に活動しています。

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