社労士在宅副業で稼ぐ働き方 資格を活かす案件7選

中西 直美
中西 直美
社労士在宅副業で稼ぐ働き方 資格を活かす案件7選

この記事のポイント

  • 社労士在宅副業を始めたい方へ
  • 資格を活かせる在宅案件7選
  • 開業せずに始める方法まで

「社労士の資格を取ったのに、平日は普通の会社員。週末や夜にこの資格を活かして在宅で何かできないだろうか」。このご相談、ここ数年で本当に増えました。

「事務所に勤めないと社労士の経験は積めない」と思い込んでいる方が多いのですが、実は在宅で完結する社労士の副業は、想像以上に広がっています。私のところには、月に何度も「資格は取ったけど、どう動けばいいか分からない」という方が来られます。大丈夫。一つひとつ、整理していきましょう。

この記事では、社労士の資格や知識を在宅副業として活かすための具体的な案件7種類、それぞれの相場感、そして「開業登録すべきかどうか」という多くの方が悩むポイントまで、できるだけ実務的にお伝えします。

社労士在宅副業の市場全体を、まず冷静に見てみましょう

「副業」と検索すると、煽り文句がたくさん出てきて、かえって不安になる方が多いと思います。だからまず、客観的なデータから入りましょう。

社会保険労務士(以下、社労士)は、労務管理・社会保険・年金の専門家です。1号業務(手続き代行)と2号業務(帳簿書類の作成)は社労士の独占業務で、無資格者が報酬を得て行うことはできません。一方、3号業務(コンサルティング)は独占業務ではないため、資格保有者でなくてもできますが、社労士であれば信頼性が段違いに高まります。

ここで重要なのは、在宅で完結できる案件と、どうしても訪問・押印が必要な案件を分けて考えることです。電子申請の普及で、1号業務もかなりの部分が在宅対応可能になりました。クラウド社労士事務所も増えてきていて、業界全体が「在宅前提」に動いています。

給与計算・社労士業務の仕事・案件一覧ページです。クラウドソーシング・アウトソーシングに強いランサーズでは、給与計算・社労士業務の仕事情報の検索から納品、報酬の受け取りまで、すべて完結します。時間や場所にとらわれず、在宅や副業などさまざまな働き方を実現可能です。24時間365日のサポート体制をご用意しています。仕事、業務委託/副業案件、求人をお探しのフリーランスの方はまず会員登録がおすすめです。

この引用文が示すように、給与計算や労務関連の業務は、すでに「在宅・副業・業務委託」の文脈で大手プラットフォームに数多く掲載されています。つまり、需要はあります。問題は、自分の状況に合う案件をどう見極め、どう取りに行くか。ここからが本題です。

社労士在宅副業を始める前に「開業登録すべきか」を整理する

副業を始める前に、必ず立ち止まってほしいポイントがあります。それは「社労士として開業登録するかどうか」です。これは想像以上に大きな分かれ道で、ここを曖昧にしたまま動くと、後でトラブルになります。

社労士には大きく3つの区分があります。開業社労士勤務社労士その他登録社労士です。さらに、登録していない「資格保有者」もいます。

開業社労士として登録すれば、独占業務(1号・2号)を自分の名前で受注できます。ただし、年会費が都道府県社労士会で10万円前後かかり、開業登録時の入会金もあります。副業で年に数件しか受注しないなら、固定費が重く感じるかもしれません。

勤務社労士は、社労士事務所や企業内で社労士業務に従事する人の登録区分です。会社員として勤務しながら登録するケースが多く、副業として独占業務を受けることは原則できません。

そして、いわゆる「副業として在宅で動きたい」会社員の多くは、独占業務ではない3号業務(コンサル、研修、執筆、講師など)から始めるパターンが現実的です。これなら登録せずに「社労士の知識を活かした副業」として始められます。

社労士を目指す人の中には「資格を活かして副業したい」という人もいるのではないでしょうか。サラリーマンをしながら社労士として副業を行うことは可能です。在宅で完結する仕事や、土日を使ってできる仕事もあります。

ここで一つ、よく聞かれる質問。「会社の就業規則で副業禁止なのですが…」。これは法律よりも会社の規定の問題です。最近は副業解禁の流れがありますが、就業規則を必ず確認してください。労務の専門家を目指す方が、自分の労務リスクを見落としていたら本末転倒です。

社労士の知識を活かせる在宅副業案件7選

ここからが本題です。在宅で完結する、社労士の知識が活きる副業を7種類、具体的に紹介していきます。それぞれ「独占業務かどうか」「開業登録が必要か」「相場感」も併せて整理します。

1. 給与計算アウトソーシング

中小企業の月次給与計算を在宅で代行する仕事です。クラウド給与システム(freee人事労務、マネーフォワードクラウド給与、SmartHRなど)の普及で、完全在宅で完結する案件が増えました。社労士の独占業務ではないので、開業登録なしでも受注可能です。

相場感としては、従業員10〜30名規模で月額1万5,000〜4万円程度。複数社を受け持てば、月10万円台も十分に視野に入ります。社労士資格保有者であれば、年末調整や算定基礎届の時期にスポット案件で単価が上がることもあります。

ただし、給与計算は「ミスが許されない」業務です。0が一つ間違えば、受給者の生活に直撃します。最初は慎重に、検算体制を二重三重に組んでください。私のところに来られた方で、最初の3ヶ月は無報酬で実家の小さな会社の給与計算を手伝ってリハーサルした、という方もいました。それくらい慎重でいい仕事です。

2. 労務関連の記事執筆・ブログ運営

労務系メディアからのライター依頼は、ここ数年で需要が爆発的に伸びています。働き方改革、ハラスメント、副業解禁、育休制度の改正など、企業労務のテーマは尽きません。社労士資格保有者の執筆は、メディア側から見て「監修者がそのまま執筆できる」希少な存在です。

ライター業やブログ運営は、完全に在宅で仕事が完結し、時間的な縛りもないため本業との両立がしやすい副業であると言えます。

相場は、専門性の高い労務記事で1文字3〜10円程度。監修料込みなら1記事1万〜5万円のレンジになります。誰でも書ける一般記事と比べて単価が高いのが特徴です。

具体的な仕事の探し方は在宅ワークの求人の探し方5選|初心者でも安心な方法と注意点を徹底解説で詳しく解説していますが、社労士の場合は「執筆+監修」のセットで売り込むと交渉力が一気に上がります。執筆者である著述家,記者,編集者の年収・単価相場も参考になります。一般ライターよりも専門ライターの単価帯が見えると、自分の価格設定の目安になります。

ライターとして実績を積みたい方は、関連記事として在宅ワーク主婦の1日のタイムスケジュール公開もぜひ。在宅ワーカーが実際にどう時間配分しているかが分かります。

3. 労務監修・記事監修

執筆まではやらないけれど、企業の記事や書籍、Webコンテンツの内容を「労務的に正しいか」チェックする仕事です。1記事の監修料は3,000〜2万円程度。執筆より時間あたりの単価が高くなる傾向があります。

特に最近は、AIで生成した労務系記事の「最終チェック」依頼が増えています。法改正のフォローや、誤情報の修正など、社労士の専門眼が必要な領域です。AI活用に関する周辺領域としてAI・マーケティング・セキュリティのお仕事AIコンサル・業務活用支援のお仕事もあわせてご覧ください。AIと労務の組み合わせは、今後さらに伸びる分野です。

4. 就業規則の作成支援・コンサルティング

これは独占業務(2号業務)に該当するため、開業登録した社労士のみが報酬を得て行えます。ただし、コンサル形式で「就業規則の改定アドバイス」や「労務制度の設計支援」を3号業務として提供することは、開業登録なしでも可能です。

相場は、就業規則の新規作成で15万〜40万円、改定で5万〜20万円程度。コンサル形式なら時給5,000〜2万円のレンジです。

ZOOM等のオンライン会議が当たり前になったので、初回ヒアリングから最終提出まで完全在宅で完結することも珍しくなくなりました。私の知る範囲でも、関東在住の方が九州の中小企業の就業規則改定を担当しているケースがあります。

5. 労務関連オンライン講座の講師・教材作成

資格スクール、企業研修会社、Eラーニングプラットフォームから「社労士試験講座の講師」や「企業向け労務研修の講師」の依頼があります。動画収録は完全在宅で可能で、報酬は1講座5万〜30万円程度。継続的に契約できると安定収入源になります。

教材作成(テキスト執筆、問題集の解説など)も合わせて受注すると、執筆系の単価が積み上がります。試験勉強の経験が活きる仕事なので、合格直後の方ほど鮮度の高い情報を提供できる強みがあります。

関連する資格としてビジネス文書検定など、ビジネス系資格の講座開発に携わるケースもあります。社労士以外の労務・ビジネス系教材の監修依頼も派生していくことが多いです。

6. 助成金申請のサポート

雇用関係の助成金(キャリアアップ助成金、人材開発支援助成金など)の申請サポートは、社労士の独占業務に近い領域です。報酬を得て申請代行する場合は開業登録が必要ですが、「申請書類の書き方相談」や「制度の解説」レベルなら3号業務として提供できます。

中小企業オーナーの多くは「助成金は気になるけど、書類が複雑で手をつけられない」と感じています。ここに社労士の出番があります。成功報酬型で助成金額の10〜20%を報酬とするケースが一般的です。

7. 行政協力・社労士会の業務サポート

これは「在宅完結」とは言いきれないですが、社労士会経由で年金事務所や労働局の繁忙期支援に入る仕事です。期間限定のスポット案件で、社労士会の求人情報から応募します。完全在宅ではないものの、副業として安定した経験を積めるので、特に開業したばかりの方には有益です。

オンラインでの相談対応窓口や、年金事務所の電話対応バックアップ業務などは、在宅でできるケースも増えています。

社労士在宅副業の「時間設計」と「リスク管理」

ここまで7つの案件を見てきましたが、実際に副業として始めるときに一番崩れやすいのが「時間設計」です。本業がフルタイムで、家庭もあって、その上で副業の案件を回す。これは想像以上に体力と集中力を使います。

「平日は朝5時に起きて1時間、週末は3〜4時間」というリズムで安定して続けられている方が多い印象です。ただ、これも本業の繁忙期があると簡単に崩れます。最初は月の作業時間を10〜20時間に抑えて、自分のキャパシティを把握する期間を設けてください。

集中力を維持するための工夫は在宅ワークの集中力アップ|ポモドーロ以外に効く7つのテクニックに詳しくまとめてあります。社労士の業務は集中力勝負なので、ぜひ参考にしてください。

リスク管理の観点では、3つ押さえてください。

1つ目は、守秘義務です。社労士は法律上の守秘義務を負っています(社労士法第21条)。クライアントの労務情報や個人情報は、本業の同僚にも家族にも漏らしてはいけません。在宅作業中、PCの画面が家族の目に入る位置にないか、もう一度確認してください。

2つ目は、利益相反です。本業の会社と競合する企業の労務支援は、原則NGです。受注前に必ず確認しましょう。

3つ目は、確定申告です。副業所得が年間20万円を超えると確定申告が必要です。経費の管理(書籍代、ソフト利用料、通信費の按分など)も、最初の数件から記録の癖をつけておくと、後で楽になります。

副業として続ける中で起きる「孤独」とどう向き合うか

社労士の在宅副業を続けている方から、本当によく聞く声があります。「本業と違って、副業は誰にも相談できないんです」。

会社員としての労務業務なら、隣の席に先輩がいて、判断に迷ったら聞ける。でも副業の社労士業務は、原則「自分一人で判断」です。これは想像以上に精神的な負担になります。

私のところに相談に来られた方で、こんな例がありました。副業で受けた給与計算案件で、源泉徴収のミスに気づいたものの、誰にも相談できず、3日間ずっとそのことが頭から離れず眠れなかった、と。結局、社労士会の先輩に思い切ってメッセージを送って解決したのですが、「一人で抱え込まなくていい仕組み」を最初に作っておくことが、本当に大事です。

具体的には、社労士会の支部活動に顔を出す、SNSで同業者と緩く繋がる、過去の試験仲間とLINEグループを維持する、といった「相談できる場所」を確保してください。在宅副業は孤独になりがちですが、孤独は対策できます。

筆者がカウンセリングで関わった方の中にも、副業を始めて半年で疲弊して相談に来られる方がいました。多くの場合、根っこにあるのは「孤独」と「完璧主義」です。社労士という職業柄、間違いが許されないという緊張感が常に伴います。だからこそ、意識的に「誰かに頼れる仕組み」を作る必要があるのです。

在宅副業で「単価が上がっていく人」「上がらない人」の違い

複数年にわたって社労士の在宅副業を見てきて、単価が伸びる方には共通点があります。

第一に、特定領域に絞っていること。「労務全般できます」よりも、「IT企業の労務に強い」「建設業の労災に詳しい」など、業界や論点を絞ったほうが選ばれます。発注側から見ると「全部できます」は「特に強みがない」と同じです。

第二に、アウトプットを公開していること。記事執筆、SNS発信、書籍出版、登壇、何でもいいので、外部に見える形で専門性を表現している方は、案件のほうから声がかかります。最近はAI関連の労務(リモートワークの労務管理、AI導入時の労務リスクなど)の知見を発信している社労士に注目が集まっています。

第三に、継続案件を意識していること。スポット案件だけで動くと、毎月の営業活動が消耗戦になります。給与計算や顧問契約のような「毎月発生する仕事」を1〜2本持つと、安定感が出ます。

逆に伸び悩む方の傾向としては、「単価交渉ができない」「請求書の発行や入金管理を後回しにする」「クライアントとの境界線が曖昧で、無料相談に時間を取られすぎる」が多いです。社労士は人を助ける仕事ですが、自分自身の労務管理を疎かにしては続きません。

関連スキルとの掛け合わせで広がる可能性

社労士の在宅副業は、他のスキルとの掛け合わせで一気に幅が広がります。

例えば、ITスキルとの掛け合わせ。クラウド人事労務システム(SmartHR、freee、マネーフォワード)の導入支援は、IT知識と社労士知識の両方が必要です。@SOHOでもソフトウェア作成者の年収・単価相場を見ると分かるように、システム周辺の案件は単価が高めに設定されています。社労士+システム導入支援は、需要に対して供給が圧倒的に少ないニッチ領域です。

ネットワーク関連の知見を深めるならCCNA(シスコ技術者認定)のような資格と組み合わせて、企業のリモートワーク環境構築から労務制度設計まで一気通貫で提案できる人材になれます。

また、アプリやWebサービスの開発を担うアプリケーション開発のお仕事領域では、HR Tech・労務SaaSの企画段階で社労士のアドバイスが求められます。プロダクトマネジメントに近い動き方も可能です。

執筆系を深めたい方は、ライターとしての単価相場や仕事の取り方もチェックしておくといいでしょう。社労士+ライターの掛け算は、専門メディアでは確実に重宝される組み合わせです。

@SOHO独自データから見る在宅副業の傾向

@SOHOで扱っている案件データを見ると、近年「労務関連」のキーワードでの案件登録は着実に増えています。リモートワークの普及で企業の労務管理が複雑化していること、副業解禁で個人事業主としての労務相談ニーズが増えていることが背景にあります。

特に伸びているのは、「労務×IT」「労務×ライティング」「労務×研修」の組み合わせ案件です。単一スキルだけの案件よりも、複数スキルを求める案件のほうが単価帯が一段高い傾向があります。社労士の方が他スキルを身につけることで、平均単価を引き上げられる余地は十分にあります。

また、@SOHOでは手数料0%で受発注ができるため、月の作業時間が限られている副業ワーカーにとって、報酬の手取り額が変わってきます。クラウドソーシング各社の手数料は10〜20%が一般的なので、同じ案件単価でも手取りが大きく変わります。

社労士在宅副業を本格的に育てていくなら、最初の数ヶ月は「実績作りの種まき期」と割り切って、複数チャネルを試してみてください。クラウドソーシング、社労士会経由、知人紹介、SNS発信、ブログ運営…。どこから最初の案件が来るかは人それぞれです。私がカウンセリングでお話しした範囲では、「思っていたチャネルとは違う場所から最初の依頼が来た」というケースが過半数です。

副業は本業ではありません。月の収入をいくらにする、という目標よりも、「半年後にどんな自分になっていたいか」を軸にしたほうが、続きやすく、結果として収入もついてきます。社労士の資格は、一生もののパスポートです。焦らず、自分のペースで育てていきましょう。

公的機関・関連参考情報

本記事の内容に関連する公的機関や信頼できる情報源は以下の通りです。最新情報は公式サイトで確認してください。

よくある質問

Q. 実務未経験ですが、資格さえあれば副業案件を獲得できますか?

はい、可能です。未経験の方はまず、法改正の解説記事などのWebライティング、受験生向けの教材作成、あるいはクラウドソーシングでの簡易な労務相談への回答から実績を作るのがおすすめです。そこで信頼を積み上げ、専門知識をアウトプットする習慣をつけることが、高単価な実務案件への近道となります。

Q. 在宅副業は未経験でも始められますか?

多くの場合、未経験からでも始められます。最初は小さな案件やシンプルな作業から挑戦し、実績を積みながら少しずつスキルや知識を広げていく進め方が現実的です。公的機関や業界団体が提供する情報を参照し、無理のないペースで取り組むことをおすすめします。

Q. 会社にバレずに在宅副業を始めることは可能ですか?

多くの場合は、確定申告時に住民税の徴収方法を「普通徴収(自分で納付)」に選択することで、会社に通知が届くリスクを抑えられます。ただし、勤務先の就業規則で副業が禁止されている場合は、法的なトラブルや解雇リスクを避けるためにも、まずは社内規定を確認するか人事に相談することをおすすめします。

Q. 在宅副業で月5万円稼ぐには、1日平均でどのくらいの稼働時間が必要ですか?

職種や単価によりますが、時給1,000円〜1,500円程度の仕事であれば、1日1.5〜2時間(月40〜50時間)程度の確保が目安となります。スキルアップによって作業効率が上がったり単価交渉ができたりするようになれば、より短い稼働時間で月5万円を目指すことも十分に可能です。

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中西 直美

この記事を書いた人

中西 直美

産業カウンセラー・キャリアコンサルタント

大手人材会社でキャリアカウンセラーとして15年間従事した後、フリーランスの産業カウンセラーとして独立。在宅ワーカーのメンタルヘルスケアを専門に活動しています。

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