会計士の転職おすすめの進め方|監査法人からの年収アップ戦略【2026年版】

長谷川 奈津
長谷川 奈津
会計士の転職おすすめの進め方|監査法人からの年収アップ戦略【2026年版】

この記事のポイント

  • 公認会計士が監査法人から転職する際のおすすめの進め方を解説
  • 年収アップを実現する転職先の選び方

監査法人で働く会計士が「そろそろ転職を考えようかな」と思い始めるのは、入社3〜5年目が多いと言われています。繁忙期の激務、上がりにくい年収、キャリアパスの不透明さ。理由は人それぞれですが、会計士の転職市場は常に売り手市場です。

私は行政書士として独立していますが、会計士の転職相談を受けることが増えています。「監査法人を辞めてフリーランスになりたい」「事業会社の経理に転職したい」など、キャリアの悩みは尽きません。会計士のスキルは汎用性が高いので、選択肢は本当に多いです。

会計士の転職市場の現状

2026年現在、公認会計士の転職市場は依然として売り手市場が続いています。背景には2つの要因があります。

1つ目は会計士資格者数の不足。日本の公認会計士は約4万人で、米国の約40万人と比べて著しく少ない。企業数に対して会計士の絶対数が足りていないため、需要が供給を上回り続けています。

2つ目はDX・IPO需要の拡大。スタートアップのIPO増加や企業のDX推進により、財務・経営管理のプロフェッショナルへのニーズが高まっています。特に「会計がわかるITの人」「IFRSと日本基準の両方がわかる人」は引く手あまたの状態です。

会計士の主な転職先と年収レンジ

転職先 年収レンジ 特徴
事業会社の経理・財務 600〜900万円 ワークライフバランス重視
FAS(財務アドバイザリー) 800〜1,500万円 M&A・DD案件
コンサルティング 700〜1,200万円 経営戦略・業務改善
ベンチャーCFO 800〜1,500万円+SO IPO準備
独立開業 年収1,000万円〜 自由度が高い

監査法人のシニアスタッフ(年収600〜800万円)からFASに転職すると、年収100〜300万円アップするケースが多いです。ベンチャーCFOならストックオプションを含めるとさらに上振れの可能性があります。

年収アップを実現する3つの戦略

戦略1:FASへの転職

監査法人からFASへの転職は、年収100〜300万円アップが見込める最もメジャーなキャリアパスです。M&A案件のデューデリジェンス(DD)やバリュエーションは、監査で培った財務分析スキルがダイレクトに活きます。

FASの仕事はプロジェクト単位なので、繁忙期と閑散期の波はありますが、監査法人のように毎年同じクライアントの監査を繰り返す単調さからは解放されます。「新しい案件のたびに違う業界・企業を見られるのが楽しい」という転職者の声もよく聞きます。

FASで求められるスキルは監査とは異なります。監査は「事実の確認」が中心ですが、FASは「価値の評価」が中心。DCF法や類似会社比較法などのバリュエーション手法、M&Aのスキームの理解、法務・税務の基礎知識が求められます。転職前にこれらを独学でもよいので学んでおくと、入社後のキャッチアップが楽になります。

戦略2:ベンチャーのCFOを狙う

IPOを目指すベンチャー企業ではCFO候補のニーズが高く、ストックオプション付きの報酬を得られる可能性があります。上場が成功すればストックオプションの価値が数千万〜数億円になるケースも。

ただし、リスクも大きいです。IPOが中止になるケースもありますし、少人数の組織では経理だけでなく総務・法務まで兼務することもあります。「CFO」という肩書に憧れるだけでなく、ベンチャーの現実を理解した上で選びましょう。

ベンチャーCFOを目指す場合は、「シリーズAが完了していて、3〜5年以内のIPOを見据えている段階」の企業が最も入りやすいです。創業初期は財務基盤が弱く、上場直前は人材の要件が高くなるため、この中間フェーズが会計士のスキルが最も活きます。

戦略3:独立して複数のクライアントを持つ

@SOHOのようなプラットフォームを使って、複数の中小企業のCFO代行・財務コンサルを受ける方法もあります。3〜5社のクライアントを持てば、月収50〜150万円が見込めます。

@SOHOのお仕事ガイドでは、会計・財務系の具体的な仕事内容を確認できます。転職先を検討する際の参考にもなります。

独立の場合、顧問契約の単価は月額10〜30万円が相場。クライアント5社で月50〜150万円になります。最初は副業で2〜3社を経験してから本格独立するパターンが最もリスクが低く、成功率も高いです。

職務経歴書を最大化する方法

会計士の転職活動で最も重要なのが職務経歴書です。「監査業務を担当しました」という記述では評価されません。以下の点を意識してまとめましょう。

業種・規模の明記:「製造業・売上300億円規模の上場企業のインチャージ経験」のように、担当クライアントの属性を書く。業種別・規模別の経験が具体的に伝わると、「自社と同じ業種を担当していた人」として評価されやすくなります。

IFRS対応経験:IFRS適用企業の監査経験がある場合は必ず明記。IFRSと日本基準の両方の知識は、グローバル企業への転職で強みになります。

定量的な実績:「新規クライアントの会計制度整備を主導し、当初6ヶ月かかる見込みだった移行作業を4ヶ月で完了させた」のように、数字で成果を示す。

転職のベストタイミング

タイミング メリット デメリット
繁忙期前(10〜11月) 求人が多い 引き継ぎが大変
閑散期(5〜8月) 情報収集の時間がある 求人がやや少ない
マネージャー昇進前 市場価値が高い 「マネージャー経験なし」は不利に

おすすめは閑散期(5〜8月)に情報収集を開始し、10〜11月に応募するパターン。次の繁忙期の前に内定を得て、繁忙期終了後に退職する流れです。

監査法人の場合、12月決算クライアントの対応が落ち着く2〜3月が繁忙期のピークです。この時期に退職するのは現場に大きな負担をかけるため、5〜8月の退職が最もスムーズです。

NG例とOK例

NG: 繁忙期の疲労から衝動的に転職を決める → 冷静な判断ができず、条件の悪い転職をしてしまう。転職エージェントの言われるままに応募してしまうリスクも

OK: 閑散期(5〜8月)に情報収集を開始し、次の繁忙期前に内定を得る → 計画的な転職で年収アップ。複数のエージェントを併用して、幅広い選択肢から選ぶのがコツ

転職前にやっておくべきこと

  1. 職務経歴書のアップデート - 担当した監査クライアントの業種・規模、インチャージ経験の有無を整理
  2. 市場価値の確認 - 転職エージェント2〜3社に登録して、自分の市場価値を把握
  3. スキルの棚卸し - IFRS経験、IT監査経験、マネジメント経験などをリスト化
  4. ネットワーキング - OB/OGとの情報交換で、転職先のリアルな情報を入手

スキルの棚卸しでは「自分が当たり前だと思っているスキル」を見落とさないことが大切です。「Excelでモデルを組める」「財務DDのドキュメント作成ができる」「クライアントに報告書を説明した経験がある」といったことが、転職市場では高く評価されることがあります。

社会人におすすめの資格人気一覧10選|働きながら勉強するコツでも会計士の転職について詳しく解説されています。

@SOHOの年収データベースでは、転職先の業種別年収データを確認できます。

よくある質問

Q. 利益がいくらなら一人法人化すべきですか?

一般的には年間利益が800万円900万円を超えると節税効果が高まります。所得税率が法人税率を上回るタイミングが目安ですが、社会保険料の負担増も考慮して総合的に判断しましょう。

Q. 副業で利益が出ていれば法人化したほうが良いですか?

本業の所得と合算して所得税率が高くなっている場合、副業部分を別法人にすることで節税になる可能性があります。ただし、法人の維持コスト(税理士報酬や均等割)を上回る利益が出ていることが前提となります。

Q. 会社を設立(法人化)するタイミングの目安は、年収いくらくらいでしょうか?

一般的に事業所得(売上から経費を引いた利益)が800万円〜1,000万円を超えると、個人事業主よりも法人の方が税率が低くなり、節税メリットが出やすいと言われています。ただし、社会保険料の全額負担や法人住民税の均等割(赤字でも発生する税金)などのコストも考慮し、総合的な利益率で判断することが重要です。

Q. 税金トラブルで弁護士に相談するタイミングはいつがベストですか?

税務調査の指摘に納得がいかず、税務署との見解の相違が明確になった時点での相談をおすすめします。不服申立てや税務訴訟を見据えた場合、早期の証拠保全と法的ロジックの構築が不可欠だからです。

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長谷川 奈津

この記事を書いた人

長谷川 奈津

行政書士・元企業法務

企業法務で年間200件以上のフリーランス契約を処理した経験を活かし、フリーランス向けの法律・契約・権利に関する記事を執筆。「法律はあなたの味方です」がモットー。

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