e-Taxでの開業届のやり方|提出手順・必要なもの・青色申告まで完全ガイド


この記事のポイント
- ✓e-Taxを使った開業届のやり方を
- ✓初めての人でも迷わない手順で解説
- ✓事前準備(マイナンバーカード・利用者識別番号)
フリーランスや個人事業主として独立を決めたとき、最初の関門になるのが「開業届の提出」です。とくに「e-Taxで開業届を出すやり方が知りたい」と検索しているあなたは、おそらく税務署に行かず、スマホやパソコンだけで手続きを完結させたい段階のはずです。
結論から言うと、e-Taxを使えば開業届の提出はオンラインで24時間、自宅や海外からでも完了できます。必要なのはマイナンバーカード(またはID・パスワード方式の利用者識別番号)と、対応スマートフォンまたはICカードリーダーだけ。慣れれば入力から送信まで30分ほどで終わり、控えも電子データですぐ保存できます。
本記事では、e-Taxでの開業届のやり方を「事前準備 → 入力 → 送信 → 控え保存」の順に整理し、あわせて必ずセットで出したい青色申告承認申請書、そして案件獲得で損をしないためのポイントまで解説します。
e-Taxで開業届を出すやり方(結論と全体像)
先に全体像を押さえておくと、迷いません。e-Taxでの開業届提出は、大きく次の4ステップです。
- 事前準備をする:マイナンバーカード、対応スマートフォン(またはICカードリーダー+パソコン)、暗証番号(署名用パスワード)を用意する。ID・パスワード方式を使う場合は、事前に税務署で発行した利用者識別番号を用意する。
- e-Taxで書類を作成する:国税庁のe-Tax(WEB版)にログインし、「個人事業の開業・廃業等届出書」を選んで、氏名・納税地・職業・屋号・事業の概要などを画面の案内に沿って入力する。
- 電子署名して送信する:入力内容を確認し、マイナンバーカードで電子署名して送信する。送信後に「受信通知」が届けば提出完了。
- 控えを保存する:受信通知と提出データ(PDF)を必ず保存する。これが紙でいう「受付印の押された控え」の代わりになり、屋号口座の開設や融資申請で使う。
書面(窓口・郵送)と違い、e-Taxなら開庁時間を気にする必要がなく、控えが電子的に残るため紛失の心配もありません。開業届の様式・記載例・提出方法は国税庁が公式に案内しています。
新たに事業を開始したときや事業用の事務所・事業所を新設したときなどに提出する「個人事業の開業・廃業等届出書」の様式・記載例・提出方法を、国税庁が公式に案内しています。 国税庁「個人事業の開業届出・廃業届出等手続」
e-Taxでの開業届に必要なもの
つまずきやすいのは「必要なもの」の準備段階です。事前に次をそろえておけば、入力当日に手が止まりません。
- マイナンバーカード(電子証明書が有効なもの)。署名用電子証明書のパスワード(英数字6〜16文字)も必要です。
- マイナンバーカード対応のスマートフォン、またはICカードリーダー+パソコン。近年はスマホだけで完結する方式が主流になっています。
- ID・パスワード方式を使う場合は、税務署で本人確認のうえ発行された「利用者識別番号」と暗証番号。マイナンバーカードが手元にない人の代替手段です。
- 事業の情報(屋号の候補、職業名、事業の概要、開業日、納税地の住所)。
e-Taxが向いている人・窓口や郵送が向いている人
開業届の提出方法は3つあります。「e-Taxが便利」とはいえ、全員に最適とは限りません。自分に合ったやり方を選ぶのが、挫折しないコツです。
e-Tax(電子申告)で提出する
国税庁のe-Taxシステム(WEB版またはソフト)を使い、インターネット経由で提出する方法です。
- メリット: 開庁時間を気にせず、原則24時間いつでも自宅や海外から提出できます。控えも電子データとして即座に保存でき、紛失しません。
- デメリット: マイナンバーカードと読み取り環境、初回のセットアップに少し手間を感じることがあります。
- 向いている人: 平日日中に税務署へ行けない人、海外や地方に住んでいる人、控えをデータで管理したい人。
税務署の窓口で直接提出する
納税地(自宅や事務所の住所)を管轄する税務署の窓口に、記入済みの書類を持参する方法です。
- メリット: 記入漏れや不明点をその場で職員に質問して直せるため、不安な初心者には確実です。
- デメリット: 平日の開庁時間(通常8:30〜17:00)に行く必要があり、移動や待ち時間がかかります。
- 持ち物: 記入済みの開業届(提出用・控用)、マイナンバーが確認できる書類、本人確認書類。
郵送で提出する
作成した開業届を、管轄の税務署宛てに郵送する方法です。
- メリット: 窓口へ行く手間を省け、24時間ポストに投函できます。
- デメリット: 書類に不備があると電話確認や再提出のやり取りが発生します。切手代も自己負担です。
- 注意点: 「控えの返送用封筒(宛名記入・切手貼付済み)」を必ず同封してください。これがないと受付印の押された控えが戻ってきません。マイナンバー確認書類の添付も忘れずに。
e-Taxで入力するときの書き方・記入例のポイント
e-Taxでも紙でも、記入する項目は同じです。画面で手が止まりやすいポイントを解説します。
「納税地」と「上記以外の住所地・事業所等」
基本は現在住んでいる自宅の住所を「納税地(住所地)」とします。自宅とは別にオフィスを借りていてそこを拠点にする場合は、納税地を「事業所等」としてオフィス住所を書き、自宅住所を「上記以外の住所地」に記入することも可能です。
「職業」と「事業の概要」
職業欄に厳密な決まりはありません。「ITエンジニア」「Webデザイナー」「ライター」「動画クリエイター」など、実態に即した一般的な名称で問題ありません。迷ったら「システム開発」「コンテンツ制作」など少し広めの表現にしておくと、後で事業内容が広がっても対応しやすくなります。「事業の概要」には、それを具体化した内容(例:「企業向けのWebサイト制作および保守管理」)を書きます。
「屋号」
屋号は空欄でも提出できます。決まっていなければ無理に埋める必要はありません。ただし将来的に屋号付きの銀行口座を作りたい場合は、ここで決めて記入しておきましょう。アルファベットや数字も使えます。
なぜ開業届を出すのか:3つのメリット
そもそも開業届(正式名称:個人事業の開業・廃業等届出書)とは、新しく事業を始めたことを税務署に報告する公的書類です。所得税法により、原則として事業開始の日から1ヶ月以内の提出が求められています(期限を過ぎても罰則規定は特に設けられていません)。それでも稼いでいるフリーランスのほぼ全員が提出するのは、手間を補って余りあるメリットがあるからです。
① 「青色申告」で最大65万円の特別控除が受けられる
最大のメリットは、最大65万円の特別控除が受けられる「青色申告」が可能になることです。青色申告特別控除の金額や申請期限は、国税庁のタックスアンサーで正確に確認できます。
青色申告特別控除は原則として最高55万円、e-Taxによる申告(電子申告)または電子帳簿保存を行う場合は最高65万円とされ、青色申告の承認を受けようとする場合は原則その年の3月15日まで(新規開業の場合は業務開始から2か月以内)に申請書を提出する必要があるとされています。 国税庁 タックスアンサー「青色申告制度」
なお、65万円控除を受ける条件のひとつが「e-Taxによる電子申告(または電子帳簿保存)」です。開業届をe-Taxで出す環境を整えておけば、その後の確定申告でも同じ仕組みをそのまま使え、控除面でも有利になります。
② 屋号付きの銀行口座が開設できる
事業用とプライベートの口座を分けることは、経理・信用の両面で重要です。開業届に屋号を記載して提出し、その控え(e-Taxなら受信通知・提出データ)を銀行に示すことで、屋号名義の口座を開設できます。振込先が「屋号+個人名」だと、取引先からの信頼度も高まります。
③ 融資や補助金の申請に必須
事業拡大の際、日本政策金融公庫の創業融資や、国・自治体の補助金・助成金を活用する場面が出てきます。これらの公的支援では、事業を行っている証明として開業届の控えの提出がほぼ必ず求められます。中小企業向けの支援制度は中小企業庁のサイトで確認できます。
中小企業・小規模事業者向けの補助金・給付金・融資などの支援施策を、中小企業庁が公式に案内しています。 中小企業庁
開業届とセットで必ずやるべき手続き
開業届を出すだけで満足しないでください。以下を同時に行うと、フリーランスとしての節税力が大きく上がります。
青色申告承認申請書の提出(最重要)
最大65万円控除を受けるための必須書類です。提出期限に注意が必要で、原則として開業日から2ヶ月以内(1月1日〜1月15日開業の場合はその年の3月15日まで)に出さないと、その年は青色申告ができず白色申告になってしまいます。e-Taxなら開業届と青色申告承認申請書を同じセッションで続けて作成・送信できるので、必ずセットで提出してください。
小規模企業共済への加入準備
小規模企業共済は、国が用意する「経営者のための退職金制度」です。加入には開業届を提出していること(個人事業主であること)が条件になります。掛金は月1,000円から最大7万円まで自由に設定でき、支払った掛金の全額がその年の所得控除の対象になる点が大きな節税メリットです。
事業専用のクレジットカードと銀行口座
事業とプライベートのお金が混ざると、確定申告時の帳簿付けが一気に大変になります。開業届の控えを得たら、事業専用の銀行口座(できれば屋号付き)を開設し、それに紐づく事業用クレジットカードを作りましょう。経費はカード、売上は口座に集約するだけで、経理作業の多くを自動化できます。
案件獲得の分岐点:手数料で開業資金を溶かしていないか
開業届を出し、青色申告の準備も整えたら、次は「収益性」にこだわってほしいところです。
多くのフリーランスが仕事獲得に使う大手クラウドソーシングでは、報酬から10%〜20%ほどのシステム手数料が取引ごとに引かれるのが一般的です。仮に月50万円の継続案件で手数料が20%なら、毎月10万円が差し引かれ、手取りは40万円。年間では120万円もの差になります。せっかく開業届と青色申告で数十万円を節税しても、入り口の案件獲得でこれだけ引かれていては、キャッシュフローは改善しにくいのです。
手数料0%の直接契約という選択肢
そこで検討したいのが、成約手数料0%で直接契約を結べる仕組みです。@SOHO(アットソーホー)は、仕事を依頼したいクライアントと、受けたいワーカー(SOHO・フリーランス)が直接契約を結ぶためのマッチングポータルサイトで、ワーカー側の成約手数料・システム利用料が無料です。
- 報酬が手元に残りやすい: 提示額から手数料が引かれないため、開業直後の資金繰りや設備投資が楽になります。
- 直接契約で信頼を資産化: 仲介に依存せず、自分の屋号・名前でクライアントと直接業務委託契約を結べます。この関係づくり自体がフリーランスの無形資産になります。
- 直募集の案件が中心: 専門スキルを持つ個人を直接探している企業からの募集が集まりやすい構造です。
運営者の視点:直接取引だからこそ「初期設定」が効く
ここからは、@SOHOを運営している立場から見えている傾向を共有します。開業届を出し、屋号や事業用口座、業務委託契約の基本を早い段階で整えている人ほど、直接契約への移行がスムーズだ、という傾向を実務のなかで感じています。プラットフォームのメッセージ機能や仲介に守られない直接取引では、屋号・契約・請求といった「事業者としての体裁」が、そのまま相手からの信頼の代わりになるからです。開業届はその第一歩であり、手数料0%の直接取引と相性がよい理由でもあります。
一方で、直接取引だからこそ注意したい点もあります。連絡先や実在性がはっきりしない相手、契約書を交わす前に高額な前払いや個人情報の提出を求めてくる相手には慎重になってください。まっとうな発注者は、業務委託契約の内容や成果物の条件を事前に文面で明確にすることを嫌がりません。開業時に契約・請求の型を持っておくと、こうした見極めもしやすくなります。
@SOHOの案件を見てみたい方は、まずは掲載中の募集を眺めるところから始めてみてください。
まとめ:e-Taxで開業届を出し、手数料0%で成果を守る
e-Taxを使えば、開業届の提出は自宅からでも短時間で完了します。ポイントを最後に整理します。
- 事前準備を整える:マイナンバーカード(またはID・パスワード方式)と読み取り環境をそろえる。
- e-Taxで開業届を作成・送信し、控え(受信通知・提出データ)を保存する。
- 同時に青色申告承認申請書を提出して、最大65万円控除の権利を確保する(65万円控除にはe-Taxでの電子申告が条件)。
- 案件獲得では手数料に注意。高いマージンで開業資金を溶かさないよう、手数料0%の直接契約も選択肢に入れ、成果を100%手元に残す。
「いつか出そう」ではなく、今日、国税庁のe-Taxを開くところから始めてみてください。事業の初期設定を正しく整えることが、これからの働き方の自由度を大きく広げてくれます。
よくある質問
Q. 開業届を提出するのに費用はかかりますか?
税務署への書類提出自体に費用(手数料)は一切かかりません。郵送する場合の切手代 や、オンライン申請(e-Tax)を利用する際のマイナンバーカード読み取り用スマホ、 またはカードリーダーなどの準備費用を除けば、完全に無料で手続きが完了します。
Q. 開業日はいつに設定すればいいですか?
明確な法的基準はありません。初めてクライアントから案件を受注した日、店舗をオープンした日、仕事用のパソコンを購入した日など、ご自身が「事業を本格的にスタートした」と認識する日で問題ありません。
Q. サラリーマンの副業でも提出は必要ですか?
副業であっても、継続して反復的に事業を行い「事業所得」として申告するレベルであれば提出を推奨します。ただし、単発の小遣い稼ぎや不用品販売(雑所得)の場合は青色申告の対象外となるため、ビジネスとしての継続性が判断基準となります。
Q. 会社員の副業として活動している場合でも、開業届を出して青色申告ができますか?
可能です。ただし、副業の所得が「事業所得」として認められる程度の継続性や規模感 を持っている必要があります。単発の小遣い稼ぎ(雑所得)とみなされる場合は、青色 申告の特別控除は受けられないため、自身のビジネスの性質を事前に確認しましょう。
Q. 白色申告の方が簡単で良いと聞いたのですが?
以前は白色申告なら帳簿付けが不要という時代もありましたが、現在は白色申告でも帳簿の保存が義務化されています。記帳の手間がほぼ変わらない以上、クラウド会計ソフトを利用して自動で複式簿記を作成し、65万円控除を受けられる青色申告を選ばない理由はありません。
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この記事について
編集部
監修:@SOHO編集部
2004年よりフリーランス・在宅ワーク向けサービスを20年運営。編集部が事実確認のうえ公開しています。

この記事を書いた人
田中 大輝@SOHO編集部
クラウドインフラエンジニア
AWS認定ソリューションアーキテクト、CCNA、LPIC-1を保有。SIerからフリーランスに転身し、クラウドインフラの設計・構築を手がけています。IT資格の取得戦略と実務での活かし方を発信中。
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