在宅Webライティングの受注量は通院日を数えてから返事する


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この記事のポイント
- ✓持病・通院がある人がWebライティングを在宅で続けるための実務ガイド
- ✓単価相場と受注量の決め方
- ✓納期を相談するときの伝え方
先日、あるWebライターさんから相談を受けました。「持病の関係で急に体調を崩し、納期に3日遅れてしまった。クライアントから『報酬は半額にする』と言われたが、これは飲むしかないのか」と。結論から言うと、契約書に減額の根拠がなく、事前に一方的に通告されただけなら、その減額は正当なものとは言えません。2024年11月に施行されたフリーランス保護新法では、発注者が受託者の責めに帰すべき事由なく報酬を減額することを禁止しています。つまり、遅延の事実があったとしても、契約で定めていない減額を後出しで押し付けることはできないんです。
こういうケース、実は本当に多い。持病や定期通院を抱えながら在宅でWebライティングをしている人は、「体調で迷惑をかけたのだから、多少の不利益は仕方ない」と考えて泣き寝入りしがちです。でも、そもそも先に手を打っておけば、遅延自体が起きにくくなります。この記事では、在宅Webライティングの市場と単価の現実、体調に波がある前提で受注量をどう決めるか、納期をどう相談するか、そして契約書のどこを見るべきかを、法務の視点も交えて整理します。
なお、症状や治療の話には一切踏み込みません。体調管理や通院の頻度は主治医と決める領域です。ここで扱うのは在宅ワークの実務、つまり「どんな仕事で、いくらで、どう時間を組み、どう契約するか」だけです。
在宅Webライティングの市場は今どうなっているか
求人の量そのものは多い、ただし質は二極化している
在宅ワークの中で、Webライティングは案件数が最も多い部類です。求人検索サイトで「在宅 ライター」を調べると、正社員の編集職からクラウドソーシングの単発記事作成まで、幅広い形態が並びます。ここ数年で明確に変わったのは、「取材なし・完全在宅」を前提にした募集が定着したことです。以前は在宅と言いつつ月に数回の出社を求める案件が多かったのですが、2026年時点では、記事納品までオンラインで完結する体制が標準になりました。
これは通院がある人にとって、かなり大きな変化です。移動を伴わない、リアルタイムの拘束がない、成果物で評価される。この3つが揃っている職種は、実はそう多くありません。
ただし手放しでは喜べません。案件数が多いということは、単価の下限も低いということです。1文字0.3円のような案件は今も普通に存在し、そこで数をこなす戦略に入ると、体調の波に対して極端に脆くなります。この構造は後で詳しく書きます。
「書く仕事」への入り口は1つではない
Webライティングというと、クラウドソーシングに登録して単発案件を受けるルートを思い浮かべる人が多いのですが、入り口は他にもあります。就労継続支援の事業所でライティング業務を扱っているケースもあり、体調の波が大きい段階では、こちらのほうが現実的な選択肢になることがあります。
「IT特化型」「Web制作」で検索する LITALICO仕事ナビやWam(ワムネット)などのサイトで、「Webライティング」「記事作成」を仕事内容に含んでいる事業所を探します。相談支援専門員に「文章の仕事がしたい」と伝えるあなたの計画を立ててくれる専門家に希望を伝えましょう。「あそこの事業所ならライターの募集をしているよ」といった、ネットにはない地域情報を教えてくれることがあります。 出典: note.com
この視点は覚えておく価値があります。いきなりフリーランスとして単価交渉まで自分でやるのは、体調が安定していない時期には負荷が高い。支援を受けながら書く経験を積み、実績とペースが読めるようになってから業務委託に移行する、という段階の踏み方は十分に合理的です。※どの制度が使えるかは自治体や個人の状況で変わるので、市区町村の福祉窓口や相談支援専門員に直接確認してください。
単価の相場を正確につかむ
Webライティングの単価は、案件の種類でかなり違います。おおまかな相場を整理すると次のとおりです。
クラウドソーシングの初心者向け記事作成が1文字0.3円〜0.8円。SEO記事の実務経験者向けで1文字1.0円〜2.0円。取材や専門知識が必要な記事、あるいは金融・医療・法律といったYMYL領域で1文字2.0円〜5.0円。企業のオウンドメディアと直接契約して継続で書く場合、1本あたり2万円〜5万円という設定も珍しくありません。
ここで重要なのは、時間あたりの実収入で考えることです。1文字1円で5,000字の記事を書く場合、構成作成・リサーチ・執筆・推敲を含めると、慣れていても5時間〜8時間はかかります。報酬5,000円で6時間なら時給833円です。これを月10本こなすと60時間の稼働になり、通院日と体調不良日を差し引いた稼働可能時間を簡単に食い潰します。
職種全体の給与水準は著述家,記者,編集者の年収・単価相場で分布が確認できます。同じ職種分類でも下位帯と上位帯の差が大きく、これは「量で稼ぐ層」と「専門性で稼ぐ層」が同じ枠に同居しているためです。稼働時間に制約がある人が目指すべきは後者で、この分布そのものが「時間を増やさずに収入を上げられる余地」の証拠になっています。
体調に波がある前提で、受注量をどう決めるか
「良かった月」ではなく「悪かった月」を基準にする
受注量の決め方で最も多い失敗が、調子の良かった月の稼働量を基準にすることです。先月は12本書けたから今月も12本受けよう、という発想は、体調に波がある人にとってほぼ確実に破綻します。
正しい基準は、直近半年で最も稼働できなかった月です。その月にこなせた本数を上限に設定し、余裕が出たら追加で受ける。これだと下振れしません。追加で受けた分は「予定より多くできた」というプラスの記憶になり、遅延の謝罪をする回数が減ります。
具体的な計算手順はこうです。まず月間カレンダーに、確定している通院日を書き込みます。通院日は移動と待ち時間で半日以上が消えるので、原則として執筆を積みません。次に、体調不良で動けない日を月3日〜4日「予備日」として空けます。残った日数に、1日あたり無理なく書ける時間を掛けると、その月の総稼働可能時間が出ます。この時間を、1本あたりの所要時間で割ったものが受注上限です。
1本あたりの所要時間を実測する
この計算をするには、自分の実測値が要ります。感覚で「3時間くらい」と見積もると、ほぼ例外なく短く出ます。実際には構成を考える時間、リサーチで資料を読む時間、書いた後に読み直す時間、修正依頼への対応時間が乗ります。
だから最初の数本は、必ず時間を記録してください。構成作成に何分、リサーチに何分、執筆に何分、推敲に何分。この記録があると、次の案件で「この文字数と難易度なら合計6時間」と根拠を持って言えます。単価交渉のときにも効きます。「1文字1円だと時給換算で800円台になるので、1.5円でお願いできませんか」という交渉は、実測値がなければできません。
作業を工程に分けて、途中で止まれるようにする
体調が読めないときに効くのは、日数のバッファより工程の分割です。1本の記事を「構成作成」「リサーチと参考資料の収集」「本文執筆」「推敲と体裁調整」に分け、それぞれを別の日に置きます。
こうしておくと、途中で1日潰れても全体が崩れません。構成とリサーチさえ終わっていれば、執筆は体調が戻った日に一気に進められます。逆に、締切前日に全工程をまとめて処理する組み方をしていると、その日に動けなかった時点で終わりです。
集中の切り方や、短時間で成果を出す作業設計については在宅ワークの集中力アップ|ポモドーロ以外に効く7つのテクニックに、時間を区切る以外の方法まで含めて整理されています。実際、執筆は集中力の消耗が大きい作業で、多くの人は質を保てるのが1回60分〜90分、1日2枠〜3枠が限界です。
1日の時間割は、通院と服薬のリズムに合わせる
在宅ワークの1日の組み立て方は、生活の制約によって大きく変わります。子育てとの両立を前提にしたスケジュール例は在宅ワーク主婦の1日のタイムスケジュール公開で具体的な時間割が公開されていて、通院を前提に組み替える際のひな型として参考になります。ポイントは、決まった時間に固定される予定を先に置き、残りを可変の作業時間として扱うことです。
朝の調子が安定する人は午前に主要な執筆枠を置き、午後を軽い作業(資料整理、メール返信、体裁調整)に充てる。逆に朝がつらいなら、午後と夜に執筆を寄せる。Webライティングの納期は「日」単位で切られることがほとんどなので、この配置は自分で決められます。ここは会社員では得られない自由度です。
納期と稼働条件を相談するときの伝え方
事情を説明するのではなく、条件を提示する
これ、知らない人が本当に多いんです。発注者が知りたいのは「なぜ休むのか」ではなく「いつ動けて、いつ返事が来て、どこまで受けられるのか」の3点だけです。
悪い例はこうです。「持病があり、体調が不安定なため、ご迷惑をおかけするかもしれません」。この書き方は、相手に不安だけを渡して判断材料を与えません。発注者としては、どの程度のリスクなのか分からないので、安全側に倒して発注を控えます。
良い例はこうなります。
「稼働可能日は月・火・木・金です。水曜日は終日、定期の予定が入っているため作業できません。チャットの返信は稼働日であれば当日中、水曜日は翌日午前になります。継続案件の場合、月あたりの本数は4本を目安にさせてください。」
事情そのものは書かなくて構いません。契約は「いつまでに、どの品質で納品するか」の約束であって、その裏側の理由を開示する義務は原則ありません。むしろ、条件だけを明示するほうがプロフェッショナルに見えます。
納期は「バッファ込みで自分から提示する」
納期の決め方には2種類あります。発注者が指定するパターンと、受注者が提示するパターンです。体調に波がある人は、可能な限り後者に持ち込んでください。
やり方は簡単で、依頼を受けた時点で「この内容なら実作業は3日程度ですが、余裕を見て10日後の納品でいかがでしょうか」と自分から提案します。ここで実作業日数の2倍〜3倍の期間を取っておくと、途中で1日〜2日動けなくても遅延しません。
「長い納期を提示すると断られるのでは」と心配する人が多いのですが、実務ではそこまで問題になりません。発注側が本当に困るのは、納期が長いことではなく、直前になって遅れると言われることです。予定が読めるほうが、彼らにとっても価値があります。
遅れそうなときは「遅れた後」ではなく「気づいた瞬間」に連絡する
これは契約実務の観点からも重要です。遅延が発生してから連絡すると、それは債務不履行の事後報告になります。一方、期限前に連絡して納期変更の合意を取れば、それは契約内容の変更であって、債務不履行にはなりません。法律上の意味がまったく違います。
連絡文のポイントは3つです。遅れる可能性が出たことを明示する。新しい納品可能日を具体的に出す。現時点でどこまで進んでいるかを伝える。「体調不良のため遅れます、申し訳ありません」だけでは相手は動けません。「現在、構成とリサーチまで完了しています。本文執筆に着手済みで、8割程度です。当初の10日納品を13日に変更させていただけますか」と書けば、相手は公開スケジュールを調整できます。
契約書で必ず見るべき条項
検収と修正回数の定め
Webライティングのトラブルで最も多いのが、修正の無限ループです。「イメージと違う」という理由で何度も差し戻され、当初の想定の何倍も時間を使ったのに報酬は変わらない。これは体調に制約がある人にとって致命的です。
だから契約時に必ず確認します。修正は何回までが報酬に含まれるのか。それを超える修正は追加費用になるのか。検収期間は何日で、その期間に連絡がなければ検収完了とみなすのか。この3点が書かれていない契約書は、後で必ずもめます。
書かれていない場合は、こちらから提案してください。「修正は2回まで原稿料に含み、3回目以降は1回あたり作業時間に応じてご相談させてください」「納品後7営業日以内にご連絡がない場合は検収完了とさせていただきます」。この一文があるだけで、際限のない差し戻しは止まります。
報酬の支払期日
フリーランス保護新法では、発注者は原則として、成果物を受領した日から起算して60日以内のできる限り短い期間内に支払期日を定め、その期日までに報酬を支払う義務があります。つまり、「翌々月末払い」のような遅い設定は、内容によっては法の要求から外れる可能性があるということです。
この法律の運用や相談窓口については公正取引委員会と厚生労働省が情報を出しています。※個別の案件が違反にあたるかどうかは事実関係で変わるので、判断に迷うときは相談窓口か弁護士に相談してください。ここで書いているのは一般的な枠組みの話です。
同法では、発注者が受託者の責任によらずに報酬を減額すること、正当な理由なく受領を拒むこと、著しく低い報酬を不当に定めることなども禁止されています。冒頭の「体調不良で遅れたから半額」という話が問題になるのは、この文脈です。
契約解除と再委託の可否
継続案件では、契約解除の条件も確認しておきます。フリーランス保護新法では、一定期間以上の継続的な業務委託を中途解除する場合、原則として30日前までの予告が必要とされています。突然「来月から不要です」と言われて収入が消える事態を防ぐための規定です。
もう一つ、再委託の可否も見ておく価値があります。体調が読めない前提で仕事を受けるなら、いざというときに信頼できる人に一部を任せられる余地があるかどうかは、リスク管理として意味があります。ただし無断の再委託は契約違反になることが多いので、必要なら事前に「一部工程を協力者に依頼する可能性があります」と合意しておいてください。
私自身、独立した直後に契約書を軽く見て痛い目に遭ったことがあります。修正回数の定めがない契約で仕事を受け、5回目の差し戻しが来た時点で、当初想定の3倍以上の時間を使っていました。相手に悪意はなく、単に「何回まで」という共通認識がなかっただけです。それ以来、契約前に修正回数と検収期間を確認するのを絶対のルールにしています。法律はあなたの味方ですが、味方になってもらうには先に条件を書いておく必要があります。
スキルの伸ばし方と、単価を上げる方向
資格は「実務経験の代わり」として機能する
未経験からWebライティングに入る場合、実績がないことが最大の壁になります。ここで客観指標として使えるのが検定資格です。クラウドソーシング大手が関与するWebライティング技能検定は在宅ワーク向けの実務知識を扱っており、取得後の案件獲得ルートまで含めて設計されています。もう一つ、Webライティング能力検定は日本語文法やコピーライティング、法律知識まで範囲に含むタイプで、こちらは文章そのものの信頼性を示す方向に効きます。
正直に言えば、資格がないと仕事が取れないわけではありません。実務経験者の募集では検定より実績が優先されます。ただし未経験・ブランクありの状態で書類選考を通る確率を上げる効果は確実にあります。細切れの時間で学習を進められる点も、通院がある人には相性がいい。
専門分野を1つ決める
単価を上げる方向は、実質2つしかありません。1つは分野特化、もう1つは工程の上流化です。
分野特化は、自分がもともと知っている領域を選ぶのが鉄則です。過去の職歴、資格、長く関わってきた趣味。この3つのどれかに当てはまる領域なら、リサーチの時間が短くて済み、記事の説得力も上がります。逆に、単価が高いという理由だけで知らない分野に飛び込むと、リサーチに膨大な時間がかかって時給が下がります。
工程の上流化は、記事を書くだけでなく、構成設計、キーワード選定、記事全体の企画、編集ディレクションまで引き受ける方向です。ここまで来ると1案件あたりの単価が大きく変わります。AI・マーケティング・セキュリティのお仕事を見ると、コンテンツ制作がマーケティング施策の一部として発注されている構造が分かります。書く技術だけでなく、その記事が何のために存在するのかを理解している人は、代替が効きにくくなります。
AIツールとの付き合い方を決めておく
2026年時点で、生成AIを使わずにWebライティングをしている人は少数派になりました。構成案の壁打ち、リサーチの整理、初稿のたたき台作成といった用途では、明確に時間短縮になります。稼働時間に制約がある人にとって、これは無視できない武器です。
ただし、AIの出力をそのまま納品する仕事には価値がありません。発注側も同じツールを使えるからです。価値が残るのは、事実確認、一次情報の裏取り、読者の状況に合わせた具体化、そして法的・倫理的に問題のある表現の除去です。AI活用そのものを仕事にする方向もあり、AIコンサル・業務活用支援のお仕事では、企業がAI導入をどう外注しているかが整理されています。ライティングの延長線上に業務設計の支援がある、という広がり方を知っておくと選択肢が増えます。
技術寄りにさらに進むならアプリケーション開発のお仕事のような領域もありますが、こちらは学習に安定した時間が必要で、体調の波が大きい段階では優先度を下げたほうが現実的です。報酬水準の参考としてソフトウェア作成者の年収・単価相場と先ほどの編集職の相場を比べると、平均は技術職が上ですが、そこに到達するまでの継続学習コストが高い。自分の制約に照らして選ぶべきです。
在宅でできる仕事全体の中でWebライティングがどの位置にあるかは、在宅でできる仕事おすすめ【2026年版】|スキル別ランキングにスキル別の比較がまとまっています。書く仕事が自分に合わないと感じたときの乗り換え先を先に知っておくのも、リスク管理のうちです。
確定申告と社会保険まわりで、先に確認しておくこと
収入の区分と申告の要否
在宅でWebライティングの報酬を受け取ると、その収入は原則として事業所得か雑所得になります。給与ではないので源泉徴収だけで完結せず、自分で申告する必要が出てきます。会社員が副業として行う場合、給与以外の所得が年20万円を超えると確定申告が必要になるのが一般的な目安です。専業で行う場合は、基礎控除などを踏まえた所得金額によって判断が変わります。
区分の判断は「継続性があるか」「事業として独立した形で行っているか」といった実態で決まり、金額だけで機械的に決まるわけではありません。開業届を出して事業所得として申告するのか、雑所得として申告するのかで、青色申告特別控除が使えるかどうかも変わってきます。ここは国税庁の情報を確認したうえで、判断に迷う場合は税務署か税理士に直接聞いてください。※ネット上の体験談を根拠に判断すると、後から修正申告が必要になることがあります。
記帳の負担を減らすなら、会計ソフトを最初から入れておくのが実務的です。freeeやマネーフォワードのようなクラウド型なら、口座やクレジットカードと連携して取引を自動で取り込めるので、体調が悪い時期に帳簿が溜まる事態を避けやすくなります。月に1回、30分だけ仕分けを確認する運用にしておくと、確定申告期に慌てずに済みます。
傷病手当金や障害年金との関係は必ず窓口で確認する
通院がある人からよく質問されるのが、傷病手当金の受給中に在宅ワークをしてよいのか、障害年金を受けながらライティング収入を得ると支給が止まるのか、という点です。ここは一般論で答えてはいけない領域です。
傷病手当金は健康保険の制度なので、加入先が協会けんぽか組合健保か共済かで運用の細部が変わります。障害年金は障害の状態と就労状況の両方を見て判定されるため、収入額だけで機械的に決まるものではありません。雇用保険の給付を受けている期間に業務委託の仕事をした場合の申告義務も、形態によって扱いが違います。
制度の一般的な枠組みは日本年金機構や厚生労働省が公開していますが、自分のケースがどうなるかは、加入している保険者、年金事務所、ハローワークに直接確認してください。これ、知らない人が本当に多いんですが、確認せずに始めて後から返還を求められる例が実際にあります。仕事を始める前に窓口で1回聞いておけば済む話です。
通院や不調が締切とぶつかったときの、立て直しの手順
体調の波を前提に受注量を決めていても、想定外はやってきます。大事なのは、そのときに何をするかを事前に決めておくことです。判断力が落ちているときに考え始めると、たいてい最悪の選択、つまり連絡しないまま抱え込むという選択をします。
工程を前倒しできる形で持っておく
記事1本を「調べる」「構成を作る」「本文を書く」「整える」の4工程に分けると、前半の2工程は体調が良い日にまとめて進められます。構成まで作ってある記事が3本手元にあれば、不調の週でも本文だけを書けば納品できます。逆に、締切の直前に4工程すべてが残っている状態は、体調の問題ではなく段取りの問題です。
部分納品という選択肢を用意する
全部が仕上がらないときに、黙って締切を過ぎるのが最も損をします。「本文は完成、参考リンクの整理だけ翌日」という形で、完成した部分だけ先に渡す。発注者は次の工程である編集や入稿に進めるので、実害がほとんど出ません。この提案ができるかどうかで、1回の遅れが信用の傷になるかどうかが分かれます。
受け入れてもらいやすくするには、最初の契約時に「万一のときは分割で納品させていただく場合があります」と一言入れておくことです。事後に言うと言い訳に聞こえますが、事前に言ってあれば手順になります。
断るときの型を作っておく
新規の打診に対して、その週は受けられないときの返信文を1つ作っておきます。「今週は稼働が埋まっているため、◯日以降でしたらお受けできます。◯日納品でよろしければ本日中に着手します」という形です。断りではなく、代替日の提示にする。毎回ゼロから考えると消耗するので、文面を保存しておいて貼り付けるだけにします。
報酬が支払われない、条件が後から変わったときの手立て
書く力とは別に、取引の場面で自分を守る手順を知っておく必要があります。ここを知らないまま泣き寝入りする人が、この分野には一定数います。
やり取りを1か所にまとめる
条件の合意、修正の依頼、納品の連絡。これらが複数の連絡手段に散っていると、後から経緯を示せません。チャットで話が進んだ場合でも、区切りごとに「本日の合意事項」としてメールで送っておくと、それが記録になります。相手が返信しなくても、送った事実は残ります。
着手前に条件が文字で示されているかを見る
フリーランスとして業務の委託を受ける取引については、発注時の条件明示や報酬の支払期日に関する定めがあり、公正取引委員会が相談の窓口を担っています。自分の取引が対象に当たるかどうかは契約の形態や相手方の状況によって変わるため、条文をこちらで解釈して決めつけず、窓口に事実関係を持ち込んで確認するのが確実です。
実務的には、着手前に「業務内容」「報酬額」「支払期日」の3点が文字で示されているかどうかを見ます。示されていない相手は、その時点で取引の管理ができていないので、後の場面でも揉めます。
相談先を先に控えておく
支払いが止まってから探し始めると、時間と気力を使います。公正取引委員会のフリーランス向け相談窓口、都道府県の労働相談窓口、法テラス。この3つの連絡先を、契約書の保存先と同じ場所に控えておいてください。使わずに済むのが理想ですが、控えてあるという事実そのものが、条件を交渉するときの落ち着きにつながります。
治療や制度との兼ね合いは窓口で確認する
働きながら受けられる給付や支援の扱いは、加入している健康保険、年金の状況、就労の形によって変わります。傷病手当金や障害年金と在宅ワークの収入がどう関係するかは、記事の記述で判断せず、健康保険の窓口、年金事務所や日本年金機構の窓口、そして主治医に、自分の状況を伝えて確認してください。始める前に確認を済ませておくことが、後から不安なく続けられる条件になります。
20年この市場を見てきた立場からの観察
フリーランス・在宅ワークの市場を長く運営してきた側から見ると、長く続く人と続かない人の差は、文章のうまさではなく「関係の作り方」に出ます。案件を単発の作業として処理する人は、毎回ゼロから信用を積み直すので、体調で1回落としたときのダメージが大きい。続く人は、発注者にとって「この人に任せると自分の作業が減る」状態を作っています。構成の粒度が揃っている、確認事項が先回りしてまとまっている、納品形式が毎回同じ。この積み重ねがあると、「今月は本数を減らしたい」と言っても関係が壊れません。
もう一つ、額面と手取りの話をしておきます。同じ10万円の予算でも、仲介手数料が乗る取引と直接取引では、書き手に残る金額が変わります。手数料0%の直接取引が効いてくるのは、金額の大小そのものよりも「同じ執筆量で手取りが厚くなる」という質の部分です。稼働時間を増やせない事情がある人ほど、この差は効きます。発注側から見ても、マージン分を単価に回せるので同じ予算でより多く依頼できる。運営者として見てきた限りでは、この双方が得をする構造で回っている関係ほど、数年単位で継続しています。
そして市場側の変化についても書いておきます。「取材なし・完全在宅」のライティング案件が増えたのは、体調に事情がある人への配慮としてではなく、成果物の受け渡しがオンラインで完結する工程だから増えました。だからこそ、事情を伝えるかどうかで悩むより、稼働可能な時間と納品品質を明示するほうが確実に仕事につながります。市場は事情を評価しませんが、約束を守る人は正しく評価します。そして、その約束を守りやすくする道具が契約書であり、法律です。無理のない受注量を決め、余裕のある納期を自分から提示し、契約書に修正回数と支払期日を書いておく。この3つを先にやっておけば、体調の波は「守れない約束」にはなりません。
よくある質問
Q. 通院があることを発注者に伝えるべきですか?
成果物単位の業務委託なら、事情そのものを説明する義務は原則ありません。伝えるべきは「稼働可能な曜日と時間帯」「連絡への返信目安」「月あたりの受注上限」の3点です。理由を書かずに条件だけを明示するほうが、発注者は判断しやすく、結果的に発注につながりやすくなります。
Q. 体調不良で納期に遅れそうなときはどうすればいいですか?
遅れてから謝るのではなく、遅れる可能性に気づいた時点で連絡してください。期限前に納期変更の合意を取れば契約内容の変更になり、債務不履行にはなりません。連絡には「新しい納品可能日」と「現在の進捗」を必ず具体的に書くと、相手も公開予定を調整できます。
Q. 在宅Webライティングの単価相場はどのくらいですか?
初心者向けの記事作成が1文字0.3円〜0.8円、実務経験者向けのSEO記事が1文字1.0円〜2.0円、専門知識が必要な分野で1文字2.0円〜5.0円が目安です。ただし判断は時給換算で行ってください。5,000字を6時間で書いて5,000円なら時給833円になります。
Q. 体調不良を理由に報酬を減額されたら受け入れるしかないですか?
契約書に減額の根拠がなく、一方的に通告されただけなら正当な減額とは言えません。フリーランス保護新法は、受託者の責めに帰すべき事由がない報酬の減額を禁止しています。まず契約書の該当条項を確認し、判断に迷う場合は公正取引委員会の相談窓口や弁護士に相談してください。
この記事について
編集部
監修:@SOHO編集部
2004年よりフリーランス・在宅ワーク向けサービスを20年運営。編集部が事実確認のうえ公開しています。

この記事を書いた人
長谷川 奈津@SOHO編集部
行政書士・元企業法務
企業法務で数多くのフリーランス契約を扱った経験を活かし、フリーランス向けの法律・契約・権利に関する記事を執筆。「法律はあなたの味方です」がモットー。
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