イラスト依頼の修正回数|納得いくまで直せるかの確認ポイント 2026


この記事のポイント
- ✓イラスト依頼の修正回数はどこまで無料か
- ✓トラブルを避ける依頼の流れを行政書士が解説します
イラスト依頼で一番揉めやすいのが、修正回数の扱いです。「何回まで無料で直してもらえるのか」「追加で直してほしいとき、いくら払えばいいのか」が曖昧なまま発注してしまい、途中で気まずくなるケースは本当に多いです。この記事では、イラスト依頼における修正回数の一般的な相場、契約前に決めておくべきこと、追加料金が発生する境界線について、法律相談を受けてきた立場から具体的に整理します。
イラスト依頼における修正回数の現状
イラスト制作の修正回数は、業界内で明確な統一基準があるわけではありません。ただし、実務上の相場感は存在します。個人のイラストレーターに小規模なアイコンやSNS用イラストを依頼する場合、無料修正は2回〜3回までとするケースが多く見られます。企業のロゴやキャラクターデザインのような大型案件になると、3回〜5回程度まで無料修正の範囲を広げる契約も珍しくありません。
私自身の経験や、知り合いのイラストレーターさんから聞いた話にはなりますが…。広告代理店さんや大手クライアントさんの案件でも、修正回数はだいたい5回前後に収まることが多いです! 出典: yurugonomi.com
なぜこの回数感覚が定着しているのか。理由は単純で、イラスト制作は時間集約型の労働だからです。ラフ、線画、着色、仕上げという工程を経るたびに、イラストレーター側の作業時間は積み上がっていきます。無制限に修正を受け付けてしまうと、当初の見積もり単価では割に合わなくなり、結果的に受注できるイラストレーターが減り、業界全体の供給が細るという構造的な問題があります。
つまり、修正回数の上限は「発注者を制限するための意地悪なルール」ではなく、「適正な対価で継続的に依頼できる関係を保つための仕組み」だと理解しておくと、依頼のときの心構えが変わってきます。フリーランス保護新法が2024年に施行されて以降、業務委託契約における条件明示義務が強化された背景もあり、修正回数についても契約書やチャットのやり取りで明文化しておくことが、発注者・受注者双方にとって望ましい流れになっています。
修正回数と料金体系の関係
修正回数の上限は、料金体系によっても変わります。時間単価制で契約している場合は、修正のたびに追加時間分の費用が発生するのが基本です。一方、一括請負(パッケージ)料金で契約している場合は、あらかじめ「◯回まで無料」という条件がセットになっていることが多く、発注者にとっては予算管理がしやすいというメリットがあります。
依頼前にどちらの料金体系かを確認し、パッケージ料金であれば無料修正回数を、時間単価制であれば1回あたりの修正にかかる目安時間を、必ず見積もり段階で確認しておきましょう。
イラスト依頼の修正回数、相場と内訳を具体的に解説
ここからは、実際の依頼シーンを想定して、修正回数の相場と費用の内訳を具体的に見ていきます。
依頼形態別の修正回数相場
依頼するイラストの種類によって、無料修正の回数感覚は変わります。
・SNSアイコン、シンプルな一枚絵:無料修正1回〜2回が一般的 ・LP用イラスト、バナー素材:無料修正2回〜3回が一般的 ・キャラクターデザイン、ロゴ:無料修正3回〜5回が一般的 ・漫画、コミック形式の複数ページ制作:ページごとに1回〜2回が一般的
これはあくまで目安であり、イラストレーターによって設定は大きく異なります。重要なのは「相場を知った上で、依頼するイラストレーターの条件を個別に確認する」という姿勢です。相場より少ない回数設定でも、単価が安ければ総コストとしては見合う場合もありますし、逆に相場より多い回数設定でも単価が高ければ結果的に割高になることもあります。
修正で追加費用が発生するケースとしないケース
修正費用が発生するかどうかは、依頼内容が「当初の指示範囲内の微調整」か「方向性の変更」かで大きく分かれます。
無料修正の範囲に含まれやすいのは、色味の微調整、目や口といったパーツの位置の微修正、線の太さの調整といった、当初の完成イメージを大きく崩さない範囲の変更です。一方、追加費用が発生しやすいのは、キャラクターのポーズを根本的に変える、構図を全部組み直す、当初の指示になかった要素(背景、小物、別カラー展開)を新たに追加する、といった内容です。
実は、修正回数の目安や伝え方のコツを知っているだけで、イラスト依頼のやり取りはとてもスムーズになります! 出典: yurugonomi.com
つまり、これ、知らない人が本当に多いんです。発注者側は「まだ完成前の段階なのだから、何回直しても無料だろう」と考えがちですが、イラストレーター側からすると「当初の指示にない大幅な方向転換」は、新規案件に近い作業負荷になります。ここの認識のズレが、トラブルの一番の原因です。
修正費用の相場感
追加修正が発生した場合の費用は、案件の規模やイラストレーターの単価によって幅がありますが、目安としては1回あたり3,000円〜1万円程度、本格的な描き直しレベルになると1万円〜3万円程度になることもあります。事前に「追加修正1回あたりいくらか」を確認しておけば、途中で予算オーバーになる事態を防げます。
イラスト依頼で修正回数トラブルを避ける方法
トラブルを未然に防ぐためには、依頼前の準備が9割を占めます。ここでは具体的な手順を紹介します。
発注前に指示書(発注書)を作り込む
修正が増える最大の原因は、初回の指示が曖昧なことです。「かわいい感じで」「明るい雰囲気で」といった抽象的な指示だけで発注すると、イメージのすり合わせに何度も修正が必要になります。
発注前に用意すべき情報は次の通りです。
・完成イメージに近い参考画像(3枚程度) ・使用用途(SNS投稿用、印刷物用、商用利用の有無) ・カラー指定(具体的なカラーコードがあれば尚可) ・サイズ、解像度の指定 ・納期の希望 ・修正回数と追加費用の確認
参考画像を用意するのは面倒に感じるかもしれませんが、この一手間が修正回数を大きく減らします。言葉だけで伝えるより、画像で共有した方がイメージのズレは圧倒的に少なくなります。
ラフの段階で必ず確認する
イラスト制作は、ラフ(下描き)、線画、着色、仕上げという段階を踏んで進みます。修正回数を無駄に消費しないための最大のコツは、ラフの段階で構図やポーズについてしっかり確認することです。
着色や仕上げまで進んでから「やっぱり構図を変えたい」と伝えると、イラストレーター側の手戻りが非常に大きくなり、追加費用も高額になりがちです。ラフ段階での確認を丁寧に行うことで、後工程での大幅な修正を避けられます。
コミュニケーションの取り方を工夫する
修正指示を出すときは、感覚的な言葉ではなく具体的な言葉を使うことが重要です。「もっと良い感じに」ではなく、「目の位置をあと5ミリ上に」「背景の彩度を下げて全体を落ち着いた雰囲気に」というように、できるだけ数値や具体的な状態で伝えると、イラストレーター側も対応しやすく、結果として修正回数が減ります。
実際にXフォロワー6万・インスタフォロワー9万・京都芸術大学非常勤講師・大手企業との仕事経験ありの私が試行錯誤してきたことや、「これは大事!」と思った超有益な情報をギュッとまとめました。 出典: note.com
また、イラストレーターへの感謝や肯定的なフィードバックを伝えることも、実は品質向上に直結します。「ここまでの仕上がり、とてもいいですね」といった一言があると、イラストレーター側のモチベーションが上がり、結果的に丁寧な対応につながるという声は多くのクリエイターから聞かれます。
修正依頼のテンプレート例
実務でそのまま使える修正依頼の伝え方の例を挙げます。
「ラフを拝見しました。全体的な雰囲気はイメージ通りです。2点だけ修正をお願いできますでしょうか。1点目は、キャラクターの目線をもう少し正面寄りにしていただきたいです。2点目は、背景の色味を暖色系に変更していただけますでしょうか。この2点の修正で、無料修正の範囲内かどうかも合わせて教えていただけると助かります。」
このように、修正内容を具体的に伝えると同時に、「無料修正の範囲内か」を都度確認する姿勢が、トラブル予防につながります。
契約書やチャット履歴に条件を残す
口約束だけで発注すると、後から「言った言わない」のトラブルになりやすいです。クラウドソーシングサイトを使う場合は、プラットフォーム上のメッセージ機能でやり取りを残すだけでも証拠力があります。個人のイラストレーターに直接依頼する場合は、簡単な発注書や見積書に「修正◯回まで無料、以降1回あたり◯円」と明記してもらうことをおすすめします。
フリーランス保護新法では、発注者に対して業務内容・報酬額・支払期日などの明示義務が課されています。つまり、修正回数や追加費用についても、口頭だけでなく書面(チャットも含む)で残しておくことが、法律の趣旨にも沿った望ましい進め方だと言えます。
イラスト依頼における発注先の選び方と直接依頼のメリット
イラストを依頼する際の選択肢は、大きく分けて「制作会社・エージェンシー経由」と「フリーランスへの直接依頼」の2つがあります。
制作会社やエージェンシーを通すと、進行管理やクオリティチェックを代行してもらえる安心感がある一方、仲介手数料が上乗せされるため、同じ予算でもイラストレーター本人に渡る報酬は少なくなりがちです。仲介会社を挟むことで、修正のやり取りも間接的になり、意図が正確に伝わりにくくなるケースもあります。
一方、フリーランスのイラストレーターへ直接依頼すれば、中間マージンが発生しない分、同じ予算でもより高単価のイラストレーターに依頼できたり、修正回数を多めに設定してもらえる余地が生まれたりします。何より、発注者とイラストレーターが直接コミュニケーションを取れるため、修正の意図が正確に伝わりやすく、認識のズレによる無駄な修正往復を減らせるという利点もあります。
実際に私が相談を受けたケースでは、初めてイラストを外注する事業者の方が、複数の制作会社から見積もりを取った際、金額の違いだけで判断してしまい、後から「修正回数の条件が会社によって全然違った」と気づいて困っていたことがありました。安いところは無料修正が1回だけで、以降はすべて有料。逆に少し高いところは3回まで無料で、トータルで見ると結果的に安いところより総額が抑えられた、という逆転現象も起きていました。金額だけでなく、修正回数の条件まで含めて比較することの重要性を痛感した相談でした。
依頼先を探す際は、ソフトウェア作成者の年収・単価相場のようなクリエイティブ職の相場データを参考にしながら、単価と修正回数の両方のバランスを見て判断することをおすすめします。また、文章やコピーとイラストをセットで依頼したい場合は、著述家,記者,編集者の年収・単価相場も参考になるでしょう。
業務範囲を明確にする重要性
イラスト依頼に限らず、外注全般で失敗を避けるコツは、業務範囲(スコープ)を明確にすることです。AIツールを活用した業務効率化や、より広い範囲の業務委託を検討している場合は、AIコンサル・業務活用支援のお仕事のようなガイドで、依頼範囲の決め方を事前に確認しておくと、修正回数のトラブルと同じような「範囲の曖昧さ」による問題を未然に防げます。
同様に、マーケティングやセキュリティ関連の業務を組み合わせて依頼したい場合はAI・マーケティング・セキュリティのお仕事、アプリのUI素材としてイラストを活用したい場合はアプリケーション開発のお仕事も参考にしてください。いずれも、発注前にスコープを明文化する重要性は共通しています。
独自データ考察、修正回数トラブルの背景にある構造
長く在宅ワーク、フリーランス市場を運営してきた立場から見ると、修正回数をめぐるトラブルは、単なる「言った言わない」の問題ではなく、発注者と受注者の間で「完成の定義」がすり合っていないことが根本原因であるケースがほとんどです。
20年この市場を見てきた立場から言えば、長く継続して依頼できる関係を築いているクライアントほど、修正回数を数字だけで管理していません。むしろ、初回発注の段階で参考資料を丁寧に用意し、ラフの段階でしっかり確認し、修正指示を具体的に伝えるという「準備の質」に時間をかけています。結果として、修正回数そのものが少なく済み、イラストレーター側からの信頼も厚くなるという好循環が生まれています。
もう一つ、運営者として見てきた限りで印象的なのは、額面の安さだけで発注先を選んだ発注者ほど、修正回数のトラブルに直面しやすいという傾向です。仲介会社を経由した場合、手数料が上乗せされる分、イラストレーター本人の手取りは薄くなり、結果として「無料修正の回数を渋る」「対応が事務的になる」という形で跳ね返ってくることがあります。中間マージンが乗らない直接取引であれば、同じ予算でも依頼者はより手厚い条件を引き出せますし、受け手であるイラストレーターも手取りが厚くなるため、丁寧な対応を続けやすくなります。手数料0%の直接取引が持つ本質的な価値は、金額の安さそのものよりも、この双方が得をする関係性の質にあると、現場を見てきた実感として感じています。
修正回数という一見小さな条件が、実は発注先選びの質そのものを映し出す鏡になっている。これが、長年この市場を見てきた運営者としての率直な観察です。
イラスト依頼は、参考資料の準備、ラフ段階での確認、具体的な修正指示という3つの基本を押さえるだけで、トラブルの大半を防げます。修正回数の相場を知り、契約前に条件を明文化し、信頼できる発注先を選ぶことが、満足のいく仕上がりへの一番の近道です。
よくある質問
Q. イラスト依頼の修正回数、無料は何回までが一般的ですか?
案件の規模によりますが、SNSアイコンなどの小規模案件は1回から2回、キャラクターデザインなど大型案件は3回から5回程度が一般的な目安です。契約前にイラストレーターへ直接確認することをおすすめします。
Q. 修正で追加費用が発生するのはどんな場合ですか?
構図やポーズを根本的に変更する、当初の指示になかった要素を追加する場合は追加費用が発生しやすいです。色味の微調整など小さな変更は無料範囲に含まれることが多いです。
Q. 修正回数を減らすコツはありますか?
発注前に参考画像を用意し、ラフの段階でしっかり確認し、修正指示を具体的な言葉で伝えることが有効です。曖昧な指示は修正往復を増やす主な原因になります。
Q. 制作会社とフリーランスへの直接依頼、どちらが良いですか?
制作会社は進行管理の安心感がありますが手数料が上乗せされます。フリーランスへの直接依頼は中間マージンがない分、同じ予算で手厚い修正条件を引き出せる可能性があります。
この記事について
編集部
監修:@SOHO編集部
2004年よりフリーランス・在宅ワーク向けサービスを20年運営。編集部が事実確認のうえ公開しています。

この記事を書いた人
長谷川 奈津@SOHO編集部
行政書士・元企業法務
企業法務で数多くのフリーランス契約を扱った経験を活かし、フリーランス向けの法律・契約・権利に関する記事を執筆。「法律はあなたの味方です」がモットー。
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