採用事務代行の費用相場|応募者対応・日程調整を任せる料金と依頼範囲

長谷川 奈津
長谷川 奈津
採用事務代行の費用相場|応募者対応・日程調整を任せる料金と依頼範囲

この記事のポイント

  • 採用事務代行の費用相場を発注者目線で徹底解説
  • 応募者対応・日程調整・スカウト送信など業務別の料金
  • 月額型・従量型・成果報酬型の料金体系

先日、ある中小企業の採用担当の方から相談を受けました。「応募者への返信が追いつかなくて、せっかく応募してくれた人を何人も逃してしまった。事務作業だけでも誰かに任せたいけれど、いくらかかるのか見当もつかない」と。結論から言うと、採用事務代行の費用相場は、依頼する業務範囲と料金体系によって月額3万円から30万円程度と幅が広く、「何をどこまで任せるか」を先に決めないと見積もりの比較すらできません。この記事では、「採用事務代行 費用 相場」を検索したあなたが、いくらで・どこに・どうやって外注すればいいかを自分で判断できるよう、業務別・料金体系別の相場、仲介会社と直接依頼のコスト差、失敗しない依頼範囲の決め方まで、発注者の立場で具体的に解説します。これ、知らない人が本当に多いんです。

採用事務代行とは何か|「採用代行(RPO)」との違いを整理する

まず言葉の整理からです。求人媒体や検索でよく見かける「採用代行」「RPO(採用アウトソーシング)」と、この記事で扱う「採用事務代行」は、重なる部分もありますが、費用感がまるで違います。ここを混同したまま見積もりを取ると、「思ったより高い」「安すぎて不安」と感じてしまい、正しい判断ができません。

採用代行(RPO)は、Recruitment Process Outsourcingの略で、つまり採用活動そのものを外部の専門会社にまるごと委託する仕組みです。採用計画の立案、母集団形成の戦略、面接評価、内定者フォローまで、採用の意思決定に近い「コア業務」まで含めて任せるケースが多く、費用も高くなります。一方の採用事務代行は、その名の通り「事務」に軸足があります。応募者への返信、面接の日程調整、応募者情報のデータ入力、合否連絡の送付といった、判断を伴わない定型的な作業(ノンコア業務)を切り出して任せるものです。

つまり、採用戦略を一緒に考えてほしいのか、それとも手が回らない事務作業だけを巻き取ってほしいのかで、選ぶサービスも費用も変わります。多くの中小企業や店舗オーナーが本当に困っているのは後者、つまり「応募が来ても対応する人手がない」という事務のボトルネックです。この記事では、その事務代行を中心に、費用と依頼範囲を深掘りしていきます。

採用事務代行に任せられる主な業務範囲

採用事務代行で切り出せる業務は、思っている以上に幅広いです。具体的にどこまで任せられるのかを知っておくと、見積もりを取るときに「この作業は含まれますか?」と正確に聞けるようになります。代表的なものを挙げます。

一つ目は応募者対応です。応募が入った際の一次返信、問い合わせへの回答、応募者からのメールやメッセージのやり取りを代行します。応募から返信までのスピードは辞退率に直結するため、ここを外注する効果は大きいです。二つ目は日程調整です。応募者と面接官の双方のスケジュールを調整し、面接の日時を確定させ、リマインドを送る一連の作業です。これが地味に時間を食う業務の筆頭で、担当者一人あたり月10時間以上を費やしているケースも珍しくありません。

三つ目は求人媒体の運用補助です。求人原稿の入稿、掲載情報の更新、複数媒体への転載などです。四つ目はスカウトメールの送信代行で、ダイレクトリクルーティング媒体で候補者を絞り込み、テンプレートに沿ってスカウトを送る作業です。五つ目は応募者データの管理で、採用管理システム(ATS)へのデータ入力、選考ステータスの更新、レポート作成などが含まれます。これらを組み合わせて、自社に足りない部分だけを切り出せるのが事務代行の柔軟さです。

採用事務代行・採用代行の費用相場【最新の全体像】

では本題の費用相場です。全体像をつかむために、まず大きな数字から示します。中途採用における採用代行の費用は、依頼範囲によって大きく変動します。専門的な料理・法務・技術系の採用や、マネジメント層の採用ほど費用は高くなる傾向があります。

中途採用の採用代行の費用相場は、月額10万円から80万円程度とされており、採用する職種の専門性や難易度、希少性によって大きく変動します。例えば、高度なITスキルを持つエンジニアや、特定の業界経験を持つマネジメント層の採用では、費用が高くなる傾向にあります。採用代行を活用することで、専門知識を持ったプロが効率的に候補者を見つけ出し、質の高い採用を実現できるようになります。自社の求める人物像を明確にし、それに合った料金体系とサービス内容を選ぶことが成功の鍵となります。

この「月10万円から80万円」というのは、戦略立案から面接まで含む採用代行(RPO)の相場です。一方で、応募者対応や日程調整といった事務作業だけを切り出す採用事務代行であれば、これより大幅に安く、業務量にもよりますが月3万円から15万円程度で収まるケースが多いです。フリーランスや個人事業主に直接依頼すれば、さらに費用を抑えられます。

なぜここまで幅が出るのか。理由は明確で、「業務範囲」「業務量(応募数・面接数)」「料金体系」「依頼先が会社か個人か」という4つの変数で費用が決まるからです。逆に言えば、この4つを自分で整理できれば、見積もりが妥当かどうかを判断できるようになります。順番に見ていきましょう。

なぜ料金差が生まれるのか|4つの決定要因

一つ目の要因は業務範囲です。前述のコア業務(戦略・面接評価)まで含めるか、ノンコア業務(事務)に限定するかで、費用は数倍変わります。事務だけなら人件費ベースの単純作業なので安く、判断や専門性を伴うほど高くなります。

二つ目は業務量です。月に応募が10件のポジションと100件のポジションでは、対応にかかる工数が10倍違います。日程調整の件数、スカウト送信の通数など、量が増えれば費用も比例して上がります。三つ目は料金体系で、月額固定型・従量課金型・成果報酬型のどれを選ぶかで総額が変わります(次章で詳述します)。

四つ目、そして発注者にとって見落としがちなのが「依頼先が会社か個人か」です。大手の採用代行会社に頼めば安心感はありますが、その料金には会社の管理費・営業経費・仲介マージンが上乗せされています。同じ事務作業でも、経験あるフリーランスに直接依頼すれば、中間コストがない分、費用を抑えられるのが実情です。この点は後半で詳しく触れます。

料金体系別の費用相場|月額型・従量型・成果報酬型

採用事務代行・採用代行の料金体系は、大きく3つに分かれます。それぞれ向き不向きがあり、自社の採用状況によって最適な選択が変わります。ここを理解せずに契約すると、「使わないのに固定費だけ払い続ける」「思わぬ追加請求が来た」といった失敗につながります。これ、契約書のチェックで本当に多いトラブルです。

月額固定型|継続採用に向く

月額固定型は、毎月一定額を支払い、あらかじめ決めた業務範囲を継続的に任せる方式です。費用相場は、事務代行に限定すれば月3万円から15万円程度、戦略まで含むRPOなら月20万円から70万円程度が目安です。継続的に採用活動をしている企業、複数ポジションを常時募集している企業に向いています。

メリットは予算が読みやすいことと、担当者が固定されることで自社の採用フローに習熟してもらえる点です。デメリットは、採用活動が一時的に止まっても固定費が発生することです。つまり、繁忙期と閑散期の差が激しい採用では、無駄が出やすい。契約前に「業務量が減った月の扱い」「最低契約期間」を必ず確認してください。※契約期間の縛りや自動更新条項でトラブルになるケースが多いので、この点は契約書の該当条項を読み込むことをおすすめします。

従量課金型|必要な分だけ払う

従量課金型は、対応した件数や作業量に応じて費用が発生する方式です。例えばスカウト送信1通あたり200円から500円、日程調整1件あたり1,000円から3,000円、応募者対応1件あたり500円から2,000円といった単価設定が一般的です。採用が単発・不定期な企業、まず小さく試したい企業に向いています。

メリットは、使った分しか払わないので無駄がないこと。デメリットは、応募が想定以上に増えると費用が膨らみ、予算が読みにくくなることです。急に大量採用が必要になった場合、月額型より割高になることもあります。つまり、採用量が安定していない初期フェーズには従量型、量が安定してきたら月額型へ切り替える、という使い分けが賢い選択です。

成果報酬型|採用できたら払う

成果報酬型は、応募数・面接数・採用数など、事前に設定した目標を達成した時点で費用が発生する方式です。事務代行ではあまり使われませんが、採用そのものを任せるRPOや人材紹介では一般的です。

応募数や面接実施数、採用数など、事前に設定した目標を達成した時点で費用が発生するのが、成果報酬型です。費用相場は、設定した目標にもよりますが、採用数の場合で一人当たり60万~120万円程度とされています。成果報酬型は、他の料金体系と比べて高い傾向にあるものの、成果が出なければ費用も発生しないため、採用する人材にこだわりたい企業におすすめです。

採用数ベースで一人あたり60万円から120万円というのは、他の体系と比べて割高です。ただし「採用できなければ払わない」という安心感があるため、どうしても採用したいポジションや、これまで自社で採れなかった難しい職種で使われます。つまり、リスクを外注先に持たせる代わりに、成功時のコストは高くつく。この構造を理解したうえで選んでください。

業務範囲別の費用相場|コア業務とノンコア業務

料金体系の次は、「どこまで任せるか」という業務範囲別の相場です。ここが発注者にとって一番のコスト調整レバーになります。任せる範囲を広げれば楽になりますが費用は上がり、事務だけに絞れば安く済みます。

対応業務の範囲は、コア業務とノンコア業務の2つに大きく分けられます。採用活動におけるコア業務は、採用計画の立案や面接の実施など、採用成果に直結する業務であり、費用相場は月額15万~100万円程度です。

コア業務が月額15万円から100万円という数字を見て、「そんなに払えない」と感じた方は多いはずです。でも安心してください。あなたが本当に困っているのが事務作業なら、ノンコア業務に絞ることで費用は大きく下がります。

ノンコア業務(事務代行)の相場

ノンコア業務、つまり判断を伴わない定型作業に絞った場合の相場を、業務別に示します。応募者対応(一次返信・問い合わせ対応)は月額3万円から8万円、日程調整代行は月額3万円から10万円、スカウトメール送信代行は月額5万円から15万円、応募者データ管理・ATS入力は月額3万円から8万円が目安です。これらを複数組み合わせても、事務中心なら月額15万円以内に収まることが多いです。

ここで重要なのは、事務代行はスキルの専門性が高くない定型作業が中心のため、フリーランスや在宅ワーカーに直接依頼しやすいということです。実際、応募者対応や日程調整、データ入力といった業務は、事務経験のある在宅ワーカーが数多く受託しています。この点は、事務系の業務委託の相場を知るうえで参考になります。事務職の単価水準については、著述家,記者,編集者の年収・単価相場のような職種別データも間接的な目安になります。文章作成やデータ処理を伴う業務の相場感がつかめます。

コア業務(戦略・面接)の相場

一方、コア業務まで任せる場合は費用が跳ね上がります。採用計画の立案、母集団形成戦略、面接代行、内定者フォローまで含めると、月額15万円から100万円のレンジになります。特に面接代行や採用戦略の設計は、採用のプロの知見が必要になるため、当然ながら高単価です。

ここで発注者が考えるべきは、「本当にコア業務まで外注する必要があるか」です。採用の意思決定は自社の未来を左右します。誰を採るかという判断だけは自社に残し、その周辺の事務作業を外注する。この切り分けができれば、費用を抑えつつ、採用の質もコントロールできます。つまり、全部丸投げより、事務だけ切り出す方が、多くの中小企業にとってはコストパフォーマンスが高いのです。

仲介会社と直接依頼のコスト差|中間マージンの正体

ここが、この記事で一番お伝えしたいポイントかもしれません。同じ採用事務作業を外注するのに、依頼先の選び方だけで費用が大きく変わります。これ、知らない人が本当に多いんです。

大手の採用代行会社や人材ビジネス企業に事務代行を依頼すると、その料金には会社としての固定費が上乗せされています。オフィスの賃料、営業担当の人件費、管理部門のコスト、そして利益。つまり、実際に作業する人に支払われる報酬に、これらの経費が乗った金額を、あなたは支払っているわけです。業界の一般的な構造として、仲介を挟むと実作業者の報酬に30%から50%程度のマージンが上乗せされると言われています。

一方、事務作業のような定型業務であれば、経験あるフリーランスや在宅ワーカーに直接依頼するという選択肢があります。業務委託マッチングサービスを使えば、応募者対応や日程調整、データ入力を得意とする個人と直接契約できます。中間業者を挟まないため、中間マージン0円で、同じ作業をより安く任せられます。手数料を取らない業務委託マッチングサービスを使えば、発注者と受注者が直接やり取りできるので、コストも意思疎通の面でも有利です。

直接依頼のメリットとデメリット

直接依頼のメリットは、まずコストです。中間マージンがない分、同じ予算でより多くの業務を任せられるか、同じ業務量を安く済ませられます。次に、コミュニケーションの速さです。作業者と直接やり取りできるので、「この応募者にはこう返信して」という細かい指示がダイレクトに伝わります。仲介会社を挟むと、指示が営業担当を経由して伝言ゲームになりがちですが、直接なら即座に反映されます。

デメリットもあります。一つは、依頼先を自分で見極める必要があること。会社なら組織で品質を担保しますが、個人の場合はスキルや誠実さを自分で判断しなければなりません。二つ目は、契約や業務指示を自社で管理する手間です。ただ、これらは業務委託マッチングサービスの評価・実績表示機能や、業務範囲を明記した委託契約書の整備で十分カバーできます。

ここで法律の観点から一点、注意喚起です。2024年に施行されたフリーランス保護新法(特定受託事業者に係る取引の適正化等に関する法律)により、フリーランスへ業務を委託する発注者には、契約条件の明示義務や、報酬の60日以内支払い義務が課されています。つまり、直接依頼する場合も、業務内容・報酬・支払期日を書面(またはメール等)で明示する必要があります。これは受注者を守るルールですが、発注者にとっても「言った言わない」のトラブルを防ぐ仕組みです。詳しくは公正取引委員会厚生労働省の情報を確認してください。法律はあなたの味方です。きちんと明示すれば、直接依頼はむしろ安心で安く済む選択肢になります。

採用事務代行を利用するメリットとデメリット

費用と依頼範囲がわかったところで、そもそも外注する価値があるのかを整理します。メリットとデメリットの両面を客観的に見て、自社にとって外注が正解かを判断してください。

利用する4つのメリット

一つ目のメリットは、採用担当者がコア業務に集中できることです。事務作業を手放すことで、面接や候補者との対話、採用戦略の検討といった、人にしかできない判断業務に時間を使えます。応募者対応に追われて面接準備が疎かになる、という本末転倒を防げます。

二つ目は、応募者対応のスピードと質が上がることです。専任のスタッフが対応するため、返信の遅れによる辞退を減らせます。採用市場では、応募から一次返信までのスピードが辞退率を大きく左右します。返信が遅れるだけで、優秀な候補者ほど他社に流れてしまう。ここを改善できる効果は大きいです。三つ目は、繁忙期の人手不足を吸収できること。採用が集中する時期だけ外部リソースを増やせるので、正社員を無理に増やさずに乗り切れます。四つ目は、採用ノウハウを持つ人材に任せられることです。特にスカウト文面の作成や媒体運用は、経験の差が成果に出ます。

利用する2つのデメリットと対策

デメリットの一つ目は、自社に採用ノウハウが蓄積しにくいことです。事務を外注し続けると、社内に採用の実務知識が残らず、いざ内製に戻すときに苦労します。対策は、コア業務(判断・戦略)は自社に残し、ノンコア業務(事務)だけを外注すること。判断のノウハウは社内に残しつつ、手を動かす作業だけを外に出す切り分けが有効です。

二つ目は、応募者情報という個人情報を外部に預けるリスクです。氏名、連絡先、職歴といった機微な情報を扱うため、情報管理体制の確認は必須です。対策として、契約時にNDA(秘密保持契約)を締結し、個人情報の取り扱い方針、データの保管・廃棄ルールを明記してください。※個人情報の漏えいは企業の信用問題に直結します。このケースでは、契約書のNDA条項を専門家(弁護士や行政書士)にチェックしてもらうことをおすすめします。

失敗しない採用事務代行の選び方|5つのチェックポイント

費用だけで選ぶと、必ずと言っていいほど失敗します。私自身、発注する側として痛い経験があります。ここでは、後悔しないための選定ポイントを5つに絞ってお伝えします。

業務範囲と料金の内訳を明確にする

一つ目は、業務範囲と料金の内訳を契約前に明確にすることです。「応募者対応込み」と書いてあっても、それが一次返信だけなのか、その後のやり取りまで含むのかで工数はまるで違います。見積もりを取るときは、「この作業は含まれますか?」を一つずつ確認し、含まれない業務の追加料金も聞いておく。ここを曖昧にすると、後から「それは別料金です」と言われて総額が膨らみます。

私の失敗談を一つ。以前、ある事務作業を外注した際、安さだけで契約先を決めてしまったことがあります。月額は確かに安かったのですが、細かい追加作業のたびにオプション料金が発生し、蓋を開けてみれば当初提示額の1.5倍近くになっていました。料金表の「基本料金」だけを見て、内訳と追加条件を確認しなかったのが敗因です。安さの裏に何が含まれていないかを、必ず確認してください。

複数社・複数人から相見積もりを取る

二つ目は、最低でも3社(または3人)から相見積もりを取ることです。1社だけの見積もりでは、その金額が相場に対して高いのか安いのかを判断できません。同じ業務条件を提示して見積もりを比較すれば、料金の妥当性が見えてきますし、交渉の材料にもなります。ここでも、会社の見積もりと、業務委託マッチングサービスでフリーランスに直接依頼した場合の見積もりを両方取ると、中間マージンの差が数字で見えて判断しやすくなります。

実績と専門性を確認する

三つ目は、依頼先の実績と専門性の確認です。採用事務は定型作業とはいえ、業界や職種によって応募者対応の勘所が違います。自社と同じ業界・規模の実績があるか、どんな媒体の運用経験があるかを確認しましょう。個人に依頼する場合は、業務委託マッチングサービスの評価や過去の実績表示が判断材料になります。

情報セキュリティ体制を確認する

四つ目は、情報セキュリティ体制です。前述の通り、応募者の個人情報を預けるため、NDAの締結、情報管理ルール、万一の漏えい時の責任範囲を契約書で確認してください。ここを軽視すると、企業の信用問題に発展しかねません。ビジネス上の契約書や文書のやり取りに不安があれば、ビジネス文書検定で学べるような、正確な文書管理の知識も役立ちます。

コミュニケーションの取りやすさを見る

五つ目は、コミュニケーションの取りやすさです。採用事務は、応募者への返信文面や対応方針を細かくすり合わせる必要があります。連絡のレスポンスが遅い、指示が伝わりにくい相手だと、外注したのにかえって手間が増えます。契約前のやり取りの段階で、返信の速さや理解の正確さを見ておきましょう。直接依頼なら、この点は特に有利です。

依頼範囲の決め方|自社の工数を棚卸しする

ここまで読んで、「結局、自社はどこまで任せればいいのか」と迷っている方へ。依頼範囲を決める具体的な手順を示します。これをやるだけで、見積もりの精度が格段に上がります。

まず、採用に関わる作業をすべて書き出してください。求人原稿の作成、媒体への入稿、応募者の一次対応、日程調整、面接、合否連絡、内定者フォロー。次に、それぞれに「月あたり何時間かかっているか」を記録します。担当者の感覚で構いません。そのうえで、各作業を「判断が必要か(コア)」「定型作業か(ノンコア)」に分類します。

分類できたら、ノンコア業務のうち、時間がかかっている順に外注候補を決めます。多くの企業で上位に来るのは、日程調整と応募者の一次対応です。この2つだけでも外注すれば、担当者の負担は大きく減ります。工数を時給換算すれば、外注費用と比べて損か得かも計算できます。例えば、月20時間を時給2,000円相当の担当者が費やしているなら、その工数の価値は月4万円です。事務代行の相場と照らせば、外注する経済合理性が判断できます。

つまり、「なんとなく忙しいから外注」ではなく、「この作業に月◯時間かかっていて、外注すれば◯円で巻き取れる」と数字で捉える。ここまでやれば、見積もりを見たときに高いか安いかを即座に判断できます。マーケティングや広告運用など採用以外の周辺業務も外注を検討しているなら、AI・マーケティング・セキュリティのお仕事のような分野別のガイドも、外注先選びの参考になります。

依頼から契約までの流れ|初めての外注で失敗しないために

最後に、実際に採用事務代行を依頼する流れを、初めての発注者向けに順を追って説明します。この手順を踏めば、大きな失敗は避けられます。

最初のステップは、前章の工数棚卸しをもとに「依頼したい業務」と「予算」を明確にすることです。次に、依頼先の候補を集めます。採用代行会社を探すルートと、業務委託マッチングサービスでフリーランスを探すルートの両方を当たると、費用の比較ができます。候補が集まったら、同じ条件を提示して相見積もりを取ります。このとき、業務範囲・料金体系・追加料金の条件・最低契約期間を必ず確認してください。

見積もりが揃ったら、金額だけでなく、実績・コミュニケーションの質・セキュリティ体制を総合して選定します。契約時には、業務内容・報酬・支払期日・NDAを書面で明示します。前述の通り、フリーランスへ委託する場合はフリーランス保護新法により、これらの明示が義務です。つまり、口約束で済ませず、きちんと書面化することが、双方を守ることになります。契約後は、いきなり全業務を任せず、まず一部の作業を試して、品質とコミュニケーションを確認してから範囲を広げるのが安全です。

採用に関わる周辺スキルを内製で強化したい場合、例えばシステム連携やATSのカスタマイズを考えているなら、アプリケーション開発のお仕事のような技術系の外注ガイドも視野に入ります。IT系のスキルを持つ人材の相場はソフトウェア作成者の年収・単価相場で確認できます。ネットワーク関連の知識が必要ならCCNA(シスコ技術者認定)のような資格の知識も参考になります。ただし、まずは採用事務のボトルネックを解消することが先決です。

@SOHO独自データから見る採用事務外注の実像

最後に、フリーランス・副業マッチングの運営視点から、採用事務外注の実態を客観的に考察します。在宅ワークや業務委託の市場を見ていると、採用事務のような定型的な事務作業は、外注のニーズと供給の両方が着実に増えている分野です。

理由は明快で、応募者対応や日程調整、データ入力といった作業は、専門資格がなくても事務経験があれば遂行でき、かつ在宅・リモートで完結しやすいからです。つまり、発注者にとっては人手不足を安く埋められ、受注者にとっては場所を選ばず働ける。この需給の噛み合いが、事務代行市場を下支えしています。事務系の業務は、SNS運用やライティングと並んで、業務委託マッチングでの取引が活発なカテゴリの一つです。

費用面での本質は、繰り返しになりますが「中間マージンの有無」です。同じ応募者対応でも、仲介を何段も挟めば挟むほど、実作業者に届くまでに費用が上乗せされます。発注者が支払う金額のうち、実際の作業への対価はその一部にすぎない、という構造を理解しておくことが重要です。手数料を取らない直接取引の仕組みを使えば、発注者は手数料0%で、支払った費用のほぼ全額が実作業者の対価となり、結果としてコストパフォーマンスが最大化します。

参考までに、採用や事務の外注を検討する際に、関連する周辺業務の外注相場も知っておくと役立ちます。例えばSNSでの採用広報を考えているなら、SNS運用代行で稼ぐ!初心者から月8万円を目指す秘訣と費用相場SNS運用代行 おすすめ会社を徹底比較!選び方と費用相場、メリット・デメリットで、SNS運用代行の相場感がつかめます。また、採用に絡む助成金の申請を代行に頼む場合は補助金 申請代行 費用相場が参考になります。採用戦略にAI活用を組み込みたいならAIコンサル・業務活用支援のお仕事のような分野も広がっています。

結局のところ、採用事務代行の費用を最適化する鍵は、「任せる範囲を事務に絞る」「複数の見積もりを比較する」「中間マージンのない直接依頼を検討する」という3点に集約されます。この3つを押さえれば、無駄なコストを払わずに、採用の事務ボトルネックを解消できます。相場を正しく理解し、自社の工数を数字で捉え、賢く外注先を選んでください。あなたの採用活動が、事務作業に埋もれることなく、本来の「人を見極める」仕事に集中できるようになることを願っています。

よくある質問

Q. 採用事務代行の費用相場はいくらですか?

応募者対応や日程調整など事務作業に絞った採用事務代行なら、業務量にもよりますが月額3万円から15万円程度が目安です。戦略立案や面接まで含む採用代行(RPO)は月額15万円から100万円と高くなります。フリーランスへ直接依頼すれば中間マージンがない分さらに抑えられます。

Q. 採用代行(RPO)と採用事務代行は何が違いますか?

採用代行(RPO)は採用計画の立案や面接評価など判断を伴うコア業務まで含めて任せる仕組みで費用が高めです。採用事務代行は応募者対応・日程調整・データ入力といった定型的な事務作業(ノンコア業務)に絞るもので、費用を大きく抑えられます。手が回らない事務だけ切り出したい企業には後者が向きます。

Q. 採用事務代行の料金体系にはどんな種類がありますか?

主に月額固定型・従量課金型・成果報酬型の3つです。継続採用なら予算が読みやすい月額固定型、単発・不定期なら使った分だけ払う従量課金型、採用できたら払う成果報酬型が向きます。採用状況に応じて使い分けると無駄なコストを避けられます。

Q. 仲介会社と個人への直接依頼ではどちらが安いですか?

定型的な事務作業であれば、経験あるフリーランスへ直接依頼する方が安く済むことが多いです。仲介会社の料金には管理費や中間マージンが上乗せされており、実作業者の報酬に30%から50%程度が加算されると言われます。手数料を取らないマッチングサービスを使えば費用のほぼ全額が実作業の対価になります。

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監修:@SOHO編集部

2004年よりフリーランス・在宅ワーク向けサービスを20年運営。編集部が事実確認のうえ公開しています。

公開:2026年5月23日最終更新:2026年7月9日
長谷川 奈津

この記事を書いた人

長谷川 奈津@SOHO編集部

行政書士・元企業法務

企業法務で数多くのフリーランス契約を扱った経験を活かし、フリーランス向けの法律・契約・権利に関する記事を執筆。「法律はあなたの味方です」がモットー。

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