フリーランスナース 税金 確定申告 2026|独立看護師の税金と確定申告の進め方


この記事のポイント
- ✓フリーランスナースの税金と確定申告を
- ✓独立した看護師の視点でやさしく解説
- ✓確定申告が必要なケース
「病院を辞めて独立したのはいいけれど、税金や確定申告のことが、まるで分からない」。このご相談、本当に多いんです。フリーランスナースとして働き始めると、それまで病院がぜんぶやってくれていた税金の手続きを、急に自分でやらなければいけなくなります。
大丈夫ですよ。あなたは一人じゃありません。最初はみんな、同じところでつまずきます。
この記事では、フリーランスナースの税金と確定申告について、「そもそも確定申告は必要なのか」という入口から、経費の考え方、青色申告のメリット、実際の申告手順まで、順番にお話ししていきます。専門用語はできるだけ日常の言葉に置き換えて説明しますので、安心して読み進めてください。読み終わるころには、「これなら自分でもできそう」と思っていただけるはずです。
フリーランスナースを取り巻く税金の現状
まず、全体像から見ていきましょう。ここを押さえておくと、後の説明がぐっと分かりやすくなります。
看護師の働き方は、この数年で大きく変わりました。病院に常勤で勤めるだけでなく、訪問看護、施設の単発バイト、健診業務、企業の産業保健、医療系ライターやオンライン相談など、フリーランスや個人事業主として活動する看護師が増えています。厚生労働省の就業看護師数は約128万人とされており、その一部が雇用されない働き方へ移行している流れがあります。
働き方が自由になる一方で、増えるのが「お金まわりの自己管理」です。会社員のとき、税金は給料から自動で天引きされ、年末調整で精算されていました。だから多くの看護師さんは、自分の税金が「どう計算されているか」をほとんど意識せずに済んでいたんですね。
ところがフリーランスになると、この仕組みが一切なくなります。報酬は税金が引かれていない「丸ごと」の金額で振り込まれることもあれば、源泉徴収といって一部だけ引かれて振り込まれることもあります。そして年に一度、自分で1年間の収入と経費を計算し、税金を確定させる手続きが必要になります。これが「確定申告」です。
ここで知っておいてほしいのは、税の仕組みを知っているかどうかで、手元に残るお金が大きく変わるということです。
フリーランスという小さな一歩において、税、確定申告の仕組みを知っているのと知っていないとでは、お金の使い方が変わり、申告の内容が変わり、税金を納める金額が大きく変わってきます
同じ収入でも、経費の計上や控除を正しく使える人と、何も知らずに申告する人とでは、納める税金に差が出ます。それは「ずるい節税」ではなく、制度として認められた当然の権利です。怖がる必要はまったくありません。一つずつ覚えていけば大丈夫です。
フリーランスナースの収入はどう分類されるか
確定申告を理解する第一歩は、自分の収入が「どの種類」に当たるかを知ることです。ここが意外と混乱しやすいポイントなんです。
フリーランスナースの収入は、おおまかに次の2つに分かれます。1つは「給与所得」。これは派遣会社やクリニックに雇用される形で働いた場合の収入で、源泉徴収票が発行されます。もう1つは「事業所得」または「雑所得」。これは業務委託契約で訪問看護や健診、執筆などを請け負った場合の収入です。
多くのフリーランスナースは、この両方を持っています。たとえば、平日は業務委託で訪問看護をしつつ、月に数回は単発の派遣バイトに入る、といった働き方ですね。この場合、給与所得と事業所得が混在するため、両方をまとめて確定申告する必要があります。
「私の収入はどっちなんだろう」と迷ったときは、契約書を確認してください。「雇用契約」なら給与所得、「業務委託契約」や「準委任契約」なら事業所得・雑所得が基本です。報酬明細に「源泉徴収税額」が記載されていれば、すでに一部の税金が天引きされている証拠なので、申告時にこれを精算できます。払いすぎていれば戻ってくることもあります。
フリーランスナースに確定申告は必要?必要なケースを整理
「そもそも私は確定申告をしなきゃいけないの?」。これが、いちばん多い疑問です。順番に整理していきましょう。
結論から言うと、業務委託で事業所得を得ているフリーランスナースは、ほとんどの場合、確定申告が必要です。ただし、状況によって基準が変わるので、自分がどのケースに当てはまるかを確認することが大切です。
確定申告が必要になる主なケース
確定申告が必要になる代表的なパターンを挙げていきます。
1つ目は、フリーランス・個人事業主として事業所得や雑所得があり、その所得(収入から経費を引いた金額)が年間48万円を超える場合です。この48万円は「基礎控除」といって、誰にでも認められる控除額です。所得がこれ以下なら、所得税はかからず申告不要になることがあります。
2つ目は、給与をもらいながら副業もしているケースです。本業の給与とは別に、業務委託などの所得が年間20万円を超える場合は、確定申告が必要になります。逆に20万円以下なら、所得税の確定申告は原則不要です。ただしこの「20万円ルール」は所得税の話であって、住民税には適用されません。住民税は別途、お住まいの自治体への申告が必要になる点に注意してください。
3つ目は、2か所以上から給与をもらっていて、年末調整されなかった給与がある場合です。複数のクリニックや病院をかけもちしている看護師さんは、このケースに該当することが多いです。
4つ目は、医療費控除やふるさと納税(ワンストップ特例を使わない場合)など、税金を取り戻すために自分から申告するケースです。これは「義務」ではなく「やったほうが得」な申告です。
「私のケースが分からない」と不安になっても大丈夫です。迷ったら申告しておくのが安全です。本来不要だったとしても、申告すること自体にペナルティはありません。
確定申告をしないとどうなるか
「忙しくて、つい後回しにしてしまった」。こういうご相談もよく受けます。気持ちはとても分かります。でも、ここは正直にお伝えしておきますね。
確定申告が必要なのにしなかった場合、本来納めるべき税金に加えて、ペナルティの税金がかかります。期限後申告になると「無申告加算税」がかかり、納税が遅れた日数に応じて「延滞税」も加算されます。無申告加算税は、納める税額に対して原則15%から20%という重い負担になることがあります。
さらに、申告をしないと所得の証明ができません。これは見落とされがちですが、とても大事なポイントです。住宅ローンを組むとき、賃貸物件を借りるとき、保育園の申し込みをするとき、子どもの奨学金を申請するとき。こうした場面では「所得証明書」や「課税証明書」の提出を求められます。確定申告をしていないと、これらが正しく発行されず、生活に直結する手続きで困ることになります。
国税庁も、無申告に対する調査を年々強化しています。「バレないだろう」という考えは、もう通用しません。
1時間以上の充実の内容を無料で公開しております。はじめて確定申告を行う方はもちろん、ご経験者の方にも参考になる内容です。
正しく申告することは、自分の働きをきちんと社会に位置づけることでもあります。後ろめたさを抱えながら働くより、堂々と「私は個人事業主の看護師です」と言えるほうが、心も軽くなりますよ。詳しい制度は国税庁の公式サイトでも確認できます。
フリーランスナースが経費にできる費用
ここからが、節税のいちばん大事なところです。確定申告で税金が決まるとき、税金の計算のもとになるのは「収入そのもの」ではなく「収入から経費を引いた金額(所得)」です。つまり、経費を正しく計上できればできるほど、所得が下がり、納める税金が減ります。
経費とは、「事業を行うために必要だった支出」のことです。看護という仕事のために使ったお金は、原則として経費にできると考えてください。
フリーランスナースが計上しやすい経費の具体例
訪問看護や健診、医療系の業務委託で働くフリーランスナースが、実際に経費にしやすいものを挙げていきます。
交通費は、いちばん身近な経費です。訪問先への移動にかかる電車代、バス代、ガソリン代、駐車場代、有料道路代など。自家用車で訪問する場合は、車の維持費(ガソリン・車検・保険・減価償却)のうち、業務で使った割合分を経費にできます。
仕事道具も経費になります。聴診器、血圧計、パルスオキシメーター、ナースシューズ、白衣やユニフォーム、感染対策用のマスクや手袋・消毒液など。これらは看護の仕事に直接使うものですから、堂々と計上してよい費用です。
通信費も大切です。連絡や記録、オンライン相談に使うスマホ代やインターネット代。プライベートと共用している場合は、業務で使った割合(たとえば50%など、合理的な根拠で按分)を経費にします。
研修費・書籍代も忘れずに。看護の知識をアップデートするためのセミナー参加費、専門書、医療系の資格取得費用などです。スキルを磨くための投資は、立派な経費です。
このほか、業務用に使うパソコンやタブレット、訪問先で記録を取るための文房具、確定申告ソフトの利用料、業務に関する打ち合わせの飲食費なども対象になります。フリーランス看護師の経費について、より具体的に整理した解説もあります。
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「家事按分」という考え方を理解しよう
ここで、初めての方が必ずつまずくポイントをお話しします。それが「家事按分(かじあんぶん)」です。難しそうな言葉ですが、中身はとてもシンプルです。
家事按分とは、「プライベートと仕事の両方に使っているもの」を、仕事で使った割合だけ経費にする考え方です。
たとえば、自宅の一室を業務の事務作業や記録、オンライン相談に使っているとします。家賃が月10万円で、そのうち仕事部屋が家全体の20%のスペースなら、家賃の20%、つまり月2万円を経費にできます。電気代やインターネット代も同じように、業務で使った割合で按分します。
按分の割合は、面積、使用時間、使用頻度など、「合理的に説明できる根拠」で決めます。適当に「だいたい半分くらい」と決めるのではなく、なぜその割合なのかを自分で説明できるようにしておくことが大切です。税務署から質問されたとき、根拠を示せれば安心です。
経費にできるか迷ったときの判断基準
「これは経費にしていいのかな」と迷う場面は、必ず出てきます。そんなときの判断のものさしをお伝えします。
問いかけてみてください。「この支出は、看護の仕事をするために必要だったか?」。答えがイエスなら、経費にできる可能性が高いです。プライベートでも使うものなら、家事按分で仕事の割合だけ計上します。
逆に、仕事とまったく関係のない私的な支出(趣味の買い物、家族との外食、自分の生活のための洋服など)は経費になりません。ここを混同すると、税務調査で否認されてしまいます。
そして、何より大事なのが「領収書・レシートを必ず残す」ことです。経費は、支払った証拠があって初めて認められます。レシートは月ごとに封筒や袋に分けて保管するだけでも、申告のときがぐっと楽になります。最近は会計ソフトでスマホ撮影して取り込む方法も主流になっていますよ。
フリーランスナースは開業届を出すべき?
「開業届って、出さなきゃいけないの?」。これも、よく聞かれます。
開業届とは、正式には「個人事業の開業・廃業等届出書」といって、「私は事業を始めました」と税務署に知らせる書類です。提出は事業開始から1か月以内が原則とされています。
実は、開業届を出していなくても、所得があれば確定申告はできますし、しなければなりません。では、なぜ開業届を出すことが推奨されるのでしょうか。
最大の理由は、開業届を出すことで「青色申告」が選べるようになるからです。青色申告には大きな節税メリットがあり、これを使わない手はありません(青色申告については次の章で詳しくお話しします)。青色申告をするには、開業届とあわせて「青色申告承認申請書」を提出する必要があります。
そのほか、開業届を出すと屋号での銀行口座が作れたり、事業者としての各種手続きがスムーズになったりするメリットもあります。
一方で、注意点もあります。開業届を出して個人事業主になると、扶養に入っている方は扶養の条件に影響が出る場合があります。また、失業給付を受けている途中だと「就職した」とみなされて給付が止まることもあります。ご自身の状況に合わせて、タイミングを考えることが大切です。
提出自体は難しくありません。書類は国税庁のサイトからダウンロードでき、税務署の窓口や郵送、e-Taxでのオンライン提出が可能です。記入項目も多くないので、構えなくて大丈夫ですよ。
青色申告と白色申告、どちらを選ぶ?
確定申告には「青色申告」と「白色申告」の2種類があります。フリーランスナースにとって、この選択は手元に残るお金に直結する重要なポイントです。じっくり見ていきましょう。
青色申告の大きなメリット
青色申告を選ぶと、いくつもの節税の特典が受けられます。
最大の魅力は「青色申告特別控除」です。複式簿記でしっかり帳簿をつけ、e-Taxで電子申告すると、所得から最大65万円を差し引けます。これは、収入が同じでも課税される所得が65万円少なくなるということ。仮に所得税と住民税を合わせた負担率が20%だとすれば、それだけで13万円ほど税金が変わる計算になります。これは見逃せません。
ほかにも、青色申告には次のような特典があります。事業が赤字になった年の損失を、翌年以降3年間にわたって繰り越して、黒字の年の所得と相殺できる「純損失の繰越控除」。家族に給与を払って経費にできる「青色事業専従者給与」。30万円未満の備品を一括で経費にできる特例などです。
白色申告との違い
白色申告は、青色申告より帳簿づけが簡単なのが特徴です。複式簿記のような細かい記帳が不要で、簡易な収支の記録で済みます。
ただし、白色申告には青色申告特別控除のような大きな控除はありません。「手間は少ないけれど、節税効果も小さい」のが白色申告だと考えてください。
では、フリーランスナースはどちらを選ぶべきか。私がご相談を受けるときにお伝えしているのは、「これから本格的に独立看護師として続けていくなら、青色申告を選びましょう」ということです。
「複式簿記なんて難しそう…」と心配になりますよね。でも安心してください。今は会計ソフトが帳簿づけのほとんどを自動でやってくれます。銀行口座やクレジットカードを連携すれば、明細が自動で取り込まれ、複式簿記の知識がなくても青色申告の書類が作れます。簿記を一から勉強する必要はありません。
青色申告を始めるための手続き
青色申告をするには、事前の手続きが必要です。ここを忘れると青色申告ができなくなるので、しっかり押さえておきましょう。
必要なのは「開業届」と「青色申告承認申請書」の2つです。青色申告承認申請書には提出期限があり、青色申告をしたい年の3月15日まで、または事業開始から2か月以内とされています。この期限を過ぎると、その年は白色申告になってしまいます。
「独立しよう」と決めたら、収入が出る前でも早めに2つの書類を出しておくのがおすすめです。最初に出してしまえば、あとは毎年自動的に青色申告ができます。
フリーランスナースの確定申告のやり方|手順を解説
ここからは、実際の確定申告の進め方を、ステップごとに見ていきます。「全体の流れ」が分かると、不安がずいぶん和らぎますよ。
確定申告の対象期間は、毎年1月1日から12月31日までの1年間。申告と納税の期間は、原則として翌年の2月16日から3月15日までです。この時期は税務署も会計ソフトも混み合うので、できれば早めに準備を始めると気持ちにゆとりが持てます。
ステップ1:1年分の書類を集める
まず、申告に必要な書類を集めます。具体的には、報酬の支払調書や入金明細(売上が分かるもの)、経費のレシート・領収書、源泉徴収票(給与をもらっている場合)、国民健康保険料・国民年金の支払証明書、生命保険料控除証明書、医療費の記録、ふるさと納税の寄附金受領証明書などです。
これらは1年間でバラバラに届くので、「届いたら専用のファイルに入れる」習慣をつけておくと、申告のとき探し回らずに済みます。
ステップ2:帳簿をつけて所得を計算する
集めた書類をもとに、1年間の収入と経費を集計します。青色申告なら複式簿記で、白色申告なら簡易な収支記録で帳簿をつけます。
ここで会計ソフトが大活躍します。freeeやマネーフォワードなどのクラウド会計ソフトを使えば、口座やカードの明細を自動取り込みし、勘定科目を提案してくれます。手作業で電卓を叩く時代は、もう終わりました。
収入から経費を引いた金額が「所得」です。この所得が、税金計算のスタート地点になります。
ステップ3:所得控除を反映する
所得が出たら、そこからさらに「所得控除」を引きます。所得控除とは、個人の事情に応じて税負担を軽くしてくれる仕組みです。
フリーランスナースが使える主な所得控除には、誰もが対象の基礎控除(48万円)、支払った国民健康保険料・国民年金保険料の全額が対象の社会保険料控除、生命保険料控除、医療費控除、配偶者控除や扶養控除などがあります。
特に社会保険料控除は金額が大きくなりやすいので、忘れずに反映してください。フリーランスは国民健康保険と国民年金を全額自己負担しているため、年間の支払額がかなりの額になります。これを丸ごと控除できるのは大きいです。
ステップ4:申告書を作成して提出する
所得から所得控除を引いた金額に税率をかけて、納める所得税が決まります。会計ソフトを使えば、ここまでの計算と申告書の作成は自動で行われます。
提出方法は、e-Taxによる電子申告、税務署への持参、郵送の3つです。青色申告特別控除を最大の65万円にするにはe-Taxが条件なので、電子申告がおすすめです。マイナンバーカードとスマホがあれば、自宅からオンラインで申告が完結します。詳しい操作はe-Taxの公式サイトで確認できます。
ステップ5:納税する(または還付を受ける)
申告書の提出後、計算された所得税を納めます。納付方法は、口座振替、クレジットカード、コンビニ納付、e-Tax経由のダイレクト納付などから選べます。
源泉徴収で税金を払いすぎていた場合は、逆にお金が戻ってきます(還付)。指定した口座に振り込まれるので、申告書に振込先を記入するのを忘れないようにしてくださいね。
フリーランスナースが見落としがちな税金・社会保険
確定申告と一緒に、ぜひ知っておいてほしいお金の話があります。ここを知らないと、後で「思っていたより税金が高い」と驚くことになります。
所得税だけじゃない|住民税・国民健康保険・国民年金
フリーランスになると、所得税だけでなく、いくつもの負担が自分にのしかかってきます。会社員のときは給料から自動で引かれていたものが、すべて自己負担・自己手続きになるんです。
まず住民税。これは前年の所得をもとに計算され、おおむね所得の10%ほどがかかります。確定申告をすれば自治体に情報が共有され、後から納付書が届きます。会社員のように毎月の給料から引かれないので、まとまった額の請求が来て驚かないよう、あらかじめ取り分けておくと安心です。
次に国民健康保険。フリーランスは会社の健康保険を抜けて、自分で国民健康保険に加入します。保険料は前年の所得に応じて決まり、所得が増えるほど高くなります。
そして国民年金。会社員のときの厚生年金から、国民年金に切り替わります。保険料は定額です。なお、これらの社会保険料は、前述のとおり全額が社会保険料控除の対象になります。
将来に備える節税の選択肢
フリーランスナースは、会社員のような手厚い退職金や企業年金がありません。だからこそ、将来に備えながら節税できる制度を活用してほしいのです。
代表的なのが、小規模企業共済とiDeCo(個人型確定拠出年金)です。小規模企業共済は、個人事業主の「退職金」を自分で積み立てる制度で、掛金が全額所得控除になります。iDeCoも掛金が全額所得控除になり、老後資金を作りながら節税できます。
「節税」と聞くと難しく感じるかもしれませんが、要は「未来の自分のためにお金を積み立てると、今の税金が安くなる」という、とてもありがたい仕組みです。独立して収入が安定してきたら、ぜひ検討してみてください。
私がご相談を受けて感じたこと
ここで少し、私自身の現場での気づきをお話しさせてください。
独立して働く方のメンタルケアをしていると、「お金の不安」が心の重荷になっているケースに本当によく出会います。とくに独立したばかりの看護師さんは、「税金がいくら来るのか分からない」「申告のやり方が分からない」という漠然とした不安を抱えがちです。
以前ご相談に来られた方は、初めての確定申告を前に、夜も眠れないほど緊張していました。お話を聞いてみると、不安の正体は「未知への恐怖」でした。仕組みが分からないから、必要以上に大きく見えてしまっていたんですね。
そこで一緒に、収入の種類を整理し、経費のレシートを並べ、会計ソフトに入力する流れを確認しました。すると、その方は「なんだ、こういうことだったんですね」と、表情がふっと和らぎました。実際にやってみると、想像していたほど複雑ではなかったのです。
私自身、独立したての頃は事務作業が大の苦手で、レシートを溜め込んでは確定申告の直前に泣きそうになっていました。失敗から学んだのは、「完璧にやろうとしない」ことと「早めに少しずつ手をつける」ことです。月に一度、30分だけレシートを整理する時間を作るだけで、申告期のしんどさはまるで違います。
お金の管理は、心の安定とつながっています。仕組みを理解して「自分でコントロールできている」という感覚を持てると、不安はぐっと小さくなります。だから、税金や確定申告を「面倒なもの」ではなく「自分の働きを守るもの」と捉えてほしいのです。
確定申告とあわせて考えたい、独立後の働き方
確定申告の仕組みが分かってくると、次に気になるのが「これからどう働き方を広げていくか」だと思います。フリーランスナースとしての軸を持ちながら、収入の柱を増やしておくと、心にも家計にもゆとりが生まれます。
看護の専門知識は、訪問看護や健診以外にも活かせる場面がたくさんあります。たとえば、医療や健康に関する記事を執筆する仕事。看護師の専門性を活かして在宅で取り組める働き方として、看護師ライターとして月5万円稼ぐ方法|専門記事の書き方【2026年版】では、専門記事の書き方や始め方を具体的に紹介しています。文章を書くのが好きな方には、相性のよい選択肢です。
リハビリ職の方向けですが、医療職が専門スキルを在宅・副業に転換する考え方として、理学療法士・作業療法士の訪問リハビリ副業|高時給を狙う方法【2026年版】も参考になります。専門性を時給に変える発想は、看護師にも通じるものがあります。
また、人の話を聞くことが得意な方には、オンラインでの相談業務という道もあります。心理職が在宅で開業する流れをまとめた臨床心理士・公認心理師のオンラインカウンセリング開業術【2026年版】は、「対人支援を在宅で事業化する」という点で、看護師の働き方にも示唆を与えてくれます。
文章を書く仕事に興味が出てきたら、著述家,記者,編集者の年収・単価相場で、ライティング系の仕事の報酬水準を客観的なデータで確認しておくと、現実的な収入設計が立てやすくなります。在宅ワークの案件は、業務委託マッチングサービスや在宅ワーク求人サイトで探すことができ、なかには@SOHO 求人一覧のように仲介手数料がかからず手数料0%で直接取引できるサービスもあります。報酬がそのまま手元に残るのは、フリーランスにとって大きなメリットです。
独立看護師のデータから見える、確定申告との向き合い方
最後に、客観的なデータから見えてくる「これからのフリーランスナースの姿」をお話しします。
在宅・業務委託で働く専門職の需要は、年々高まっています。医療・介護分野では人材不足が続いており、訪問看護や健診、オンライン相談といった分野で、看護師の専門性を必要とする案件が増えています。
在宅ワークの仕事情報を見ていると、医療・福祉系の専門職向け案件だけでなく、文章作成やデータ入力、オンライン相談など、看護師の知識や対人スキルを活かせる業務委託の幅が広がっていることが分かります。複数の収入源を持つフリーランスナースが増えれば増えるほど、収入の種類が複雑になり、確定申告の重要性はさらに高まります。
ここで大切なのは、「確定申告は、複数の働き方を組み合わせる自由を支える土台」だということです。給与と事業所得をどう組み合わせても、正しく申告できる力があれば、働き方の選択肢を恐れずに広げられます。
たとえば、AIや医療データの活用が進む中で、専門知識を持つ人材へのニーズも変化しています。看護とは別領域でも、在宅で取り組める仕事はAIコンサル・業務活用支援のお仕事やAI・マーケティング・セキュリティのお仕事、アプリケーション開発のお仕事のように多岐にわたります。これらは看護師の直接の専門ではありませんが、「専門職が在宅で事業として働く」という観点では、確定申告の知識が共通の基盤になります。
スキルの幅を広げたい方は、ビジネス文書の基礎を学べるビジネス文書検定や、IT分野に興味があればCCNA(シスコ技術者認定)のような資格も、選択肢として知っておくと視野が広がります。IT系のスキルがある方は、ソフトウェア作成者の年収・単価相場で報酬水準を確認してみるのもよいでしょう。
確定申告は、決して「面倒な義務」だけのものではありません。自分の働きを正しく記録し、税金を適切に納め、社会の中で堂々と独立看護師として立つための、大切な手続きです。最初の一歩は不安かもしれませんが、一度流れを覚えてしまえば、毎年の恒例行事として淡々とこなせるようになります。
仕組みを知り、コントロールできるようになると、お金の不安はずいぶん小さくなります。あなたが安心してフリーランスナースとしての一歩を踏み出せるよう、この記事がその支えになればうれしいです。大丈夫、あなたなら、きっとできますよ。
よくある質問
Q. フリーランスナースは確定申告をしないとどうなりますか?
本来納める税金に加え、無申告加算税(税額の原則15%〜20%)や延滞税が課されます。また所得証明が発行できず、住宅ローンや賃貸契約、保育園・奨学金の申請などで困ります。国税庁の無申告調査も強化されているため、必要なら必ず期限内に申告しましょう。
Q. フリーランスナースは経費にどんなものを計上できますか?
訪問先への交通費、聴診器や白衣などの仕事道具、感染対策用品、業務用の通信費、研修費や専門書、会計ソフト利用料などが対象です。自宅を仕事に使う家賃や光熱費は、業務で使った割合だけ「家事按分」で計上します。領収書は必ず保管しましょう。
Q. 青色申告と白色申告はどちらを選ぶべきですか?
本格的に独立を続けるなら青色申告がおすすめです。最大65万円の特別控除や赤字の3年繰越など節税効果が大きく、会計ソフトを使えば複式簿記の知識がなくても申告できます。青色申告には開業届と青色申告承認申請書の事前提出が必要です。
Q. 給与と業務委託の収入が両方ある場合の申告はどうなりますか?
給与所得と事業所得・雑所得を合算して確定申告します。本業の給与とは別に副業の所得が年間20万円を超える場合は所得税の申告が必要です。20万円以下でも住民税の申告は別途必要なので、お住まいの自治体への手続きを忘れないようにしてください。

この記事を書いた人
中西 直美
産業カウンセラー・キャリアコンサルタント
大手人材会社でキャリアカウンセラーとして15年間従事した後、フリーランスの産業カウンセラーとして独立。在宅ワーカーのメンタルヘルスケアを専門に活動しています。
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