フリーランスの生命保険の選び方|会社員時代との違いと見直しポイント

織田 莉子
織田 莉子
フリーランスの生命保険の選び方|会社員時代との違いと見直しポイント

この記事のポイント

  • フリーランスになったら生命保険の見直しは必須
  • 会社員時代との保障の違い
  • 保険料の経費計上ルールまで元会計事務所スタッフが解説します

会社員からフリーランスに転身すると、あらゆる保障が変わります。健康保険、年金、そして生命保険。中でも見落としがちなのが生命保険の見直しです。

「会社員時代に入った保険をそのまま継続している」というフリーランスの方は本当に多い。私が会計事務所で12年間担当してきた方の中でも、独立後に保険を見直した方は体感で3割以下。残りの方は、会社の団体保険に入ったまま(退職で自動解約されていることに気づいていないケースもあった)だったり、独身のときに入った保険を家族構成が変わっても放置していたりした。

実際に担当した40代のWebデザイナーのハルキは、会社員時代に入った団体定期保険が退職時に自動解約されていたことに3年間気づいていなかった。「保険料が口座から引き落とされなくなっただけで、保障は続いている」と思い込んでいた。万が一のことがあった場合、遺族が受け取れるはずだった3,000万円の保障がゼロだった計算。これは本当に怖い話だ。ハルキは事実を知ったとき「ゾッとした」と青ざめていた。

フリーランスは会社員と必要な保障額が違う。この記事では、フリーランスの生命保険の選び方を整理してお伝えする。

会社員とフリーランスの保障の違い

まず、会社員時代に「当たり前」だった保障がフリーランスにはないことを確認しましょう。

項目 会社員 フリーランス
遺族厚生年金 あり なし
死亡退職金 あり(会社による) なし
団体生命保険 割引あり なし
傷病手当金 給与の2/3 なし
遺族基礎年金 あり あり

特に大きいのが遺族厚生年金の有無です。会社員の妻が受け取れる遺族厚生年金は年間40〜60万円程度ですが、フリーランスにはこの上乗せ部分がありません。

つまり、フリーランスは会社員よりも生命保険で手厚くカバーする必要があるということです。 「年収1000万でも会社員のほうが有利」という話、保険の観点からも頷けます。会社員なら社会保険の半額を会社が負担し、遺族厚生年金や傷病手当金も手厚い。フリーランスはその分を自分で備える必要があるんです。

必要保障額の計算方法

「いくらの保険に入ればいいのか」を考えるには、万が一のときに家族に必要な金額を算出する必要があります。

基本の計算式

必要保障額 = 遺族の支出 − 遺族の収入 − 現在の資産

具体的なシミュレーション

40歳のフリーランス(妻+子2人)のケースで計算してみます。

遺族の支出(末子が独立するまでの18年間)

項目 月額 18年間合計
生活費 25万円 5,400万円
住居費 10万円 2,160万円
教育費 5万円 1,080万円
合計 8,640万円

遺族の収入

項目 総額
遺族基礎年金(子2人) 約1,800万円
妻の収入(パート月10万円×18年) 2,160万円
合計 3,960万円

現在の資産:貯蓄500万円

必要保障額 = 8,640万円 − 3,960万円 − 500万円 = 4,180万円

この場合、死亡保障は約4,000万円が目安になります。

※会社員であれば遺族厚生年金(年間40〜60万円×18年分=720〜1,080万円)が加わるため、必要保障額はもっと低くなります。フリーランスの方が多めの保障が必要な理由がここにあります。

フリーランスや個人事業主が知りたい生命保険の基本から所得・医療・死亡保障の選び方、プラン比較までを解説。無料相談のポイントも紹介し、フリーランスの生保選びを徹底サポートします。 — 出典: フリーランスの私に生命保険は必要?個人事業主向け完全ガイド(保険ナビゲーター)

フリーランスにおすすめの保険タイプ

1. 収入保障保険(最優先)

万が一のとき、毎月一定額が遺族に支払われるタイプの保険です。一括で受け取る定期保険より保険料が安いのが特徴です。

例:35歳男性・保障月額15万円・65歳満了の場合 保険料の目安:月額3,000〜5,000円

これで万が一のとき、遺族に毎月15万円が65歳まで支払われます。

2. 定期保険

一定期間の死亡保障を確保する保険です。「子どもが独立するまでの20年間」のように期間を区切ることで、保険料を抑えられます。

3. 終身保険

保障が一生涯続く保険です。貯蓄性がありますが、その分保険料は高くなります。フリーランスの場合、まず収入保障保険で遺族の生活費を確保し、余裕があれば終身保険で上乗せするのが合理的です。

4. 就業不能保険(セットで検討)

死亡保障だけでなく、病気やケガで働けなくなったときの保障も重要です。フリーランスには傷病手当金がないため、この保険の優先度は高いです。

NG例: 「何となく不安だから」と、保障内容を理解しないまま月額2万円の終身保険に加入する。保障額が足りないのに保険料だけ高い状態に。

OK例: まず必要保障額を計算し、収入保障保険(月額3,000〜5,000円)で必要な死亡保障をカバーする。余裕があれば就業不能保険を追加。目的が明確なので過不足がない。

保険料を経費にできるケースとできないケース

ここ、意外と見落としがちなんです。

保険の種類 経費計上 条件
事業用の損害保険 可能 事業に直接関連するもの
生命保険料 原則不可 個人の生命保険は経費にならない
生命保険料控除 所得控除として可能 最大12万円の所得控除

個人事業主の生命保険料は経費にはなりませんが、確定申告で「生命保険料控除」として最大12万円(新契約の場合)の所得控除を受けられます。国保料の算定にも影響するため、必ず申告してください。

見直しのタイミング

以下のタイミングでは、保険の見直しが必須です。

  • 独立したとき:団体保険の失効確認、必要保障額の再計算
  • 結婚したとき:死亡保障の追加、受取人の変更
  • 子どもが生まれたとき:保障額の引き上げ
  • 住宅ローンを組んだとき:団信加入で保障の重複がないか確認
  • 子どもが独立したとき:保障額の引き下げ

@SOHOのお仕事ガイドでは、14大分野・99小分野のフリーランス職種について働き方やリスクを解説しています。自分の職種特有のリスクを把握した上で保険を選ぶと、過不足のない設計ができます。

職種別のお仕事ガイドを見る

まとめ

フリーランスは会社員よりも公的保障が薄い分、自分で備える必要があります。特に家族がいる方は、収入保障保険の検討を最優先にしてください。

保険料は安ければ安いほど良いわけではなく、「万が一のとき家族が困らない金額」を確保することが目的です。まずは必要保障額を計算して、そこから逆算で保険を選ぶ。この順番が大切です。

※この記事は一般的な情報提供を目的としています。個別の保険選びはFPや保険の専門家にご相談ください。

よくある質問

Q. フリーランスになったら、まずどの保険に入ればいいですか?

まずは「賠償責任保険」です。月額1,000円程度で、個人では負いきれない数千万円〜1億円の賠償リスクをカバーできます。次に検討すべきは、病気やケガで無収入になるリスクを防ぐ「所得補償保険」です。

Q. 会社員時代の傷病手当金は、フリーランスになった後も継続できますか?

会社員を辞めた後に任意継続被保険者になっている場合であっても、任意継続中には傷病手当金は支給されません。ただし、会社員時代にすでに受給を開始しており、受給要件を満たし続けている場合に限り、例外的に継続受給できるケースが あります。健康保険組合に確認しましょう。

Q. フリーランスはがん保険に加入すべきですか?

はい、加入を強くおすすめします。会社員のような傷病手当金がないため、長期間働けなくなった際の収入減リスクが非常に大きいためです。治療費と生活費の両方をカバーできる就業不能保障を含めた設計が重要です。

Q. フリーランス向けの就業不能保険は初心者でも比較しやすいですか?

はい。現在は各社からWeb上で簡単にシミュレーションできるツールが提供されており、年齢や希望する給付金額を入力するだけで手軽に比較可能です。

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織田 莉子

この記事を書いた人

織田 莉子

FP2級・フリーランス経理サポーター

会計事務所で10年間の実務経験を経て独立。フリーランスの確定申告・節税・資金管理を専門に、お金にまつわる記事を執筆しています。

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