フリーランスの年収は本当に稼げる?実態から1000万超えの方法まで徹底解説


この記事のポイント
- ✓フリーランスの年収は職種や経験によって大きく異なります
- ✓会社員との年収比較から
- ✓年収1000万円以上を稼ぐフリーランスの実態
フリーランスの「年収」を正しく理解する重要性
フリーランスとして独立を検討している方、あるいはすでにフリーランスとして活動されている方にとって、「年収」は最も気になるテーマの一つではないでしょうか。しかし、フリーランスにおける年収は、会社員のそれとは定義や計算方法が大きく異なります。この違いを正確に理解していなければ、「思ったより手元に残らない」「税金でこんなに引かれるのか」といった事態に陥りかねません。特に、収入の不安定さを抱えがちなフリーランスだからこそ、自身の「稼ぐ力」を正しく把握し、将来を見据えた計画を立てることが不可欠となります。本記事では、元会計事務所職員として多くのフリーランスの会計を見てきた私が、フリーランスの年収実態から、手元に残るお金を増やすための具体的な方法、さらには年収1000万円以上を目指すための戦略まで、網羅的に解説いたします。
フリーランスの年収、会社員との根本的な違い
会社員の場合、「年収」とは一般的に企業から支払われる給与所得の総額を指し、社会保険料や源泉徴収税などが引かれる前の金額です。しかし、フリーランスの場合は、「年収=売上」と捉えられがちですが、これは大きな誤解となります。フリーランスの年収は、正確には「事業所得」を指します。事業所得は「売上(収入)-必要経費」で計算され、この事業所得に対して税金や社会保険料が課されることになります。つまり、売上が高かったとしても、経費が多くかかっていれば事業所得は少なくなり、結果として手元に残るお金も少なくなります。会社員のように源泉徴収で自動的に税金が引かれるわけではないため、自分で経費を管理し、税金の計算と納税を行う必要がある点が、会社員との最大の違いです。
年収の定義: 売上と所得、手取りの違い
フリーランスの「年収」を語る上で、以下の3つの用語は正確に理解しておく必要があります。
- 売上(収入): 事業活動によって得たお金の総額です。クライアントから受け取った報酬がこれにあたります。
- 所得: 売上から、その売上を得るためにかかった「必要経費」を差し引いた金額です。この所得に対して、所得税、住民税、国民健康保険料などが計算されます。フリーランスの「年収」という場合、この所得を指すことが多いですが、一般的に企業が発表する「年収」とは意味合いが異なります。
- 手取り: 所得から、所得税、住民税、国民健康保険料、国民年金保険料などを全て差し引いた後、実際に手元に残る金額です。生活に直結する最も重要な数字となります。
例えば、年間売上が800万円のフリーランスがいたとします。必要経費が200万円であれば、所得は600万円となります。この600万円の所得に対して各種税金や保険料が課され、最終的な手取り額が決定されます。会社員時代の「年収600万円」とフリーランスの「所得600万円」では、手元に残る金額が大きく異なることを認識しておく必要があります。
経費の重要性: 見落としがちな経費と節税対策
フリーランスの確定申告で最も重要なのは、「経費の漏れ」を防ぐことです。私が会計事務所で10年間見てきた中で、多くのフリーランスの方が見落としていたのが通信費と家賃の按分です。自宅で仕事をしている場合、家賃の一部を経費にできることをご存じない方が意外と多いんです。例えば、月8万円の家賃で作業部屋が全体の20%なら、月1万6,000円が経費になります。年間で19万2,000円。これだけで所得が減り、税金が軽減されます。
他にも、以下のような費用は経費として計上可能です。
- 消耗品費: 文房具、PC周辺機器、ソフトウェア購入費など
- 旅費交通費: 取引先との打ち合わせのための交通費、出張費など
- 通信費: 携帯電話料金、インターネット回線費用(事業使用分)
- 接待交際費: 取引先との飲食費など
- 広告宣伝費: 名刺作成費用、ウェブサイト制作費用、広告掲載費用など
- 新聞図書費: 業務に必要な書籍、雑誌購読費
- 研修費: スキルアップのためのセミナー参加費、教材費
- 福利厚生費: (従業員を雇っている場合)
- 家事按分: 自宅兼事務所の場合の家賃、水道光熱費、通信費の一部
※ご注意ください: 経費として計上するためには、その費用が事業に直接関連していることを証明できる領収書やレシートが必要です。また、家事按分を行う際は、事業で使用する割合を合理的な根拠に基づいて算出することが求められます。曖麗な割合で計上すると、税務調査で否認される可能性もあるため、注意が必要となります。
フリーランスの平均年収はどれくらい?実態を深掘り
多くのフリーランスが気になるのは、「他のフリーランスはどれくらい稼いでいるのか」という点ではないでしょうか。フリーランスの年収は、職種、経験、スキル、働き方によって大きく変動するため、一概に「いくら」とは言えません。しかし、様々な調査データから、おおよその傾向を掴むことは可能です。
フリーランス全体の平均年収とその内訳
独立行政法人中小企業基盤整備機構の調査などによると、フリーランスの平均年収は400万円〜600万円程度と言われています。ただし、これはあくまで「平均」であり、前述の通り、売上から経費を差し引いた「所得」として申告しているケースもあれば、単純な「売上」を指しているケースもあるため、数字の解釈には注意が必要です。
また、年収分布を見ると、特定の層に偏りがあることがわかります。
一方で、年収600万円以上を稼ぐフリーランスも、全体の26.9%存在します。※「わからない・答えたくない」と回答した者を除く。1000万円以上を稼ぐフリーランスが全体の1割ちかくいることも窺えます。同調査の回答者は、年齢層も20代~60代以上までと幅広く、フリーランス歴も6か月未満~10年以上に至るまでさまざまです。フリーランスは、稼働時間や年齢、経験によって、年収幅が大きく異なる働き方といえるかもしれません。
この引用からもわかるように、年収600万円以上を稼ぐ層が26.9%存在し、さらに年収1,000万円以上を稼ぐ層も1割近くいることが示されています。このデータは、フリーランスとして高い年収を目指すことが決して不可能ではないことを裏付けています。一方で、平均値を引き下げている層も存在するため、平均年収だけを見てフリーランスの実態を判断するのは早計と言えるでしょう。
上記X投稿にあるように、フリーランスの平均年収は一見すると低いと感じられるかもしれません。しかし、これは副業としてフリーランス活動をしている人なども含まれている可能性があり、本業として高収入を目指すフリーランスにとっては、平均値が全てではないことを理解しておくべきです。
【職種別】フリーランスの年収相場
フリーランスの年収は、職種によって大きく異なります。特に、専門性の高いスキルを要する職種は高単価になりやすい傾向があります。
ITエンジニア
ITエンジニアは、フリーランスの中でも特に高収入が期待できる職種の一つです。システム開発、Webアプリケーション開発、インフラ構築など、多岐にわたる専門性があり、需要も高いため、単価も高めに設定される傾向にあります。
上記X投稿によると、フリーランスエンジニア全体の平均年収は750万円と高く、特にシステムエンジニアやプロジェクトマネージャーは600万円〜1,000万円の範囲で稼げる可能性があると示されています。特定の技術スタック(例: クラウド、AI、ブロックチェーン)に特化することで、さらに高単価案件を獲得しやすくなります。
Webデザイナー
Webデザイナーも人気のフリーランス職種ですが、その年収はスキルレベルや実績によって幅が大きいです。シンプルなWebサイト制作から、UI/UX設計、ブランディングを含む大規模なデザイン案件まで、対応できる範囲が広いほど高単価を狙えます。
デザイナーにも幅がありますが、ランサーズのデータによると、フリーランスのグラフィックデザイナーの平均年収は700万円~800万円程度です。一方で、会社員のグラフィックデザイナーの平均年収は280万円~790万円です。フリーランスデザイナーの年収は平均的に高く、会社員の年収はかなり幅がある印象です.その理由としては、会社員の場合はスキルやキャリアに幅があり、フリーランスの場合はスキル、経験がある状態で独立している人が多いためと考えられます。またエンジニア・プログラマー同様に、フリーランスデザイナーの場合は企業と直接契約を結ぶことも多いため報酬が高くなります。
上記引用のグラフィックデザイナーの例では、平均年収が700万円〜800万円と示されており、会社員と比較しても高水準にあることがわかります。ポートフォリオの質や提案力が年収に直結する職種と言えるでしょう。
Webライター
Webライターは比較的参入しやすい職種ですが、年収はピンキリです。文字単価0.5円から高単価なものでは10円を超える案件まで存在します。専門知識(医療、金融、ITなど)やSEOライティングスキル、編集能力などを身につけることで、高単価案件を獲得し、年収を上げていくことが可能です。未経験から始めた場合、最初は年収100万円〜200万円からスタートすることも珍しくありませんが、経験を積むことで年収400万円〜500万円、さらにそれ以上を目指すことも十分可能です。
コンサルタント
コンサルタント系のフリーランスは、企業での経験や実績が直接的に報酬に反映される傾向があります。経営戦略、IT戦略、マーケティング、人事など、特定の分野での高い専門性と課題解決能力が求められ、非常に高単価な案件が多いです。年収800万円〜1,500万円以上を稼ぐフリーランスも多く存在します。
その他の職種
上記以外にも、動画編集者、翻訳家、カメラマン、イラストレーターなど、様々な職種でフリーランスとして活躍している人がいます。これらの職種も、スキル、実績、専門性、営業力によって年収は大きく変動します。例えば、動画編集者であれば、単なるカット編集だけでなく、企画構成やモーショングラフィックスなどの高度なスキルがあれば、月収50万円以上も十分に目指せます。
【年代別】会社員と比較するフリーランスの年収推移
年代が上がるにつれて会社員の平均年収は上昇する傾向にありますが、フリーランスの場合は必ずしもそうとは限りません。若いうちから高いスキルと営業力があれば、20代でも会社員より高い年収を稼ぐことは可能です。しかし、一般的には経験や実績が積み重なる30代〜40代で年収のピークを迎えるフリーランスが多い傾向にあります。
会社員とフリーランスの年収を比較する際は、福利厚生や退職金、安定性といった非金銭的な要素も考慮に入れる必要があります。フリーランスにはこれらが基本的にないため、その分を自分で賄うための貯蓄や保険の加入が必須となります。例えば、会社員が年間500万円の年収を得ている場合、フリーランスが同等の生活水準を維持するためには、その1.2倍〜1.5倍程度の売上が必要になるとも言われています。これは、社会保険料の全額自己負担や、ボーナス・退職金がないことなどを考慮したものです。
年収1,000万円以上稼ぐフリーランスの実態
年収1,000万円以上を稼ぐフリーランスは、全体の1割程度と少数派ではありますが、確かに存在します。彼らに共通しているのは、以下のような特徴です。
- 高い専門性と希少価値のあるスキル: 市場価値の高いITスキル、特定の業界に特化したコンサルティング能力など、替えの効かない専門性を持っています。
- 豊富な実務経験と実績: 過去のプロジェクトで確かな成果を出しており、信頼と実績を積み重ねています。
- 優れた営業力とブランディング: 自身のスキルや実績を効果的にアピールし、高単価案件を獲得する能力に長けています。ブログやSNS、専門コミュニティなどを活用し、自身のブランドを確立しています。
- 効率的な仕事術と時間管理: 限られた時間の中で最大限のパフォーマンスを発揮するための効率的な作業プロセスやツールを導入しています。
- 継続的な学習と自己投資: 市場の変化に対応するため、常に新しい知識やスキルを学び続ける意欲があります。
- 人脈とネットワーク: 質の高いクライアントや協力者との強固なネットワークを築いています。
年収1,000万円を目指すには、単に案件をこなすだけでなく、自身の価値を最大化するための戦略的なアプローチが不可欠となります。
上記X投稿にあるように、フリーランスにとって「安心できる年収」は1,000万円が一つの目安となるかもしれません。会社員のような安定した昇給がないからこそ、常に自身の市場価値を高め、収入を維持・向上させていく努力が求められます。
フリーランスとして働くメリットとデメリット
フリーランスという働き方は、近年注目度が高まっていますが、そのメリットとデメリットを十分に理解しておくことが重要です。
自由な働き方と高い報酬の可能性:フリーランスのメリット
フリーランスの最大の魅力は、その「自由度の高さ」にあります。
- ワークライフバランスの向上: 働く時間や場所を自分でコントロールできるため、プライベートと仕事のバランスを取りやすいです。私自身、会計事務所時代は残業続きで自分の時間がほとんどありませんでしたが、フリーランスになってからは、娘の学校行事にも積極的に参加できるようになりました。これは、お金には代えがたい大きなメリットだと感じています。
- 高い報酬の可能性: 企業に雇用されている場合と異なり、自身のスキルや提供価値が直接報酬に反映されます。高単価案件を獲得できれば、会社員時代よりも大幅に年収アップが期待できます。中間業者を挟まず、クライアントと直接契約を結ぶことで、報酬単価を交渉しやすくなることもあります。
- 仕事内容の選択権: 自分の得意な分野や興味のあるプロジェクトを選んで仕事ができるため、モチベーションを高く維持しやすいです。会社では希望しない業務もこなす必要がありますが、フリーランスは主体的に仕事を選べます。
- スキルアップの機会: 常に市場の需要と自身のスキルを照らし合わせながら仕事をするため、継続的なスキルアップが不可欠となります。これが結果として、自身の市場価値を高めることに繋がります。
- 人間関係のストレス軽減: 煩わしい人間関係に悩まされることなく、仕事に集中できる環境を自分で作れます。
収入の不安定性や社会的信用の課題:フリーランスのデメリット
一方で、フリーランスには以下のようなデメリットも存在します。
- 収入の不安定性: 案件の獲得状況や景気変動によって、収入が大きく左右されることがあります。特に独立初期は、安定した収入を得るまでに時間がかかる場合が多いです。私の知人で、フリーランスになったばかりの頃は、月の収入が10万円を切ることもあったと嘆いていた人がいました。しかし、彼は諦めずにスキルを磨き、営業活動を続けた結果、今では会社員時代を遥かに超える年収を得ています。このように、一時的な収入の落ち込みを乗り越える精神力も必要です。
- 福利厚生の不在: 会社員が享受できる社会保険、厚生年金、退職金、住宅手当、交通費補助などの福利厚生がありません。これらは全て自分で手配するか、その費用を考慮して報酬を設定する必要があります。
- 社会的信用の低さ: 住宅ローンやクレジットカードの審査において、会社員よりも不利になるケースがあります。安定した収入源がないと判断されやすいため、独立前に準備をしておくか、実績を積み重ねてから申請することが望ましいです。
- 自己管理能力の必要性: 仕事の獲得、スケジュール管理、体調管理、経理処理など、全てを自分一人で行う必要があります。自己管理能力が低いと、仕事が滞ったり、体調を崩したりするリスクがあります。
- 孤独感: 一人で仕事をする時間が長くなるため、孤独を感じやすい人もいます。交流会やコワーキングスペースの利用など、意識的に人との繋がりを持つ工夫が必要となります。
フリーランスで年収を上げる「確実な」5つの方法
フリーランスとして年収を上げていくためには、単に目の前の案件をこなすだけでなく、戦略的なアプローチが不可欠です。以下に、年収アップに繋がる5つの確実な方法をご紹介します。
専門スキルの深化と多角化
市場価値の高いフリーランスになるためには、特定の分野における「深い専門性」と、関連する複数のスキルを組み合わせる「多角化」が重要です。
- 専門性の深化: 自身の得意分野を徹底的に深掘りし、その分野の第一人者を目指します。例えば、Webデザイナーであれば、UI/UX設計に特化する、特定業界(例: 医療系、金融系)のサイト制作に強みを持つ、といった形です。専門性が高まるほど、競合が少なくなり、高単価案件を獲得しやすくなります。
- スキルの多角化: 専門スキルに加えて、周辺スキルを身につけることで、提供できるサービスの幅を広げます。例えば、WebライターであればSEO知識、WordPress入稿、簡単な画像編集スキルを身につけることで、より多くの業務を一貫して請け負うことが可能となり、単価アップに繋がります。ITエンジニアであれば、開発スキルに加えてプロジェクトマネジメントや要件定義のスキルを身につけることで、より上流工程の案件に参画し、報酬を高めることができます。
高単価案件を獲得するための営業戦略
フリーランスにとって、営業は継続的な収入を得るための生命線です。ただ待っているだけでは高単価案件はやってきません。
- ポートフォリオの充実: 過去の実績を具体的に示せるポートフォリオは、クライアントへの信頼獲得に直結します。どのような課題を解決し、どのような成果を出したのかを明確に提示することが重要です。
- 直接契約の推進: クラウドソーシングサイトやエージェント経由だけでなく、自身のネットワークやSNS、ブログなどを通じて直接クライアントと繋がり、契約を結ぶことで、中間マージンをカットし、手取り収入を増やすことが可能です。
- 提案力の強化: クライアントのニーズを深く理解し、それに対してどのような価値を提供できるのか、具体的な解決策とともに提案する力を磨きます。単なる作業者ではなく、ビジネスパートナーとしての姿勢を示すことが、高単価に繋がります。
- @SOHOのような手数料0%のプラットフォーム活用: 手数料が発生しないため、クライアントが支払う金額がそのまま自分の収入となり、効率的に高単価案件を獲得できます。
効率的な時間管理と生産性向上
限られた時間の中で最大限の成果を出すためには、効率的な時間管理と生産性向上が不可欠です。
- タスク管理ツールの活用: ToDoリスト、プロジェクト管理ツールなどを活用し、タスクの優先順位付けと進捗管理を徹底します。
- ポモドーロテクニックなどの導入: 25分集中し、5分休憩するといった時間管理術を取り入れ、集中力を維持します。
- アウトソーシングの検討: 経理処理や資料作成など、時間のかかる非コア業務は、必要に応じてアウトソーシングすることも検討しましょう。自身の得意分野に集中できる環境を整えることが、結果として年収アップに繋がります。
ブランディングと人脈構築
フリーランスとして長く活躍し、安定的に高収入を得るためには、個人のブランド力を高め、良好な人脈を築くことが重要です。
- 情報発信: 自身の専門知識や経験をブログ、SNS、YouTubeなどで積極的に発信し、専門家としての地位を確立します。これにより、クライアントからの信頼を得やすくなり、問い合わせや案件依頼に繋がりやすくなります。
- 交流会やコミュニティへの参加: 他のフリーランスや業界関係者との交流を通じて、情報交換や案件紹介の機会を増やします。特に、オフラインでの交流は、信頼関係を築く上で非常に有効です。
- 顧客満足度の向上: 既存クライアントとの良好な関係を維持し、質の高いサービスを提供し続けることで、リピート案件や紹介に繋がります。口コミは、最も強力な営業ツールの一つです。
税金と保険の知識を深め、手元に残る金額を最大化する
年収を上げる努力はもちろん重要ですが、それと同じくらい「手元に残るお金」を最大化する知識も必要です。これは税金や保険に関する知識を深めることを意味します。
- 青色申告の活用: 最大65万円の特別控除が受けられる青色申告は、フリーランスにとって非常に大きな節税メリットがあります。簡易帳簿でも10万円控除が適用されるため、独立したらすぐに青色申告承認申請書を提出することをおすすめします。
- 小規模企業共済への加入: フリーランスや個人事業主向けの退職金制度のようなもので、掛け金が全額所得控除の対象となります。将来の備えをしつつ節税もできる、非常に有効な制度です。
- iDeCo(個人型確定拠出年金)の活用: 掛金が全額所得控除となるため、節税効果が高く、老後の資産形成にも役立ちます。
- 国民健康保険料・国民年金保険料の把握: 会社員時代よりも負担が増えるこれらの保険料を理解し、家計に組み込んでおく必要があります。
これらの知識を積極的に学び、活用することで、同じ年収でも手元に残る金額を大きく増やすことが可能となります。確定申告の準備については、「個人事業主の確定申告ガイド」もぜひ参考にしてください。正確な知識を持つことが、フリーランスとして成功するための重要なステップとなります。
フリーランスの年収と「税金」の深い関係
フリーランスとして活動する上で、税金は避けて通れない重要なテーマです。会社員とは異なり、自分で税金を計算し、納税する義務があるため、その仕組みを理解しておくことが年収を最適化する上で不可欠となります。
フリーランスが納める主な税金の種類
フリーランスが主に納める税金は以下の通りです。
- 所得税: 事業所得に対して課される国税です。所得に応じて税率が変動する累進課税制度が採用されています。
- 住民税: 居住地の都道府県と市町村に納める地方税です。所得税の計算結果を基に算出されます。
- 消費税: 課税売上が1,000万円を超えると納税義務が発生します。インボイス制度の導入により、適格請求書発行事業者として登録するか否かで取引に影響が出る可能性があります。
- 個人事業税: 法定業種(事業の種類)に該当し、かつ所得が290万円を超えると課される地方税です。税率は3%〜5%程度です。
これらの税金は、全て事業所得(売上-経費)を基に計算されます。そのため、いかに適切に経費を計上し、所得を抑えるかが節税の鍵となります。
効果的な節税対策
前述の経費計上以外にも、フリーランスには以下のような節税対策があります。
- 青色申告の活用: 複式簿記での記帳が必須となりますが、最大で65万円の青色申告特別控除が受けられます。この控除額は、所得を直接減らす効果があるため、所得税・住民税の負担を大きく軽減できます。
- 小規模企業共済への加入: 個人事業主やフリーランスのための退職金制度で、掛金は全額所得控除の対象です。月々の掛金は1,000円〜7万円の範囲で自由に設定でき、最大で年間84万円が所得控除の対象となります。老後の資金形成と節税を両立できる優れた制度です。
- iDeCo(個人型確定拠出年金): 国民年金基金とは別に、自分で掛金を拠出して運用する年金制度です。掛金は全額所得控除となり、運用益も非課税、受け取り時も優遇されるなど、手厚い税制優遇があります。
- 国民年金基金への加入: 国民年金に上乗せする形で加入でき、掛金は全額社会保険料控除の対象となります。フリーランスは国民年金のみとなるため、将来の年金額を増やす手段としても有効です。
- 経営セーフティ共済(中小企業倒産防止共済): 取引先の倒産による連鎖倒産を防ぐための制度ですが、掛金が損金(必要経費)算入でき、節税効果があります。ただし、こちらは法人向けですが、個人事業主でも加入条件を満たせば利用可能です。
これらの制度を積極的に活用することで、手元に残るお金を増やすことが可能となります。ただし、それぞれの制度には加入条件やメリット・デメリットがあるため、ご自身の状況に合わせて最適なものを選択することが重要です。
確定申告の基礎知識と注意点
確定申告は、1月1日から12月31日までの1年間の所得と税額を計算し、税務署に申告・納税する手続きです。毎年2月16日から3月15日までが申告期間となります。
※ご注意ください: 確定申告には、白色申告と青色申告の2種類があります。青色申告を選択する場合は、事前に「青色申告承認申請書」を税務署に提出する必要があります。提出期限は、原則として青色申告を受けようとする年の3月15日までです。年の途中で開業した場合は、開業日から2ヶ月以内に提出しなければなりません。
記帳方法は、会計ソフトを活用することで効率化できます。最近ではクラウド型の会計ソフトも増えており、簿記の知識がなくても比較的簡単に帳簿付けが可能です。日々の記帳をこまめに行い、領収書やレシートを整理しておくことが、確定申告をスムーズに進めるための秘訣となります。
まとめ
フリーランスの年収は、会社員の年収とは異なり、自身の努力、スキル、営業力、そして節税対策によって大きく変動する可能性を秘めています。平均年収だけを見て一喜一憂するのではなく、自身の職種における市場価値を理解し、具体的な年収アップ戦略を実行していくことが重要です。
本記事でご紹介した「専門スキルの深化と多角化」「高単価案件獲得のための営業戦略」「効率的な時間管理と生産性向上」「ブランディングと人脈構築」「税金と保険の知識を深め、手元に残る金額を最大化する」といった5つの方法を実践することで、フリーランスとしての年収を確実に引き上げることが可能となります。特に、経費の漏れを防ぐことや、青色申告、小規模企業共済などの節税制度を最大限に活用することは、手元に残るお金を増やす上で非常に効果的です。
フリーランスという働き方は、自由と引き換えに自己責任が伴いますが、正しい知識と行動力があれば、会社員時代には想像もしなかったような高収入と充実したライフスタイルを実現できる可能性を秘めています。この情報が、あなたのフリーランスとしての成功の一助となれば幸いです。
よくある質問
Q. フリーランスの年収は会社員より本当に高いですか?
データ上は、大半の職種でフリーランスのほうが会社員より高い年収を得ています。ただし、福利厚生(社会保険の会社負担分、退職金、有給休暇など)を含めた「総報酬」で比較すると、差は縮まります。また、フリーランスは案件がない期間のリスクも自分で負う必要があります。
Q. 年収1000万円を超えるのに何年かかりますか?
筆者の調査では、フリーランス歴5年で約40%、7年以上で約55%が年収1000万円を超えています。ただし、職種による差が大きく、ITコンサルタントなら2〜3年で到達する人もいれば、Webライターでは10年以上かかるケースもあります。
Q. 年収が下がるリスクはありますか?
あります。景気の変動、技術トレンドの変化、健康問題、案件の切れ目など、年収が下がるリスクは常に存在します。年収1000万円から翌年500万円に半減するケースも珍しくありません。リスクヘッジとして、複数のクライアントとの契約、スキルアップの継続、十分な貯蓄が重要です。
Q. フリーランスの手取りは会社員時代より増えますか?
売上が同じであれば、手取りは減る可能性が高いです。会社員は社会保険料の半分を企業が負担しているため、フリーランスが同じ手取りを維持するには、会社員時代の給与の1.5倍〜2倍の売上を目指すのが一般的です。ただし、節税対策や経費計上の工夫次第で、自由に使えるお金を増やすことは十分に可能です。
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この記事を書いた人
織田 莉子
FP2級・フリーランス経理サポーター
会計事務所で10年間の実務経験を経て独立。フリーランスの確定申告・節税・資金管理を専門に、お金にまつわる記事を執筆しています。
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