フリーランスに年末調整は必要?確定申告との違い【2026年版】

藤本 拓也
藤本 拓也
フリーランスに年末調整は必要?確定申告との違い【2026年版】

この記事のポイント

  • フリーランスに年末調整は必要かを解説
  • 年末調整と確定申告の違い
  • 副業フリーランスの場合の対処法

「フリーランスも年末調整が必要?」。この疑問を持つ人は多いですが、結論から言うと、フリーランスに年末調整は不要です。フリーランス(個人事業主)は、会社員とは異なり、自分自身で1年間の所得を計算し、税務署へ申告する「確定申告」を行う義務があるためです。

しかし、この事実は単に「不要」という言葉だけでは片付けられません。フリーランスという働き方は多岐にわたり、会社員を兼業している場合や、年の途中で会社を辞めて独立した場合など、状況によって税務上の義務が複雑に変化するからです。

特に、会社員時代に「年末調整」という便利な仕組みに慣れきっていると、いざ独立した際に「税金を払う準備ができていなかった」「控除を忘れて損をした」といった事態に陥るリスクがあります。本記事では、フリーランスの税務をパターン別に整理し、どのように確定申告を乗り切ればよいのか、実務的なポイントを徹底解説します。

年末調整と確定申告の違いを理解する

まずは、税金を精算する2つのメインストリーム「年末調整」と「確定申告」の違いを明確にしましょう。両者は目的こそ「所得税の過不足を調整すること」で同じですが、そのプロセスは大きく異なります。

項目 年末調整 確定申告
対象者 会社員(給与所得者) フリーランス・個人事業主
手続き主体 会社(雇用主) 本人
時期 11〜12月 翌年2月16日〜3月15日
対象所得 給与所得のみ すべての所得
控除の適用 基本的な控除(一部のみ) すべての控除(申請必須)

なぜフリーランスに年末調整は不要か

年末調整とは、本来は会社が1年間の所得税を計算する際に、控除証明書などを預かって税額を再計算し、毎月の給与から天引きしていた金額の過不足を調整するプロセスです。しかし、フリーランスは会社に雇われて給与をもらっているわけではありません。

フリーランスが得る所得は「事業所得」や「雑所得」です。これらの所得は、仕事に必要な経費を自分で計算し、売上から差し引いた「利益」に対して課税されます。会社側がこれらすべての経費を把握することは不可能であるため、フリーランスが自分で確定申告を行い、正確な納税額を算出する必要があるのです。

パターン別の手続き:あなたはどれに当てはまるか

フリーランスとしての活動状況により、とるべき手続きは大きく3つのパターンに分かれます。自身の状況を正しく把握しましょう。

パターン1:専業フリーランス(会社員ではない)

年末調整: 不要 確定申告: 必要

専業で活動している場合、年間(1月〜12月)の「売上 - 経費」である所得が、基礎控除額である48万円を超える場合は、必ず確定申告が必要です。この額以下の場合は所得税の納税義務はありませんが、住民税の申告は必要になる場合があります。

パターン2:会社員 + 副業フリーランス(兼業)

年末調整: 会社が行う(給与所得分のみ) 確定申告: 副業所得が年間20万円超なら必要

会社員としての給与は会社が年末調整で精算しますが、副業で得た所得は会社は把握していません。副業で20万円を超える所得(売上-経費)がある場合は、自分で確定申告をして副業分の所得を合算する必要があります。

パターン3:年の途中でフリーランスに転向

年末調整: 退職した会社では行われない 確定申告: 必要

会社を退職した時点で、その年の年末調整は行われません。したがって、会社員時代に受け取った給与と、フリーランスになってから得た事業所得の両方を、自分で確定申告で合算・申告する必要があります。会社から必ず「源泉徴収票」を受け取っておくことが必須です。

フリーランスの確定申告で忘れがちな控除リスト

フリーランスが確定申告において重要になるのが「控除」です。控除とは所得から差し引ける金額のことで、これが多ければ多いほど、税金の計算の元となる所得が減り、納税額を抑えることができます。

控除の種類 内容 控除額
青色申告特別控除 e-Tax + 複式簿記 最大65万円
社会保険料控除 国保・年金 支払額全額
小規模企業共済等掛金控除 小規模企業共済、iDeCo 支払額全額
医療費控除 年間医療費10万円超の部分 実費(最大200万円
生命保険料控除 生命保険・医療保険 最大12万円
地震保険料控除 地震保険 最大5万円
寄附金控除 ふるさと納税等 寄附額-2,000円

特に注意すべき「見落としがちな控除」の詳細

多くのフリーランスが、以下の項目で申告漏れを起こしています。

  1. 国民健康保険料: 口座振替にしている場合、領収書が発行されず、年間いくら支払ったかを把握しにくい傾向にあります。1月〜12月に支払った合計額を自治体から送られてくる通知書やマイナポータルで確認しましょう。
  2. iDeCo・小規模企業共済: 個人型確定拠出年金(iDeCo)や小規模企業共済は非常に強力な節税策ですが、毎年送られてくる「掛金払込証明書」を紛失すると控除を受けられません。保管場所に注意しましょう。
  3. 経費の家事按分: 自宅を事務所としている場合、家賃、電気代、インターネット通信費などはすべて経費になります。ただし、すべてを経費にするのではなく「面積」や「使用時間」に基づいて事業に使用している割合だけを「家事按分」として経費計上します。これを忘れると経費が少なくなり、税金が高くなります。

確定申告の準備:会計ソフトで効率化する

確定申告は準備が大変だと思われがちですが、現在はクラウド会計ソフトを活用することで、自動的に帳簿を作成できます。

必要な書類を揃える

確定申告書を作成する前に、以下の書類を揃えます。

  • 青色申告決算書(事業の売上・経費・所得を記載)
  • 確定申告書B(所得税の計算結果を記載)
  • 源泉徴収票(会社員時代の給与がある場合)
  • 各種控除の証明書(iDeCoや生命保険の控除証明書など)
  • マイナンバーカード(e-Tax利用時に必須)

おすすめの会計ソフト活用法

ソフト 月額目安 特徴
freee 980円〜 会計知識が少なくても使いやすい。直感的なインターフェース
マネーフォワード確定申告 800円〜 銀行口座やクレジットカードとの連携が非常に強力
やよいの青色申告 8,800円/年〜 日本で最もシェアが高く、情報が豊富。安心感がある

これらのソフトを使うことで、銀行明細を自動取得し、取引を「AIが自動で仕訳」してくれます。領収書をスマホで撮影するだけで経費として登録できる機能など、時間を大幅に節約できる機能が充実しています。

年末調整と確定申告の違い

まずは、それぞれの仕組みを正しく理解しましょう。

項目 年末調整 確定申告
対象者 会社員(給与所得者) フリーランス・個人事業主
手続き主体 会社(雇用主) 本人(納税者)
時期 11〜12月 翌年2月16日〜3月15日
対象所得 給与所得のみ すべての所得
控除の適用 会社が計算・適用 本人が計算・申告

なぜフリーランスに年末調整は不要か

年末調整とは、会社が給与支払いの過程で徴収した概算の所得税額と、1年間の最終的な所得税額の過不足を計算し、年末の給与で調整する手続きです。

フリーランスには「給与」という概念がなく、売上から経費を差し引いた「事業所得」が発生します。このため、会社が行うような給与ベースの年末調整は適用されません。フリーランスは、1月1日から12月31日までのすべての所得を合計し、そこから控除を差し引いて、自分自身で税額を算出しなければなりません。

パターン別の手続き

ご自身の現在の状況に合わせて、以下のケースを確認してください。

パターン1:専業フリーランス

年末調整: 不要 確定申告: 必要

専業フリーランスの場合、事業所得が基礎控除額である48万円を超えると確定申告が義務付けられます。売上が少ないからといって手続きを怠ると、後から無申告加算税や延滞税が発生するリスクがあります。所得が少ない場合でも、青色申告を活用して赤字を繰り越すことで、翌年以降の節税につながるため、積極的に確定申告を行うことを推奨します。

パターン2:会社員 + 副業フリーランス

年末調整: 会社が行う(給与所得分) 確定申告: 副業所得が年間20万円超なら必要

会社員としての給与所得については、会社が年末調整を行ってくれます。しかし、会社はあなたの副業所得については把握していないため、これを含めた税金の計算はしてくれません。副業の「所得(売上から経費を引いた額)」が年間20万円を超える場合は、会社員であっても必ず自分で確定申告を行う必要があります。

パターン3:年の途中でフリーランスに転向

年末調整: 退職した会社では行われない 確定申告: 必要

年の途中で会社を退職し、その後フリーランスとして開業した場合は、前職の会社での年末調整は行われません。そのため、退職までに受け取った給与所得と、開業後に得た事業所得の合計額で確定申告を行います。前職の会社から必ず「源泉徴収票」を受け取っておくことが必須です。

フリーランスの確定申告で忘れがちな控除

フリーランスにとって、節税は利益を手元に残すための極めて重要な戦略です。確定申告で「何を控除できるか」を把握しておくだけで、数万円から数十万円単位の税負担が変わります。

控除の種類 内容 控除額の目安
青色申告特別控除 e-Tax + 複式簿記 最大65万円
社会保険料控除 国保・年金 支払った額全額
小規模企業共済等掛金控除 小規模企業共済、iDeCo 支払った額全額
医療費控除 年間医療費10万円超の部分 実費(上限あり)
生命保険料控除 生命保険・医療保険 最大12万円
地震保険料控除 地震保険 最大5万円
寄附金控除 ふるさと納税等 寄附額 - 2,000円

特に忘れやすい項目

  1. 国民健康保険料: 口座振替にしている場合、領収書が届かないため忘れがちです。毎年1月頃に役所から届く「納付済額通知書」を確認しましょう。
  2. iDeCo(個人型確定拠出年金): 給与天引きではないため、忘れやすい控除の一つです。毎年10月〜11月頃に送られてくる「小規模企業共済等掛金払込証明書」を必ず保管し、添付してください。
  3. 経費の家事按分: 自宅で仕事をしている場合、家賃、電気代、インターネット代などは、事業で使用している割合(按分)に応じて経費にできます。これを忘れると、必要以上に所得が高く算出されてしまいます。

確定申告の準備と手順

確定申告は、一度やり方を覚えればそれほど難しい作業ではありません。効率的に進めるためのステップを紹介します。

必要な書類を揃える

確定申告書を作成するために、以下の書類を用意しましょう。

  • 売上・経費の帳簿データ: 会計ソフトから出力したもの。
  • 源泉徴収票: 会社員との兼業や、年の途中での独立の場合。
  • 控除証明書: 国民健康保険、生命保険、地震保険、iDeCoなどの払込証明書。
  • 医療費の明細書: 1年間に支払った医療費の合計額。
  • マイナンバーカード: e-Taxで電子申告を行う際に必要です。

おすすめの会計ソフトを活用する

手書きでの確定申告はミスが起きやすく、非常に手間がかかります。今の時代、会計ソフトの利用はフリーランスの必須事項です。

ソフト 月額目安 特徴
freee 980円〜 会計知識不要、直感的な操作性で初心者に圧倒的支持
マネーフォワード 800円〜 銀行やクレジットカードの明細連携が非常に強力
やよいの青色申告 8,800円/年〜 日本の定番。長年の実績と安定感がある

クラウドソーシングの収入と管理

クラウドソーシングサイトを利用している場合、収入の管理方法には注意が必要です。

@SOHOで得た収入も当然、確定申告の対象となります。特筆すべきは、手数料0%である点です。他のサイトでは、提示された報酬からシステム手数料(例:20%)が自動で差し引かれて振り込まれることが一般的ですが、これだと「売上(額面)」と「手取り(振込額)」の管理が複雑になります。

手数料を差し引かれた後の金額で帳簿をつけてしまうと、本来の収入より過小申告になり、税務調査で指摘されるリスクがあります。その点、@SOHOの手数料0%環境であれば、「受け取った金額=収入」となるため、日々の記帳が圧倒的に楽になり、管理ミスを大幅に減らせるというメリットがあります。

よくある質問

Q. フリーランスの副業で確定申告が必要になる基準は?

副業による所得(売上から経費を差し引いた金額)が年間20万円を超えた場合に、所得税の確定申告が必要となります。ただし、20万円以下であっても市区町村への住民税の申告は必要です。

Q. 利益が 20万円 以下なら確定申告は不要ですよね?

所得税の確定申告については、会社員で副業の雑所得が20万円以下であれば不要というルールがあります。しかし、 「住民税」にはその20万円ルールの特例はありません。 利益が 1円 でもあれば、お住まいの市区町村役場へ住民税の申告を行う法的義務があります。これを怠ると、後に発覚して無申告加算税の対象となります。

Q. 確定申告をすると家族の扶養から外れることはありますか?

はい。配当所得を確定申告して「合計所得金額」が増加すると、配偶者控除や扶養控除の判定基準を超えてしまい、扶養から外れる可能性があります。還付金よりも扶養控除による減税額の方が大きい場合が多いため、注意が必要です。

@SOHOでキャリアを加速させよう

@SOHOなら、あなたのスキルを求めているクライアントと手数料無料で直接つながれます。

@SOHOで関連情報をチェック

お仕事ガイド

年収データベース

資格ガイド

藤本 拓也

この記事を書いた人

藤本 拓也

フリーランスWebマーケター

大手広告代理店でWebマーケティングを10年間担当した後、フリーランスに転身。SEO・SNS・広告運用を得意とし、大阪から東京の案件もリモートで対応。マーケティング・営業系の記事を執筆しています。

@SOHOで仕事を探してみませんか?

手数料0%・登録無料のクラウドソーシング。フリーランスの方も企業の方も、今すぐ始められます。

関連記事

カテゴリから探す

クラウドソーシング入門

クラウドソーシング入門

クラウドソーシングの基礎知識・始め方・サイト比較

職種別ガイド

職種別ガイド

職種・スキル別の案件獲得方法と単価相場

副業・在宅ワーク

副業・在宅ワーク

副業・在宅ワークの始め方と対象者別ガイド

お金・税金

お金・税金

確定申告・節税・経費・ローンなどお金の知識

スキルアップ

スキルアップ

プロフィール・提案文・単価交渉などのテクニック

比較・ランキング

比較・ランキング

サービス比較・おすすめランキング

最新トレンド

最新トレンド

市場動向・法改正・AIなど最新情報

発注者向けガイド

発注者向けガイド

クラウドソーシングで外注・人材探しをする企業・個人向け

転職・キャリア

転職・キャリア

転職エージェント・転職サイト比較・キャリアチェンジ

看護師

看護師

看護師の転職・副業・フリーランス・キャリアガイド

薬剤師

薬剤師

薬剤師の転職・副業・キャリアパスガイド

保険

保険

生命保険・医療保険・フリーランスの保険設計

採用・求人

採用・求人

無料求人掲載・採用コスト削減・人材募集の方法

オフィス・ワークスペース

オフィス・ワークスペース

バーチャルオフィス・コワーキング・レンタルオフィス

法律・士業

法律・士業

契約トラブル・士業独立開業・フリーランス新法

シニア・50代

シニア・50代

シニア世代のキャリアチェンジ・副業・年金

セキュリティ

セキュリティ

サイバーセキュリティ・脆弱性対策・情報保護

金融・フィンテック

金融・フィンテック

暗号資産・決済・ブロックチェーン・金融テクノロジー

経営・ビジネス

経営・ビジネス

経営戦略・ガバナンス・事業承継・知財

ガジェット・機材

ガジェット・機材

フリーランスに役立つPC・デバイス・周辺機器

子育て×働き方

子育て×働き方

子育てと在宅ワークの両立・保育園・時間管理