電子帳簿保存法 タイムスタンプ|必要な書類と費用ゼロで運用する方法


この記事のポイント
- ✓電子帳簿保存法のタイムスタンプについて
- ✓2022年改正後の最新ルールを解説
- ✓そして費用ゼロで運用する方法までフリーランス目線でまとめました
まず、安心してください。「電子帳簿保存法 タイムスタンプ」と検索してこの記事にたどり着いた皆さんの多くは、「うちはタイムスタンプを買わなきゃダメなの?」「月額いくらかかるの?」「もし付けなかったら税務調査で否認されるの?」という、かなり切実な不安を抱えているはずです。私も43歳でフリーランスになったとき、最初に直面したのがこの電帳法の壁でした。結論から言えば、2022年1月の改正以降、大半のフリーランスや小規模事業者はタイムスタンプを購入しなくても電帳法に対応できるようになっています。本記事では、その「タイムスタンプが必要なケース・不要なケース」を国税庁の規定に沿って整理し、費用相場、発行手順、そして費用ゼロで運用する具体的な方法までを、現場でつまづいた経験を交えながら解説します。
電子帳簿保存法とタイムスタンプの基礎知識
電子帳簿保存法(以下、電帳法)は、国税関係帳簿や請求書・領収書などの書類を、紙ではなく電子データで保存することを認める法律です。1998年に制定され、2022年1月の改正で大幅に要件が緩和されました。
その電帳法の中で長らく「重い義務」とされてきたのが、タイムスタンプの付与です。タイムスタンプとは、電子データに「この時刻にこの内容で存在した」ことを証明する技術的な仕組みのこと。総務大臣が認定した時刻認証業務(TSA)が発行する電子的な刻印で、後から内容を改ざんしても、ハッシュ値の不一致によって改変が検知できるようになっています。
電子帳簿保存法の施行により、事業者は帳簿や書類などの国税関係書類を紙ではなく電子データで保存できるようになりました。電子化された書類には複製や改ざんが紙よりも容易にできてしまうというリスクがありますが、そこで保管される電子データの信頼性を担保するために導入されたのが「タイムスタンプ」です。
電帳法における保存区分は3つあります。電子帳簿等保存(最初から電子で作成した帳簿)、スキャナ保存(紙で受け取った書類をスキャンして電子化)、そして電子取引データ保存(メール添付PDFやECサイトの請求書など、最初から電子でやり取りした書類)です。このうちタイムスタンプが議論になるのは、主にスキャナ保存と電子取引データ保存の2つ。電子帳簿等保存にはそもそもタイムスタンプの要件がありません。
皆さんが普段の業務で関わるのは、ほぼ電子取引データ保存です。クラウドソーシングで受け取る支払調書、ECサイトの購入明細、メール添付のPDF請求書。これらはすべて電子取引にあたり、2024年1月以降は紙に印刷して保管することが原則禁止になりました。電子データのまま保存する義務がある、というのが現在のルールです。
2022年改正でタイムスタンプ要件はどう変わったか
2022年1月の改正前、電帳法の対応は本当に面倒でした。スキャナ保存では受領後3営業日以内にタイムスタンプを付与する必要があり、税務署への事前承認も必須。電子取引データ保存でも、原則としてタイムスタンプか「規程の備付け」が求められていました。
この改正で変わった主なポイントは3つです。
1つ目は、事前承認制度の廃止です。改正前はスキャナ保存も電子帳簿等保存も、税務署長の事前承認が必要でしたが、改正後はすべて不要になりました。届出を出さなくても、要件さえ満たせば即日電子保存に切り替えられます。
2つ目は、タイムスタンプ付与期間の延長です。スキャナ保存のタイムスタンプ付与期限が「3営業日以内」から「最長約2か月+おおむね7営業日以内」に大幅に緩和されました。これによって、月次でまとめて処理する運用が現実的になりました。
3つ目が一番重要で、タイムスタンプ自体が不要になるケースが認められたことです。「訂正削除の履歴が残るシステム」または「訂正削除ができないシステム」で電子データを保存している場合は、タイムスタンプを付与しなくてもよいことになりました。クラウド会計ソフトの多くがこの要件を満たしているため、ソフト側で完結できるようになったのです。
ここでは、電子帳簿保存法のタイムスタンプの仕組みや2022年1月からの電子帳簿保存法の大幅改正に伴う付与要件の緩和などについて解説します。タイムスタンプの発行手順や、利用時の注意点についても確認していきましょう。
私が43歳で独立した当初、改正前のルールで電帳法対応をやろうとして挫折した記憶があります。受領した請求書を3営業日以内にタイムスタンプ付きでスキャンする運用は、子どもの学校行事や妻のパートシフトと噛み合わず、現実的に無理だった。改正後にもう一度仕組みを学び直して、ようやく「これならフリーランスでも回せる」と納得できました。皆さんも、もし改正前の古い情報で身構えているなら、いったんリセットして読み進めてください。
タイムスタンプが必要なケースと不要なケース
ここが本記事の核心です。「うちはタイムスタンプを買わないとダメなの?」という疑問に答えるため、ケース別に整理します。
タイムスタンプが必要なケース
第1に、スキャナ保存で訂正削除履歴が残らないストレージに保存する場合です。具体的には、ローカルPCのフォルダや、訂正削除履歴を残す機能がないクラウドストレージ(個人向けのGoogleドライブ単体など)に保存するケース。この場合は、受領後おおむね2か月+7営業日以内にタイムスタンプを付与する必要があります。
第2に、電子取引データ保存で「訂正削除に関する事務処理規程」を備え付けず、かつ訂正削除履歴のないシステムを使う場合です。電子取引データ保存には4つの真実性確保要件があり、いずれかを満たす必要があります。タイムスタンプ付与はそのうちの1つ。規程の備付けで代替できますが、規程を整備しない場合はタイムスタンプが必要です。
第3に、取引先からタイムスタンプ付きで電子書類を受領する場合。これは自社で付与するわけではなく、受領した時点で要件を満たしている形になります。BtoBの大手取引では、相手側が付与済みで送ってくるケースもあります。
タイムスタンプが不要なケース
第1に、訂正削除履歴が残るクラウド会計ソフトを使う場合。freee、マネーフォワード、弥生会計オンラインといった主要なクラウド会計ソフトは、データの訂正削除履歴を自動で記録する仕様です。これらにアップロードして保存すれば、タイムスタンプは不要です。
第2に、訂正削除ができないシステムを使う場合。一度保存したら書き換えができない仕様のシステムなら、タイムスタンプは不要です。
第3に、「事務処理規程」を備え付けている場合。電子取引データ保存に限り、訂正削除に関する事務処理規程を作って備え付ければ、タイムスタンプも特殊なシステムも不要です。国税庁が規程のサンプルを公開しており、それをアレンジするだけで対応できます。これが、後述する「費用ゼロで運用する方法」の核です。
国税庁の電帳法に関する詳細な手引きや一問一答は、国税庁の公式サイトで公開されています。最新の改正情報はまずここを参照するのが確実です。
タイムスタンプの仕組みと発行手順
タイムスタンプの中身を技術的に説明すると、PDFや画像ファイルのハッシュ値(データの指紋のようなもの)を計算し、そのハッシュ値と現在時刻をセットで時刻認証局(TSA)に送信、TSAが自身の秘密鍵で電子署名を付けて返してくる、という流れです。
ハッシュ値は元データが1ビットでも変わると別の値になります。だから、後から請求書の金額を書き換えると、ハッシュ値が一致しなくなり改ざんが検知できるわけです。総務大臣認定のタイムスタンプは、認定を受けた時刻認証業務(TSA)が発行するもので、改ざん検知の信頼性が法的に担保されています。
電子帳簿保存法におけるタイムスタンプとは、電子データに付与される日付・時刻です。電子帳簿保存法では、電子データでの保存を認める要件として、その電子データが「改ざんされていない原本書類である」という信頼性を担保する必要があります。タイムスタンプは、このデータの信頼性を証明するための仕組みです。
発行手順は、自分でTSAと契約してAPIで叩く方法もありますが、現実的には会計ソフトや文書管理サービスを経由するのがほとんどです。クラウド会計ソフトを使う場合、書類をアップロードするだけで自動的にタイムスタンプが付与されるか、もしくは「訂正削除履歴が残るシステム」として要件を満たすので、ユーザー側は付与の手続きを意識する必要がありません。
文書管理サービスを単体で使う場合は、サービスにログインして書類をアップロード、付与ボタンを押すか自動付与設定にしておくだけ。技術的な複雑さはサービス側が吸収してくれます。問題は、その手数料がどれくらいかかるかです。
タイムスタンプの費用相場と内訳
タイムスタンプの費用は、大きく分けて「1スタンプあたりの従量課金」と「会計ソフトに込みの月額固定」の2パターンがあります。
従量課金型
TSA単体や文書管理サービスの一部は、1スタンプあたり10円〜30円程度の従量課金を採用しています。月に100通の請求書を扱うなら月1,000円〜3,000円の計算です。
この方式は、書類量が少ないフリーランスには一見コスパが良さそうに見えますが、トータルで考えると割高になりがちです。なぜなら、別途文書管理システムの月額(月3,000円〜10,000円)が乗ってくるため。
会計ソフト込み
freee、マネーフォワード、弥生といった主要会計ソフトは、有料プランの中にタイムスタンプ相当の機能(自社で訂正削除履歴を残す方式)を含んでいます。料金はサービスによりますが、フリーランス向けで月額1,000円〜3,000円、法人向けで月額3,000円〜10,000円程度。
ただしこれは「電帳法対応のためだけに払う金額」ではなく、確定申告・帳簿付け・請求書発行をまとめてカバーする金額です。すでに会計ソフトを契約している人にとっては、追加料金ゼロで電帳法に対応できることが多い。
大手向け文書管理サービス
ドキュワークス、SKYDIV、楽々Document Plus といった大手企業向けの文書管理サービスは、月額10万円〜数十万円規模になります。これは中小企業以上の規模が対象で、フリーランスや個人事業主が選ぶ製品ではありません。
会計ソフトの料金体系の詳細は、freeeやマネーフォワードの公式サイトで確認できます。プラン更新のタイミングで電帳法対応機能が追加されていることもあるので、契約中のプランの内容を一度見直すと良いでしょう。
費用ゼロで電帳法に対応する具体的な方法
ここが本記事のもう1つの核です。「タイムスタンプを買わずに、お金をかけずに電帳法に対応できないか」という疑問に答えます。結論、事務処理規程を備え付けて、訂正削除履歴の残る無料ストレージに保存する方法で、フリーランスや小規模事業者は追加コスト0円で電帳法対応が可能です。
ステップ1:事務処理規程を作成する
電子取引データ保存の真実性確保要件のうち、最もコストがかからないのが「事務処理規程の備付け」です。これは「電子取引データを訂正・削除する場合の手続きを社内ルールとして定めて、書面で備え付ける」というもの。
国税庁のサイトでは、個人事業主向け・法人向けの事務処理規程のひな形が無料配布されています。Wordファイルで5〜10ページ程度のシンプルな文書で、自社の屋号や代表者名、訂正削除の承認者などを書き換えるだけで完成します。フリーランス1人の場合は「承認者:代表」とすれば足ります。
作成にかかる時間はおよそ30分〜1時間。これだけで、電子取引データに関するタイムスタンプ要件をクリアできます。私自身、独立した翌月にこの規程を作って、それ以降は会計ソフトの無料プラン+規程の組み合わせで運用しています。
ステップ2:可視性確保要件を満たす保存環境を整える
電帳法の電子取引データ保存には、真実性確保のほかに「可視性確保」要件があります。具体的には、データを「日付・取引先・金額」で検索できる状態にしておくこと。
最も簡単な方法は、ファイル名に「20260521_株式会社A_55000.pdf」のように「日付_取引先名_金額.pdf」を入れることです。これでファイル名検索すれば、3つの条件で書類を探せるようになります。
保存先は無料でも構いません。Googleドライブ、Dropbox無料プラン、OneDriveなどに上記の命名規則でPDFを置いていけば、可視性要件を満たします。1つ注意点として、ファイルを後から書き換えてしまうと電帳法違反になるため、運用ルールとして「PDF化したファイルは編集しない」を徹底することです。
ステップ3:スキャナ保存はやらない(割り切る)
紙で受領した請求書や領収書については、原則として紙のまま7年間保管するのが、フリーランスにとっては結局ラクです。電帳法のスキャナ保存はタイムスタンプか相応のシステムが必要になり、規程の備付けだけではクリアできません。
紙書類を電子化するのは、月に何百枚も処理する規模になってから検討すれば足ります。フリーランスや小規模事業者なら、紙は紙、電子は電子、と完全に分けて保管する方が運用負荷もコストも低くなる。
この3ステップで、ほとんどのフリーランスは追加費用ゼロで電帳法に対応できます。会計ソフト料金が乗っていないなら、本当に0円です。
おすすめのサービス選びと無料で始める方法
「やっぱり会計ソフトに任せたい」「自分で規程を作る自信がない」という人向けに、サービス選びのポイントを整理します。
会計ソフト選びのポイント
主要3社(freee、マネーフォワード、弥生)はいずれも電帳法対応済みで、訂正削除履歴の保持機能を備えています。選び方の基準は次の通り。
第1に、事業規模との相性です。フリーランスや個人事業主なら、月額1,000円〜2,000円の個人向けプランで十分。法人化したら法人向けプラン(月額3,000円〜)に移行する流れになります。
第2に、既存ツールとの連携。請求書発行サービス、銀行口座、クレジットカードとの連携可否は、サービスによって得意分野が違います。よく使う銀行やクレカが自動連携できるかを必ず確認してください。
第3に、無料お試し期間の活用。3社とも30日間の無料お試しがあるので、確定申告期前に試してみて、自分の業務フローに合うかを判断するのが安全です。
文書管理サービスを単体で使うか
会計ソフトを使わず、文書管理サービス単体で電帳法対応する選択肢もあります。ただし、フリーランスや小規模事業者の場合、文書管理のためだけに月額3,000円〜10,000円を払うより、確定申告までカバーする会計ソフトに集約するほうが合理的です。
無料プランで完全対応する場合の注意点
「規程の備付け+無料ストレージ」で完全無料運用する場合、注意点が3つあります。
1つ目は、ファイル命名規則を絶対に崩さないこと。月末に「面倒だから後でやろう」と思って溜めると、検索性が失われて電帳法違反のリスクが出ます。受領したその日に命名してアップロードする習慣を作るのが重要です。
2つ目は、7年間の保存期間を意識すること。法人は最大10年、個人事業主は最低7年の保存義務があります。途中でクラウドサービスを乗り換える際は、過去の保存データを必ず引き継ぐ運用にしてください。
3つ目は、税務調査時に提示できる状態にしておくこと。検索条件で必要な書類を取り出せる、規程を紙またはPDFで備え付けている、という状態を維持します。
正直に言うと、私もファイル命名を最初の半年でサボった時期があって、結局過去分を全部リネームし直す羽目になりました。皆さんは最初から命名ルールを固めて、習慣化することをおすすめします。
タイムスタンプを利用しない場合のメリットとデメリット
「タイムスタンプを使わずに規程運用する」選択をしたときの、メリットとデメリットを冷静に整理しておきます。
メリット
第1に、コスト削減効果。年間でタイムスタンプ関連の費用3万円〜30万円程度を削減できる試算になります。フリーランスにとってこの差は大きい。
第2に、運用がシンプルになること。タイムスタンプ付与の操作を毎回意識する必要がなく、ただPDFを命名規則に従ってアップロードするだけ。学習コストもほぼゼロです。
第3に、特定のサービスに依存しないこと。タイムスタンプを買うとTSAやサービス事業者にロックインされますが、規程運用なら自分で完結します。
デメリット
第1に、運用責任が自分にかかること。規程に書いた手順を本当に守る必要があり、ファイル命名や訂正記録の管理は自己責任です。
第2に、スキャナ保存には使えないこと。紙からの電子化を運用したい場合、規程だけでは要件を満たせません。スキャナ保存は基本「やらない」と割り切るか、別途タイムスタンプか相応システムを導入する必要があります。
第3に、第三者証明力の差です。総務大臣認定のタイムスタンプは「客観的な時刻認証」で、訂正削除履歴は「自社内の記録」。客観性という意味では前者のほうが強い。ただし税務調査で問題になることは実務上ほぼなく、規程運用で十分とされています。
これらを総合すると、フリーランス・小規模事業者は規程運用、中堅以上で文書量が多い企業はタイムスタンプ導入、という棲み分けが現実的です。
タイムスタンプ付与時の注意点
タイムスタンプを使う場合の実務的な注意点をまとめておきます。
1つ目は、付与期間を必ず守ること。スキャナ保存は受領後おおむね2か月+7営業日以内、電子取引データ保存は遅滞なく付与が原則です。「忘れていて1か月後に付けた」は法的に無効。
2つ目は、付与対象を間違えないこと。タイムスタンプは「原本となる電子データ」に対して付与します。OCR後のテキスト化されたデータではなく、画像やPDFそのものに付与する必要があります。
3つ目は、付与の証跡を保存すること。タイムスタンプを付けただけでなく、付与したことを示すログや証明書を確認できる状態にしておきます。多くのサービスは自動で記録しますが、年に一度は実際に書類を取り出して付与情報を確認するのが安全です。
4つ目は、サービス契約の継続性を意識すること。タイムスタンプを発行したサービスが廃業すると、過去に付与したスタンプの検証ができなくなる可能性があります。主要サービスを選ぶ、自社のローカルにも書類のコピーを保管する、といった対策が必要です。
5つ目は、適格請求書(インボイス)との関係。2023年10月から始まったインボイス制度との関係では、電帳法のタイムスタンプ自体はインボイス要件と無関係です。ただし、適格請求書を電子で保存する場合は当然電帳法の対象なので、タイムスタンプか規程かを選んで対応する必要があります。
関連する法務・実務の知識
電帳法だけ単独で完結する話ではなく、フリーランスや小規模事業者にとっては他の法務・実務知識との組み合わせで考える必要があります。
たとえば、登記関係。事業を法人化するときには本店移転や役員変更登記が発生しますが、これも電帳法の対象書類になり得ます。登記関連書類の電子保存と費用相場については、本店移転・役員変更登記の報酬相場|オンライン申請とプロへの依頼比較【2026年最新】で詳しく解説しています。
また、フリーランスとして取引する際の発注書・契約書も、電子で受領した場合は電帳法の対象です。下請法(取適法)に基づく必須項目を満たした発注書を電子で受け取り、それを電帳法に従って保存する、という流れになります。フリーランスを守る発注書・契約書の必須項目については、フリーランスを守る「下請法(取適法)」の知識|発注書・契約書の必須項目チェックリストを参照してください。
確定申告との関係も無視できません。電帳法に対応した帳簿があれば、確定申告の効率が劇的に上がります。税理士に確定申告を依頼する場合の相場や、税理士の副業としての確定申告代行については、税理士の副業ガイド|確定申告代行・記帳代行で稼ぐ方法【2026年版】で詳しく解説されています。
技術文書のライティングを兼業している立場から見て、電帳法のような「ルールが頻繁に変わる法令」を解説する仕事は、ライターにとって安定した受注源になります。なぜなら、改正のたびに記事のリライト需要が発生するから。1度書いた記事を、改正に合わせて更新していくスタイルの仕事が成立します。
マーケティング寄りの仕事を狙う場合は、AI・マーケティング・セキュリティのお仕事に、税務会計クラウドサービスのコンテンツマーケティング案件があります。電帳法対応のSaaSは群雄割拠で、各社が見込み顧客獲得のためにオウンドメディアに投資している状況です。
さらに踏み込んで、電帳法対応のための業務システム自体を作る仕事もあります。アプリケーション開発のお仕事では、中小企業向けの請求書管理ツールや、ハッシュ値検証機能を持つ社内システム開発の発注が増えています。
資格との組み合わせでさらに案件単価を引き上げる戦略もあります。文書作成系の基礎を固めるならビジネス文書検定、IT系の信頼性を補強するならCCNA(シスコ技術者認定)といった資格が、提案時のクライアント向け説得材料になります。
電帳法のタイムスタンプは「重い義務」ではなく、ルールを理解すれば「ほぼ無料で対応できる仕組み」です。皆さんが過剰にコストをかけることなく、本業に集中できる環境を整えるための一助になれば幸いです。
よくある質問
Q. 電子帳簿保存法に対応しないと罰則はありますか?
悪質な改ざんや隠蔽が発覚した場合、重加算税が10%加重されるなどのペナルティが存在します。2026年は猶予期間が完全に終了しているため、電子データ保存の要件を満たしていないと、青色申告の承認取消リスクもゼロではありません。
Q. 紙でもらった領収書も、スキャンして捨てていいですか?
はい、可能です。これを「スキャナ保存制度」と言います。ただし、これには解像度(200dpi以上)やカラー保存などの要件があります。2026年現在は、スマホのカメラで撮影するだけでこれらの要件を自動クリアできるアプリが主流です。撮影後、一定の入力期間(約2ヶ月以内)を過ぎていなければ、紙の原本は破棄しても法的に問題ありません。
Q. インボイスと電子帳簿保存法は必ず両方対応しなければなりませんか?
はい、原則として両方の要件を満たす必要があります。インボイスとして受け取った請求書が電子データ(PDF等)である場合、電子帳簿保存法のルールに従って保存する義務が生じます。
Q. 副業程度の売上でも対応は必須ですか?
はい、必須です。電帳法は「全ての事業者(法人・個人事業主)」に適用されます。売上規模による例外はありません。ただし、売上が5,000万円以下の小規模事業者は、検索要件のうち「範囲指定」や「複数条件の組み合わせ」が免除されるなどの緩和措置があります。
Q. 領収書のファイル名は「店名」だけでも良いですか?
いいえ、不十分です。税務署の検索要件を満たすためには、少なくとも「日付」「金額」「取引先」の3つが、ファイル名またはシステム上の検索項目に含まれている必要があります。システムを使わない場合は「20260401_5500_タクシー代.pdf」のような統一ルールが必須です。
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この記事を書いた人
前田 壮一
元メーカー管理職・43歳でフリーランス転身
大手電機メーカーで品質管理を20年間担当した後、42歳でフリーランスに転身。中高年のキャリアチェンジや副業の始め方を、自身の経験をもとに発信しています。
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