EC・D2Cコンサル未経験からの始め方|自分の店を回した記録が武器になる


この記事のポイント
- ✓EC・D2Cコンサルは未経験でも始められるのか
- ✓自分の店を回した記録が実績として通用する理由と
- ✓契約前に確認すべき法務のポイントを行政書士の視点で解説します
先日、あるハンドメイド作家さんから相談を受けました。「自分のネットショップを2年やってきたけれど、これって『実績』として名乗っていいんでしょうか」と。結論から言うと、答えは条件付きでイエスです。売上や広告の数字を客観的な記録として残していれば、それは立派な実績になります。つまり、肩書きが「EC・D2Cコンサルタント」でなくても、店を回した記録そのものが信用の土台になるということです。これ、知らない人が本当に多いんです。
「EC・D2Cコンサル 未経験」と検索している方の多くは、企業でEC運営の経験がないまま、この分野で相談役として動けるのか不安に感じているのではないでしょうか。求人サイトを見ると「2卒歓迎」「未経験可」といった募集がある一方で、実際に応募すると「実務経験3年以上」を求められるケースも少なくありません。この記事では、未経験からEC・D2Cコンサルの仕事に近づくための現実的な道筋と、契約前に押さえておくべき法務の注意点を、行政書士としての視点も交えてお伝えします。
私自身はEC業界の出身ではありませんが、フリーランス向けの法務相談を続ける中で、EC・D2Cコンサルという形で独立を目指す方からの相談を数多く受けてきました。そこで見えてきたのは、業界知識そのものよりも、契約や実績の見せ方でつまずいている方が意外と多いという実情です。この記事では、そうした相談の中から得た知見も含めてお伝えしていきます。
EC・D2Cコンサルの「未経験」が意味するもの
まず整理しておきたいのは、「未経験」という言葉が指す範囲の広さです。企業でECコンサルタントという肩書きで働いた経験がない、という意味での未経験であれば、その状態から相談役として活動を始める人は珍しくありません。一方で、ネットショップの運営や商品登録、広告運用の経験も一切ないという意味での未経験だと、いきなり発注者に提案する立場に立つのは現実的に難しくなります。
EC・D2Cコンサルという仕事は、企業のオウンドECサイトやモール出店の売上を伸ばすために、集客・商品ページ改善・在庫管理・広告運用といった複数の領域を横断して助言する仕事です。求人票を見ると「データ分析・CRMを体系的に学べる」といった育成前提の募集も存在しており、業界全体として未経験者を受け入れる土壌がまったくないわけではありません。ただしそれは正社員採用の話であり、フリーランスや副業として個人で相談役を務める場合は事情が異なります。発注者は「この人に任せて大丈夫か」を短時間で判断する必要があるため、何らかの裏付けとなる記録を求めてきます。
つまり、未経験という言葉に過度に萎縮する必要はない一方で、何も準備せずに名乗りを上げても信用は得られにくい、というのが実情です。次の章で、その裏付けをどう作るかを具体的に見ていきます。
自分の店を回した記録がなぜ武器になるか
EC・D2Cコンサルの相談を受けるときに発注者が本当に知りたいのは、資格の有無よりも「この人は数字を動かした経験があるか」という一点です。ここで効いてくるのが、自分自身のネットショップやSNS経由の販売、フリマアプリでの継続的な出品といった、個人レベルの運営記録です。
個人ネットショップの運営記録の残し方
私が相談を受けた事例では、副業でハンドメイド雑貨を販売していた方が、月ごとの売上・アクセス数・広告費・広告経由の売上を1年分スプレッドシートにまとめていました。この記録があるだけで、「感覚で運営している人」と「数字で語れる人」の差がはっきり出ます。具体的には次のような項目を記録しておくと、後で提案書や実績紹介として使いやすくなります。
・月次の売上高と注文件数 ・主要な流入経路(検索・SNS・広告・リピーター)ごとの比率 ・広告を使った場合はその費用対効果 ・商品ページを変更した前後での転換率の変化 ・在庫切れや発送遅延など、うまくいかなかった経験とその対処
特に最後の「うまくいかなかった経験」は、実務では意外と重要視されます。順調だった話だけでなく、在庫切れで機会損失を出した経験や、広告費をかけすぎて赤字になりかけた経験を正直に語れる人の方が、発注者からすると信頼できると感じることが多いようです。
副業レベルの出品・運用実績でも通用するケース
「自分の店」といっても、必ずしも自社ブランドである必要はありません。フリマアプリやハンドメイドマーケットでの継続的な出品、友人の店舗のInstagram運用を手伝った経験なども、記録として整理すれば実績になり得ます。重要なのは規模の大小ではなく、「何を目標に、何を実行し、結果としてどう数字が動いたか」を説明できるかどうかです。
法務の視点から一つ注意しておきたいのは、他人の店舗を手伝った実績を紹介する際、守秘義務や個人情報の扱いに触れてしまわないかという点です。具体的な売上金額や顧客情報を無断で第三者に開示すると、契約違反や個人情報保護の観点で問題になり得ます。実績として紹介する場合は、金額を「前年比◯%改善」のような相対値にする、店舗名を伏せるなど、事前に運営者の了承を得たうえで開示範囲を決めておくことをおすすめします。
未経験から相談役になるまでの現実的なステップ
ここからは、実際に未経験からEC・D2Cコンサルとして動き出すまでの手順を段階的に見ていきます。
学ぶべきスキル
EC・D2Cコンサルに求められるスキルは幅広く、一人ですべてを極めるのは非現実的です。ただし、最低限押さえておきたい柱は次の3つに整理できます。
1つ目は、モールとオウンドECの構造理解です。楽天市場やAmazon、Yahoo!ショッピングといったモール型と、Shopifyなどで構築する自社ECでは、集客の仕組みも手数料構造もまったく異なります。両方の特徴を比較して説明できるスキルは、初期の提案でも重宝されます。
2つ目は、データを読むスキルです。Googleアナリティクスやモールの管理画面から、流入経路別の転換率や離脱ポイントを読み取れるようになると、単なる感想ではなく数字に基づいた提案ができるようになります。
3つ目は、商品ページのコピーライティングと画像構成の基礎です。D2Cブランドの多くは商品そのものの品質だけでなく、ページで語られる世界観によって購入が決まります。ライティングと画像の基礎知識があると、提案の説得力が大きく変わります。
こうしたスキルは独学でも身につけられますが、体系的に学びたい場合は関連する資格の勉強を並行させる方法もあります。実務経験と資格の両方を積みたい方はEC・D2Cコンサル 資格についてまとめた記事も参考にしてください。
学習の順番としては、まずモールとオウンドECの構造理解から着手し、並行して自分自身の小さな運営を始めてみるのがおすすめです。座学だけでは気づけない、在庫管理の手間や配送トラブルへの対応といった実務の細部は、実際に手を動かしてみて初めて実感できることが多いためです。データを読むスキルについても、無料で使える解析ツールの管理画面を実際に触ってみることが、書籍を読むよりも早く身につく近道になります。
商品ページのコピーライティングに関しては、うまくいっている他社の商品ページを分析する習慣も効果的です。なぜこの見出しが刺さるのか、なぜこの順番で情報が並んでいるのかを言語化できるようになると、自分が提案する側になったときの説得力が変わってきます。ここでも大切なのは、学んだことをすぐに自分の運営や、応募した案件の中で試してみることです。知識と実践を往復させる意識を持っておくと、未経験からの立ち上がりが早くなります。
まず取り組む案件の探し方
いきなり企業のEC戦略全体を任される案件は少なく、多くの場合は商品登録や画像作成、SNS運用代行といった作業ベースの仕事から始まります。こうした案件で実績を積みながら、少しずつ提案の範囲を広げていくのが現実的な流れです。作業ベースの案件についてはEC運用代行・商品登録のお仕事で具体的な業務内容を紹介していますので、未経験から入る入口として確認しておくとよいでしょう。
作業を通じて発注者との信頼関係ができてくると、「ついでにこの商品ページも見てもらえますか」「広告の数字について意見が欲しい」といった相談が自然に発生することがあります。ここが、作業者から相談役へと立場が変わっていく分岐点です。
契約前に確認しておきたいこと
未経験からEC・D2Cコンサルの仕事を始める際、意外と見落とされがちなのが契約面での確認です。ここは私の専門領域でもあるので、少し丁寧にお伝えします。
業務委託契約書で見るべき条項
業務委託として仕事を受ける場合、契約書または発注書には次のような項目が明記されているかを必ず確認してください。
・業務範囲(どこまでが契約内の作業か) ・報酬額と支払時期 ・成果物の権利の帰属(作成した画像やコピーの著作権が誰に属するか) ・秘密保持に関する条項 ・契約解除の条件
このうち特にトラブルになりやすいのが、業務範囲の曖昧さです。「商品ページの改善」という一文だけの契約だと、発注者が際限なく修正を依頼してくることがあります。想定される作業回数や工数の目安を、事前にメールやチャットの文面で残しておくと、後々の水掛け論を避けられます。
成果物の権利の帰属についても、未経験のうちは見落としがちなポイントです。自分が作成した商品ページのコピーや構成案が、契約終了後も発注者側で自由に使い回されてよいのか、それとも次の契約更新時に改めて許諾が必要なのかは、案件によって扱いが異なります。特にポートフォリオとして自分の作品を紹介したい場合、契約書に「成果物を実績として公開してよいか」という一文を加えておくと、後のトラブルを避けやすくなります。
また、契約解除の条件も忘れずに確認しておきたい項目です。発注者側の都合で急に契約が打ち切られた場合、それまでの作業分の報酬がどう扱われるのかが明記されていないと、未経験のうちは泣き寝入りしてしまうケースも見られます。「作業途中で契約が終了した場合は、着手済みの分を按分して支払う」といった一文があるかどうかは、契約書を受け取った段階で必ず目を通しておくべきポイントです。
フリーランスに業務委託した場合、書面での契約締結が努力義務とされ、発注者には契約条件の明示が求められています。口頭のみの取り決めはトラブルの原因になりやすいため、業務内容・報酬・納期を書面やメールで残すことが推奨されます。 出典: 公正取引委員会
※このあたりの契約条件でどうしても折り合いがつかない、あるいは報酬未払いなどのトラブルに発展した場合は、一人で抱え込まず、行政書士や弁護士、地域の相談窓口に早めに相談することをおすすめします。
フリーランスの保険をどう考えるか
未経験からフリーランスとしてEC・D2Cコンサルの仕事を始める場合、会社員時代のような社会保険の後ろ盾がなくなる点も見落とせません。国民健康保険や国民年金への切り替え手続きに加え、フリーランス向けの所得補償保険や賠償責任保険への加入を検討する人も増えています。特に、提案した施策が原因で発注者側に損害が生じたと主張されるケースはゼロではないため、賠償責任をカバーする保険は検討の余地があります。保険料や補償内容は保険会社によって幅があるため、複数のプランを比較したうえで、自分の稼働規模に見合った補償を選ぶとよいでしょう。
社会保険関連の手続きについて不安がある場合は、お住まいの年金事務所や自治体の窓口で相談できます。国民健康保険への切り替えについても、退職後の期限内手続きを忘れると保険料の未納期間が発生してしまうことがあるため、退職が決まった時点で早めに窓口へ確認しておくと安心です。
副業として始める場合は、本業側の社会保険をそのまま継続できるケースが多いため、切り替え手続き自体は不要なことがほとんどです。ただし、副業収入が一定額を超えると確定申告が必要になる点は、事前に把握しておいた方がよいでしょう。確定申告の要否や具体的な手続きについては、最終的には税務署への確認が確実です。
国民年金の加入は、日本国内に住所を有する20歳以上60歳未満のすべての方に義務づけられています。会社を退職してフリーランスになる場合は、退職日の翌日から14日以内に住所地の市区町村役場または年金事務所で種別変更の手続きが必要です。 出典: 日本年金機構
匿名化した相談事例から見える傾向
これまで相談を受けてきた中で、未経験からEC・D2Cコンサルの領域に入っていった方の事例を、個人が特定されない形でいくつか紹介します。
ある方は、もともと本業が経理職で、EC運営の経験はまったくありませんでした。ですが、副業として始めたアクセサリーのネットショップを1年半継続し、その間の売上推移と広告費の使い方を克明に記録していました。この方が最初に受けた仕事は、知人が経営する雑貨店のInstagram運用代行という、決して華やかではない作業でした。しかし、その作業の中で「投稿の時間帯を変えたら反応が上がった」という小さな発見を都度メモし、次の提案に活かしていったことで、半年後には商品ページの構成についても意見を求められる立場になっていました。
別の方は、フリマアプリでの継続出品という、一見コンサルとは遠い活動から始めています。出品タイトルの付け方や写真の撮り方を試行錯誤し、月間の売上を記録していました。この記録をもとに、小規模なハンドメイド作家向けの商品ページ改善案件に応募したところ、実務経験がなくても「具体的な改善の根拠を数字で示せる」という点が評価され、契約につながったといいます。
この2つの事例に共通するのは、いずれも派手な実績ではなく、地道な記録の積み重ねが信頼につながっている点です。未経験であることを過度に隠そうとするのではなく、「経験は浅いが、こういう記録と工夫を積んできた」と正直に伝える姿勢が、結果的に評価されているように感じます。
一方で、うまくいかなかった相談例も紹介しておきます。ある方は、実績となる記録をほとんど残さないまま、SNSでの発信内容だけを頼りに高単価の案件へ応募を続けていました。発信内容自体は熱意が伝わるものでしたが、「実際に何をして、どんな数字が動いたのか」を裏付ける記録がなかったため、面談まで進んでも契約に至らないことが続いていたそうです。この事例からも分かる通り、発信や熱意だけでは信頼の代わりにはなりにくく、数字を伴った記録があってこそ説得力が生まれるという点は、あらためて強調しておきたいところです。
未経験からの年収・報酬イメージ
未経験からスタートした場合の報酬は、作業ベースの案件であれば1件あたり数千円から、商品ページ制作代行であれば1ページ数千円から1万円台程度が一つの目安になります。相談役としての単価が発生するのは、実績を積んで発注者から継続的に信頼される関係になってからが多く、いきなり高単価のコンサル契約に到達するケースは稀です。
段階的に見ると、最初の3か月から半年は作業代行が中心になり、時間単価に換算すると決して高くはない水準からのスタートになることが多いです。この期間を「実績づくりの投資期間」と割り切れるかどうかが、続けられるかどうかの分かれ目になります。半年から1年ほど継続的に案件をこなし、発注者からの信頼が積み上がってくると、商品ページの改善提案や広告運用の見直しといった、より裁量のある仕事を任されるようになり、単価も段階的に上がっていく傾向があります。
ここで法務の視点から一つ付け加えておきたいのは、単価交渉のタイミングです。実績が積み上がってきたにもかかわらず、最初に決めた単価のまま何年も据え置かれているケースを相談で見かけることがあります。契約更新のタイミングや、業務範囲が実質的に広がったタイミングでは、遠慮せずに単価の見直しを相談してよいと考えます。発注者側も、優秀な人材に長く関わってもらうために単価調整に応じることは珍しくありません。
企業に正社員としてECコンサルタントとして採用された場合の年収帯は、未経験からのスタートでも一定の水準が示されている求人が見られます。
未経験から入社し、他社コンサルより早いスピードで経験と能力を身につけられる環境を整えている、と説明する企業もあります。もっとも、こうしたモデルケースはあくまで一例であり、実際の年収は業績や個人の成果によって大きく変動する点には注意が必要です。 出典: top1-consulting.com
フリーランスとして活動する場合、こうした企業のモデルケースをそのまま当てはめることはできません。自分の稼働時間と単価をどう組み合わせるかを、案件ごとに現実的に見積もることが大切です。報酬体系の違いについてはEC運営コンサルの報酬は月額固定か成果報酬かで手取りが変わるでさらに詳しく解説していますので、あわせて確認してみてください。
未経験者が陥りやすい失敗パターン
未経験から相談役を目指す過程で、実際によく見られる失敗がいくつかあります。あらかじめ知っておくことで、同じつまずきを避けやすくなります。
一つ目は、知識だけを先に詰め込みすぎて、実践が後回しになるパターンです。EC運営に関する書籍や動画教材は数多くあり、勉強すること自体は悪いことではありません。ただし、知識をインプットするだけで満足してしまい、自分自身での運営や小さな案件への応募に踏み出せないまま時間が過ぎてしまう人を、これまで何人も見てきました。学びながら同時に小さくてもいいので実践を並行させることが、実績を積むうえでは近道になります。
二つ目は、無償でのお試し提案を安易に受けてしまうパターンです。「まずは実績作りのために」と、報酬なしで長期間の提案書作成やコンサルティングを引き受けてしまい、結果的に労力だけを消耗してしまうケースがあります。実績作りの初期段階であっても、最低限の作業対価を受け取る形にしておかないと、後から「これは無償が当然」という関係が固定化してしまう危険があります。
三つ目は、契約範囲の確認を後回しにしてしまうパターンです。特に未経験のうちは「仕事をもらえるだけでありがたい」という気持ちが先に立ち、契約条件の確認を遠慮してしまいがちです。ですが、業務範囲や報酬の支払時期を曖昧にしたまま仕事を始めると、後になって「聞いていた話と違う」というトラブルに発展しやすくなります。最初の一件から、契約条件は丁寧に確認する習慣をつけておくことをおすすめします。
相談を受ける前の準備チェックリスト
実際に発注者からEC運営について相談を受ける段階に近づいてきたら、次のような項目を準備しておくと、初回の打ち合わせがスムーズに進みます。
・自分がこれまで運営・関与してきたショップやSNSアカウントの実績サマリー(数字ベース) ・得意な領域と不得意な領域の整理(すべてを一人で対応しようとしない姿勢も信頼につながります) ・想定される業務範囲と、それに対するおおよその稼働時間の見積もり ・報酬の考え方(時間単価か、成果報酬か、月額固定か) ・契約書や発注書のひな形、または契約時に確認したい項目のリスト
こうした準備は、未経験であることのハンデを補う意味でも重要です。「経験はまだ浅いが、準備と誠実さで信頼を積み重ねようとしている人」という印象は、発注者にとって決してマイナスには映りません。むしろ、経験年数だけをアピールして中身が伴わない相手より、丁寧な準備をしてくる人の方を選ぶ発注者は少なくないというのが、これまで多くの相談を見てきた実感です。
未経験者が実績を可視化する際のデータ活用
在宅ワークの求人を長く見てきた立場から言えば、未経験からこの分野で信頼を得ている人には共通点があります。それは、案件ごとの成果を毎回きちんと記録に残し、次の提案の材料として使い回している点です。単発の作業をこなすだけで終わらせず、「この施策で転換率が何%変わったか」を都度メモしておくことで、半年後には立派なポートフォリオになります。
もう一つの共通点は、報酬交渉の場面で無理をしないことです。実績が薄い段階で高い単価を主張するよりも、まずは適正な単価で実績を積み、記録を積み上げてから単価を上げていく方が、結果的に長く続く関係を築けています。仲介手数料がかからない直接契約の場では、依頼者は同じ予算でより多くの作業を依頼でき、受注者は手取りが厚くなるという構造があります。この「双方にとって得になる」関係を意識しながら実績を積み重ねていくことが、未経験からのスタートを軌道に乗せる近道だと感じています。
過去のEC・D2C相談の経験がある方向けの内容として、未経験30代 副業で人生変わる!私の推しはEC運営代行という体験談も参考になります。まったく別業種からEC分野に踏み出した人の道筋を知ることで、自分に合ったペースを見つけやすくなるはずです。
未経験というスタート地点は、決して不利なだけではありません。自分の店を回した記録、契約面での正しい知識、そして地道な実績の積み重ねがあれば、EC・D2Cコンサルという領域でも十分に信頼を得ていくことができます。焦って高単価の案件を狙うより、まずは目の前の小さな記録を一つずつ積み上げることの方が、結果的に近道になることが多いというのが、これまでの相談を通じて実感してきたことです。法律はあなたの味方です。契約の基本を押さえたうえで、まずは小さな記録を残すところから始めてみてください。
よくある質問
Q. EC運営の実務経験がまったくなくてもEC・D2Cコンサルの仕事はできますか?
企業経験がなくても、自分のネットショップやフリマアプリでの継続的な運営記録があれば実績として通用します。まずは商品登録や運用代行など作業ベースの案件で経験を積み、数字を記録に残すことから始めるのが現実的です。
Q. 実績として紹介できるほどの数字がまだない場合はどうすればいいですか?
小規模でも構わないので、自分自身でネットショップやSNS経由の販売を実際に運営し、売上・流入経路・広告費などを記録に残すことをおすすめします。作業ベースの案件をこなしながら実績を積み上げる方法も有効です。
Q. 未経験から始める際、契約書がない口約束の案件は受けても大丈夫ですか?
業務範囲や報酬、納期が明確でない口約束のみの契約はトラブルの原因になりやすいため注意が必要です。少なくともメールやチャットの文面で条件を残し、可能であれば書面での契約を交わすことをおすすめします。
Q. フリーランスとして活動する場合、社会保険はどうすればいいですか?
会社を退職してフリーランスになる場合、国民健康保険と国民年金への切り替え手続きが必要です。手続きの詳細は住所地の市区町村役場または年金事務所で確認できます。あわせて所得補償保険や賠償責任保険への加入も検討するとよいでしょう。
この記事について
編集部
監修:@SOHO編集部
2004年よりフリーランス・在宅ワーク向けサービスを20年運営。編集部が事実確認のうえ公開しています。

この記事を書いた人
長谷川 奈津@SOHO編集部
行政書士・元企業法務
企業法務で数多くのフリーランス契約を扱った経験を活かし、フリーランス向けの法律・契約・権利に関する記事を執筆。「法律はあなたの味方です」がモットー。
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