デジタルノマドビザ2026年版|取得しやすい国一覧と申請条件まとめ

朝比奈 蒼
朝比奈 蒼
デジタルノマドビザ2026年版|取得しやすい国一覧と申請条件まとめ

この記事のポイント

  • 2026年最新のデジタルノマドビザ発給国一覧
  • 申請の難易度を国別に比較
  • 日本人フリーランスが取得しやすい国を厳選して紹介します

結論から言うと、2026年3月時点でデジタルノマドビザ(またはリモートワーカービザ)を発給している国は世界で60カ国以上。2022年時点では約25カ国だったので、この4年で倍以上に増えたことになります。

フリーランスとして海外で暮らしながら日本のクライアントの仕事をする。少し前まで「夢物語」だったこのライフスタイルが、ビザ制度の整備によって現実的な選択肢になっています。

ただし、国によって収入要件、滞在期間、税制、申請の難易度が大きく異なります。「ノマドビザがある国」と「日本人フリーランスにとって実用的な国」は別物です。この記事では、実際に使えるデジタルノマドビザを厳選して紹介します。

デジタルノマドビザとは

デジタルノマドビザとは、自国の企業やクライアントの仕事をリモートで行うことを条件に、外国での長期滞在を許可するビザのことです。観光ビザとの最大の違いは、合法的に仕事ができる点。ただし、滞在国の企業に雇用されることは許可されていない場合がほとんどです。

日本でも2024年に、外国のデジタルノマドを受け入れるための在留資格「特定活動」が創設されました。その制度趣旨を見ると、デジタルノマドビザという仕組みが世界共通でどう設計されているかがよく分かります。

デジタルノマド向けの在留資格「特定活動」は、「国際的なリモートワーク等を目的として本邦に滞在する者」を対象とし、外国の団体との雇用契約に基づき情報通信技術を用いて当該団体の外国の事業所の業務に従事する活動、または外国にある者に対し情報通信技術を用いて役務を有償で提供する活動が認められる一方、日本の機関との雇用契約等に基づく就労活動は認められない、と定められています。 出入国在留管理庁「在留資格『特定活動』(デジタルノマド)」

「滞在国の外の仕事はOK・滞在国内での就労はNG」という線引きは、これから紹介する各国のデジタルノマドビザにも共通する基本構造です。

一般的な条件は以下の通り。

項目 一般的な条件
仕事の形態 リモートワーク(滞在国外の雇用主・クライアント)
最低収入要件 月額2,000〜5,000ドル(国による)
滞在期間 6ヶ月〜2年
税金 国によって免税または課税
健康保険 民間の海外旅行保険加入が必須の場合が多い

日本人フリーランスにおすすめの国10選

ヨーロッパ

1. ポルトガル

項目 条件
ビザ名 Digital Nomad Visa (D8)
最低収入 月額約3,510ユーロ(約58万円)
滞在期間 最大1年(更新可、最長5年)
税制 NHR制度で10年間の税制優遇あり
申請難易度

リスボンは欧州のデジタルノマドの聖地として定着しています。温暖な気候、英語の通じやすさ、比較的安い生活費(西欧基準で)が魅力。NHR(Non-Habitual Resident)制度を利用すれば、海外源泉の所得に対する税率が優遇されます。

2. スペイン

項目 条件
ビザ名 Digital Nomad Visa
最低収入 月額約3,256ユーロ(約54万円)
滞在期間 最大1年(3年まで更新可)
税制 ベックハム法で所得税15%(最初の4年間)
申請難易度

バルセロナやバレンシアはコワーキングスペースが充実。「ベックハム法」と呼ばれる税制優遇で、スペイン国内の所得に対する税率が通常47%のところ15%になる特別措置があります。

3. エストニア

項目 条件
ビザ名 Digital Nomad Visa
最低収入 月額約4,500ユーロ(約74万円)
滞在期間 最大1年
税制 居住者には一律20%
申請難易度

e-Residencyプログラムで知られるエストニアは、デジタル行政の先進国。オンラインでほとんどの行政手続きが完結します。収入要件は高めですが、申請手続きはシンプル。

4. クロアチア

項目 条件
ビザ名 Digital Nomad Residence Permit
最低収入 月額約2,540ユーロ(約42万円)
滞在期間 最大1年
税制 滞在中の海外所得は非課税
申請難易度

アドリア海沿岸のドゥブロブニクやスプリットは物価が安く、生活の質が高い。最大の魅力は海外所得非課税という税制。日本のクライアントからの報酬にクロアチアの所得税がかからない。

東南アジア

5. タイ

項目 条件
ビザ名 Long-Term Resident (LTR) Visa / DTV
最低収入 年収約80,000ドル(約1,200万円)(LTR)/ なし(DTV)
滞在期間 最大10年(LTR) / 180日(DTV)
税制 LTRは海外所得非課税
申請難易度 高(LTR)/ 低(DTV)

バンコクやチェンマイは日本人ノマドに人気のエリア。2024年に導入されたDestination Thailand Visa(DTV)は収入要件がなく、比較的取得しやすいです。

6. マレーシア

項目 条件
ビザ名 DE Rantau Nomad Pass
最低収入 年収約24,000ドル(約360万円)
滞在期間 最大1年(更新可)
税制 海外所得非課税
申請難易度 低〜中

クアラルンプールは東南アジアの中でもインフラが整っており、英語が通じやすい。収入要件が比較的低いのも魅力です。

7. インドネシア(バリ島)

項目 条件
ビザ名 Second Home Visa / B211A
最低収入 口座残高約130,000ドル(Second Home)/ なし(B211A)
滞在期間 最大5年(Second Home)/ 180日(B211A)
税制 要確認(税制改正の議論中)
申請難易度

バリ島のチャングーやウブドは世界有数のノマドコミュニティが形成されています。専用のデジタルノマドビザの法案が議論されており、2026年中の導入が期待されています。

中南米

8. コスタリカ

項目 条件
ビザ名 Digital Nomad Visa
最低収入 月額約3,000ドル(約45万円)
滞在期間 最大1年(1年延長可)
税制 海外所得非課税
申請難易度

自然豊かな環境でリモートワーク。海外所得非課税で、申請手続きもシンプル。

9. コロンビア

項目 条件
ビザ名 Digital Nomad Visa (V Type)
最低収入 月額約3倍の最低賃金(約45万円)
滞在期間 最大2年
税制 183日未満は海外所得非課税
申請難易度

メデジンは「南米のシリコンバレー」とも呼ばれ、スタートアップとノマドのコミュニティが活発。物価が安く、生活費は月10〜15万円程度で快適に暮らせます。

アフリカ

10. 南アフリカ

項目 条件
ビザ名 Remote Work Visa(2026年導入予定)
最低収入 未確定
滞在期間 最大1年
税制 未確定
申請難易度 未確定

ケープタウンは世界のノマドランキングで常に上位に入る都市。2026年中にリモートワークビザの正式導入が予定されています。

日本の税金との関係(重要)

海外に住んでも、日本の税金の問題は消えません。日本の所得税法では、日本に住所がある場合または1年以上日本に住んでいる場合は「居住者」として全世界所得に課税されます。

この「居住者」かどうかの判定は、住民票の有無だけで機械的に決まるものではなく、生活の本拠がどこにあるかという客観的事実で判断される点に注意が必要です。

「居住者」とは、国内に「住所」を有し、または、現在まで引き続き1年以上「居所」を有する個人をいい、「居住者」以外の個人を「非居住者」といいます。ここでいう「住所」は「個人の生活の本拠」をいい、生活の本拠かどうかは客観的事実によって判定することとされています。 国税庁 タックスアンサー No.2875「居住者と非居住者の区分」

デジタルノマドとして海外に長期滞在する場合、以下の点を確認してください。

  1. 日本の住民票を抜くかどうか:住民票を残したままだと、住民税が課税され続けます
  2. 非居住者の判定:1年以上海外に滞在する場合は非居住者になり、日本の所得税は日本源泉所得のみ課税
  3. 二重課税の回避:租税条約のある国なら、二重課税を回避できる可能性があります
  4. 国民健康保険・年金:住民票を抜くと加入義務がなくなるが、将来の年金額に影響

税務の取り扱いは複雑なので、海外移住を検討する際は必ず税理士に相談してください。

デジタルノマド生活の現実

美しい海辺でラップトップを開く写真がInstagramに溢れていますが、デジタルノマド生活にはリアルな課題もあります。

時差の壁

日本のクライアントとやり取りする場合、ヨーロッパとは7〜8時間の時差があります。夕方のミーティングが深夜になるケースもあり、生活リズムの調整が必要です。東南アジアなら時差が1〜2時間で済むので、日本のクライアントが多い方にはおすすめです。

通信環境

コワーキングスペースなら問題ありませんが、カフェや宿泊先のWi-Fiは不安定なことも。eSIMやポケットWi-Fiの確保は必須。ビデオ会議が多い方は、バックアップ回線を用意しておくと安心です。

孤独感

@SOHOのお仕事ガイドでは、リモートワークのメリットとして場所の自由度が挙げられていますが、一方でノマド生活では「どこにも属していない感覚」に悩む人も少なくありません。現地のコワーキングスペースやノマドコミュニティに積極的に参加することが、精神的な安定につながります。

リモートワークの仕事内容・メリット・デメリットを詳しく見る

まとめ

デジタルノマドビザの選択肢は年々増えています。2026年は、収入要件が比較的低い東南アジアや中南米のビザが特に取得しやすくなっています。

ただし、ビザの取得はゴールではなくスタート地点。税務、保険、通信環境、時差など、実務面の準備を怠ると「自由な生活」どころか「不安だらけの生活」になりかねません。まずは1〜2ヶ月の短期滞在から試して、自分に合う国を見つけるのが賢明です。

なお、在留資格や課税区分の制度内容は改正されることがあります。最新の正確な情報は、出入国在留管理庁および国税庁の公式サイトで必ず確認してください。

よくある質問

Q. デジタルノマドビザで現地の会社に就職できますか?

基本的にできません。デジタルノマドビザは「国外の企業やクライアントから収入を得る」ことを前提としたビザです。現地企業で働きたい場合は、就労ビザを別途取得する必要があります。

Q. デジタルノマドビザの取得に保険は必要ですか?

多くの国でデジタルノマドビザやフリーランスビザを申請する際、一定額以上の補償限度額を持つ医療保険への加入証明書の提出が要件として義務付けられています。申請先の国が指定する条件を満たすプランを選ぶ必要があります。

Q. 日本の住民票はどうすればいいですか?

1年以上の滞在予定であれば、住民票を抜く(国外転出届を出す)のが一般的です。これにより国民健康保険や年金の支払義務はなくなりますが、一時帰国時の医療費負担などは全額自己負担となります。

Q. 英語が話せなくても海外テレワークは可能ですか?

生活するだけであれば翻訳アプリ等で凌げる場面も多いですが、ビザの申請手続きや賃貸契約、トラブル対応時には英語(または現地語)が必須となります。最低限、中級程度の英語力は身につけておくべきです。

Q. デジタルノマドに最も必要なスキルは何ですか?

専門スキルはもちろんですが、それ以上に「自己管理能力」と「コミュニケーション能力」です。対面でない分、報告・連絡・相談(ホウレンソウ)を徹底し、クライアントに不安を与えないことが、継続受注の絶対条件です。

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朝比奈 蒼

この記事を書いた人

朝比奈 蒼

ITメディア編集者

IT系メディアで編集・ライティングを担当。クラウドソーシング業界の動向やサービス比較など、客観的な視点での記事を執筆しています。

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