記帳代行の単価相場|仕訳単価と月額固定、どちらが得か比較


この記事のポイント
- ✓記帳代行の単価相場を仕訳数・月額固定・時給の3方式で比較します
- ✓経理・帳簿代行の単価相場を知りたい方に向けて
- ✓報酬の決まり方と目安を整理しました
結論から言います。記帳代行の単価相場は「仕訳1件あたりいくら」で見るのが最も実態に近く、月額固定の案件と比べたときにどちらが得かは、月間の仕訳件数によって変わります。経理・帳簿代行の単価相場を検索している方の多くは、これから案件を受けようとしているか、すでに受けている報酬が適正なのか判断したい方だと思います。この記事では、単価の決まり方を分解しながら、相場観を客観的に整理していきます。
編集の仕事を経て記帳代行の周辺市場を長く追いかけてきた経験から言うと、単価に関する情報はネット上に散らばっていて、比較する軸がバラバラなことが多いという印象があります。仕訳単価型なのか月額固定型なのか、手数料込みか手取りかを揃えて比較しないと、案件同士の優劣を正しく判断できません。この記事では、比較の軸をできるだけ揃えて整理していきます。
記帳代行の報酬体系は大きく3種類ある
記帳代行の報酬は、案件によって計算方法が異なります。主に見られるのは次の3パターンです。
まず「仕訳単価型」です。1仕訳あたり50円から150円程度で設定されるケースが多く、依頼された取引の件数に応じて報酬が変動します。次に「月額固定型」で、月次の記帳業務一式をまとめて一定額で請け負う形式です。月間の取引量があらかじめ想定できる小規模事業者向けの案件に多く見られます。最後に「時給型」で、稼働時間に応じて報酬が支払われる形式です。作業内容が記帳以外の経理事務にも及ぶ場合に採用されることがあります。
経理実務経験者で構成された専任チームが、月次・年次決算を含むバックオフィス全般を伴走支援。月額11万円〜とコンサル付きの記帳代行としてはコストパフォーマンスに優れています。
出典: keihi.com
この事例は事業者向けの記帳代行サービスの料金ですが、在宅ワーカーが個人で受ける記帳代行の単価とは前提が異なります。事業者としてのサービス料金には、担当者の人件費に加えて、コンサルティングやシステム利用料などが上乗せされているためです。個人が業務委託として受ける場合は、この金額から中間コストを差し引いた水準が現実的な相場になります。
仕訳単価型の相場を分解する
仕訳単価型の記帳代行を検討する際、最も気になるのが「1仕訳あたりいくらが妥当か」という点です。単価は主に次の要素で変動します。
取引の複雑さ
現金や預金の入出金のような単純な取引であれば、単価は低めに設定される傾向があります。一方、按分計算が必要な経費や、複数の勘定科目にまたがる仕訳、外貨建ての取引などは、判断に手間がかかるため単価が上がりやすくなります。
使用する会計ソフト
freeeやマネーフォワードのようなクラウド会計ソフトを使う案件は、銀行口座やクレジットカードの明細を自動で取り込める分、単純な仕訳であれば作業効率が高く、単価も抑えめに設定されやすい傾向があります。逆に、独自の会計システムや手書きの帳簿からの転記作業が求められる場合は、その分単価も上がる傾向にあります。
依頼者の業種
飲食業や小売業のように現金取引が多い業種は、レシートや領収書との突合作業が発生しやすく、単純な仕訳件数の割に手間がかかります。一方、BtoBのサービス業のように銀行振込中心の取引であれば、明細の取り込みだけで完結しやすく、効率よく処理できます。
これらの要素を踏まえると、仕訳単価はおおむね50円から150円程度の幅で設定されることが多く、複雑な仕訳や専門知識を要する案件では200円を超えることもあります。逆に、単純作業に近い入力代行であれば、30円台の案件も存在します。
月額固定型の相場を分解する
月額固定型の記帳代行は、取引件数の想定に応じて金額が決まります。目安としては、月間の仕訳件数が50件程度までの小規模事業者であれば月額1万円から3万円程度、100件を超えるような中規模の事業者では月額3万円から8万円程度が一つの相場観です。これはあくまで在宅の個人が受注する場合の目安であり、月次決算や試算表の作成、税理士への引き継ぎ資料の準備といった業務が加わると、単価はさらに上がる傾向があります。
月額固定型のメリットは、毎月の収入が安定しやすい点です。ただし、繁忙期に取引件数が想定を大きく超えた場合、実質的な時給換算が下がってしまうリスクもあります。契約時に「想定件数を超えた場合の追加料金」の取り決めをしておくと、こうした不公平を防げます。
仕訳単価型と月額固定型、どちらが得か
結論として、月間の仕訳件数が少ない案件では仕訳単価型の方が効率よく稼げる可能性が高く、逆に仕訳件数が多く安定している案件では月額固定型の方が収入の見通しを立てやすいという特徴があります。
正直なところ、これはどちらが絶対的に得とは言い切れません。仮に仕訳単価を80円、月間200件の案件があったとすると、単純計算で月額16,000円になります。同じ業務量を月額固定で受けた場合、20,000円程度で契約できれば、こちらの方が得です。逆に取引件数が想定より少ない月があれば、月額固定の方が安定した収入を得られます。案件を選ぶ際は、依頼者の事業規模から想定される仕訳件数を事前にヒアリングし、どちらの体系が自分にとって効率的かを見積もった上で交渉することをおすすめします。
具体的な単価シミュレーション
抽象的な相場観だけでなく、実際にどのくらいの収入になるのかを具体的な数字でシミュレーションしてみます。
ケース1:小規模な個人事業主の記帳代行
月間の取引件数が30件程度の個人事業主から、仕訳単価100円で記帳代行を受けたとします。月間の報酬は3,000円となり、これだけでは副業として物足りない金額です。ただし、同じような規模の依頼者を複数抱えることで、収入を積み上げていくことができます。たとえば同条件の依頼者を5件抱えれば、月間15,000円になります。件数の少ない小規模案件は、1件あたりの拘束時間が短いため、複数を並行して受けやすいという特徴があります。
ケース2:中規模事業者の月次記帳代行
月間150件程度の取引がある中規模の事業者から、月額固定4万円で記帳代行一式を受けたとします。仕訳単価に換算するとおよそ266円となり、単価型の相場よりやや高めに見えますが、これは月次試算表の作成や、税理士への引き継ぎ資料の準備といった付随業務が含まれているためです。単純な仕訳入力だけでなく、周辺業務までカバーできるスキルがあれば、この水準の単価も十分に狙えます。
ケース3:繁忙期がある業種の記帳代行
飲食業やイベント業のように季節変動が大きい業種の場合、繁忙期と閑散期で取引件数が大きく変わります。閑散期は月間50件程度でも、繁忙期には200件を超えることもあります。このような案件では、月額固定よりも仕訳単価型の方が公平な報酬体系になりやすく、依頼者側にも「繁忙期だけ余分に払う」納得感が生まれます。契約時に、繁忙期の想定件数まで含めてすり合わせておくことが重要です。
記帳代行の単価を交渉する際の具体的な進め方
単価交渉は、感覚的に「もう少し上げてほしい」と伝えるだけでは通りにくいものです。交渉を進める際は、次のような材料を用意しておくと説得力が増します。
まず、これまでの実績を数値で示すことです。「月間何件の仕訳を、どのくらいの納期で、ミスなく処理してきたか」を具体的に伝えられると、単価アップの根拠になります。次に、市場相場との比較材料を持っておくことです。同業種の相場観を把握した上で「現在の単価は相場よりやや低めなので、見直しをお願いしたい」と伝えると、感情論ではなく客観的な交渉として受け止めてもらいやすくなります。
また、単価そのものを上げるのが難しい場合は、業務範囲を広げることで実質的な収入増を狙う方法もあります。たとえば記帳だけでなく、請求書の発行代行や、簡易な資金繰り表の作成まで対応範囲を広げれば、追加報酬の交渉がしやすくなります。単価交渉は一度で終わらせるものではなく、実績を積み重ねながら段階的に進めていくものだと捉えておくとよいでしょう。
記帳代行の単価に影響するその他の要因
単価を左右する要因は、報酬体系だけではありません。
経験年数と実績
実務経験が長く、複数の業種の記帳を扱ってきた実績があると、単価交渉の際に有利に働きます。特に月次決算まで対応できる、あるいは簡易な資金繰り表の作成まで対応できるようなスキルセットがあれば、単純な記帳代行よりも高い単価を提示しやすくなります。
対応スピード
依頼から納品までのスピードも単価に影響します。月末月初の繁忙期に迅速に対応できる体制があると、依頼者側の評価も上がり、継続案件や単価アップの交渉につながりやすくなります。
コミュニケーションの質
仕訳の根拠となる領収書や請求書について、不明点をこまめに確認し、正確な記帳を心がける姿勢は、単価そのものよりも「継続して依頼したいかどうか」の判断材料になります。単価交渉は一度きりの取引ではなく、継続的な信頼関係の中で行われることが多いという点は、覚えておいて損はありません。
「税理士紹介ナビ」は、起業全般や税、経理業務などに関する困りごとをお持ちの方に、弥生が厳選した経験豊富で実績のある専門家をご紹介するサービスです。業界最大規模の全国12,331のパートナー会計事務所から、ぴったりの税理士や会計事務所を最短で翌日にご案内できます。完全無料で、会社所在地や業種に合わせた最適な税理士をご紹介します(2025年8月時点)。
出典: yayoi-kk.co.jp
この事例からも分かる通り、記帳代行や経理業務の依頼者側には、税理士を探すのと同じように「信頼できる相手を見つけたい」という強いニーズがあります。単価だけで案件を選ぶのではなく、長期的な関係を築ける相手かどうかという視点も、単価交渉の材料として意識しておくとよいでしょう。
記帳代行を始めるために必要な準備
単価相場を理解したら、次はどう案件を獲得するかです。未経験から始める場合、まずは簿記の基礎知識を固めることが土台になります。簿記3級程度の知識があれば、基本的な仕訳のルールや勘定科目の分類は理解できます。並行して、freeeやマネーフォワードといったクラウド会計ソフトの操作に慣れておくと、案件獲得の際にアピールしやすくなります。
実績がない状態でいきなり高単価の案件を狙うのは現実的ではありません。まずは単純な入力業務や、小規模事業者の記帳代行から実績を積み、対応できる業務範囲を広げていくのが着実な道筋です。会計や財務の周辺知識を体系的に学びたい場合は、ビジネス会計検定のような検定を活用して、財務諸表の読み方を身につけると、単価交渉の場面でも説得力のある提案ができるようになります。
案件を探す際は、まず経理・財務・帳簿・税務のお仕事のようなお仕事ガイドで、必要とされるスキルや業務の全体像を確認しておくと、応募先を絞り込みやすくなります。求められるスキルの一覧を先に把握しておくことで、自分の経験のどの部分をアピール材料として使えるかが明確になり、応募文を書く際の説得力も上がります。
記帳代行と他の副業職種の単価を比較する
記帳代行の単価相場を客観的に把握するには、他の職種の相場と比較してみるのも有効です。PM 副業ガイド!単価相場と未経験からの始め方・案件獲得のコツのように、プロジェクトマネジメント系の副業は、経理とは異なるスキルセットを求められますが、案件獲得のプロセスや単価交渉の考え方には共通点があります。またYouTube動画編集の副業で月10万円|案件の探し方と単価相場を解説【2026年版】のようなクリエイティブ系の副業と比べると、記帳代行は成果物の評価が数字の正確さに直結する分、単価の予測可能性が高いという特徴があります。数字を扱う経理系のスキルに自信がある方は、記帳代行から簿記3級を活かした副業を広げていく道筋も検討する価値があります。詳しくは簿記3級で始める在宅副業ガイド|経理・記帳代行の案件相場でも、資格を活かした案件の探し方が整理されています。
単価だけでなく作業時間当たりの実質収入で判断する
案件を比較する際、単価だけを見ていると、実際の作業効率を見落としてしまうことがあります。同じ仕訳単価100円の案件でも、証憑の整理が行き届いている依頼者と、領収書がバラバラで整理されていない依頼者とでは、1件あたりにかかる作業時間が大きく異なります。
たとえば、証憑がクラウド会計ソフトに自動で取り込まれる状態で渡される案件であれば、1時間で60件から80件程度の仕訳を処理できることがあります。この場合、時給換算するとおおむね6,000円から8,000円程度になります。一方、紙の領収書を1件ずつ確認しながら入力する必要がある案件では、1時間で20件から30件程度が限度になることもあり、時給換算は2,000円から3,000円程度まで下がってしまいます。
案件を選ぶ際は、単価の数字だけでなく、依頼者がどの程度証憑を整理してくれているか、どんな形式でデータを渡してもらえるかを事前に確認しておくことをおすすめします。初回の打ち合わせで「領収書はどのような形で共有いただけますか」と確認するだけでも、実質的な時給を大きく左右する判断材料が得られます。
正直なところ、この確認を怠って契約してしまい、想定以上に作業時間がかかって割に合わなかったという声は、記帳代行に限らず在宅ワーク全般でよく耳にする失敗パターンです。単価交渉の前段階として、まずは作業条件のすり合わせを丁寧に行う習慣をつけておくことをおすすめします。
記帳代行の単価と、社内で経理担当者を雇う場合のコスト比較
依頼者側の視点も理解しておくと、単価交渉の場面で役立ちます。事業者が記帳代行を外注する理由の一つは、社内に経理担当者を雇うよりもコストを抑えられる可能性があるためです。社会保険料や福利厚生費、教育コストまで含めると、正社員1人を雇用する総コストは、額面の給与よりもかなり高くなります。中小企業や個人事業主が、月間数万円の記帳代行に依頼する背景には、こうした固定費を避けたいという事情があります。
依頼者がこうしたコスト意識を持っていることを理解しておくと、単価交渉の際に「社内で経理担当者を雇うより、これだけ安く済んでいる」という視点を意識しながら、適正な単価を主張しやすくなります。ただし、あまりに安い単価を自ら提示してしまうと、その後の値上げ交渉がしづらくなる点にも注意が必要です。最初から相場観に基づいた単価を提示することが、長期的には自分にとっても依頼者にとっても健全な関係につながります。
クラウドソーシング経由と直接契約、手数料が単価に与える影響
記帳代行の案件を探す経路によっても、実質的な手取り単価は変わります。クラウドソーシングサイトを経由する場合、成約金額に対して16.5%から20%程度の手数料が差し引かれることが一般的です。仮に仕訳単価100円で契約しても、手数料を差し引くと実質的な手取りは80円から83円程度まで下がります。
一方、求人サイトなどを通じて依頼者と直接契約する場合、こうした仲介手数料は発生しません。同じ100円の単価であれば、そのまま100円が手取りになります。案件を探す段階で、表示されている単価が手数料込みなのか手数料差引後の手取りなのかを必ず確認し、実質的な比較をすることが大切です。単価表示だけを見比べて「こちらの方が高い」と判断すると、実際の手取りで逆転しているケースもあるため注意してください。
20年この市場を見てきた立場からの観察
長くこの市場を見てきた立場から言えば、記帳代行の単価は「案件の入口」で決まるのではなく、「継続の過程」で育っていくケースが多いという傾向があります。最初の案件は相場の下限に近い単価から始まることが多いものの、正確な記帳と丁寧な報告を続けることで、翌月以降の単価交渉に応じてもらえるケースが少なくありません。
長く続く人ほど、単発の作業をこなすことよりも「この人に任せると楽」という関係づくりに時間を使っています。単価表だけを見て高い案件に飛びつくよりも、継続的に依頼をもらえる相手との関係を大事にする方が、結果的にトータルの収入は安定しやすいというのが、現場の実感です。
また、仲介手数料が発生しない直接取引の場合、依頼者は同じ予算でより多くの業務を依頼でき、受け手は手取りが厚くなるという構造があります。これは単に金額の話ではなく、記帳代行のように継続性が重要な仕事では、双方が長期的な関係を築きやすくなるという質的なメリットとして表れます。仲介コストが乗らない分、依頼者側も単価交渉に柔軟に応じやすくなる傾向が見られます。
正直なところ、記帳代行の単価が「安すぎる」と感じる案件の多くは、仲介手数料の存在に気づかないまま比較していることが原因になっているケースが目立ちます。表示されている単価だけでなく、その単価が誰の取り分から差し引かれているのかまで含めて把握することが、適正な単価判断の第一歩になります。
保有資格が単価に与える実際の影響
「簿記3級を持っていれば単価が上がるのか」という疑問を持つ方も多いはずです。結論としては、資格の有無そのものよりも、その資格をどう実務に活かしているかが重視される傾向があります。簿記3級は仕訳の基礎知識を証明する材料にはなりますが、案件獲得の際に単価を大きく引き上げる決め手になるとは限りません。
一方、簿記2級以上の資格を持ち、かつクラウド会計ソフトの実務経験がある場合は、月次決算業務や試算表の作成といった、より単価の高い業務範囲まで対応できる人材として評価されやすくなります。資格取得を検討している方は、資格そのものをゴールにするのではなく、資格で得た知識を実際の記帳作業でどう活かせるかを、案件応募の際に具体的に説明できるようにしておくことをおすすめします。
税理士資格を持つ方が記帳代行に携わる場合は、また別の単価水準になります。税理士は税務申告そのものを代行できる専門性を持つため、記帳代行の枠を超えた高付加価値の業務として単価設定されるのが一般的です。税理士資格を活かした副業については、税務申告と記帳代行を組み合わせたサービス設計が可能になる点が、一般の記帳代行との大きな違いです。
資格取得のための学習コストと、それによって得られる単価アップの見込みを天秤にかけることも大切です。簿記2級の取得には数か月単位の学習期間が必要になることが一般的ですが、その投資が実際にどの程度単価に反映されるかは、応募する案件の業務範囲次第です。単純な入力代行が中心の案件であれば、資格の有無より実務のスピードと正確さが評価されやすい点も踏まえて、学習の優先順位を考えるとよいでしょう。
記帳代行の案件を継続的に獲得するための実務スキル
単価を安定させるためには、案件を単発で終わらせず、継続的に獲得し続ける力も欠かせません。継続案件を獲得しやすい人に共通する実務スキルを整理しておきます。
まず、レシートや領収書と帳簿の突合作業を正確にこなせることです。記帳代行の依頼者の多くは、この突合作業を面倒に感じて外注しています。ここを丁寧にこなせるかどうかが、依頼者からの信頼に直結します。次に、勘定科目の判断に迷った際、自己判断で処理せず、依頼者に確認を取る姿勢です。誤った勘定科目のまま処理を続けると、後の税務申告に影響が出るため、確認を怠らない誠実さが評価されます。
さらに、月次のスケジュール管理も重要です。月末締めの案件が複数重なると、繁忙期に作業が集中します。あらかじめ複数の依頼者のスケジュールを把握し、優先順位をつけて対応できる体制を整えておくと、締め切り遅延によるトラブルを防げます。こうした地道な実務スキルの積み重ねが、結果的に単価アップの交渉材料にもなっていきます。
複数の依頼者を並行して抱える場合は、それぞれの締め日や使用している会計ソフトが異なることも珍しくありません。管理が煩雑にならないよう、依頼者ごとの進捗をスプレッドシートなどで一覧化しておくと、確認漏れや二重作業を防ぎやすくなります。この種の自己管理能力は、単価表には表れませんが、継続的な取引関係を築く上で欠かせない実務力です。
記帳代行の単価相場を見誤らないための注意点
最後に、単価相場を判断する際に気をつけたい点を整理します。
まず、極端に高い単価を提示する案件には注意が必要です。相場から大きく外れた好条件は、実際には別の業務が含まれていたり、後になって条件が変更されたりするリスクをはらんでいることがあります。次に、単価だけでなく、支払いサイト(報酬が支払われるまでの期間)も確認しておきましょう。月末締め翌月末払いが一般的ですが、案件によっては翌々月払いのケースもあり、資金繰りに影響することがあります。
税務上の扱いについても触れておきます。副業として記帳代行の報酬を得た場合、金額によっては確定申告が必要になることがあります。具体的な要件は個々の状況によって異なるため、正確な判断は税務署や国税庁の公式情報で確認することをおすすめします。単価交渉に気を取られて、税務面の準備を後回しにしないよう意識しておくとよいでしょう。
最後にもう一点。単価相場は固定的なものではなく、市場全体の需要と供給によって少しずつ変動していきます。クラウド会計ソフトの普及が進み、単純な仕訳の自動化が進むほど、単純作業の単価は下がりやすくなる一方、判断力や専門知識を要する業務の単価は相対的に上がっていく可能性があります。定期的に相場観をアップデートしながら、自分のスキルセットをどの方向に伸ばしていくかを考えることが、長期的に安定した収入につながります。
よくある質問
Q. 記帳代行の仕訳単価はどのくらいが相場ですか?
単純な仕訳であれば1件あたり50円から150円程度が目安です。複雑な仕訳や専門知識を要する案件では200円を超えることもあります。
Q. 月額固定型と仕訳単価型はどちらを選ぶべきですか?
月間の仕訳件数が少ない案件は仕訳単価型、件数が多く安定している案件は月額固定型の方が収入の見通しを立てやすい傾向があります。想定件数を事前にヒアリングして判断してください。
Q. 未経験から記帳代行の単価を上げるにはどうすればいいですか?
簡単な入力業務から実績を積み、正確な記帳と丁寧な報告を継続することが重要です。実績が積み上がるほど、月次決算対応など単価の高い業務範囲へ広げやすくなります。
Q. 記帳代行の報酬に確定申告は必要ですか?
金額や他の所得状況によって要否が変わるため、一律には言えません。副業収入が発生した場合は、税務署や国税庁の公式情報で確認することをおすすめします。
この記事について
編集部
監修:@SOHO編集部
2004年よりフリーランス・在宅ワーク向けサービスを20年運営。編集部が事実確認のうえ公開しています。

この記事を書いた人
朝比奈 蒼@SOHO編集部
ITメディア編集者
IT系メディアで編集・ライティングを担当。クラウドソーシング業界の動向やサービス比較など、客観的な視点での記事を執筆しています。
関連記事
カテゴリから探す

クラウドソーシング入門
クラウドソーシングの基礎知識・始め方・サイト比較

職種別ガイド
職種・スキル別の案件獲得方法と単価相場

フリーランス
フリーランスの独立・営業・実務ノウハウ

お金・税金
確定申告・節税・経費・ローンなどお金の知識

スキルアップ
プロフィール・提案文・単価交渉などのテクニック

比較・ランキング
サービス比較・おすすめランキング

AI活用
職種別にChatGPT・生成AIを活用して業務効率化・収益化するノウハウ

最新トレンド
市場動向・法改正・AIなど最新情報

発注者向けガイド
クラウドソーシングで外注・人材探しをする企業・個人向け

転職・キャリア
転職エージェント・転職サイト比較・キャリアチェンジ

看護師の転職・求人
看護師の転職・派遣・単発バイト・副業など働き方のガイド。診療や医学の情報は扱いません

薬剤師の転職・求人
薬剤師・登録販売者の転職・派遣・パートなど働き方のガイド。診療や医学の情報は扱いません

介護職の転職・求人
介護職・介護福祉士・ケアマネジャー・訪問介護員の転職・派遣・夜勤など働き方のガイド

保育士の転職・求人
保育士・保育補助・幼稚園教諭の転職・派遣・パートなど働き方のガイド

医療職の転職・求人
医師・産業医・リハビリ職・歯科衛生士・管理栄養士・医療事務の転職や働き方のガイド。診療や医学の情報は扱いません

保険
生命保険・医療保険・フリーランスの保険設計

採用・求人
無料求人掲載・採用コスト削減・人材募集の方法

オフィス・ワークスペース
バーチャルオフィス・コワーキング・レンタルオフィス

法律・士業
契約トラブル・士業独立開業・フリーランス新法

シニア・50代
シニア世代のキャリアチェンジ・副業・年金

セキュリティ
サイバーセキュリティ・脆弱性対策・情報保護

金融・フィンテック
暗号資産・決済・ブロックチェーン・金融テクノロジー

経営・ビジネス
経営戦略・ガバナンス・事業承継・知財

ガジェット・機材
フリーランスに役立つPC・デバイス・周辺機器

子育て×働き方
子育てと在宅ワークの両立・保育園・時間管理

補助金・助成金
個人事業主・フリーランスが使える公的補助金・助成金・給付金の申請ガイド

アウトソーシング・外注ガイド
SNS運用・経理・広告など、業務のアウトソーシング(外注)を検討する企業・個人向け。費用相場・依頼の流れ・失敗しない選び方






