補助金 加点項目 2026

久世 誠一郎
久世 誠一郎
補助金 加点項目 2026

この記事のポイント

  • 補助金申請における加点項目の重要性と
  • その具体的な取得方法について解説した記事をアップデートしました
  • 公的機関の統計データや公式サイトへのリンク

補助金申請における加点項目の重要性と、その具体的な取得方法について解説した記事をアップデートしました。公的機関の統計データや公式サイトへのリンク、および専門家探しに役立つ情報を追加しています。

項目 内容 難易度・準備期間
① 経営革新計画の承認 都道府県知事から「新事業活動による経営の向上」の計画として承認を受ける 【中】
準備に1〜2ヶ月
② 大幅な賃上げの表明 国の基準(例:事業場内最低賃金+50円など)を上回る賃上げを従業員に表明する 【低】
すぐできるが財務リスクあり
③ DX・パートナーシップ関連の認定 「DX認定」の取得や、「パートナーシップ構築宣言」のポータルサイトへの登録など 【低〜中】
宣言系は即日〜数週間

これらの中から、自社の状況に合わせて2つ以上(できればすべて)を取得できれば、ライバルに対して圧倒的なアドバンテージを得ることができます。それぞれ詳しく解説します。

1. 最強のパスポート「経営革新計画」

私がコンサルティングに入る際、すべての経営者様にまずお勧めするのが、この「経営革新計画の承認」を取得することです。

経営革新計画とは何か?

「経営革新計画」とは、中小企業が新しい事業活動(新商品の開発、新サービスの提供、新しい生産方式の導入など)を行い、経営を向上させるための計画書を作成し、都道府県知事の承認を得る制度です。 実は、この計画書に書く内容は、「補助金の事業計画書に書く内容」とほぼ同じなのです。「新しい機械を入れて、こういう新商品を売り、〇年後にこれだけ利益を出します」というストーリーです。

中小企業庁の統計によると、経営革新計画の承認件数は令和6年3月末時点で累計105,240件となっており、全中小企業の約3%がこの制度を活用しています。

取得するメリットと準備のコツ

この承認を事前に受けておくと、ものづくり補助金などの審査において非常に大きな加点要素となります(※補助金の種類によって扱いが異なる場合があります)。「すでに都道府県知事から『この事業は素晴らしい』とお墨付きをもらっている」状態になるため、審査員への説得力が爆発的に上がります。詳細は中小企業庁の公式サイトで、最新の承認要件を確認できます。

【準備のコツ】 補助金の締め切り直前に「ついでに経営革新計画も出そう」と思っても、行政の審査に1〜2ヶ月かかるため絶対に間に合いません。補助金の公募が始まる前の「閑散期」に、商工会議所やコンサルタントの支援を受けながら、じっくりと計画を練り上げて承認を取っておくのが、勝つ企業のセオリーです。

2. 覚悟が問われる「賃上げ加点」

2026年現在、国が最も強く推し進めている政策が「賃上げ(給与アップ)」です。そのため、ほぼすべての補助金において、賃上げに関する加点項目(あるいは必須要件)が設定されています。

賃上げ加点の中身とリスク

代表的なのは、「事業場内最低賃金(社内で一番時給の低い人の給与)を、地域の最低賃金より+〇〇円以上にする」、あるいは「給与支給総額を年率平均〇%以上増加させる」といった計画を立て、それを従業員に書面で表明することです。

これは書類一枚作ればすぐに加点されるため、非常に手軽です。しかし、最大の罠は「約束を守れなかった場合のペナルティ」です。 もし補助金をもらった後に、「やっぱり業績が厳しくて賃上げできませんでした」となった場合、最余のケースではもらった補助金の返還を求められます。目先の点数欲しさに、会社の財務体力を超えるような無理な賃上げを約束するのは、経営者として絶対にやってはいけないリスク行為です。「本当にその賃上げをしても会社が回るか」、顧問税理士とよくシミュレーションした上で表明してください。

3. 意外と簡単な「宣言系(DX・パートナーシップ)」

最後は、比較的準備の手間が少なく、知っているか知らないかだけで差がつく「宣言系・認定系」の加点です。

パートナーシップ構築宣言

「パートナーシップ構築宣言」とは、大企業と中小企業が共に成長するために、下請け企業への不当な値引き要求などをせず、適正な取引を行うことを企業の代表者の名前で宣言し、国の専用ポータルサイトに登録する制度です。 これは、下請け取引のあるなしに関わらず、自社の取引方針をフォーマットに沿ってWeb上で宣言するだけで済むため、非常に簡単です。登録までに数日〜数週間かかりますが、パートナーシップ構築宣言ポータルサイトからオンラインで簡単に登録が可能で、これだけで加点対象となる補助金(ものづくり補助金など)が多いため、やらない手はありません。

DX認定

「DX認定制度」とは、経営ビジョンの策定やDX推進の体制整備など、国が定める基準を満たしている企業を経済産業省が認定する制度です。 IT導入補助金や、大型の設備投資補助金などで強力な加点項目となります。経済産業省のDX認定制度サイトには、申請に向けたガイダンスが詳しく掲載されています。「うちはIT企業じゃないから無理だ」と思われるかもしれませんが、製造業でもサービス業でも、「経営者がITを使って会社を良くする方針を明文化しているか」が問われる制度ですので、しっかり準備すれば取得は可能です。ただし、申請から認定まで1〜2ヶ月かかるため、これも事前の準備が必須となります。

補助金申請で「やってはいけない」加点項目の落とし穴

最後に、加点項目に関して経営者が陥りがちな「失敗パターン」を共有します。

失敗1:加点項目を取ることに必死で「本筋の事業計画」が疎かになる

いくら加点項目をフルコンプリートして「+10点」をもらっても、肝心の事業計画書(配点100点満点)の内容が薄っぺらければ、基本点が「30点」しか取れず、不採択になります。 加点項目はあくまで「ゲタ」です。まずは「誰に、何を、どうやって売り、いくら儲かるのか」というビジネスの背骨(事業計画書)を徹底的に磨き上げることが最優先であることを忘れないでください。

失敗2:期限に間に合わない「泥縄式の準備」

先ほどから何度もお伝えしていますが、加点項目の多くは「行政の審査や承認」を伴うため、申請から取得までに数週間〜数ヶ月のタイムラグが発生します。 補助金の公募が発表されてから「よし、経営革新計画を出そう」「DX認定を取ろう」と動き出しても、補助金の締め切りには100%間に合いません。補助金を勝ち取る企業は、半年も前から「来年の補助金に向けて、今のうちから加点項目を仕込んでおく」という中長期の視点を持っています。

加点項目の「組み合わせ戦略」で採択率を最大化する方法

補助金申請における加点項目は、単体で取得するよりも「複数を組み合わせる」ことで相乗効果を発揮します。実際、ものづくり補助金の採択結果を分析すると、加点項目を3つ以上取得している事業者の採択率は、無加点の事業者に比べて約1.5〜2倍高い傾向が確認されています。

効果的な組み合わせパターン3選

@SOHOで活躍するフリーランスや小規模事業者の方が補助金を狙う場合、以下の3パターンが最も費用対効果に優れています。

パターンA:王道型(経営革新計画+パートナーシップ構築宣言+賃上げ) 最もスタンダードかつ強力な組み合わせです。経営革新計画で「事業の革新性」を、パートナーシップ構築宣言で「取引の健全性」を、賃上げで「従業員還元の姿勢」をそれぞれ示すことで、審査員に対して「バランスの取れた優良企業」という印象を与えられます。準備期間は2〜3ヶ月見ておくと安心です。

パターンB:IT特化型(DX認定+経営革新計画+健康経営優良法人) IT導入補助金やデジタル化に関連する補助金を狙う場合に最適です。DX認定は技術面、経営革新計画は事業面、健康経営優良法人は組織面と、多角的な評価を得られます。

パターンC:手軽型(パートナーシップ構築宣言+賃上げ+えるぼし・くるみん認定) 時間がないが少しでも加点を増やしたい場合の組み合わせです。すべて「宣言・申請ベース」で取得可能なため、最短1ヶ月程度で揃えられます。

組み合わせ取得時の注意点

複数の加点項目を同時に進める際、最も気をつけるべきは「整合性」です。例えば、経営革新計画で「3年後に売上を50%増加させる」と書いておきながら、賃上げ計画では「給与支給総額は年1%増」としていると、計画間で矛盾が生じます。審査員はこの整合性を厳しくチェックしますので、すべての書類で「同じビジネスストーリー」を語ることが鉄則です。フリーランスや小規模事業者が個人で進める場合は、認定支援機関や商工会議所の経営指導員に整合性チェックを依頼すると安心でしょう。

見落とされがちな「隠れ加点項目」5選

メジャーな加点項目(経営革新計画・DX認定・パートナーシップ構築宣言)以外にも、実は知る人ぞ知る「隠れ加点項目」が存在します。これらは取得難易度が低いにもかかわらず、加点効果は侮れません。

1. 健康経営優良法人認定

経済産業省が運営する「健康経営優良法人認定制度」は、従業員の健康管理を経営的な視点で考え、戦略的に実践している法人を顕彰する制度です。中小規模法人部門は比較的取得しやすく、健康診断の100%受診や受動喫煙対策など、すでに多くの企業で実施している内容が評価対象になります。

健康経営優良法人2024(中小規模法人部門)の認定法人数は16,733法人となり、前年度から1,484法人増加しています。この認定は、人材確保や金融機関からの融資優遇など、補助金以外のメリットも大きい制度です。 出典: meti.go.jp

2. えるぼし認定・くるみん認定

厚生労働省が認定する「えるぼし認定(女性活躍推進)」と「くるみん認定(子育てサポート)」は、特に事業承継・引継ぎ補助金や事業再構築補助金で加点対象となります。従業員数が少ない事業者でも申請可能で、行動計画の策定と届出によって取得できます。

3. 知的財産権の保有

特許権、実用新案権、意匠権、商標権などの知的財産権を保有している、または出願中である場合、ものづくり補助金などで加点される場合があります。フリーランスのデザイナーやエンジニアであれば、自身の作品やサービス名で商標登録を行っておくだけで加点対象になることがあります。

4. 過去の補助金不採択経験者向けの再チャレンジ枠

意外に思われるかもしれませんが、補助金によっては「過去に同じ補助金で不採択になり、再申請する場合」に加点される枠が設定されていることがあります。「失敗から学んで改善した」という姿勢を評価する制度です。前回の不採択通知に書かれていたフィードバックを踏まえて改善点を明記すると、加点+説得力アップの一石二鳥になります。

5. サイバーセキュリティお助け隊サービス利用

中小企業向けのサイバーセキュリティ対策として、IPA(情報処理推進機構)が提供する「サイバーセキュリティお助け隊サービス」の利用も、IT導入補助金などで加点対象です。月額数千円〜数万円のサービス利用契約を結ぶだけで加点されるため、コスパは非常に高いと言えます。

フリーランス・小規模事業者が加点項目で勝つための実務ステップ

@SOHOを利用するフリーランスや小規模事業者の方にとって、補助金は事業拡大の大きなチャンスです。しかし「個人事業主だから加点項目なんて関係ない」と諦めてしまう方が多いのが現実。実際には、フリーランスでも取得可能な加点項目は数多く存在します。

ステップ1:自社の現状を「加点マップ」で見える化する

まずは、現在の自社が「どの加点項目を取得済みか/取得可能か」を整理しましょう。エクセルやノートに以下のような表を作成すると分かりやすくなります。

縦軸に「加点項目名(経営革新計画、DX認定、賃上げ、健康経営など)」、横軸に「現状(取得済み/未取得/不可)」「取得難易度」「準備期間」「優先度」を並べます。この作業を行うだけで、「あと2〜3個追加すれば加点項目を最大化できる」という具体的な道筋が見えてきます。

ステップ2:年間スケジュールを逆算して仕込む

補助金の公募は年に2〜4回行われるものが多く、公募開始から締切までは1〜2ヶ月程度しかありません。一方、経営革新計画やDX認定は申請から取得まで1〜3ヶ月かかります。つまり、補助金の公募が始まってから動き出すのでは遅すぎるのです。

おすすめは、毎年1月か4月に「今年取得する加点項目リスト」を作成し、四半期ごとに1つずつ計画的に取得していく方法です。例えば、1〜3月に経営革新計画、4〜6月にパートナーシップ構築宣言、7〜9月にDX認定、10〜12月に健康経営優良法人申請といったペースなら、無理なく1年で4つの加点項目を揃えられます。

ステップ3:商工会議所・認定支援機関の無料サポートを徹底活用

フリーランスや個人事業主が陥りやすい罠は、「すべて自分でやろうとして時間切れになる」ことです。多くの自治体や商工会議所では、加点項目の取得サポートを無料または低額で提供しています。中小企業庁の「認定支援機関制度」を利用すれば、税理士・中小企業診断士・商工会議所などの専門家から無料相談を受けられるケースも多数あります。

ステップ4:取得した加点項目は「営業ツール」としても活用する

加点項目の取得は補助金獲得のためだけでなく、自社のブランディングにも大いに役立ちます。例えば、「健康経営優良法人」のロゴをWebサイトや名刺に掲載することで、取引先や求職者からの信頼が高まります。@SOHOで案件を獲得する際にも、「DX認定取得済み」「経営革新計画承認企業」といった表記は、クライアントに対する強力なアピール材料となるでしょう。加点項目は「補助金が終わったら終わり」ではなく、長期的な事業資産として活用する視点を持つことが大切です。

よくある質問

Q. 補助金の返還を求められることはありますか?

不正受給はもちろんですが、補助金で購入した設備を一定期間(法定耐用年数など)内に、無断で廃棄したり、売却したりした場合は、残存期間に応じた補助金の返還を求められることがあります。

Q. 申請書の作成を専門家(行政書士やコンサルタント)に依頼すべきですか?

申請する補助金の規模によります。小規模事業者持続化補助金(最大50万円)であれば、商工会議所の無料サポートを活用しながら自力で書くことをお勧めします。専門家に依頼すると着手金で5〜10万円、成功報酬で受給額の10〜20%を取られるため、手元に残る金額が少なくなってしまいます。ただし、数百万〜数千万円規模のものづくり補助金などであれば、プロの支援を受ける価値は十分にあります。

Q. 赤字決算でも補助金は通りますか?

可能です。むしろ、「補助金を活用して赤字から脱却するV字回復シナリオ」が描けていれば、高く評価されるケースもあります。特に2026年度は、物価高騰の影響を受けている企業への「回復枠」が手厚くなっています。

Q. 2026年度の補助金はインボイス登録していなくても申請できますか?

はい、申請自体は可能です。ただし、インボイス発行事業者に転換する事業者に対しては、補助上限額が50万円上乗せされるなどの優遇措置があるため、登録済みの方が有利になるケースが多いです。

@SOHOで活用できる補助金・給付金を探す

@SOHOには全国4,000件以上の補助金・助成金情報と、教育訓練給付金対象の講座情報が集約されています。自分の事業・スキルに合った制度をまず探してみましょう。

@SOHOで関連情報をチェック

お仕事ガイド

年収データベース

資格ガイド

久世 誠一郎

この記事を書いた人

久世 誠一郎

元人材コンサル・中小企業支援歴25年

大手人材会社でコンサルティング部門を率いた後、中小企業の業務改善・外注戦略の支援に転身。発注者目線でのクラウドソーシング活用術を発信しています。

@SOHOで仕事を探してみませんか?

手数料0%・登録無料のクラウドソーシング。フリーランスの方も企業の方も、今すぐ始められます。

関連記事

カテゴリから探す

クラウドソーシング入門

クラウドソーシング入門

クラウドソーシングの基礎知識・始め方・サイト比較

職種別ガイド

職種別ガイド

職種・スキル別の案件獲得方法と単価相場

副業・在宅ワーク

副業・在宅ワーク

副業・在宅ワークの始め方と対象者別ガイド

フリーランス

フリーランス

フリーランスの独立・営業・実務ノウハウ

お金・税金

お金・税金

確定申告・節税・経費・ローンなどお金の知識

スキルアップ

スキルアップ

プロフィール・提案文・単価交渉などのテクニック

比較・ランキング

比較・ランキング

サービス比較・おすすめランキング

最新トレンド

最新トレンド

市場動向・法改正・AIなど最新情報

発注者向けガイド

発注者向けガイド

クラウドソーシングで外注・人材探しをする企業・個人向け

転職・キャリア

転職・キャリア

転職エージェント・転職サイト比較・キャリアチェンジ

看護師

看護師

看護師の転職・副業・フリーランス・キャリアガイド

薬剤師

薬剤師

薬剤師の転職・副業・キャリアパスガイド

保険

保険

生命保険・医療保険・フリーランスの保険設計

採用・求人

採用・求人

無料求人掲載・採用コスト削減・人材募集の方法

オフィス・ワークスペース

オフィス・ワークスペース

バーチャルオフィス・コワーキング・レンタルオフィス

法律・士業

法律・士業

契約トラブル・士業独立開業・フリーランス新法

シニア・50代

シニア・50代

シニア世代のキャリアチェンジ・副業・年金

セキュリティ

セキュリティ

サイバーセキュリティ・脆弱性対策・情報保護

金融・フィンテック

金融・フィンテック

暗号資産・決済・ブロックチェーン・金融テクノロジー

ガジェット・機材

ガジェット・機材

フリーランスに役立つPC・デバイス・周辺機器

子育て×働き方

子育て×働き方

子育てと在宅ワークの両立・保育園・時間管理

補助金・助成金

補助金・助成金

個人事業主・フリーランスが使える公的補助金・助成金・給付金の申請ガイド